はじめに
こんにちは、餌やり係です。メガヤンマについては第五世代にいくつか育成論が投稿されていますが、新世代環境下ではめざめるパワー威力低下や突撃チョッキ登場で少し前提が変わったと考えたので投稿します。といってもこちらの動きにそこまで大きな変化はありませんが……
・HP、こうげき、ぼうぎょ、とくこう、とくぼう、すばやさはHABCDSと表記します。
・各ポケモンの個体値は、特に断りのない限りすべて31であるとします。
・メガヤンマの個体値は、31-0-30-31-31-31で計算しています。
・ダメージ計算はトレーナー天国様のツールを使わせていただきました。
1.採用理由
(1)コンセプト
・加速を利用した特殊アタッカー
それなりのC・Sと特性の加速を利用して、相手を上から殴り落とします。先発・死に出しから居座って加速する立ち回りとなるため、まもるの採用とサブウエポンによる技範囲拡大で居座れる機会を増やします。こちらが今回メインの運用法となります。
メガヤンマの他の運用として催眠術や色眼鏡を利用する戦法があります。前者は催眠術の命中率、後者は100族より遅いメガヤンマは上から落とされることがネックで、現時点では加速の方が動きやすいです。
・対格闘・草
耐性上これらの相手に役割を持たせたいところですが、襷、岩技、突撃チョッキ等のため難しくなっています。メガフシギバナやジャローダ、エルフーン等の草タイプへの役割は比較的安定します。やむを得ずサイクル戦に突入した後は格闘や虫への操出しも選択肢になります。
(2)差別化
類似のコンセプトで動くポケモンとして、加速バシャーモ・サメハダー、上から殴る飛行タイプのファイアローがいます。いずれも強烈な長所を持っており厳しいところもありますが、できるだけ差別化を図ります。
・バシャーモ、サメハダー
突破力では劣りますが、メインウエポンの範囲が違うため差別化はできます。メガヤンマはタイプ一致虫・飛行技によりこの二体がそれぞれ苦手なエスパー、格闘の両方との対面で有利です。
・ファイアロー
向こうはタイプ一致威力120の先制技という強い個性があります。こちらには虫技があり、格闘タイプ(キノガッサ、へラクロス、ローブシン等)とよく組むクレセリアの安易な後出しを許さず、耐久ヤドランには後出しできます。また、後述のサブウエポンによってファイアローでは不利な相手の一部を突破できます。
「虫技・飛行技+サブウエポンの構成」、「格闘+クレセリアの並びを牽制できるだけの火力」の二つが構成の指針になります。
2.能力値等
(1)特性・性格・持ち物
・特性
コンセプト上、特性は「かそく」で確定となります。
・性格・持ち物
可能な限り相手の攻撃を受けないために最大限の火力を確保しつつ、居座って加速して戦うことを考え、性格は「ひかえめ」、アイテムは技を選べる「いのちのたま」を確定とします。
他の候補として、有利対面での確定数を概ね維持しつつ耐久調整ができる「たつじんのおび」があります。また、「きあいのタスキ」だとヤドラン等仮想敵への確定数がずれますが、対面からの一体突破がより確実になるので一応候補になります。
(2)能力値(H-A-B-C-D-S)
実数値161-x-106-184-77-147
努力値0-0-0-252-6-252
特化することにより、無振りゲッコウガが等倍時に中乱数(下降補正で確定)、H252D4振りクレセリアがエアスラッシュ+むしのさざめきで確定になります。Sは(特にめざめるパワー氷採用の場合)準速ランドロスを抜く実数値144(228振り)まで必要です。
余りはどう使っても実際上は大して問題ないと思いますが、球で削れるため有効な調整が難しく、確定欄はCSぶっぱとしています。これでむじゃき球バシャーモを対面で抜けます。余る6はHに振るとステルスロックでちょうど半分のダメージを受けてしまうので、BかDに振ってください。
なお、H個体値を25に下げ実数値を159とすると、球の反動が減って三発目の攻撃後に残るHPが114(確定欄では113)となり、それ以降の耐久が若干上がるほか、天候や宿り木のダメージも軽減できます。一発目の反動では確定欄の方がHPが多く残る(二発目は同じ)ので、好みで選択してください。
[めざめるパワー地面採用の場合]
CSどちらかを下げる必要がありますが、どちらかというと80族抜き抜きとなる今の速さを落としたくありません。
そのため、31-31-31-30-30-31の個体推奨です。努力値は0-0-6-248-0-252となります(4余りますが、Hに振りたくないため自由に振ってください)。
HB:無振り
スカーフガブリアスの逆鱗を耐えて相打ち以上を狙える程度の耐久があります。格闘技への後出しは可能ですが、岩技を耐えないので一撃で落とす必要があります。
補正ありA全振りガブリアスの逆鱗
127〜151(78.8%〜93.7%)
※球ダメ込みで耐える確率は75%
補正なしA全振りキノガッサの岩石封じ
156〜188(96.8%〜116.7%) 乱数1発 (81.3%)
