こんにちは。イブです。今回は9度目の投稿になります。
今回は受け潰しやその補助に特化したメガミミロップの型について紹介したいと思います。
この育成論では、互いに理想個体であることを前提としています。
HP、こうげき、ぼうぎょ、とくこう、とくぼう、すばやさはそれぞれH,A,B,C,D,Sと表記します。
はじめに
ミミロップとは、ORASからメガシンカができるようになり、アタッカーとして返り咲いたポケモンですが、メガシンカせずとも補助型として多くの型を考えやすい、いわゆる器用なポケモンです。メガシンカ前の特性が不器用なのが面白いところ。
しかし、高速格闘枠としてはバシャーモに軍配が挙がりやすく、中堅の粋を出ないという現状です。
採用理由
- 単純に高速格闘枠として、対策必須の筆頭であるガルーラの対策。
- 受けに出てくる物理受けに毒を入れ、サイクル戦を有利に動かす。
- 霊無効という耐性とS種族値135(105)からのアンコールにより、補助技読み・霊技読みで繰り出しやすい。
- ミミロップ自体が持つ高い牽制性能
ASメガミミロップとの比較
基本型である陽気ASアタッカー(跳び膝蹴り・恩返し・猫騙し・冷凍パンチ)のメガミミロップはガブガルゲンに対する一貫性や、H252ガルドに膝が高乱数という環境トップ勢への刺さり具合、肝っ玉からのタイプ一致ノーマル・格闘技と、ヌケニン以外の全ポケモンに等倍以上を取れるという安定した抜きエースとしての性能を併せ持っています。
しかし抜きエースとして致命的な欠点として、火力不足であるということが挙げられます。例えば、ガルーラを一撃で落とせるが、同時採用されやすいクレセリアには交代読みを当てても受けきられたり、H252ギルガルドに膝を当てても低乱数で耐えられたりと、全抜きエースとしてはいささか決定力が足りません。また、スカーフガブやHSメガゲンが増えたことにより逆に狩られやすくなっているということもあり、そこが大きな弱みとなっています。このメガミミロップは、高速格闘として最低限の役割遂行に必要な火力と速さ(具体的には、203ガルーラを落とせるA、ガブリアスを抜けるだけのS)のみを確保し、残りの努力値を耐久に回すことで過労死を出来る限り防ぎ、サイクル上に組み込む意識の調整です。ASメガミミはサイクル戦上では「他の2体を中心にサイクルを回した後、消耗した相手の全抜きを狙う」といったエース運用が多いですが、この型は「1〜2サイクル目に積極的に参加し、相手の物理受けを中心にサイクルを崩していく」という、毒々による後続の物理受け突破の補助役としての運用を中心に、「以降のサイクルでは格闘の一貫の仕方によってはエース運用も可能である」というのが強みです。メガミミロップで耐久振りは種族値とマッチしてないのでは?と思われるかもしれませんが、HBDの種族値が64-94-96と、Hが少し足りないだけで、BDの数値は並以上はあります。
ASメガミミロップと比較したVSガルーラスタン性能
コメントでASにも毒々を搭載できるという意見がありました。メガミミロップという高速格闘を採用する以上、ガルーラ対策が一番の採用理由となるので、ASにこの型と同じような技構成を採用した場合のガルーラスタンパと戦うときの性能を比較してみます。
まず、耐久振りの意義は当然生き残ることです。「メガミミが居なくてもガルーラの対処は余裕でできる」というのではそもそも生き残る意義が無くなるので、「メガミミがいないと負け確定」とまではいかなくとも、「メガガルーラが重くなる」ものと仮定します。そこで、ガルーラスタンに対するこちらの明らかな負け筋は主に「ガルーラを落とす前にガルーラの猫騙し・不意打ち圏内に入る」ということと、「メガミミと体力に余裕のある相手の物理受けのみが残る」ということです。Hに振ることで猫騙し・不意打ち圏内に入りにくくなるということと、物理受けの突破を後続に丸投げせずに毒々を搭載することで物理受けを突破しやすくなり、後者の事態を起こりにくくしているということが両立出来ており、VSガルーラスタンという点においてはHSメガミミのほうが優秀です。