- 全編において常体を用い、また敬称を略す。
最初に
- 多少調べれば分かる程度の略称、用語を用いる。また、性格補正あり252振りを「特化」、性格補正なし252振りを「ぶっぱ」と呼称する。
- ダメ計についてはアプリ「究マネ」を使用した。
絶対的行動保証
ポケモンにおいて「素早さが高い」ということは、即ち相手より先に行動できる可能性が高いことを意味する。特にS実数値200以上──種族値にして130以上──ともなれば殆どのポケモンよりも速く行動が可能である。つまり、素早さが高いということは、即ち最低1回の行動が保証されているとも言える。こだわりスカーフというアイテムが強力とされる理由はここにある。本来相手より後から行動する可能性が高く行動保証の得られないポケモンが行動保証を確保できると考えると、優秀なアイテムであると分かるだろう。この論では、Sの高さによる行動保証を仮に「攻撃的行動保証」と呼ぶことにしよう。
「行動保証」というともう1つ思い浮かぶのは気合いの襷、頑丈、化けの皮である。相手の攻撃を確実に1発耐えて行動できるということがどれ程強いか、ということは今更筆者が語るまでもないだろう。こちらは仮に「守備的行動保証」としよう。
通常、この攻撃的行動保証と守備的行動保証はどちらか一方しか獲得できない。だが、極少数ながらこの2つの行動保証を両立できるポケモンがいる。今回取り上げるスカーフダゲキダゲキもその内の1体である。ダゲキは準速でもスカーフを持つことで最速135族と同速にまで素早さを上げ、攻撃的行動保証を得られる。また、頑丈によって守備的行動保証も完備している。スカーフダゲキを事前準備無しで1回も行動させずに倒すためには、
・メガミミロップの猫騙し→同速勝負に勝って攻撃
・オノノクスの特化スカーフ逆鱗
・スカーフ持ちが更に上から殴って全て怯ませる
の3パターンしか(筆者が思い付く限りでは)存在しない。オノノクスの特化スカーフ逆鱗以外の2つは運が絡むことを考えると、スカーフダゲキの行動保証の強さが伺えるだろう。言うなれば、スカーフダゲキはここまでの2つの行動保証の上位、絶対的行動保証を持つポケモンであると言えよう。
なんかワードチョイスが少し臭いのは気にしてはいけない
差別化
- フェローチェフェローチェ
非常に高いSによる攻撃的行動保証を持つ。襷を持つことで守備的行動保証を確保できる他、スカーフを持ち上を取ることをほぼ不可能にすることで攻撃的行動保証の弱点である「更に上から攻撃される」を強引に克服することも可能。両刀可能な種族値を持ち、技範囲もそこそこ広い。
ダゲキの優位点としては、岩技(めざ岩を除く)と叩き落とすが使えることが一番に挙げられる。襷型とは襷を他に回せる点も重要である。襷は競争率の高いアイテムなので、それを他に回せるというのはかなりの優位点だろう。少し細かい点にも触れるならば、メインウェポンの命中が安定している点やゲッコウガの水手裏剣5発で強行突破されることが無いこともあるだろうか。
- スカーフ頑丈トゲデマルトゲデマル
ダゲキと同じく、スカーフ+頑丈により絶対的行動保証を手に入れることができるポケモンである。ダゲキ以上の素早さを持ち、ダゲキでは一方的に不利を取るミミッキュに対して比較的有利を取れる。
差別化点としては技範囲の広さが挙げられるだろうか。トゲデマルが使える攻撃技は電気と鋼に偏っており、様々なタイプの技を扱えるダゲキの方が対応範囲が多少広い。電気と鋼の範囲もかなり優秀なのだが また根本的な話として、トゲデマルはアンコール・ほっぺすりすり・がむしゃら・ねこだまし等、打ち分けができた方が都合の良い技を多く覚えるためスカーフ自体トゲデマルにミスマッチ気味という節もある。実際の所あまり気にしなくてもいいだろう。
- カムラ/イバンダゲキダゲキ
スカーフと同じ素早さを手に入れたまま打ち分けが可能なカムラ型と、1回限りだがスカーフ以上の素早さで上から叩けるイバン型。どちらも比較的メジャーなダゲキの持ち物である。
両方に共通して、初速がスカーフ型の方が速いという優位点がある。コケコやメガゲンガーを対面から無傷で突破できるのはスカーフならではである。また、カムラ型とは引っ込んでもSが高いままでいられるという点、イバン型とはターン制限が無いという点でも差別化可能である。超絶地味だが緊張感や虫食いで封じられることがなかったりもする
性格・努力値
努力値はA252D4S252で確定、性格は意地っ張りと陽気の選択(意地っ張り推奨)。
頑丈のお蔭で耐久は気にしなくても良い点と火力が割とギリギリな点、出来るだけ相手の上から攻撃したいという点からAS特化の努力値を崩す理由は無い。また、余りの4はHPが奇数でないと発作で●んでしまう病気にかかっていない限りはDL対策としてDに振るのが最良である。Hに振って得する場面ははっきり言って無い。
性格については、135族と同速で充分速いことと火力確保のために意地っ張りを推奨する。が、陽気だとメガミミロップを確実に上から叩けたり、1舞最速メガギャラドス・準速スカーフカプ・テテフ・最速メガプテラフェローチェの上を取れるようになるため、一考の価値はある。