補正ありA全振りローブシンのドレインパンチ/マッハパンチ
21〜25(13%〜15.5%)/11〜13(6.8%〜8%)
補正なしA全振りローブシンの冷凍パンチ
112〜134(69.5%〜83.2%)
※冷凍パンチ+球+マッハパンチを高乱数で耐えるため、今多い岩技を切った根性チョッキ型との対面は殴り勝てます。
補正ありA全振りメガハッサムのテクニシャンバレットパンチ
72〜85(44.7%〜52.7%) 乱数2発 (23.4%)
HD:余り
特殊耐久は薄く、草技読み以外では有利な相手にも迂闊に後出しできません。
C4振りヤドランの冷凍ビーム
108〜128(67%〜79.5%)
※メガヤドランの冷凍ビームはCに振られると耐えられません。
無振りメガフシギバナのヘドロ爆弾
94〜112(58.3%〜69.5%)
※C60振り程度までのギガドレイン+ヘドロ爆弾+球ダメ一回を耐えます。
補正ありC全振りサザンドラの悪の波動
114〜135(70.8%〜83.8%)
※相手がスカーフだと対面から守るを挟んで一発受けます。流星群は耐えません。
3.技
(1)確定技
運用方針上、虫・飛行の特殊技であるむしのさざめき・エアスラッシュは確定です。
- むしのさざめき
メガヤンマのメインウエポンです。並耐久の等倍相手には確定二発、抜群だとサザンドラやヤドランあたりは確定一発になります。身代わり貫通です。
H全振りエルフーン
129〜152(77.2%〜91%)
H全振りサザンドラ
221〜265(111%〜133.1%)
補正なし無振りゲッコウガ(変幻自在後等倍想定)
134〜160(91.1%〜108.8%) 乱数1発 (50%)
※抜群時やD下降補正時は確定一発
H全振りクレセリア
164〜195(72.2%〜85.9%)
H全振りメガガルーラ
101〜121(47.6%〜57%) 乱数2発 (86.7%)
- エアスラッシュ
もう一つのタイプ一致技であり、格闘タイプや草タイプへの遂行技です。
H全振りローブシン/チョッキ
242〜283(114.1%〜133.4%)/159〜190(75%〜89.6%)
補正ありHD全振りメガフシギバナ
109〜133(58.2%〜71.1%)
※H振りのみでも確定二発
無振りジャローダ
174〜211(116%〜140.6%)
※H振りでも高乱数一発(81.3%)。
H全振りメガハッサム
86〜101(48.5%〜57%) 乱数2発 (90.6%)
無振りメガリザードンY
75〜90(49%〜58.8%) 乱数2発 (98.4%)
(2)選択技
基本的にはまもる+サブウエポン一つの構成が安定します。サブウエポンの候補は、めざめるパワー、シャドーボール、ギガドレイン、原始の力といったところです。
- まもる/みがわり
サザンドラやゲッコウガとの対面で加速の手段として有効な守るは優先度の高い技です。みきりも覚えますが、PPの多いまもるを推奨します。致命的である電磁波をすかせる身代わりも候補にはなります。
- めざめるパワー/ギガドレイン/シャドーボール/げんしのちから/ねごと
この中では、ガブリアス(襷に注意)、メガボーマンダ、ランドロス(チョッキに注意)等に確定一発をとれるめざめるパワー氷を使う機会が最も多く、ファイアローとの差別化という意味でも有用です。他には、スイクンやドサイドンに通るギガドレイン、クレセドランに強くなるヒードランへのめざめるパワー地面も候補になります。
パーティで重い相手への対策を優先する場合は、ギルガルド交代読みのシャドーボール(確定二発)、メガリザードンYへの原始の力(確定一発)、草への後出しを重視する場合の寝言も採用する価値があります。(ダメージ計算省略)
めざめるパワー氷
無振りガブリアス
208〜250(113.6%〜136.6%)
H全振りサンダー
101〜120(51.2%〜60.9%)
※げんしのちからでも同じです。
ギガドレイン
H全振りスイクン
101〜120(48.7%〜57.9%) 乱数2発 (93.8%)
※さざめきでも低乱数二発なので後出しは許さず、対面では瞑想からの冷凍ビームがあると落ちます。どちらかを切っているスイクンとの対面で活きます。
補正なしD全振りチョッキハードロックドサイドン
129〜152(67.8%〜80%)
※虫のさざめきと合わせて確定。チョッキでないAD振りは確定一発。
めざめるパワー地面
補正なしH212振りヒードラン
177〜208(91.7%〜107.7%) 乱数1発 (37.5%)
※エアスラッシュと合わせて食べ残し込みで確定。
H全振りメガクチート
96〜114(61.1%〜72.6%)
終わりに
メガヤンマには自分で火力を補強できる積技がなく、技の威力も足りないので、バシャーモやウルガモスのように全抜きを狙うことは難しいです。しかし加速という特性は十分に強力であり、一体倒す+αくらいの活躍は十分に狙えます。加速アタッカー一般に言えることですが、先制で落とされるファイアローに注意してください。