- 全編において常体を用い、また敬称を略す。
最初に
- 多少調べれば分かる程度の略称、用語を用いる。また、性格補正あり252振りを「特化」、性格補正なし252振りを「ぶっぱ」と呼称する。
- ダメ計についてはトレーナー天国のツールを使用した。
特長
オノノクス(以下オノノ)の特性・型破りは、相手の特性を無視して攻撃出来るというものである。オノノの場合、ミトム・ヒトムの浮遊を無視して地震で倒したり、カイリューのマルチスケイルを貫通して逆鱗1発で葬ったり、ジバコイルの頑丈を破壊して地震で1発KOしたりできる。中でも重要なのは、ミミッキュの化けの皮も無視出来るという点。オノノはミミッキュよりも速いため、上からアイアンテール1発で倒すことが出来る。そのため、1部では「ミミッキュキラー」と呼ばれていたりする。
本論ではスカーフ型を考察していく。これによって準速スカーフ110属まで抜けるようになり、スカーフ以外のカプ・コケコ、スカーフカプ・テテフ、準速S1段階上昇メガリザードン、フェローチェ等を上から殴ることができる。中々止まらない相手をA147からの高火力攻撃技で倒したり、終盤に高い素早さから一気に相手を殲滅したり出来るのが出来るのがスカーフ型の長所である。地震とアイテを持つことで、コケコやテテフに対面有利を取れるのも見逃せない。
差別化
「型破り持ちでミミッキュ・コケコ・テテフに対面有利を取れる高火力アタッカー」と言うと、他にドリュウズ(以下ドリュ)が当てはまる。耐性10(内無効2)弱点4という優秀な耐性を盾にした受け出し性能を持ち、命中安定の一致技により上3体との対面がより安定し、更に型の多さも相まって相手の選出を縛りやすいと、中々の強敵である。
しかし、こちらにも優位点はある。以下に列挙する。
- 素早さ
ドリュのS種族値は88、一方のオノノは97である。両者最速スカーフの場合、この間には準速1破後パルシェン(オノノと同速)、準速スカーフラティ兄妹、最速スカーフテテフ、最速スカーフ霊獣ランドロス、準速1加速メガサメハダー、準速スカーフガブリアス(ドリュと同速)等がいる。
ドリュは、以上に挙げたポケモンの内、ラティ兄妹と気合玉を持たないテテフ以外には一撃で倒される。一方オノノは、これら全てを上から一撃で殴り倒すことが出来る………、威嚇なしでも逆鱗を耐えるランドを除いては。但し威嚇込みでもランドは逆鱗で超高乱2なので結局殴り勝てる(逆鱗を持っていない限り)。
- 一致逆鱗
竜技は半減以下が全タイプ中最少タイの2タイプであり、比較的一貫を取りやすい。それをA147からタイプ一致威力120として放てるのは大きい。
また、この技によって、スカガブ、準速1舞メガリザX、準速スカーフサザンドラ、最速1舞カイリュー、メガボーマンダ等のメジャーなドラゴンタイプを上から1発KO出来る。これらのポケモンはドリュでは1発で倒せず、返り討ちに合う可能性が極めて高い。
- ミトム・ヒトムへの後出し性能
ドリュの場合、ミトム・ヒトムは型破りで一致弱点を突けるものの、ミトム・ヒトム側からもまた一致弱点を突いてくる。そのため、後出しにはかなりのリスクが伴う。一方オノノは、ミトム・ヒトムの一致技を両方半減に抑えられるため、安定して後出しすることが出来る。鬼火には怯えなくてはいけないが、それはドリュも同じである。
長くなってしまったが、一言で言うならば安定性のドリュウズ、爆発力のオノノクスといった所だろう。
性格・努力値
陽気A252D4S252。THE・テンプレである。
S特化すると、準速雨下メガラグラージ、準速晴れ下ウツボット、準速1破後パルシェンと同速勝負を繰り広げられる。準速スカガブや準速以下のメガリザも考えると素早さを落とすのはあまり良いとは言えない。火力は最大限出すためAぶっぱする。余りはHBDどれかに適当に振ればいい。筆者はH偶数が気持ち悪かったので、より低いDに気休めとして振った。
特性
型破り1択。化けの皮を無視してミミッキュを落とせるというオノノクス最大(といっても過言ではない)の長所を特性を変えることで自ら潰すのは論外である。
持ち物
本論ではこだわりスカーフ型を考察する。
ミミッキュ・コケコ・テテフに対面有利を取れるという観点では他に襷やロゼルが候補に上がる。これらとの差別点としては終盤の制圧力が挙げられる。先程ドリュとの差別化としてS97を挙げたが、素早さインフレの起きている現環境においては微妙な素早さである。スカーフであればその素早さをカバーし、終盤に上から相手を一掃する、という運用が可能となる。
また、襷について言えば、ステロ等で潰されてしまうと途端にコケコやスカテテフに対して不利になってしまう。スカーフであればそのようなことが無い、というのも優位点の1つである。
勿論、襷やロゼルも有用なアイテムである。襷型については他に育成論が投稿されているため、是非参照して欲しい。
技構成
最大火力の逆鱗(レベル技)、コケコへの遂行技地震(技マシン)、ミミッキュ、テテフへの遂行技アイアンテール(ココドラ系統等からの遺伝技)の3技は確定。
以下、ラスト1枠の候補技を列挙する。
- ハサミギロチン