HPの割合で言うなら、HSメガミミロップはHPが60%ほど残っていれば特化メガガルの猫騙し+不意打ちを耐えられます。それに比べてASは、猫騙し+不意打ちで平均約70%ほど削れてしまいます。また、ガルーラの猫騙しの1発目をみがわりが耐えるかどうかという差もあります。特化メガガルの猫騙しをASだと確定で壊れ2発目で怯むのに比べ、この調整だとみがわりは37.5%で両方受けられます。ちなみにガルーラが陽気の場合は9割方行動できるのに対し、ASだと7割まで下がります。ガルーラ+ガルドの並びもよく見かけますが、みがわり+アンコールがあればガルドには2連キンシ読みで蹴るなり引くなりすれば勝てるので、ASの強みでもあるガルドを高乱数で落とせるのが低乱数になるからと言って実用性を大きく落としていることはありません。
努力値
H196 A60 B12 D4 S236
203ガルーラを跳び膝蹴りで確定1発の最低ラインであるA60と、メガシンカ前に最速ガブリアス抜きであるS236までは必須です。余りは膝外し2耐えのため、HP奇数を維持しながら最大まで振り、その余りをBとDに振りました。DではなくBに12振る理由ですが、主にメガルの猫騙しの初撃をみがわりが耐える確率を増やすためです。
H68 A60 B140 D4 S236(いか鉄さんのコメントより)
実数値
149ー164ー132ー66ー117ー203
ADSは上記の調整と同じです。
Bに厚く振ることでロトムの10万Vやゲンガーボルト等の不一致気合い玉等の確定数がずれるというデメリットを負いますが、ガルーラ、ガブリアス等の環境上位の相手の攻撃による(主にみがわりに関する)ダメージの乱数が変動します。()内の+割合は、上記の調整に比べ、どの程度確率が上がっているのかの数値です。
※ダメ計とは違い、急所率まで考慮に入れての確率。小数第二位以下は四捨五入。
特化メガガルーラの猫騙し初撃をみがわりが耐える確率 46.9%(+9.4%)
陽気メガガルーラの猫騙し初撃をみがわりが耐える確率 87.9%(+16.6%)
特化ガブの逆鱗を受けみがわりを貼れる確率 42.7%(+13.4%)
陽気ガブの逆鱗を受けみがわりを貼れる確率 93.8%(+17.5%)
まだ安定と言える確率ではなくとも、安定性の向上が図れていることは一目瞭然です。
差別化
ASメガミミロップとの比較はもう必要ないとは思いますが、次に思い浮かぶのは「物理受けに毒を入れるならメガ枠を使うミミロップでなくてもできるのではないか」ということです。しかし、採用理由でも取り上げている、ミミロップ自体の持つ高い牽制性能だけでも多くのポケモンとの差別化は可能です。というのも、メジャーなメガミミロップの搭載しているタイプ一致の「ねこだまし」の存在です。火力不足のメガミミロップの火力を補うための技ですが、襷潰し・先制技抜きなどの役割も果たすことができ、有利不利が明確であるという点です。例えばマンムーと加速済みメガバシャの対面では、上から一撃で倒せるメガバシャ側が有利ですが、使用率の高い襷マンムーだった場合、マンムー側が対面では有利なのでバシャ側の交代読みはリスクが高いです。では、マンムーとメガミミロップの対面ではどうでしょうか。マンムー側がスカーフでもない限り猫搭載メガミミロップに礫くらいしかできず落とされます。物理受けへの交換読みは圧倒的に決まりやすいといえます。この「猫騙し+広い技範囲」を覚えることによる高い交代誘発性能がメガミミロップで毒撒きをする最大の利点で、ほとんどの毒々アタッカーとの差別化点です。似たようなことはマニューラにも可能ですが、対ガルーラ性能や、メガゲンを抜けるSなど、比較するまでもないと思います。
特性・持ち物
