- 指定がない限りお互いは6Vとします。
- ステータスの略称としてHP/こうげき/ぼうぎょ/とくこう/とくぼう/すばやさの略称としてH/A/B/C/D/Sを使用します。6個の数値が羅列してあった場合、H-A-B-C-D-Sとなります。
- 「特化」とは努力値を252振り性格補正をかけたものとします。技名の後の↑,↓はステータスのランク上昇を示します。
- 努力値の後の()でくくった中の数字はステータス実数値です。
例:こうげきに努力値を252振った性格意地っ張りのハッサムが剣の舞を使った後のバレットパンチは
A特化(200)ハッサムのバレットパンチ↑↑
と表記します。
前置き
こんにちは。
2回目の投稿をさせて頂きます、リバーと言います。
今回はダブルのメガリザードンYの相方となる葉緑素フシギバナの紹介をさせて頂きます。
正直なところテンプレ構築の一つであり使用者もそれなりに多いかと思いますので、突っ込みどころがあれば積極的に指摘をお願いします。
フシギバナとは?
説明不要の初代草御三家として登場したポケモンです。XYでも途中で博士からもらうことが出来るため、ストーリーで連れまわしてきた方も多いと思います。
プレーヤー対戦においては各世代である程度の地位を保ち、受け攻め両面で活躍してきました。BWで隠れ特性として葉緑素が解禁されましたが、厳選不可能入手困難に加え加速バシャーモと比較すると分かりやすい強さでないことから使用者は少数に留まりました。採用は多くの場合、シングルにおける催眠吠えるを駆使した雨パ対策として運用されることが多かったようです。今作ではメガシンカを得ることで耐久に磨きがかかり、シングルにおいては有力な地位を占めるに至りました。
一方で、RSで追加され公式ルールとして採用されているダブルバトルにおいての活躍は芳しくありません。同タイプのモロバレルと比較すると「きのこのほうし」と「ねむりごな」の差や「いかりのこな」によるサポート性能、Sの違いによる対トリルの圧力など劣る面が数多くあります。メガシンカしたところで、ただ耐久が高いというだけでは放置・集中攻撃などにより有効に機能する場面はシングルより少なく、ダブルバトルにおいてこいつを積極的に採用する理由はないように見えます。
メガリザードンYとフシギバナの意義
XYでは同じく御三家であるリザードンもメガシンカし、特性日照りを得ることで圧倒的な火力による制圧力を手に入れました。しかし、メガリザYには弱点があります。それは100という中途半端なSと岩4倍弱点です。同じくメガシンカにより破壊的なスペックを得たメガガルーラとの同速対決、その対策のガブリアスや霊獣ランドロス@スカーフなどの岩技によりメガリザYは容易く倒れてしまいます。また、高耐久または炎耐性を持つポケモンによるトリックルーム、そして恒例のバンギラスも苦手としています。
そこでフシギバナの登場です。晴れ下のフシギバナは単純なアタッカーとしてのスペックは決して高くありませんが、上記のポケモンに対しての圧力を最低限備えています。また、葉緑素眠り粉はトリル下必中催眠と比較すれば不安定ですが、高速or中速アタッカーと同時に採用できる誤魔化し技の一つと考えれば悪い技ではありません。加えて、バナを採用することでメガリザYにソーラービームを採用する必要性が薄れ、技スペースを空けることができます。そして、フシギバナはシングルバトルやメガシンカによって耐久型のイメージが強く、草弱点のポケモンであっても体力が満タンであれば引くことは少ないため、相手がこちらの型を錯覚しそのまま一撃で葬ることも可能です。
今回は新たにXYで採用できるようになった遺伝技も含めて考察していきます。
採用理由
- 晴れ下の高速アタッカー
- メガリザY(炎タイプ)の苦手とするポケモンへの圧力
対戦環境
一応全国ダブルを想定していますが、後述より技構成によってはドレディアと運用法が被るため、カロスダブルが最適となります。フシギバナはフェアリーを半減でき、特殊耐久で上回るので差別化の必要性は薄いですけれど。
特性
- ようりょくそ
晴れパで採用するので確定です。
努力値・性格
- 種族値
80-82-83-100-100-80
なんとも地味な数値です。若干特殊方面が高いですが、それでもほぼ平坦と言っていいでしょう。
今回は少しでも火力を稼ぐために、性格はひかえめを基本的には推奨します。
- 努力値
例1
努力値 4-0-0-252-0-252
実数値 156-x-103-167-120-132
単純なCS極振り。C特化することで耐久無振りガブリアスを珠めざ氷で確定1にできます。ダメージ計算を見ていただければわかりますが、Cを削る余地は有りません。すばやさに関しても葉緑素があるとは言え、追い風構築とぶつかった場合同速対決が容易に起こりえます。確定欄はこれです。
例2
性格 おくびょう
努力値 12-0-0-252-0-236
実数値 158-x-103-152-120-143
追い風下のドーブルを抜く配分。この場合さらに努力値を振り最速ヒードランまで抜くことで眠り粉により無力化できる可能性を作っています。火力低下の影響は大きく、想定していた仕事をできなくなる可能性があります。
持ち物
いのちのたま
耐久と引き換えに火力を得るアイテム。相手の竜やランドロスを見たいのであればこれです。確定欄。
くろいヘドロ
耐久力の補助。まもると併用することで確定数をずらすことが期待できます。
バコウのみ
ファイアローが怖いのであれば。ただし、上記の努力値配分では特化鉢巻ファイアローのブレバを耐えられません。
技構成
- 確定技
まもる
ダブルの基本技。これ以外確定にする技が無い模様。
- 選択技
攻撃技
リーフストーム
