7世代で本気出した腹太鼓カビゴンの考察です。
戦術はカンタン。フィラのみ系統を持った特性くいしんぼうのカビゴンが腹太鼓をつかうと、腹太鼓で消費した分のHPがきのみで帳消しとなり、実質ノーコストで腹太鼓を使えるという。
つまり極論を言えば、「攻撃が6段階上がるつるぎのまい」みたいな感覚でこいつははらだいこを使えちゃうんですね。なんだこれ、ぼくの考えたさいきょーのカビゴンかよ()
高耐久を盾に、多くの敵をぽこぽこして薙ぎ倒していくその後ろ姿はまさに…神ポコ。
強力だけど…サポートは必須!!
安定した耐久を持ち合わせつつ、1ターンでカバルドンやスイクンをも1発で倒せる馬鹿火力に変身できてしまう腹太鼓カビゴン。
しかし、最近の火力インフレは残酷。。。せっかくはらだいこの機会を得ても、バシャーモにフェローチェにメガリザードンにメガボーマンダ、カクトウZ霊獣ボルトロスなど。カビゴンを上から殴り倒してくるポケモンがあまりに多くて、、何のサポートもないと、なかなか全抜きまではできないのが現実なんです。
そこで、この型をエースとして使う以上はサポートがぜひ欲しいんですね。
それではどんなサポートが考えられるのか見ていきましょう。
サポート案1〜壁構築〜
おすすめ度:★★★★★
腹太鼓カビゴンのサポートで圧倒的に有力なのがリフレクター、ひかりのかべなどの壁技です。
壁下のカビゴンの耐久は生半可なものではないので、起点にできる相手は一気に増えますし、壁ターンが持続しているうちは上に挙げたような高火力ポケモンの攻撃を耐えて返り討ちにするという動きが可能になります。
後述するトリルサポート等と比べると持続ターンが長いのが優秀です。
(i)壁パーティにおいて腹太鼓カビゴンを採用するメリット
- 起点にできる相手が多い
特化メガボーマンダのすてみタックル 26.5~31.4
特化カプ・テテフのサイキネ 21.9~25.7
特化メガゲンガーの気合玉 28.8~34.2
壁下において、確定欄の調整のカビゴンがどの程度の耐久を有しているのかを示すダメ計です。
壁下だと、格闘技を除く環境中のほぼすべての攻撃技に対し、リサイクルで余裕で回復を追いつかせることができ、起点にできる相手が非常に多いことが伺えます。
通常の積みアタッカーだと壁を貼ってからエースにそのまま交代するというのはHP管理の観点から悪手になりやすいですが、カビゴンの耐久があれば余裕だったりと、扱いやすい壁アタッカーとして重宝されるべきポケモンと言えるでしょう。
- 止まりにくい
こいつは腹太鼓を成功させてしまいさえすれば、かなりの攻撃範囲の広さを発揮することができます。
攻撃技がおんがえし+じしん ならテッカグヤ/ナットレイ、おんがえし+ほのおのパンチ ならバンギラス/ドサイドン/Aガラガラを除くほとんどのポケモンを2ターン以内に倒すことができます。
壁構築の積みエースにおいて、「止まりにくい」ことは多くの場合最も重要な採用理由になり得ると言っても過言ではありません。
ただし、てんねん持ちに弱かったり、黒い霧やアンコール、挑発持ちに弱かったりと欠点も多いのでそのあたりのケアには工夫が必要ですね。
(ii)壁要員考察
- ★ニャオニクス♂
◎はらだいこカビゴンが壁下でも起点にできない「格闘タイプ」「どくどく/ちょうはつ/はたきおとす持ち」をあくびで引かせることができる
○メガボーマンダやメガリザードンX、ミミッキュ、グロPメガガルーラを始めとした多くの積みアタッカーをあくびで流すことができる
○耐久が高く、両壁を貼った後も生き残ることが多いので、カビゴンが壁ターンを消費し切って倒された場合にももう一度壁を展開し、2番目の積みエースのサポートにまで手を回せることが多い
○タイプ的な補完が優秀で、カビゴンの苦手なキノガッサ、バシャーモ等にもそれなりに強め
○メガゲンガーやカプコケコから挑発を食らう前に壁を貼ることができ、メガゲンガーに打点を持つため身代わりを残したまま突破させない。
△挑発持ちのカプ・レヒレが共通して苦手になる
△ステロあくび展開にやや弱い
△メガギャラドスを始めとした悪タイプに無抵抗
以上のようにカビゴンとの相性はバツグン。
バンギラス、カバルドンやカプ・レヒレがいると動きにくいので、その辺りに強い積みアタッカーを控えさせたいところ。