持ち物はミミロップナイトで確定。普通のミミロップにも上記の牽制性能のおかげで物理受けは後投げされやすいので、食べ残しなんかを持たせて毒みがに特化させ、他のメガ枠をエースに置いてもいいのですが、この論ではガルーラ等を見るためのアタッカー運用も視野に入れて考察を進めていくので、こちらの考察は見送りとします。次に特性ですが、「じゅうなん」もしくは「メロメロボディ」の選択となります。詳しい立ち回りは後ほど記述しますが、サイクル戦に組み込むと言ってもメガ前から攻撃技読みで後投げをすることは少ないので、図太いボルトなどの電磁波をキャッチしてメガシンカせずアンコールできる「じゅうなん」が最適かと思われます。夢特性なのでガンテツボールとの両立はできません。
技構成
- 確定技
・とびひざげり
環境内ではメガガルーラ、ギルガルド、マンムーを筆頭に、並耐久の等倍相手にも比較的刺さります。恩返しという選択肢もありますが、弱点をつけないノーマル技はこの型では優先度が低いです。
・どくどく
この型の採用理由であり、これを採用する前提の調整なので採用しない場合は他の調整、またはASぶっぱの方がいいです。
ー準確定技
・みがわり
交換読みの際に打つ技として安定します。交代先が不利対面でも毒を入れられるというのが大きいです。
・アンコール
後出し時に霊技や積み技で縛ったり、みがわりと合わせて電磁波や鬼火を透かして縛って2ターン以上のアドバンテージを取ることが出来ます。
- 選択技
・がむしゃら
毒撒き+毒撒き時に削れたHPでがむしゃらというコンボで1:1交換に持っていきやすく、読み外しなどで消耗したとしても大きな負担をかけられます。準確定技のうち、みがわりを外した場合は消耗した時にアンコールで縛って後続にがむしゃら+跳び膝で落とせます。あわよくば死に出しされた相手にも肝っ玉がむしゃらが通ります。アンコールを外した場合はみがわり4回+がむしゃらで重い相手でも無理やり後続の先制技圏内に入れられたり、中途半端に残ったHPをみがわりで調整したりと、先制技のない相手を1:1交換に持っていきやすくなります。充分に採用価値がある技ですが、みがわり、アンコールの両方を採用しないとASメガミミに比べAを落としている分、ギルガルドの相手が苦しくなります。ガルドが特に重くないPTであれば採用できます。
・バトンタッチ(いか鉄さんのコメントより)
ミミロップが呼ぶ物理受けに対しみがわりを残した状態で毒みガルドにバトンタッチすることで、みがわり状態のメガミミに飛んでくるであろうクレセのサイキネやスイクンの熱湯などの多くの技に対してみがわりを残した状態を維持できます。
しかし、実際に運用した使用感としては、毒々が欲しくなる場面の方が明らかに多かったです。理由として、「バシャアローメガリザなど、一体でミミロップガルドの両方に一貫するポケモンが環境に多いにも関わらず、ミミロップ単体での採用が出来ない(出来ても汎用性を大きく失った戦法しか取れない)点」、「ガルドのみがわりを壊せる程度の火力を持ったポケモンを後投げされた時などは毒々を搭載していれば毒を入れて逃げることができるのに、バトンしかできない上にみがわりが残せないことも多い点」などが主です。運用回数の問題もあるかもしれませんが、物理受けに対してバトンをしてその相手をそのまま起点に・・・といった立ち回りができる試合はありませんでしたが、ゲンガーのヘド爆をアンコールしてバトンタッチ(居座ればガルドに交代、引かれれば引き先を見てから判断)のようなアンコールの後の択を無くす立ち回りを出来て勝てた試合もあったりと明確な役割を持てているので、考察の価値は充分にある技だと思います。
立ち回り
前提として、サイクルを回しやすいPTに導入します。先ほども書きましたが、「繰り出してくる物理受けに毒を入れ、相手のサイクルを崩す」というのが主な役割です。後投げを積極的にできるような耐性も数値もないので、襷持ちと対面しやすく、相手のポケモンと対面する回数が多い先発運用が多いです。交代読み行動は毒々かみがわりとなるのですが、交換先はクレセスイクンヤドラン等、メガミミを受けきれる相手や、アローボルトランドなど、膝や猫騙しを受けてでもメガミミと対面させたい相手が多いので、毒々が一貫しているなら毒々選択、ナットや毒タイプ耐久など、メガミミに繰り出されそうな毒無効のポケモンがいる場合はみがわりから入ってもいいです。クレセやヤドランは言うまでも無く、アローは鉢巻であれ珠であれゴツメであれ毒が刺さり、スイクンはねむカゴをアンコールできるため、毒にしても眠るを打ちにくい状況が作れます。ここに挙げているポケモンは一例ですが、メガミミに後出しが安定するポケモン自体少なくて、鋼は後出しされにくく毒タイプは環境に少ないのでメガミミのどくどくは決まりやすいです。
