はじめに
こんにちは、ぱ。という者です。前回のねばねばネットドーブルでは高評価ありがとうございます。
今回は若干冒険気味のチョイスで、ねばねばネット下でエースとして使うドンカラスを投稿したいと思います。
- 注意事項
・ステータスに関し、HABCDSの略称を用います
・ダメージ計算などはトレーナー天国様のツールを用います
・拙作「ねばねばネット始動ドーブル(育成論ORAS・XY/341)」などの始動役を用意する前提でお読みください
ドンカラスとは?
- ドンカラス あく/ひこうタイプ
種族値 H100/A125/B52/C105/D52/S71 合計505
とくせい ふみん/きょううん/じしんかじょう
進化前のヤミカラスから、種族値・用途ともにがらりと変わるポケモンになります。
(いたずらごころが優秀な進化前の方がよく見かけるような気がしますが気のせいです)
とくせいは、ねむり状態にならないふみん、急所ランクが1上がるきょううん、そして自分の攻撃で相手ポケモンを倒すとAが一段階アップするじしんかじょう。
攻撃面に有能なタイプ、風格ある容姿から根強い人気があり、豊富な遺伝技でさまざまなカスタマイズが出来る良ポケ…ではあるのですが、その種族値ははっきり言ってしまえばかなりの欠陥品です。
よくある悪タイプの傾向そのままに、A・Cが高くB・Dが低いため、両刀はできても役割がまるで持てません。
よくある悪タイプの傾向そのままに、Sもいいとこ中速どまりで、上から殴ることも難しいです。
合計は決して低くないものの、いわゆる「無駄の多い種族値」の見本みたいなポケモンです。
高威力のブレイブバードに加え強力な先制技であるふいうちを持つことで強力なライバルであるムクホークとの差別化が為されていましたが……
……いやぁ、出てしまいましたね。
ブレイブバード自体を先制でぶっ放すとんでもない奴が。
そう、ファイアローです。
まともにやっていては劣化ファイアローの誹りは免れないことでしょう。
差別化と言う言葉は嫌い(差別化するくらいならそのポケモン使えばいいと思うところ)なのですが、
採用理由に絡めてドンカラスにできることを挙げてみたいと思います。
1、そもそもA種族値が大きく違うため、ブレイブバードの威力が一回り変わる
2、場が整えば、とくせい「じしんかじょう」による暴走ができる
3、BW2教え技でばかぢからを習得できるため、環境に多いバンギラスやASメガガルーラを一撃で持って行ける
この3つを重要視して採用します。
他にもふみん、きょううんそれぞれ使い道があり、高いCも利用する型は作れますが、今回はそこに目を付けることはしていません。
じしんかじょう物理型、これでガンガン倒していくのを目指します。
ここで最大の問題はSです。71族では何も抜けません。
何らかのサポートが必須となりますが、ここでは「ねばねばネット」による、敵の繰り出し時のS一段階ダウンを利用したいと思います。
採用理由
一撃で倒せる範囲が広く、有利対面から一人持って行くことで、じしんかじょうにより全抜きの突破力を得ることができます。
特にメガガルーラをネット環境下だと上から(H252振りなら惜しくも乱数ですが)一撃で倒すことができ、ふいうちも半減で受けることができます。
メインウェポンに一貫性があり、後出しから半減で受けられてもそのまま次の攻撃で倒せる場合が多く、この場合もじしんかじょうの起点にできます。
通常、S71族は有効利用困難なすばやさ帯ですが、ねばねばネットによるサポートがあるとかなり多くのポケモンを抜き去ることができます。
ねばねばネットは飛行・浮遊に無効になる弱点を持ちますが、そのうちドンカラスより速い浮遊はゴースト・エスパーが多く、ふいうちで縛ることができます。
(補助技をもつ相手とは読み合いになります)
以上の理由から、ねばねばネット利用全抜きエースとしての採用を考えたいと思います。
性格、個体値、努力値
- 威力重視
いじっぱり 31-31-31-x-31-31 A252 D4 S252
実S123となり、ネットこみ最速115族抜きとなる美しきぶっぱ。確定欄はこれ。
余りは16n(定数ダメ最大)の回避とポリ2意識でDへ回しています。先制技意識ならBへ。
- 珠反動意識
いじっぱり 31-31-31-x-31-31 H28 A228 S252
HP10n-1調整。いのちのたま反動ダメージ最少。多分不要かと…
- ゲッコウガ意識
ようき 31-31-31-x-31-31 H52 A252 S204
ぶっちゃけ威力不足。実S128で、ネットこみゲッコウガ抜き。先発が多いポケなので、ネット撒く段階で麻痺させることで無視したい……
ゲッコウガより速い相手は、浮いているか電気タイプ(最高打点がふいうち)なので、S調整で考慮しません。
特性
運用コンセプトのため、じしんかじょうで確定。
持ち物
いのちのたまで確定。競争の激しいアイテムですが……
技
- 確定枠
・ブレイブバード メイン。一貫性に優れた一致高火力。BDが低い割に無駄に高いH種族値が反動の面で嬉しい
・ふいうち ネットを踏まない相手や抜けない相手に。たまに、ブレバの反動を嫌って甘えた打ち方することも……
・ばかぢから 旧作教え技ですが、劇的に攻撃範囲を広げるため確定とします。
ばかぢからについてちょっと長く語ります。
全抜きとアンチシナジーには違いないものの、ばかぢからを撃つ場面はたいてい相手を倒す場面なので、じしんかじょうでA下降を相殺することができるため、絶対的にまずいということにはなりません。
当然その結果起点にすることはできませんが、ばかぢからの反動で流れなくてはいけなくなることもありません。
ばかぢからを撃って誰か倒す場面というのは、飛行に対して役割を持てるポケモンを倒すシーンです。
相手は飛行対策をそのポケモンに頼っていることが多く(流行のファイアローはそれで十分なので)、その後残っている相手にはA補正無しのブレバやふいうちでも十分に遂行可能なことも結構多くあります。
その点から、「ばかぢからでAが下がらないので遂行力が落ちない」ととらえています。
もちろん「ばかぢからで倒すとAが上がらないので突破力を上げられない」のも正しい視点だとは思います。
攻撃技の選択肢は広いとは言えないので、以上3枠を確定とします。
ばかぢからははがねのつばさである程度代用でき……ませんね!
