わにと申します。よろしくお願いします。
以下の内容に必ず目を通してください。
- 指定のない限りすべてのポケモンは理想個体を想定します
- HP、攻撃、防御、特攻、特防、素早さをH、A、B、C、D、Sの略称で表記します
- その他わかる範囲の略称を用います
- ダメージ率はダメージ計算式をもとに計算しています
- ご質問、ご指摘はコメントにて受け付けます
- 育成論に関係のないコメント、無益だと判断したコメントは予告なく削除します
それでは考察に移ります。
型概要
トリックルーム始動要員兼炎タイプへのメタ枠として考案したドータクンです。
従来のトリックルーム始動要員としての役割に加え、特性耐熱と弱点保険によって呼ぶ炎タイプへのメタ性能と弱点保険発動後の高い対面性能を持ち合わせています。
サイクル構築よりも対面重視の構築に組み込むことで力を発揮する構成となっています。
ドータクンの基本スペック
- 鋼+超の準固有タイプと高めの耐久
メタグロスメガメタグロスと同じく、鋼・超の珍しい複合タイプを持ちます。
また、耐久寄りの種族値を持つため、カプ・テテフを筆頭に妖に対して深い役割を持つことができるのが特徴です。
- 特性:浮遊、耐熱の存在
どちらも受けるダメージに影響がある特性で、メタグロスメガメタグロスに対する大きな優位点となります。
相手視点で考えると「攻撃してみないとどちらの特性かわからない」という点が地味に強力で、実際は耐熱なのに浮遊を恐れて地面技を打てないという誤認を誘うことができます。
- トリックルームの習得
ドータクンは耐久が高い反面、鈍足低火力なので、後手に回ると相手の積み技や急所、追加効果等で簡単に崩されてしまいます。そこでトリックルームを展開することで、味方を補助しつつ、崩されるリスクを軽減することが可能です。
これもメタグロスメガメタグロスにはない大きな特徴です。
- 豊富なサポート要素
上述のトリックルームに加え、スリップダメージを稼ぐステルスロックや味方の無償降臨を演出できる大爆発を習得するため、味方をサポートする力に長けています。
- まとめ
以上のことから、特性込みの優秀な耐性と高めの耐久を生かしてトリックルーム等で味方を補助していく方向性が良さそうです。
ただ、先に述べた通りドータクンは後手に回ると弱いポケモンです。
火力も回復ソースもないためサイクルに組み込むとこちらが先に疲弊してしまいがちです。
そこで今回は、サイクル思考から対面思考にシフトし、先発トリックルーム展開もしくは死に出しからの切り替えし役としてのドータクンを考察してみたいと思います。
耐熱+弱点保険の構成
ドータクンというポケモンを対面思考で捉える上で重要になるのが特性と持ち物です。特性によって行動保証を、持ち物によって足りない火力を得ることを目指します。
今回は耐熱+弱点保険の組み合わせに注目してみました。
- 特性について
サイクルに組み込まなないのであれば地面技に受け出す機会が減ること、浮遊でなくとも不一致地面技なら余裕を持って耐える耐久があること、そもそも対面で地面技を打たれるリスクが少ないこと、相手の誤認を誘えること、本来大きく不利を取る炎に対して行動保証を得ることができること等から、対面思考の場合は耐熱の方が利点が多いです。
炎(メガリザードンYメガリザードンXメガバシャーモなど)+カプ・テテフの並びやアーゴヨンに対してかなり強くなるのも耐熱ならではの利点です。
あと、地味に火傷ダメージが1/32になります。
- 持ち物について
耐性、耐久が優秀なドータクンの対面性能を引き上げるためには火力を高めることが一番の近道といえます。火力アップアイテムを持たせたいところですが、今回はトリックルーム等の補助技を使いたいため、拘り系アイテムは除外。基本はあくまで味方のサポート役であるため貴重なZクリスタルを持たせるのもナンセンス。そこで今回は耐熱とも相性が良い弱点保険を持たせます。
この構成により、初手に炎タイプを誘ってトリックルームを展開、A+2大爆発で処理しつつトリックルームを後続に残すという独自の動きができるようになります。
(※ちなみに耐熱はタイプ上の耐性を加える特性ではなく、炎技のダメージそのものを半分にする効果なので、炎技を受けるとちゃんと「効果は、バツグンだ!」の表示がされ、弱点保険の効果もしっかり発動します。)
採用理由・差別化
- 採用理由