技スぺ的に厳しいですが、トリックルームを覚えさせる手もあります。
- ☆カプ・レヒレ
○カバルドン等のステロあくび要員に非常に強い
○ミストフィールドでカビゴンを状態異常から守ることができる
○ちょうはつ→カビゴンに交代→はらだいこ→攻撃 の流れで多くの吠える持ちのポケモンを簡単に突破できる
△メガゲンガーやカプ・コケコ、キノガッサ、霊獣ボルトロスなど先発対峙で引かなくてはならないポケモンが多い
壁にミストフィールドに挑発と、単純なサポート性能ならまず他の追随を許しません。
上から1発で倒してくる相手が多いので立ち回りはニャオニクスより難しく、やや上級者向きかもしれません。
(iii)壁下の耐久
耐久は確定欄のものです。
特化バシャーモのとびひざげり 41.9~50.0
特化珠フェローチェのとびひざげり 46.1~54.6
特化メガルカリオのインファイト 54.6~64.6
C252霊獣ボルトロスのかくとうZ+きあいだま 40.3~47.6
特化テテフのエスパーZ+サイキネ 42.3~50.0
特化メガリザYのオバヒ 36.9~43.4
特化メガクチートのじゃれつく 26.5~31.5
こうした高火力のアタッカーを「壁を盾にして」返り討ちにする、と言った使い方になります。
- まとめ
はらだいこカビゴンへのサポートとして基本的に最も扱いやすいのが壁であり、逆に壁構築の側からしてもはらだいこカビゴンは優秀なアタッカーとして積極的に採用されうるスペックをもっていると言えます。
サポート案2〜トリル〜
おすすめ度:★★★☆☆
トリル要員でトリル→(だいばくはつ,おきみやげ,のろい等で)自主退場、カビゴンを出してはらだいこをして、上から攻めていくという戦術。
動きが単純で非常に強力なのですが、トリルの持続ターンが問題。トリル状態でカビゴンが殴れるターン数がわずか2ターンしか残らないんですね・・・
ただ、カビゴンとトリルの相性自体が良いことは間違いないので、煮詰めれば強力な組み合わせが出てくる可能性はあります。
例:
- ミミッキュ@フィラ シャドクロ/トリル/鬼火/呪い
- サマヨール@輝石 呪い/トリックルーム/おきみやげ/痛み分け
- ドータクン@弱保 トリル/ジャイロ/地震/爆発(特性:耐熱)
- ブルンゲル@ミズZ 潮吹き/鬼火/トリル/再生
サポート案3〜バトン〜
おすすめ度:★★★★☆
瞬時に高火力を得られるこの型は、バトン先エースとしての素質も十分。
バトンさえ成功すればほぼ負けることは無いと言っていいほどの制圧力を誇り、カビゴン自身での全抜き能力は壁やトリルを大きく凌駕しています。
逆に言うと、バトン選出では勝ち筋が完全にカビゴン頼みになってしまうため、バトンが失敗してしまうと勝つことは至難の業です。
勝ち筋が非常に強力である一方、吠えるや滅びの歌・呪い、黒い霧など相手が対策を持っていると簡単に負けてしまうバトン戦術は、強みも弱みも非常に非常にはっきりした、まさに諸刃の剣のような戦術だと言えます。
以下、有名な組み合わせを2つ挙げていきます。
★フワライドの蓄えるや小さくなるをバトン★
回避率や耐久を上昇させることで大幅な居座り能力のアップを狙います。
特に蓄えるはカビゴンにぴったりなサポートで、蓄える1回分を繋いだだけでも要塞と言って差し支えない耐久が得られます。
フワライドのバトン先としてはアシパエーフィが有名ですが、悪・ゴーストの一貫が不安要素として大きいため、相手のパーティに強力な悪やゴーストがいる時用にカビゴンを用意する、といった感じになります。
<<<組み合わせ例>>>
カプ・コケコ@脱出ボタン
リフレクター/光の壁/挑発/エレキフィールド
+
フワライド@エレキシード
小さくなる/みがわり/蓄える/バトンタッチ
+
本育成論のカビゴン
エレキシードが場に出た瞬間発動するため、フワライドがかるわざにより上から小さくなるやみがわりを打てる、という戦術。
フワライドが縮みやすくなるよう、コケコは壁や挑発+脱出ボタンで簡易サポートを繋ぎたい。初手カプミラーでフィールドを取られると苦しい展開になりがちなのでエレキフィールドがあるとオススメ。(メガラグのセルフ雨乞い的な?)