- 候補技
攻撃範囲はほぼ↑3つで足りるので、器用に立ち回るための技が入ります。
・おいかぜ ねばねばネットを撒けなかったり、踏まない相手が多いときに使えるとパーティを救うかもしれません。そのほか、ふいうち読みで補助技を使う相手や、加速もちがまもるを使う場面などで使えると、次ターン上から殴って倒すことができます。確定欄はこれ
・まもる 特にゲッコウガを意識。確定構成だと抜くことができないので、1ターンまもることで相手にれいとうビーム等を使わせ、相手の悪タイプを消すために使います。ふいうちを半減されなければ、耐久に振っていないゲッコウガなら乱数、過剰発動していれば確定で落とせます。その他飛び膝読みなどで。
・おいうち 確実にじしんかじょうを発動させたいときに。ただ、そこまでせずとも交代先にブレイブバードが入ればたいてい次の攻撃で倒せます。
・あくのはどう 受けループ意識。接触を嫌う場合にも使えますが火力には期待できません。怯みワンチャン?
・ほろびのうた/ふきとばし 積まれてどうしようもない場合などに思わぬ勝ち筋ができます。
・はねやすめ/ちょうはつ さすがにそんな悠長している暇はないと思いますが一応……
確定欄は割と重宝したおいかぜ。
立ち回り方
先発がねばねばネットを撒いた後、倒せる相手に死に出しで繰り出します。
きあいのタスキ、がんじょうに弱いため、ステルスロックも撒けるとより良いです。
ドンカラスの火力は後出しでなかなか受からないので、仮に縛れても流し性能はあまり高いとは言えません。
ですが特性「じしんかじょう」があるため、相手は安易な捨てもできません。
……というわけで相手にジレンマが発生します。その結果相手の行動は非常に読みにくいです。
無茶な交代読みなどはせず、目の前の相手に効果のある技を繰り出すのが無難かと。
後出しで出てくるのは多くは飛行半減の岩、鋼、電気ポケモンです。
電気は要警戒ながら、岩・鋼は後出しでブレイブバード半減→ばかぢからでほぼ倒すことができます。
ドンカラスで明らかに倒しきれないポケモンが相手に居る場合などは、活躍できない可能性が高いです。
選出を控えるか、他のポケモンで処理してから繰り出すようにしましょう。
技単位の細かい立ち回りは上記技考察のコーナーを参照してください。
苦手な相手
みがわりを搭載している素早いでんきタイプ全般。特にボルトロス、サンダース。
ただ、たいてい半減でもブレバで確2が取れる。
ふいうちを半減する飛行。具体的にはルチャブル。
また、プテラなど純粋に速い飛行も苦手になりがち。
そしてファイアローも苦手。ステルスロックを絡めつつ、飛行に対して厚い対策が必要。
クチートの突破も困難。選出段階でかなり意識が必要。
ある程度の苦手はPT単位で飲んだうえで選出し、チャンスをモノにしていく感じで。
相性のいい味方
当然ながらねばねばネット始動役のドーブルやツボツボ。
また、タスキ頑丈で止まらない、リザードンをふいうちで落とせるラインを取るなど、ステルスロックがあるとだいぶ楽ができます。
その他苦手を見ることができる地面タイプ、岩タイプ、電気タイプ。
与ダメージ計算
いのちのたま込み、じしんかじょうは特記がない限り未発動。
ダメージ計算はすべて確定構成のものです。
- ブレイブバード(反動は計算していません、ごめんなさい)
・ばつぐん
対HB特化メガフシギバナ 割合: 95.7%〜113.9% 回数: 乱数1発 (81.3%)
結論:基本的に抜群だと落ちるがメガバナは流石の耐久…
・等倍
対B4ガブリアス 割合: 80.8%〜95.6% 回数: 確定2発
対HB特化クレセリア 割合: 40%〜48% 回数: 確定3発
対H236B4ハッサム 割合: 81.1%〜96% 回数: 確定2発
対H252ゲンガー 割合: 128.1%〜151.4% 回数: 確定1発
対H196カイリュー 割合: 38.7%〜46%(マルチスケイル込み)割合: 78%〜92.6%(無し)
ガブリアス・ハッサムより物理耐久が低い相手は過剰無しで沈むと見てよいですね。
・半減