特性・持ち物
特性は頑丈、持ち物はこだわりスカーフで確定。前者はダゲキのアイデンティティーであり、後者は本論のコンセプトである。
技構成
連発できる安定した一致技としてインファイトは確定。レベル技である。
以下、残り3枠の技候補を列挙する。確定欄はインファイト/地震/ストーンエッジ/叩き落とすとしている。
- 地震
安定のサブウェポン。格闘と地面の技範囲の補完の良さは今更書く必要も無いだろう。技マシン。
- ストーンエッジ/岩雪崩
岩打点。火力を取るかマシな命中と怯みを取るかは個人で選択して欲しい。どちらも技マシン。
- 叩き落とす
こちらもお馴染みのサブウェポン。最早技の有用性は書くまでもあるまい。技マシン。
- 冷凍パンチ
氷4倍勢に対して。ダゲキは習得技がかなりオーソドックスなため逆に語ることが少ない。教え技。
ダゲキは3色パンチを全て教え技で覚えるが他2つは割愛。お好みでどうぞ。
- 毒づき
フェアリーに対して。カプ系全員に抜群を取れる唯一の技である。対テテフでは無振りに対しても最高乱数を引かないと倒せないため確2を取れる地震やエッジで充分だったりするのはここだけの話。技マシン。
- 起死回生
HPが少なくなってきたタイミングで出せばノーリスクの超火力をぶちとばせる。頑丈のお蔭で威力200の条件を満たしやすいのが良点。因みに、威力200起死回生はHB特化奇石ポリ2を超高乱数1発にできるぐらいの火力が出る。レベル技。
相性の良いポケモン
正直なところ、このポケモンは絶対的行動保証を盾に無理矢理相手を削る/倒すポケモンなので、「こいつと相性バツグン!」というものは無い。但し強いて言うなれば、頑丈潰しのステルスロックを非常に誘うのでステロに弱いポケモンと組むのはあまりお勧めしないことは挙げておこう。
また、パーティーにいるだけでステロを強く抑制できるマジックミラー持ちエーフィメガヤミラミはなかなか有効に働くだろう。この場合、相手にメガシンカしない可能性を考慮されやすかったり(アブソル)そもそも認知度自体低い(ネイティオ)と選出画面での抑制として働き辛いため、露骨に見せて行ったほうが良さそうだと筆者は個人的に考えている。
与ダメ計
頑丈で必ず1発耐えるという性質上披ダメを気にする必要があまり無いため、今回は目安程度の与ダメのみの記載とする。性格は意地っ張りで計算している。
ダゲキインファイト
→H252メガガルーラメガガルーラ
103.3〜123.2% 確定1発
→無振りFCロトムヒートロトムウォッシュロトム
82.4〜98.4% 確定2発
→腕白H244B236カビゴン(育成論サンムーン/33)カビゴン
78.9〜93.2% 確定2発
→HB特化奇石ポリゴン2ポリゴン2
59.7〜70.2% 確定2発
→無振りメガメタグロスメガメタグロス
50.3〜60.0% 確定2発
ダゲキ地震
→無振りカプ・コケコカプ・コケコ
96.6〜114.5% 乱数1発(81.3%)
→H252メガゲンガーメガゲンガー
87.4〜104.2% 乱数1発(25.0%)
→H252ギルガルド盾ギルガルド(シールド)
52.7〜62.3% 確定2発
→HB特化ドヒドイデドヒドイデ
43.3〜51.0% 乱数2発(2.0%)
ダゲキストーンエッジ
→H4霊獣ボルトロスボルトロス(霊獣)
104.5〜123.9% 確定1発
→サンダーサンダー
無振り……84.8〜100.6% 乱数1発(6.3%)
HB特化……49.7〜58.9% 乱数2発(98.4%)
→無振りカプ・テテフカプ・テテフ
53.1〜62.8% 確定2発
ダゲキ冷凍パンチ
→無振りガブリアスガブリアス
104.9〜124.6% 確定1発
→H212B44グライオン(育成論サンムーン/947)グライオン
83.6〜99.4% 確定2発
→H244メガボーマンダ(威嚇非考慮)メガボーマンダ
78.3〜87.6% 確定2発
ダゲキ毒づき
→H252カプ・ブルルカプ・ブルル
99.4〜117.5% 乱数1発(87.5%)
→H252カプ・レヒレカプ・レヒレ
49.7〜58.8% 乱数2発(98.4%)
編集後記
もう2月になってしまったが、2019年最初の投稿となった。如何だっただろうか。
スカーフ持ちというのは得てしてAS特化やCS特化になることが多いように感じる。となるとやはり耐久に不安が残ることが多く、スカーフ持ちが更に上からの1発でKOされたという経験はどのトレーナーでも1回はあるだろう。今回のダゲキの場合はその心配がほぼ無いので、割と扱い易いポケモンとなっている。そう考えると、スカーフダゲキは意外と初心者に向いたポケモンなのかも知れない、と筆者は考えている。まあ、7世代でのダゲキの入手がどう考えても初心者向けではないのだが。
余談だが、筆者は昔から空手を習っており、かつ昔坊主だった時期がある。ということで、実は筆者にとってダゲキは何かと親近感の沸くポケモンだったりもする。………どうでもいいな、うん。