☆バシャーモの加速を繋いでカビゴンを高速アタッカーとして活躍させる☆
「影分身+身代わり+バトンタッチ」型のバシャーモと組ませることで、カビゴンに回避上昇とS上昇を繋ぐ戦術。
高耐久・超火力、おまけに回避率まで上昇した高速ATと書くと化け物っぷりが伝わるのではないでしょうか。挑発やアンコールが脅威になりにくかったり、急所等の事故率が低いのもメリット。
<<<組み合わせ例>>>
ジャローダ@気合の襷
リフスト/蛇睨み/宿り木のタネ/挑発
+
バシャーモ@マゴの実
影分身/みがわり/バトンタッチ/火炎放射
+
本育成論のカビゴン
ジャローダで麻痺と宿り木を撒いて退場し、バシャーモがみがわりを連打。この流れでバシャーモは簡単に身代わりを残せるので、隙を見て影分身を積んでいき、回避上昇と素早さ上昇と身代わりをカビゴンに託します。以下略
調整例
- 例1(確定欄)〜耐久重視型〜
H196A44B236D28S4 わんぱく
260-136-126-#-134-51
H196...H=B+D調整
HP満タンの状態からはらだいこを使ってフィラが発動するように、偶数調整は必須
A44...H252カプ・テテフをおんがえしで高乱数2発(78.9%)
クレセリア、マッシブーン、ポリゴン2などを相手の回復込みで高確率で2発で倒せる
B236+性格補正...高火力物理が跋扈する環境なのでできるだけ高くした。
D36...フィラの回復込みで眼鏡カプ・テテフのサイキネ高乱数2耐え(92.6%)
CS珠カプ・コケコの10万ほぼ確3(99.61%)
眼鏡頑丈ジバコイルの10万ほぼ確3(89.1%)
S4...無振りのヤドラン、モロバレルを抜けたらうれしいんじゃ^〜
起点にできる相手が増えたり、回復に追い込まれる回数が減ることで壁ターンをより活かしやすくなるなど、耐久に厚く振ることは非常に理に適っていると言えます。
また、下の被ダメを見ると分かりますが、強力な一致格闘技を食らっても比較的粘りやすいのも魅力。
例:メガルカのインファが壁込みで54.6~64.6%→後続が壁込みで35%以上のダメージを与えられないポケモンだった場合リサイクルで粘れる など
- 例2〜受けループ攻略重視型〜
H84A76B252D36S60 いじっぱり
246-154-117-#-135-58
あまり知られていませんが、ドヒドイデ抜きの腹太鼓カビゴンは受けループ崩しに優秀です。
- 黒い霧で腹太鼓カビを止めようとするドヒドイデを先手の腹太鼓恩返しで倒す。
- ラッキー、グライオン、ドヒドイデ、メガフシギバナを腹太鼓後の恩返しで確1となるようAを調整。
- エアームド、ゲンガー、テッカグヤはほのおのパンチ1発で仕留められる。
このポケモンに受けループ攻略を任せる場合は、カプ・レヒレを入れるとカビゴンがラッキーやドヒドイデ等を起点にできるようになりかなり使いやすくなります。
他にも、挑発持ちを入れたり、ペンドラー等で身代わりバトンを繋ぐ、といった手もあります。
この例で挙げている振り方は、受けループ攻略に最低限必要なAとSを確保し、残りを耐久に回した形になりますが、物理受けのカバルドンを1発で倒すためにもう少しAに回すのも手です。
- 特化バルジーナ:68.8%中乱1
157で81.3%高乱1、162で確1
- 特化スイクン:62.5%中乱1
159で81.3%高乱1、163で93.8%超高乱1
- H4マルスケカイリュー:50.0%中乱1
162で81.3%高乱1、166で93.8%超高乱1
- 特化カバルドン:25.0%低乱1
165で68.8%中乱1、169で81.3%高乱1、173で93.8%超高乱数1
また、バシャーモから加速サポートを繋ぐ場合にも有力な調整です。(S6段階上昇時に1加速準速メガバシャーモ抜き)
被ダメ(例1/例2)
特化からやぶパルシェンのつらら 14.2~17.3[×5]/16.2~19.5[×5]
A4ギルガルドの聖なる剣 35.3~42.3/40.6~47.9
陽気ガブリアスのげきりん 38.0~45.0/43.0~51.2(5.1%)
[壁]特化リザXのげきりん 26.5~31.5/30.4~36.1
[壁]鉢巻カイリューのげきりん 31.5~37.3/36.1~42.6
[壁]珠ゲッコウガのけたぐり 39.6~46.9/44.7~54.0(37.5%)
[壁]特化鉢巻カプ・ブルルのウドハン 46.1~54.6/52.8~62.1
メガゲンガーのヘドロ爆弾 32.3~38.4/34.1~40.6
