はじめに
この育成論では、非公式である表現や略称表記を用います。また、登場するポケモンは全て理想個体を前提としています。
抜きエースとしての襷ニトチャ型ズガドーンを考察します。
ズガドーンの強み弱み
ズガドーンは、今作USMで新たなウルトラビーストとして登場した炎・ゴーストタイプのポケモンです。ズガドーンのデータを見てみると、以下のような強みと弱みがあることを読み取れます。
〇強み
- 1.高いC種族値
ズガドーンのC種族値は、禁止ポケモン・メガ進化ポケモンを除くとデンジュモクに次ぐ第2位の151で、特殊アタッカーとして非常に強い性能を誇ります。
- 2.等倍範囲の広い一致タイプ
ズガドーンの一致タイプである炎・ゴーストタイプは、2つでの等倍範囲が広く、多くの敵に等倍以上をつくことができます。
また、マッハパンチ・真空波・神速が無効、バレットパンチ・氷の礫が半減であることは、低耐久アタッカーとして重要な点です。
- 3.ビックリヘッド
ビックリヘッドは威力が150もあるため、相手の受けを許さない高火力、具体的にはH振り輝石ポリゴン2に確定2発を取れる程の火力を出すことができます。その性質上連発が憚られやすいのは難点ですが、安易な受けを抑制できるというのはこのポケモンの大きな個性でしょう。
- 4.ビーストブースト
ズガドーンは多くの場合ビーストブーストでCが上がるため、相手を1体倒すことで抜き性能に拍車をかけることができます。
〇弱み
- 1.低耐久
ズガドーンは耐久がとても低く、特にH・B種族値は共に53しかないので、相手の技で簡単に倒されてしまいます。先制技の影撃ち・アクアジェット・水手裏剣を抜群で受けるのも辛い点です。
- 2.中途半端なS
ズガドーンのS種族値107は、素早さ水準が高い現環境で使うには今一つ数字が足りず、上から簡単に殴られて倒されがちです。
- 3.ゴースト技
ビックリヘッドや大文字などの高威力技がある炎技に対して、ゴースト技は威力80のシャドーボールが最大威力であり、高いC種族値を活かしづらくあります。そのため、炎耐性のあるポケモン(ドヒドイデやヒードランなど)で止まりやすいのは大きな欠点。
構成指針
『強み』を見ると、ズガドーンは高火力エースとして活躍が期待できそうですが、それには『弱み2』の足りないS種族値が弊害となります。これを解消するには拘りスカーフを持たせる、ニトロチャージを搭載するなどの方法がありますが、本論では『強み2』の広い等倍範囲を重視し、撃ち分けのできる後者を選択します。
ニトロチャージをコンセプトに置く以上、『弱み1』の低耐久を補う必要性があります。よって、気合いの襷を採用して行動保証を得ることでニトロチャージを積む隙を作ります。
採用理由
ゴースト+炎の範囲を持つ抜きエース及び襷枠として採用します。
構成
性格: 臆病
特性: ビーストブースト
努力値: 4-0-0-252-0-252
実数値: 129-132-73-203-99-174
持ち物: 気合いの襷
技: 大文字 / シャドーボール / ニトロチャージ / 選択技
構成意図
抜きエースとして採用するため、抜き性能を高めるためにCS極振り。性格は最速ガブや準速マンダを抜き、ズガドーンミラーにワンチャン残せるS上昇補正。また、襷こそありますが、物理特殊共に2耐えできる攻撃が存在するので、素直にA下降補正。
技は一致技のシャドーボールと大文字、Sを上げるためのニトロチャージは確定。炎技に大文字を選択したのは、H204-D122テッカグヤに確定1発を取るためです。ビックリヘッドは威力の面で優秀ですが襷との相性が最悪なので泣く泣く不採用、命中安定の火炎放射は大文字と比べるとやはり火力不足が否めないので非推奨です。
『強み2』に書いたように、炎+ゴーストで広い等倍範囲を確保できているので、選択技の枠には突破力を上げられる技を採用するのがいいでしょう。具体的には、
- 目覚めるパワー氷 : ガブリアス、ボーマンダ、霊獣ランドロスなどの氷4倍
- 目覚めるパワー地面 : 呼ぶヒードラン、ウツロイドピンポイント
- サイコキネシス : ウツロイド、バシャーモ、ドヒドイデなど
辺りが採用候補。確定欄では目覚めるパワー氷を採用しています。抜きアタッカー仕様なので鬼火や大爆発の採用は見送ります。
相性の良い味方
- カプ・テテフ
テテフパルと同じ原理で、サイコフィールドを張ることでズガドーンを先制技から守ります。ドヒドイデにも強いです。
- メガギャラドス
ズガドーンが止められやすい炎や岩に強いなど、範囲補完に優れるメガ枠。
ダメージ計算
※左が実数値、右が努力値もしくは割合
与ダメージ
- 大文字
H204-D124 [252-4] テッカグヤ
→206〜246 (100.9%〜120.5%) 確1
H145-D95 [0-0] カプ・コケコ
→133〜157 (91.7%〜108.2%) 乱1(50%)
H187-D140 [252-0] メガフシギバナ
→90〜108 (48.1%〜57.7%) 乱2(89.1%)
H191-D100 [212-0] 霊獣ランドロス(C1↑状態)
→189〜223 (98.9%〜116.7%) 乱1(93.8%)
- シャドーボール
H167-D115 [252-0] メガゲンガー
→162〜192 (97%〜114.9%) 乱1(81.3%)
H145-D135 [0-0] カプ・テテフ
→134〜162 (92.4%〜111.7%) 乱1(62.5%)
H153-D105 [0-0] メガリザードンX
→88〜105 (57.5%〜68.6%) 確2
- ニトロチャージ
H135-B101 [0-4] キノガッサ
→74〜90 (54.8%〜66.6%) 確2
- 目覚めるパワー氷
H171-D110[4-0]メガボーマンダ
→168〜220 (98.2%〜116.9%) 乱1(93.8%)
H183-D105 [0-0] ガブリアス
→180〜212 (98.3%〜115.8%) 乱1(87.5%)
H165-D100 [4-0] 霊獣ランドロス
→184〜220 (111.5%〜133.3%) 確1
- 目覚めるパワー地面
H197-D126 [252-0] 突撃チョッキヒードラン
→100〜120 (50.7%〜60.9%) 確2
H185-D151 [4-0] ウツロイド(C1↑状態)
→184〜220 (99.4%〜118.9%) 乱1(93.8%)
- サイコキネシス
H157-D163 [252-4] ドヒドイデ
→126〜150 (80.2%〜95.5%) 確2
H187-D100 [252-0] メガバシャーモ
→206〜244 (110.1%〜130.4%) 確1
通常時だと火力に多少不安がありますが、1度ビーストブーストを発動させれば大文字で押し切れる相手も少なくないです。
被ダメージ
- 物理技
A121 [0] テッカグヤのヘビーボンバー
→56〜66 (43.4%〜51.1%) 乱2(9%)
- 特殊技
C95 [0] クレセリアのサイコキネシス
→51〜60 (39.5%〜46.5%) 確3
絶望的な紙耐久なので、積むタイミングを見極め、襷を無駄使いしないような運用が大事です。
おわりに
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