初投稿になります、高田と申します。
第六世代で新たに登場したポケモンの一匹であるガメノデスの使用方法を模索したいと思います。
本育成論中では「HP・こうげき・ぼうぎょ・とくこう・とくぼう・すばやさ」をそれぞれ「H・A・B・C・D・S」として省略表記している箇所があります。
概要と採用理由
ガメノデスは攻撃・防御に優れ他の能力はさほど高くない、典型的な物理岩ポケモンの一匹です。
接触技の火力を上げる特性「かたいツメ」、破格の積み技「からをやぶる」など攻撃性能には恵まれる一方で、弱点はメジャー寄り・耐性はマイナー寄りな岩水複合というタイプ、高くないHから来る耐久の心もとなさ、激戦区の中速域に及ばない素早さなど、多くの不安要素を抱えており、簡単に採用できるポケモンではありません。
そんな中、現環境におけるガメノデスの採用理由は対ファイアロー能力の高さでしょう。
飛行半減/炎四半減の耐性と高い攻撃能力によって、ファイアローを採用している構築に対し選出〜立ち回りで負担を掛けていくことをこの育成論の主眼とします。
バシャーモ・ヘラクロス・ウルガモスといった『高い性能を持つもののファイアローの「ブレイブバード」が怖くて動きづらい』といったポケモンとあわせて使うことで、互いの性能を十全に発揮できるでしょう。
なぜスカーフなのか
残念ながらファイアローの「ブレイブバード」に半減で繰り出せたとしても、そこから悠長に「からをやぶる」を使っていたのでは、相手が居座った場合そのまま押し切られかねません。
そこで今回は「からをやぶる」の採用を見送り、代わりに性能不足を補うこだわりスカーフを持たせます。
こだわりスカーフを持つことによって耐久性能を落とさないまま初手から高い素早さを確保できるため、ピンポイントなファイアロー対策に留まらない腐りにくさを得ることができます。また「からをやぶる」型と違って先発対峙や偶発対峙におけるファイアローの安易な「とんぼがえり」を許しませんし、先制で「おにび」を撒かれる心配もありません。後述する「すりかえ」「シェルブレード」といったスカーフと相性のいい技を習得することも好条件です。
スカーフを持ってファイアローに繰り出しつつ後続に負荷をかけるという点では他にバンギラス、ガチゴラスなども運用が考えられますが、これら高火力の水物理技(カバルドンなどに受けさせない)及びスカーフすりかえ(補助技に頼るポケモンを機能停止させる能力)の存在によって差別化は充分です。
配分
性格:ようき
努力値:H28-A228-B0-C0-D0-S252
実数値:151-154-135-x-106-132
まず素早さで最速ファイアローとの対面で「とんぼがえり」「おにび」を許さない実値131を確保します。
続いてHPの低さが気にかかるため、万一に備えて「ちきゅうなげ」「ナイトヘッド」を3耐えする実値151まで伸ばし、残りを攻撃に割くことにしました。
この配分例ではひかえめスカーフトゲキッスと同速勝負可能なS132まで上げてあります。これらのH・S微調整分を全てAに回せばダメージ乱数がひとつ繰り上がる相手も多くいますが、仮想敵への遂行能力にはほとんど影響しません。全抜きを目的としての採用ではないことに留意してください。
育成論としてはファイアローに十全に備えるため上記の配分を強く推奨しますが、実際にはファイアローは性格いじっぱりで採用されていたり、Sに振らずHに振っていることもあるので、以下の配分も一応アリです。
性格:いじっぱり
努力値:H28-A228-B0-C0-D0-S252
実数値:151-169-135-x-106-120
こちらは無消耗のH振りファイアローに対して岩技ではなく「シェルブレード」で遂行できる可能性が上がるほか、ようき配分では対面でメガシンカからのりゅうのまいを通してしまいかねないメガリザードンXに対してストーンエッジで高乱数が取れるようになります。ただし最速ファイアローに上から「おにび」を撒かれることは覚悟しなければなりません。
技構成