臆病CSコケコの珠10万 41.9~50.0/44.3~52.4(18.0%)
特化カプ・テテフのサイキネ 43.8~51.9(10.8%)/46.3~54.8(60.5%)
[壁]特化眼鏡カプ・テテフのサイキネ 32.3~38.4/34.1~40.6
[壁]臆病CS霊獣ボルトロスのZ気合玉 40.3~47.6/42.2~50.0
[キツイ相手]
バルジーナのイカサマ(太鼓後) 44.3~52.3(19.1%)/57.3~67.4
特化メガヘラのインファ 53.4~63.4/61.3~72.3
特化メガルカのインファ 54.6~64.6/61.7~73.1
特化フェローチェのとびひざ 46.1~54.6/52.8~62.6
珠とびひざ 60.0~70.7/68.6~81.3
壁があれば、一致格闘技以外は大体何が来てもOK。
フェローチェは壁があっても正直きついので、選出を控えるか、選出するにしてもサイクル戦中心に切り替えた方がいいかもしれません。
技構成
恩返し/腹太鼓/リサイクル/ほのおのパンチorじしん
コンセプトの腹太鼓、安定した火力を出せるメイン技である恩返し、高耐久を活かせる回復技のリサイクルは確定。
炎のパンチと地震はどちらも優秀なサブ技ですが、個人的に炎のパンチを推します。
炎のパンチの利点は、
毒はねメガハッサムに粘られなくなる、宿まもナットレイに粘られなくなる、カミツルギに強くなれる等色々ありますが、中でも大きいのはやどみがテッカグヤに嵌められなくなることです。
地震採用のカビゴンはやどみがテッカグヤに問答無用で嵌められてしまい、まず勝てないので、その問題をクリアできる炎のパンチは優秀だと感じます。
炎のパンチにも岩タイプやAガラガラ・ヒードランの突破に時間がかかり、ギルガルドのキンシを気にする必要が出てきたり、もらいびシャンデラに完封されたり等のマイナスポイントはあるもののいずれもそれほど致命的なものではありません。
ただし、炎のパンチはORASの教え技限定になるので注意です。
ワイルドボルトは範囲的に炎のパンチの下位互換なので載せません。
腹太鼓後の火力
- おんがえし A実数値136(/154)
197-150サンダー 105.5%~
215-139カバルドン 104.6%~
[威嚇込み]191-150メガボーマンダ 75.0%高乱1
[威嚇込み]202-144ギャラドス 68.8%中乱1
177-183カプ・レヒレ 81.3%高乱1
135-120メテノ 81.3%高乱1
207-156ラグラージ 81.3%高乱1
221-134モロバレル 105.3%~
187-171メガフシギバナ 87.5%高乱1
191-110ポリゴン2 93.8%高乱1
179-194グライオン 37.5%中乱1/102.2%~
201-178ブラッキー 25%中乱1/93.8%高乱1
[火傷]175-123ファイアロー 72.5~86.2
↑急所込み・羽休めの回復込みで92.8%で2発で倒す
217-172バルジーナ 83.6~98.6/68.8%中乱1
227-189クレセリア 73.1~86.3
↑急所込み・月の光の回復込みで96.2%で2発で倒す
191-156ポリゴン2 70.6~83.2
↑急所込み・自己再生の回復込みで73.2%で2発で倒す
204-123テッカグヤ 62.2~73.5/70.5~82.8
204-170テッカグヤ 45.0~52.9/50.9~60.2
198-127ヒードラン 62.1~73.2/70.2~82.8
207-131バンギラス 57.4~68.1/65.2~76.8
222-151ドサイドン 65.6%中乱2/52.7~62.1
- じしん A実数値136(/154)
167-170ギルガルド 143.7%~
[火傷]167-130アローラガラガラ 68.8%中乱1
175-121ハッサム 81.3%高乱1
181-201ナットレイ 56.3~66.8/63.5~75.1
- ほのおのパンチ A実数値136(/154)
ASミミッキュ、CSメガゲンガー、HCギルガルド確1
167-101メガゲンガー 43.8%中乱1/確1
162-101ミミッキュ 62.5%中乱1/確1
[A4段階上昇]167-170ギルガルド 81.4~97.9/50.0%中乱1
204-170テッカグヤ 31.3%低乱1/100%~
167-130Aガラガラ 35.3~41.9/40.1~47.3
さぁぁみなさんもカビゴンで沢山ぽこぽこして勝ちましょう^^