はじめに
この育成論では、非公式である表現や略称表記を用います。また、登場するポケモンは全て理想個体を前提としています。(ハピナスを除く)
こんにちは、あんこと申します。
今回は受けループに採用するtodハピナスについての考察を行っていきたいと思います。
todとは
todはタイム・オーバー・デスの略でUSMでのレートなどの試合中に技や交換の選択時間が合計10分を超えると相手との優勢や劣勢が関係なく10分を超えた側が負けとなり試合が終わる仕組みのことです。
そして今回紹介するのがこのtodを利用して相手を詰ませることができるtodハピナスです。
なぜ受けルにtodハピナスを採用するのか
- 詰む前に詰ませる
受けループを使っている人はわかると思いますが、今のUSMの環境はZ技の存在や悪巧みアーゴヨンなどの高火力アタッカーのせいで、非常に受けループにとっては受け辛い環境になっています。
今までは物理アタッカーが来たらエアームドやグライオン、特殊アタッカーが来たらハピナスやラッキーを受け出しするだけで楽に勝てたりしたのですが、今では回復が追いつかなくなったり、悪巧みや剣の舞などで簡単に崩されてしまうようになってしまいました。もちろん悪巧みや剣の舞の対策として、エアームドには鉄壁、ラッキーやハピナスには瞑想、ドヒドイデには黒い霧などを持たせることはできますが、それでも挑発をされて行動を阻止されたりなど限界があると思います。
そこで採用されるのが今回紹介するtodハピナスです。このポケモンを採用することで、相手に積み技や挑発で詰まされる前にハピナスで積み技のない特殊アタッカーを捕まえ、詰ませることができるので、どんなに不利でも勝つ機会を得ることができます。
また、戦い方こそ違うものの、受けループ使用時に相手に詰まされる前に詰ませるという考え方は私が以前に投稿した砕ける鎧エアームド育成論サンムーン/1107にも当てはまります。参考程度にこの論も合わせて読んでくださると幸いです。
とおせんぼうが決まったあとの立ち回り
先にハピナスのとおせんぼうが決まったあとどのように動けばいいのかを説明したいと思います。
- 基本的にリサイクルを連打する
- HPが残り少なくなったら眠るを押す
- 相手のPPが残り少なくなったらなげつけるを選択し相手のPPを回復させる
この手順を相手よりも早くボタンを押せるようにして繰り返します。なお、こだわり系の持ち物を持っていてなおかつハイドロポンプなどのアイテムを使って増やさなければPPが5しかない技をうってきたポケモンなどに関しては、5ターンに1度なげつけるを選択しなければいけないのでかなり慎重に立ち回る必要があります。
採用理由
- 受けループが崩される前に詰ませる
先ほど「なぜ受けルにtodハピナスを採用するのか」の項で説明したように、相手にZ技や積み技などで崩される前に相手を詰ませるためにこのポケモンを採用します。また、このポケモンの技構成では特殊受けとして役割を果たすことは難しいので、このポケモンと一緒にラッキーなどの特殊受けを採用することをオススメします。
- クッション性能
ハピナスは非常にBが低いので、相手にtod戦法が刺さらないとわかった瞬間このポケモンは優秀なクッション用のポケモンへと早変わりします。また、相手の物理アタッカーのZ技を読んでこのハピナスを出すことによって相手のZ技を消費させることができ、物理受けで受けやすくすることもできます。
ハピナスに交換したターンに相手が攻撃してくれなかったりハピナスが耐えてしまうと起点にされかねないので注意しましょう。
- 差別化
このハピナスと同じ技構成にすることができるポケモンはベトベトン、ヤドラン、カビゴンなど多数がいますがこれらのポケモンとは高い特殊耐久によって差別化することが出来ます。
また、このポケモンと同じようにtodで相手を嵌められるポケモンとして影踏み癒しの波動ゴチルゼルがいますがこのポケモンは、耐久を利用してサイクルをまわしていく中で相手を捕まえるというより、こちらの育成論育成論サンムーン/740のように特性を利用して起点を作ってからtodで嵌めるということが多いので、差別化は容易です。
todハピナスの弱み
todハピナスはとにかく苦手な相手が多く、
物理アタッカー(叩き落とす)
超高火力特殊アタッカー
積み特殊アタッカー
挑発持ち
アンコール持ち(こだわりトリック持ち)
滅ゲン
身代わり持ち
ゴーストタイプ
などに対してなす術なくやられてしまいます。
また、せっかくハピナスに対して打点のないポケモンにとおせんぼうを当てられたとしも
蜻蛉帰りorボルトチェンジ
身代わり(身代わりが剥がれる前に相手のPPがきれます)
いのちのたま (倒すことはできます)
連続麻痺、連続氷
ほえる、ふきとばし