- 炎+妖の並びに対するメタ枠
- トリックルーム始動
- 一部積みエースストッパー
- 選出誘導
- 主な仮想敵
メガリザードンYメガリザードンXメガバシャーモウルガモスヒートロトムヒードランカプ・テテフカプ・コケコカプ・ブルルメガフシギバナウツロイドアーゴヨンメガボーマンダカイリュージャラランガガブリアスメガガルーラメガメタグロスメガゲンガーギルガルド(シールド)ゲッコウガパルシェン等
特性:浮遊の存在からメガボーマンダランドロス(霊獣)ガブリアス等を選出上牽制できるのも大きなポイントです。
こちらの技構成や相手の型によって厳しい相手も含まれますが、これらを呼ぶ構築の先発要員およびトリックルーム始動役としての採用が主となります。
- 差別化
耐性とトリックルームによって他との差別化は完了。
持ち物
- 弱点保険
今回のコンセプトその1。
発動後のジャイロボールや大爆発で大きな負荷をかけていくことができます。
特性
- 耐熱
今回のコンセプトその2。
持ち物との相性も良く、浮遊の存在のおかげで多くの対面で行動保証を得ることができます。
性格
生意気
必要数値(メガリザードンYの晴れ下オーバーヒート耐え)を実現するためDに上昇補正をかけます。また、ジャイロボールの威力を極力高めたいのでSに下降補正がかかる生意気で確定です。
調整
- 個体値
HABCD31、S0を想定
- 努力値
H244/A52/B140/C4/D68
- 実数値
H173/A116/B154/C101/D159/S34
- 主な調整意図
H:奇数最大値
HB:A187ドリュウズの地震耐え
HD:C211メガリザードンYの晴れ下オーバーヒート耐え
A:H197B151メガボーマンダの身代わりをA−1大爆発で破壊
S:最遅
C:端数
ダウンロード対策
先発運用を想定し、極力多くの攻撃を耐えるよう耐久ベースの配分にしました。
B方面は、浮遊だろうとお構いなく突っ込んでくる型破りドリュウズ意識。D方面は、呼ぶ特殊炎代表のメガリザードンYを想定しました。
ここまで耐久に回すとA142ミミッキュのZシャドークローやC244メガゲンガーのシャドーボールもほぼ耐えることができます。(詳しくは後述の耐久目安参照)
筆者は身代わりメガボーマンダに対する殺意の波動に目覚めているので、Aに少し回していますが、Bに振り切るとA207メガギャラドスのA+1地震を耐えるようになるなど利点があるので、ここからお好みで調整してください。
耐久目安
物理耐久指数:26642
A216メガボーマンダの捨て身タックル:32.3〜38.7% 確3
A216メガボーマンダの地震:61.8〜72.8% 確2
A200メガリザードンXのフレアドライブ:66.4〜78.6% 確2
A216メガメタグロスのアームハンマー:39.8〜47.3% 確3
A156ミミッキュのぽかぽかフレンドタイム:31.2〜36.9% 乱3
A156ミミッキュの影討ち:27.1〜32.3% 確4
A142ミミッキュのZシャドークロー:84.9〜100.5% 乱1
A187ドリュウズの地震:80.3〜94.7% 確2
A192ヒヒダルマ(命の珠)の力ずくフレアドライブ:82.6〜97.6% 確2
A200カプ・ブルル(拘り鉢巻)のGF下ウッドハンマー:57.2〜67.6% 確2
特殊耐久指数:27507
C211メガリザードンYの晴れオーバーヒート:84.3〜99.4% 確2
C244メガゲンガーのシャドーボール:82〜97.1% 確2
C172メガボーマンダのハイパーボイス:19〜22.5% 乱5
C172メガボーマンダの大文字:26〜31.2% 確4
C200カプ・テテフ(C+1)のPF下Zサイコキネシス:41.6〜49.1% 確3
C147カプ・コケコのEF下Z10万ボルト:79.1〜93.6% 確2
C179アーゴヨンのZ大文字:45.6〜53.7% 乱2
C167ジャラランガのブレイジングソウルビート:31.7〜37.5% 乱3
C167ジャラランガ(C+1)の火炎放射:31.2〜36.9% 乱3
C155ゲッコウガ(命の珠)の悪の波動:67.6〜79.7% 確2
物理・特殊ともにかなり高い耐久があることがお分かりいただけるかと思います。
ここに記載していないものは各自計算をお願いします。
技構成
- 確定技
トリックルーム