・ストーンエッジ/いわなだれ
特性適用外。ファイアローを確実に一撃で落とすための技ですので確定です。万一安直な後出しで「おにび」を受けてしまった場合でも、4倍の岩技があればファイアローへの遂行能力自体はもう1サイクル分は維持できる可能性があります。
せっかくのスカーフ運用なので、終盤に削れた敵を一掃する役回りになることも考慮して威力のある「ストーンエッジ」を確定欄に採用していますが、命中・ひるみも優秀な「いわなだれ」とは選択になります。ガメノデスは「かたいツメ」による数字以上の火力が魅力のひとつなのですが、岩技は非接触のため恩恵にあずかることができません。命中不安のためできれば撃たずに済むような立ち回りを考えたいところです。
・シェルブレード
特性適用。ファイアローが少しでも削れていたり、耐久無振りである場合には、こちらで充分に事足ります。他のスカーフ運用可能な岩ポケモンとの大きな差別化点の一つであり、準確定と言ってよいでしょう。
「かたいツメ」補正込みでも火力は「ストーンエッジ」に一歩譲るのですが、この技の真の強さは50%の確率で相手の防御を1ランク下げるという追加効果にあります。実戦では数値以上の攻撃性能を発揮します。下記のダメージ計算にある通りH181-B120メガガルーラに39.8%〜47.0%のダメージ(確定3発)ですが、これがちょうど実戦では50%の乱数2になるラインです(命中率・急所率・一発目での防御ダウン率を全て加味した場合)。「からをやぶる」後に高いAから一発撃つよりも、スカーフを活かして試行回数を稼ぐことと相性のいい技です。
命中も比較的安定ということで、こだわっている状態では可能な限りこの技を振り回していけると強いです。
・すりかえ
補助技。選択技です。今作ではメガストーンに通らなくなったため相対的に弱くなりましたがまだまだ有用です。こちらも差別化に充分な要素であり、優先度は高いと言ってよいでしょう。
シェルブレードの防御ダウン込みでも突破が非現実的な物理受け、たとえばエアームドやヤミラミといった相手に強力に刺さります。
今回の用途から言って必須ではないですが、汎用性を上げるこの技は持っていて損はありません。
・クロスチョップ
特性適用。選択技です。
岩技との相性補完に優れ、特に岩・水のどちらも通らないナットレイに対する打点になります。現環境でも強力なポケモンの一匹であるバンギラスを一発で持っていける点も高評価です。スカーフ運用なら舞ったバンギラスに対するストッパーとしても機能しますね。ガルーラに対する最高打点でもありますが、残念ながら対面から勝つことは難しいです。
特性のおかげでサブウェポンとしては火力が高いですが、やはり命中不安は拭えません。
・からげんき
特性適用。選択技です。
ファイアローには対面を作って「とんぼがえり」を選択させつつスカーフで上から奇襲して叩くのが理想形ではあるのですが、現実的にはこちらから後出しで出て行かなければならない場面も多くあります。そんなとき「おにび」を貰ってしまっても最低限の攻撃能力を確保できるのがこの技になります。今作でやけど状態の攻撃低下を無視できるようになったため実用性が大幅に上がりました。不一致ノーマル技とはいえ特性の恩恵を受けるため、やけど状態で実質威力70*2*1.3=182となかなかの数値。おにび搭載ファイアローの増える昨今はますます価値の高い技です。
技の実用性が環境に強く依存するため確定欄では「すりかえ」「クロスチョップ」を優先していますが、現環境ではこれらのどちらかを切って「からげんき」の採用を検討したほうが良いでしょう。
・じしん
特性適用外。選択技です。
こちらも岩技との相性補完に優れますが、水技との兼ね合いも考えると概ねクロスチョップのほうが優秀です。
特性が適用されないため火力も貧弱ですが、命中が100%であること、ギルガルドに接触しないことなど利点もあるため採用の余地はあります(もちろんギルガルドと直接対峙をした場合はすりかえが最善手の場合が多いです)。
ダメージ計算