などによってハメられずに終わることが多いです。このポケモンを使う場合はこれらの弱点を補えるポケモンを味方に採用するといいでしょう。
特殊アタッカーにとおせんぼうを当てる方法
ここまでこのハピナスの強さなどを説明してきましたが、実際に相手がレートでハピナスに対して特殊アタッカーでつっぱって来ることはほぼないので、なかなかとおせんぼうを当てることが難しいです。そこで、ここでは特殊アタッカーにとおせんぼうを当てる方法を説明したいと思います。
- 1or2サイクル目で釣りだし交換をし、相手に読ませる
まず、受けループの1サイクル目か2サイクル目に特殊アタッカーとハピナスが対面するターンがあった場合、相手が物理アタッカーに交換することを読んで物理受けを繰り出すといういわゆる釣りだし交換をすることで、相手に「こいつは読んでくる」と思わせ、次のサイクルからこちら側が釣りだしをするか居座るかを相手に読まさせ、相手に択を仕掛けます。
すると殆どの場合どこかのターンで相手は釣りだし交換を読んでハピナスに対して特殊アタッカーでつっぱってきますので、そこにとおせんぼうを選択することができれば相手を詰ませることができます。
これは相当リスクがある立ち回り方ですし、相手に読み勝たなければいけませんが、とおせんぼうさえ当てることができればほぼ相手を詰ませることができるので、それに相応するメリットがあると言っていいと思います。
また、このハピナスは毒々に対応するために回復技を眠るにしなければいけないため、回復が追いつかなくなる前に早めに特殊アタッカーを捕まえる必要があります。
ちなみに相手がハピナスの特殊耐久を知らない場合ハピナスに対して特殊アタッカーで1ターン目からつっぱって来る可能性があるので、相手が極端な低レートの場合このハピナスを使用することはあまりオススメできません。
特性、性格、努力値、個体値、技構成について
- 性格、努力値、個体値
特性については天の恵みの効果がないのと汎用性を考えて自然回復で確定とします。
努力値についてはこのポケモンは相手の特殊アタッカーの攻撃を他のハピナスよりも受けることが多いのと、れいとうビームで凍り続けてしまった場合のために性格おだやかのHD252振りで確定とします。
残りは他に振る場所がないので私はレートで見たことがありませんが無振りダルマモードや無振り通常デンリュウとの素早さの上下関係をハッキリさせ動きやすくするためにSに振ります。
また、ハピナスのなげつけるの威力を抑えるためにハピナスのAの個体値は0で確定とします。
- 技構成
今回の戦法では技構成が
とおせんぼう 眠る なげつける リサイクル
でなければいけないのでこれで確定です。
相手を生き残らせる手段としてなげつける以外にも相手の悪あがきのダメージ回復させる癒しの波動がありますが、悪あがきは物理技であるためこの技を採用するとハピナスでは受けきれなくなってしまう可能性があります。
ハピナスのなげつけるを相手は耐えられるのか
ここまでこの論を読んでいる人の中でこのポケモンは相手のPP回復手段になげつけるを使っているから、相手は削れて倒れてしまうのでは。と思う人もいるかと思います。
そこでハピナスでとおせんぼうを当てることができた相手がPPを増やしていない耐久無振り変幻自在スカーフゲッコウガだった。というケースで考えてみましょう。
まずは相手の残り時間をすべて削るのに必要なターン数の話。
このゲッコウガにとおせんぼうが当てることができたのが相手の残り時間が9分30秒だった時として、相手の技の選択時間が平均1.5秒だったとします。この場合相手の残り時間をすべて削るためには380ターン必要です。
ではゲッコウガのダメージの話。
相手はPPを増やしていないハイドロポンプを選択したとして、ゲッコウガのPPが0になるのを防ぐためには5ターンに1度なげつけるを選択する必要があります。つまりこの対面の場合ハピナスはゲッコウガに76回になげつけるをしなければいけないわけです。
そしてハピナスのゲッコウガへのなげつけるのダメージ計算がこちらです。
ダメージ 1〜2
割合: 0.6%〜1.3%
ダメージ計算では1〜2と表記されておりますが、なげつけるが最高乱数で当たらない限り2ダメージにはならないのでこのことから、とおせんぼうを当てた相手がPPを増やしていない耐久無振り変幻自在スカーフゲッコウガだった場合のケースだったとしても、相当運が悪くない限りtod戦法を仕掛けられることがわかります。
ダメージ計算(被ダメのみ)
- VSメガリザードンY
252メガリザードンY 晴れ大文字
26.5%〜31.4% 確定4発
252メガリザードンY 晴れオーバーヒート
31.4%〜37.2%
252メガリザードンY 晴れニトロチャージ