対H252バンギラス 割合: 31.8%〜37.6% 回数: 乱数3発 (86%)
対H4B164ドサイドン 割合: 25.6%〜30.3% 回数: 確定4発
対H252ギルガルド盾 割合: 30.5%〜35.9% 回数: 乱数3発 (36.6%)
対H252ギルガルド刃 割合: 72.4%〜86.2% 回数: 確定2発
対無振りサンダース 割合: 76.4%〜90% 回数: 確定2発
対H4ボルトロス 割合: 60.6%〜72.2% 回数: 確定2発
対H252ボルトロス 割合: 50.5%〜60.2% 回数: 確定2発
対HB特化FCロトム 割合: 31.2%〜36.9% 回数: 乱数3発 (76.2%)
対H252FCロトム 割合: 42%〜50.3% 回数: 乱数2発 (2%)
対H252ヒードラン 割合: 34.3%〜40.9% 回数: 確定3発
対H252ライコウ 割合: 45.6%〜53.2% 回数: 乱数2発 (37.9%)
交代先にもそれなりの負担がかかります。
- ふいうち
対HB特化クレセリア 割合: 55%〜65.1% 回数: 確定2発(ブレバこみ高乱数)
対H236B4ハッサム 割合: 54.2%〜64.5% 回数: 確定2発(ブレバこみ確定)
対H252ギルガルド盾 割合: 80.8%〜98.2% 回数: 確定2発(ブレバこみ確定)
対無振りサンダース 割合: 101.4%〜120.7% 回数: 確定1発
対H4ボルトロス 割合: 81.2%〜96.1% 回数: 確定2発
対H252ボルトロス 割合: 67.7%〜80.1% 回数: 確定2発
対HB特化FCロトム 割合: 42%〜50.3% 回数: 乱数2発 (2%)
対H252FCロトム 割合: 57.3%〜68.1% 回数: 確定2発(ブレバこみ超高乱数)
対H252ライコウ 割合: 61.4%〜72% 回数: 確定2発
追撃に優秀。
- ばかぢから
対H4メガガルーラ 割合: 104.9%〜124.8% 回数: 確定1発
対H252メガガルーラ 割合: 89.6%〜106.6% 回数: 乱数1発 (37.5%)
対H252バンギラス 割合: 171%〜200.9% 回数: 確定1発
対H4B164ドサイドン 割合: 51.8%〜62.3% 回数: 確定2発(ハードロック。ブレバこみでも死なない)
対HB特化FCロトム 割合: 42%〜49.6% 回数: 確定3発
対H252FCロトム 割合: 57.3%〜68.1% 回数: 確定2発(ブレバこみ超高乱数)
対H252ヒードラン 割合: 91.9%〜109% 回数: 乱数1発 (56.3%)
だいたいこんな感じです。過剰載らないと微妙に火力が足りない…
自信過剰こみのダメージは個別に計算はしておりませんが、↑で挙げた計算のうち、67%以上のものは過剰1回で倒せるラインに入ります。
被ダメージ計算
珠反動、ブレバ、ばかぢからでガンガン耐久が削れていくので、ほとんど当てになりません。
冷ビとかほとんど誰から飛んできても耐えないと思って大体間違いないです。
意識すべき先制技をいくつか。
- 補正なしA252メガガルーラのふいうち
割合: 21.1%〜25.1% おやこあい入れてもまあ安定
- 補正なしA252マンムーのこおりのつぶて
割合: 66.2%〜78.8% 痛い痛すぎる
- 補正ありA252カイリューの鉢巻しんそく
割合: 73.1%〜86.2% やめてください
- 補正ありA252珠ハッサムのバレットパンチ
割合: 69.7%〜83.4% ……。
優先度で負けていなければふいうちで競り勝てる場合が多いです。
以上になります。
ねばねばネットが無いと使えたもんじゃないですが、サポートしたら飛行受けを笑顔で突破するパワーを発揮してくれます。
受けに弱いのは珠エースの宿命といったところでしょうか。
ねばねばネットは身代わりたべのこし系の戦術とも相性がよいので、そういった味方を入れておいて、活躍できそうなときだけドンカラスを選出するようにすると、きっと痛快な戦果を挙げてくれることかと思います。