オノノが使えば特性が頑丈だろうが問答無用で処刑可能。どんな局面でもワンチャン残せるというのは大きい。確定欄にはこれを据える。レベル技。
- 岩石封じ
交代読みで打って後続のサポートをしたり、相手のS上昇積み技を邪魔したりと、何かと使える。勿論岩4倍弱点勢への打点にも。技マシン。
- 岩雪崩
こちらは純粋な岩4倍勢への打点。因みにストーンエッジは何故か覚えない。技マシン。
- 毒突き
ブルルやレヒレ、アシレ等への打点。持てば守り神キラーを名乗れるレベルである。最も、これでもレヒレアシレは確2の為引いた方がいいのだが。因みにこの技だとテテフは低乱数である。技マシン。
- ドラゴンクロー/ダブルチョップ
行動を縛られない一致攻撃技。ただし火力が足りない。レベル技。
運用
運用法は他のスカーフアタッカーとさして変わらず、有利な相手に投げて攻撃、不利になったら裏に交代というシンプルなものである。但し耐久は並以下のため、投げるタイミングは慎重に図らなければならない。出来るだけ半減出来る技に投げて行きたいところだ。
尚、ミミッキュ・コケコ・テテフは共通して襷、コケコにおいてはシュカも環境に一定数存在する。どんなポケモンにも言えることではあるが、対面有利とはいえ100%倒せるとは限らない、ということは留意するべきだ。
相性のいいポケモン
筆者はパーティー構築が苦手であるため、月並みなものしか挙げられないが、そこはご了承願いたい。以下、列挙する。
- ギルガルド
筆者が使用しているポケモン。オノノの弱点を全て半減でき、テテフに更に強くなる。ガルドからオノノへの引きはあまり宜しくないのが難点か。
- テッカグヤ
こちらはオノノの弱点を氷以外半減でき、カグヤの弱点を全てオノノでカバーできる。宿り木搭載ならオノノの体力確保にも一役買ってくれる。
- メガフシギバナ
筆者が使用しているポケモンその2。苦手なレヒレアシレに対する安定した回答になる。宿り木で体力サポートも可能。
他に良いポケモンがいたらコメント欄で御教授願いたい。
ダメ計
既に論が大分長くなってきているため、少なめに記載する。
- 与ダメ
逆鱗
→H4メガリザードンY
89.6%〜105.8% 乱数1発 (37.5%)
→H4霊獣ランドロス(威嚇込み)
49.6%〜58.7% 乱数2発 (98.4%)
→H4ガブリアス
128.2%〜151% 確定1発
→H252メガボーマンダ
90%〜106.9% 乱数1発 (37.5%)
地震
→H4カプ・コケコ
98.6%〜116.4% 乱数1発 (93.8%)
→H252メガゲンガー
89.8%〜106.5% 乱数1発 (37.5%)
→H252ギルガルド盾
53.8%〜63.4% 確定2発
→HB特化ミトム
56%〜66.2% 確定2発
アイテ
→H4ミミッキュ
114.5%〜135.8% 確定1発
→H4カプ・テテフ
108.2%〜128.7% 確定1発
岩封
→H252B100メガリザードンY(ガブの岩封確定耐え)
88.6%〜105.9% 乱数1発 (31.3%)
岩雪崩
→H252ウルガモス
139.5%〜164.5% 確定1発
毒突き
→H252カプ・ブルル
101.6%〜119.7% 確定1発
→H252アシレーヌ
68.4%〜81.2% 確定2発
→H4カプ・テテフ
86.3%〜102.7% 乱数1発 (18.8%)
- 被ダメ
霊獣ランドロスの特化地震
73.5%〜87.4% 確定2発
バシャーモの特化飛び膝蹴り
84.1%〜99.3% 確定2発
メガボーマンダの特化捨て身タックル
105.9%〜125.1% 確定1発
メガギャラドスのぶっぱ氷の牙
60.9%〜72.8% 確定2発
ミミッキュの特化じゃれつく
96.6%〜115.2% 乱数1発 (81.3%)
マンムーのぶっぱ氷の礫
51.6%〜60.9% 確定2発
カプ・コケコのぶっぱ10万ボルト(エレキフィールド下)
40.3%〜47.6% 確定3発
メガリザードンYのぶっぱ火炎放射(晴れ下)
58.2%〜68.8% 確定2発
ギルガルドの特化シャドーボール
72.1%〜86% 確定2発
カプ・テテフの特化サイコキネシス(サイコフィールド下)
111.2%〜131.1% 確定1発
ポリゴン2の無振り冷凍ビーム
62.2%〜74.1% 確定2発
カプ・レヒレの無振りムーンフォース
88.7%〜107.2% 乱数1発 (37.5%)
ゲッコウガ(変幻自在)のぶっぱ冷凍ビーム
115.2%〜136.4% 確定1発
不足があれば各自で補完して貰いたい。
編集後記
如何だっただろうか。前回の奇形害悪とは打って変わり、今回はシンプルなアタッカーの考察となった。
前作まではスカガブとの差別化に苦心していたスカオノノだが、今作からは「ミミッキュキラー」という立ち位置を獲得しスカガブとの差別化が容易になったのは朗報である。今度は同じミミッキュキラーのスカドリュとの差別化を強いられるようにはなったものの、上記したように意外と差別化出来ているものである。そのポテンシャルを評価されてこそ、シーズン4スペシャルレート使用率トップの座に輝いているのであろう。
オノノクスをシングルでもより見かけるようになると、今回久々に筆を取った甲斐があるものである。