19%〜22.6% 確定5発
晴れはじめたあとすぐ眠るをした場合大文字2回とオーバーヒートをされると乱数でおちてしまいます。それさえ耐えればあとは比較的楽に立ち回ることができます。
- VSカプテテフ
特化カプテテフ フィールド下サイキネ
20.7%〜24.3% 確定5発
特化カプテテフ フィールド下眼鏡サイキネ
30.6%〜36.4% 乱数3発 (56.7%)
252カプテテフ フィールド下眼鏡サイキネ
28.1%〜33.4% 乱数3発(0.1%)
基本的にサイコショック持ちかHPが削れてる状態で控えめ眼鏡が来なければ大丈夫です。Z持ちだった場合でもフィールドのターン数の関係で耐えることができます。カプZ持ちは無理です。
- VSカプ・レヒレ
特化レヒレ ハイドロポンプZ
22.6%〜26.7%
カプZ持ち、挑発持ち、瞑想持ちは無理です。
自然の怒り2回+ハイドロポンプZが若干怪しいですが有利な乱数ではあるし外しも期待できるので大丈夫そうです。
- VSアーゴヨン
特化アーゴヨン 流星群 19.3%〜23.2%
特化アーゴヨン 流星群Z 29.2%〜34.8%
悪巧みが62%、蜻蛉返りが11%もいるのでほんとに負けそうな相手に対してワンチャンを狙いたい場合に捕まえるとよさそうです。
- VSポリゴン2
ポリゴン2 イカサマ 9.3%〜11%
ポリゴン2 からげんき
33.1%〜39.2% 乱数3発
一番のカモ…と言いたいところですがアヒルです最近空元気ポリ2に当たったのでダメージ計算をのせてみました。とはいっても採用率はかなり低いので気にしなくて大丈夫です。
- VSカプコケコ
臆病カプコケコ
フィールド下10万Z 29.2%〜34.8%
カプZ持ちは無理です。蜻蛉返り持ちやボルトチェンジ持ちも合わせて70%ぐらいいるので相手のパーティが相当きつかった時に壁貼り型を祈りながら捕まえましょう(受けルに壁貼り型が来るのかは別として)
- VSヒードラン
特化ヒードラン
オーバーヒート 19.8%〜23.4%
こいつもなかなかのゴキブリカモです。大抵のハピナスは基本的にヒードランに対して有効打がなく、相手は毒守ヒードランでハピナスを無理やり見てこようとしてくるので非常に嵌めやすいです。まさにゴキブリホイホイ
また、身代わり持ち(17%)は嵌めることはできませんが倒すことならできます。
- VSゲッコウガ
特化ゲッコウガ ハイドロポンプ
14.3%〜17.4%
特化ゲッコウガ れいとうビーム(変幻自在)
11.6%〜14%
特殊型はれいとうビームで相当連続で凍らない限りは大丈夫だと思います。
ダストシュート持ちが28%いるのが若干怖いところ。
ダメージ量の目安としてシングルの使用率トップ30のポケモンのうち嵌めれそうなポケモン8体のダメージ計算を表記してみました。何か間違いがあったらご指摘下さると幸いです。
使用感など
ここまでtodハピナスの紹介をしてきましたが、私もこのポケモンを使った時もそうだったように実際にこのポケモンを使ってみるとまずこのポケモンに対して「弱い」という感想をもつかと思います。
私がこのポケモンを選出した時は、せっかく釣りだし交換などの工夫をして特殊アタッカーにとおせんぼうを当ててもボルトチェンジで逃げられたなんてことも何回もありましたし、そもそも特殊アタッカーにとおせんぼうを当てられなかった試合も多くありました。さらに、この戦法がもし決まったとしても相手が降参しなければ大幅な体力と時間を消費することになるので非常に使ってて辛いですし、ボタン早押し対決で勝ったとしてもなんの達成感もないです。
それでも今回このポケモンを紹介したのは実際にこのポケモンを使っていた時にこのポケモンのおかげで絶対勝てないと思っていた相手に対して何回も勝つことが出来たからです。
今の環境で受けループのパーティを使っているとどうしても倒せないポケモンというのは多数でてきてしまいますが、それらのポケモンを一切対策することなく相手にワンチャンを残すことができるのはこのポケモンにしかできない大きな利点です。
他のハピナスのように完全な特殊受けとしては役割は果たせませんがぜひ受けループのパーティに1枠余ったら相手にワンチャンを残す枠としてこのポケモンを採用してみてください。
終わりに
いかがだったでしょうか。
今回はサンムーンから対戦の仕様がかわりできるようになったボタン早押し対決tod戦法を紹介するべくこの育成論を書いたのですが、このハピナスは独特すぎる強さを持っているせいでかなり書くのに時間がかかってしまいました。
書き終わった今でもこの育成論に対して自信がないので修正するべき点や表記ミスなどがあればばんばんコメントで教えていただきたいです。
最後まで見ていただきありがとうございました。