味方へ補助のほか、相手の積み技に対する切り替えしとして重宝します。
採用理由の一つでもあるため確定。
大爆発
トリックルーム展開後に後続を無償降臨させると同時に炎タイプへの役割破壊技でもあるため確定。ダメージ計算は弱点保険未発動のもの。
火力指数:29000
H197B151メガボーマンダ(威嚇込み):24.8〜29.4% 乱4
H153B131メガリザードンX:54.9〜64.7% 確2
H145B105カプ・コケコ:71.7〜84.8% 確2
H212B171カバルドン:30.1〜35.8% 確4
H147B87ゲッコウガ:85〜100.6% 乱1
- 選択技
ジャイロボール
主に妖に対する遂行技になりますが、大爆発でこと足りることも多いため選択肢。
選択肢の中では一番優先度が高い技です。
火力指数:26100(最大)
H207B120S125メガガルーラ:24.6〜28.9% 乱4
H167B115S200メガゲンガー:50.2〜59.8% 確2
H145B95S161カプ・テテフ:113.1〜133.7% 確1
H151B125S116ミミッキュ:60.9〜72.8% 確2
H148B93S190アーゴヨン:66.8〜79% 確2
地震
大爆発やジャイロボールの効き目が薄いヒードランギルガルド(シールド)等の鋼への打点となる技です。範囲の補完としてとても優秀な技です。
火力指数:11600
H167B170メガメタグロス:32.3〜38.3% 確4
H155B100メガバシャーモ:58〜68.3% 確2
H197B127ヒードラン:71〜85.2% 確2
H167B70ギルガルド(シールド)(剣):74.2〜88.6% 確2
H185B80ドリュウズ:59.4〜70.2% 確2
ステルスロック
一端引いて態勢を整えようとしてくるリザードンによく刺さる技です。
襷潰しなど後続の補助にもなります。流し性能も高いため撒くチャンスは多いです。
毒毒
ポリゴン2やクレセリア等の高耐久ポケモンと偶発対面してしまった際に持っていると便利な技。
この他、各種天候技、両壁など様々な補助技を覚えます。構築に合わせて適宜選択してください。
立ち回り
基本的に先発で繰り出します。炎、悪、霊タイプの攻撃を誘い、弱点保険+トリックルームで切り返していきます。
炎タイプとの対面で弱点保険+トリックルームを上手く展開すると、相手は大爆発を警戒します。霊や鋼タイプの選出が読める場合は安易に大爆発を選択せず、地震やジャイロボールで裏に負荷をかけるなどアドバンテージを失わないよう立ち回りを工夫しましょう。
トリックルーム始動要員の常ですが、挑発持ちには要注意です。先発で出てくるギャラドスやカプ・レヒレ、風船ヒードランあたりには素直に引くか、攻撃技から入ることをオススメします。
メガボーマンダアーゴヨンジャラランガカプ・テテフ等に対するストッパーとしても機能するので、相手の構築にこれら仮想敵がいる場合は後発から展開し、なるべくHPを温存するようにしましょう。
相性の良い味方
- カビゴンカビゴン
相性補完に優れるポケモンその1。
対面性能が非常に高く、トリックルーム下のアタッカーとして活躍してくれます。
腹太鼓やノーマルZで無双してやりましょう。
- ペリッパーペリッパー
相性補完に優れるポケモンその2。
トリックルーム下のアタッカーとなりつつ、雨パの並びが相手のメガリザードンYを初手に誘いやすい点でも非常に相性が良いです。
対面性能が高い突撃チョッキや火力重視の水Z、眼鏡型がオススメです。
- ラムパルドラムパルド
最近注目しているミミッキュで止まらないトリルアタッカー。ドータクンを使っていると、炎タイプ+ミミッキュの選出をよくされるのですが、トリックルーム+型破り+諸刃の頭突きでまとめてぶち抜くことができます。
炎タイプをドータクンで1:1交換に持ち込むことで、動きやすくなる鈍足アタッカーと基本的に相性が良いです。
また、キノガッサギルガルド(シールド)が重くなるので、残りのメンツでしっかり対策しましょう。
あとがたり
ここまでご覧いただき誠にありがとうございました。
今回は耐熱ドータクンの育成論となりましたがいかかだったでしょうか。
浮遊の方がメジャーですが、なかなか面白い動きをしてくれるポケモンだと思います。
本論を通じて耐熱ドータクンに少しでも興味を持っていただければ幸いです。