※XYのダメージ計算式変更にあたり誤差が生じている可能性があります。特性「かたいツメ」による補正は過去の「すなのちから」「ちからずく」「アナライズ」等を参考に1.3倍「切り上げ」で計算しています。
与ダメージ(ようき配分のもの)
<ストーンエッジ>
H153-B110ファイアローに206.5%〜245.8%(「おにび」を受けても確1を維持できる)
H185-B110ファイアローに170.8%〜203.2%
H153-B132メガリザードンXに87.6%〜103.3%
H153-B99リザードン(=メガリザードンY)に230.1%〜274.5%
H161-B115トゲキッスに94.4%〜111.8%
H175-B116トゲキッスに86.9%〜102.9%
<いわなだれ>
H153-B110ファイアローに156.9%〜188.2%
H185-B110ファイアローに129.7%〜155.7%
H153-B132メガリザードンXに66.7%〜78.4%
H153-B99リザードン(=メガリザードンY)に175.2%〜206.5%
H161-B115トゲキッスに72.0%〜85.7%
H175-B116トゲキッスに65.1%〜76.6%
<シェルブレード>※追加効果により2回以上試行するときの期待値は大きく高まります
H185-B110ファイアローに84.3%〜100.5%
H153-B110ファイアローに102.0%〜121.6%
H153-B132メガリザードンXに86.3%〜102.0%
H153-B99リザードン(=メガリザードンY)に113.7%〜134.6%(「ひでり」時には半減)
H177-B194グライオンに50.8%〜61.0%
H215-B183カバルドンに42.8%〜51.2%
H207-B131バンギラスに63.8%〜75.4%
H207-B171メガバンギラスに49.3%〜58.0%
H181-B120メガガルーラに39.8%〜47.0%(実戦で50%の中乱数2になるライン)
<クロスチョップ>
H207-B131バンギラスに112.1%〜133.3%
H207-B171メガバンギラスに87.0%〜102.4%
H181-B151ナットレイに56.4%〜66.3%
H181-B201ナットレイに42.0%〜49.7%
H181-B120メガガルーラに69.6%〜82.9%
<じしん>
H167-B171ギルガルドに40.7%〜49.1%
被ダメージ
A146鉢巻ファイアロー
├ブレイブバード35.8%〜43.0%
├フレアドライブ17.9%〜21.2%
└とんぼがえり28.5%〜33.8%
A132珠ファイアロー
├ブレイブバード28.5%〜33.8%
└フレアドライブ13.9%〜16.6%
A200メガリザードンX
├フレアドライブ21.2%〜25.2%
├げきりん86.1%〜102.0%
└かわらわり72.8%〜86.1%
A204鉢巻バンギラス
├ストーンエッジ84.1%〜100.0%
└じしん112.6%〜133.8%
A169バンギラス
└いわなだれ35.8%〜42.4%
A237メガバンギラス
├ストーンエッジ66.2%〜78.1%
└じしん88.7%〜104.6%
A177メガガルーラ
├ふいうち(A+2ランク)78.8%〜94.1%
└じしん99.3%〜117.8%
C211メガリザードンY
├かえんほうしゃ(晴れ)25.2%〜29.8%
├だいもんじ(晴れ)30.5%〜36.4%
└エアスラッシュ27.8%〜33.1%
C189トゲキッス
├エアスラッシュ25.2%〜29.8%
├マジカルシャイン53.6%〜63.6%
├だいもんじ11.9%〜14.6%
└はどうだん84.8%〜100.7%
C172トゲキッス
├エアスラッシュ22.5%〜27.2%
├マジカルシャイン49.7%〜58.3%
├だいもんじ11.3%〜13.2%
└はどうだん76.8%〜91.4%
育成論は以上になります。何かあればコメントをお願いします。