ダメージ計算
トレーナー天国様のツールを使わせていただきました。
- 与ダメージ
とびひざげり
203メガガルーラ 100.4%〜118.2% 確定1発
特化輝石ポリゴン2 54.1%〜65.6% 確定2発
H252盾ギルガルド 86.2%〜101.7% 乱数1発 (12.5%)
無振りガブリアス 57.3%〜67.7% 確定2発
H252B76FCロトム 56%〜66.8% 確定2発(オボン込み確定3発)
特化スイクン 32.3%〜38.1% 乱数3発 (96.3%)
H252メガゲンガー 35.9%〜42.5% 確定3発
H252 B76ファイアロー 31.8%〜37.8% 乱数3発 (93.2%)
特化クレセリア 14%〜16.7% 確定7発
特化メガヤドラン 11.8%〜13.8% 確定9発
この通り、火力不足と言われがちなメガミミをHSにしても、膝でガブを確定2発にできるくらいの火力は維持できます。
- 被ダメージ
・物理
A252ガブリアスの逆鱗 64.2%〜76.3% 確定2発
特化メガガルーラの猫騙し 23.6%〜27.8%(みがわりが37.5%で耐える)+10.9%〜13.3%
A252メガガルーラの猫騙し 21.8%〜26%(みがわりが71.3%で耐える)+9.6%〜12.7%
特化メガガルーラの不意打ち 15.1%〜18.1%+7.2%〜9%(みがわりが40.86%で子供の攻撃まで耐える。)
A252メガガルーラの不意打ち 13.9%〜16.3%+6.6%〜7.8%(みがわりが88.23%で子供の攻撃まで耐える)
A4ギルガルドの聖なる剣 61.8%〜72.7% 確定2発
無振りアローのブレバ 70.3%〜84.8% 確定2発
特化アローのブレバ 103%〜123.6% 確定1発
特化霊獣ランドロスの地震 63.6%〜75.1% 確定2発
・特殊
無振りメガゲンガーの気合玉 88.4%〜105.4% 乱数1発 (31.3%)
無振りメガゲンガーのヘドロ爆弾 50.9%〜60% 確定2発
無振りスイクンの熱湯 26%〜31.5% 確定4発
C252ボルトロスの気合玉 82.4%〜98.1% 確定2発
無振りポリゴン2の冷ビ 22.4%〜26.6% 乱数4発 みがわり乱数1発 (43.8%)
控えめC116FCロトムの10万V 40.6%〜49% 確定3発
等倍相手なら打ち合えることもお分かりいただけたと思います。
相性の良い味方
- ミトム
そもそもメガミミはミトムと相性が良く、ボルチェンによるサイクル回しや、めざ氷を搭載することでマンダにも強くなれます。出来れば後攻ボルチェンでメガミミに繋ぎたいので、スカーフはオススメしません。
- 毒みガルド
単純にメガミミとのタイプ相性補完が優秀で、クレセヤドランなどの受けポケに毒を入れにくかったり、毒を撒く間にも行動回数を確保したいことの多い毒みガルドは、この型との相性が抜群です。
- ファイアロー
鉢巻ならASメガミミロップの代わりの抜きエースとして使え、ゴツメ等の耐久アローならミミロップに飛んでくる格闘受けとして採用できます。蜻蛉を使えるので、ミトムと合わせるのが良いです。
最後に
ここまでご覧いただき、ありがとうございました。
何か至らぬ点がありましたらご指摘お願いいたします。
また、コメントに対する返信は時間がかかることがありますのでご了承ください。
ASメガミミロップとは違う動きができて、使いやすいです。相性の良い味方も単純に使いやすい型が多く同時選出できなくても腐りにくいので、これらの補完枠に迷ったら是非ご使用ください。