意表を突く技にして、ハードプラントを除いた最高火力技。これにより、炎技を半減するトリル発動要員の多くを確定で持っていくことができます。メガリザYの支援を主な仕事とするならこれが一番有力です。今作から使える遺伝技で今回の確定欄。
くさのちかい
メガリザYとの合体技。今作で威力が80に上がりました。うまく行けば葉緑素フシギバナのSからリザードンのCにより威力150の炎技+定数ダメを与えることが可能。ただし、守られるとこちらの1ターンが無駄になるためダブルバトルではリスクにリターンが見合ってないかもしれません。
ギガドレイン
攻撃と同時に回復が可能。フシギバナ単体で見ると場持ちが良くなり強力です。ただし、火力が低く(珠フシギバナのエナジーボール>メガリザードンYのソーラービーム>珠フシギバナのギガドレイン)、耐久調整した相手によって想定内で耐えられてしまいます。遺伝技。
エナジーボール
普通の攻撃技。エナジーボール×2よりもリーフストーム+↓↓リーフストームの方がダメージが大きいです。草技とヘドロばくだんの打ち分けを考えるのであれば採用価値があります。
○2014/06/24追記
ソーラービーム
威力120命中100反動無しという強力な技。晴れ下で連発可能ですが、問題は天候変化です。フシギバナは準速バンギ(育成論BW/2936)程度は抜くことができるので、構築次第では横のポケモンがフシギバナより先に日本晴れを使い、砂・雨・霰を無効化して打ち込むことができる可能性もあります。
ヘドロばくだん
フシギバナの最高威力毒技。相手のフェアリーや草タイプ、ほとんどの炎タイプ、氷2倍ドラゴンタイプに対しては最大の打点になります。また、相手のフシギバナやモロバレルに対してフシギバナを後だしする状況であるのなら非常に役に立つ技でもあります。
めざめるパワー
メガリザードンYを支援することを意識するのならばガブリアス、ボーマンダ、ランドロスに対して有効な氷を選択。相手のリザードンやファイアロー、ウルガモス等に圧力をかけたいのであれば岩。めざ地は耐久無振りヒードランであっても確定になりません。今回はめざめるパワー氷を確定欄としました。
補助技
ねむりごな
命中75%の催眠技。眠らせたいだけであればビビヨンやドーブル、茸達を採用した方がいいです。フシギバナでこれを打つのは、対戦中にどうしようもないシチュエーションを打開するためです。リフストを採用した時は、攻撃後置物になることを防ぐのにも利用できます。
しんぴのまもり
スカーフドーブルより速いため、これも選択肢に上がります。
ほえる
影踏みや小さくなるラッキー、トリル発動読みピンポイントな技。詰みを回避できると考えるとどうしようもない技なわけでもありませんが・・・。今作よりまもるを貫通します。
せいちょう
欲張りすぎるのは危険です。ダブル環境でフシギバナが無双するのは極めて困難でしょう。
ダメージ計算
例1を基準に行います。持ち物は珠です。
計算はポケモントレーナー天国さんのものを使用しました。
- リーフストーム
・C特化眼鏡サザンドラのあくのはどう耐えヤドキング(201-156)
確1:205〜244(101.9%〜121.3%)
・C特化メガリザードンYのソーラービーム耐えウォッシュロトム(157-160)
確1:198〜237(126.1%〜150.9%)
・H252D4チョッキマリルリ(207-101)
確1:213〜252(102.8%〜121.7%)
・H4メガライボルト(146-100)
確1:160〜188(110.3%〜129.6%)
・H252クレセリア(227-150)
低乱2:107〜126(47.1%〜55.5%)
・耐久無振りメガガルーラ(180-120)
確2:133〜157(73.8%〜87.2%)
→C↓↓込みで確定2
・H252砂下バンギラス(207-180)
低乱1[12.5%]:179〜213(86.4%〜102.8%)
・耐久無振りランドロス(164-100)
高乱1[87.5%]160〜188(97.5%〜114.6%)
・H252メガクチート(157-115)
低乱2:70〜82(44.5%〜52.2%)
- ギガドレイン
・H252ウォッシュロトム(157-127)
中乱1[56.3%]:148〜174(94.2%〜110.8%)
→それなりの耐久の有るポケモンであればギガドレイン程度は余裕で耐える
- ヘドロばくだん
・H244振りトゲキッス(191-135)
低乱1[6.5%]:164〜195(85.8%〜102%)
→耐久無振りなら確1
・耐久無振りメガサーナイト(143-155)
確1:143〜172(100%〜120.2%)
・H252サザンドラ(199-110)
確2:101〜121(50.7%〜60.8%)
・耐久無振りファイアロー(153-89)
確2:125〜148(81.6%〜96.7%)
・H252D4モロバレル(221-101)
高乱2[98.4%]:109〜130(49.3%〜58.8%)
・H252D4メガフシギバナ(187-141)
超低乱2[0.39%]:78〜94(41.7%〜50.2%)
・H4フシギバナ(156-120)
確2:94〜110(60.6%〜70.9%)
○2014/06/24追記
・H252チョッキニンフィア(202-225)
確2:101〜120(50%〜59.4%)
※C実数値152珠ヘドロばくだん
・H252ドーブル(162-65)
中乱1(68.8%):153〜183(94.4%〜112.9%)
- くさのちかい+ほのおのちかい
・C252メガリザY(211)→H252メガガルーラ(212-120)
確1:225〜265(106.1%〜125%)
- めざめるパワー氷
・D4ガブリアス(183-106)
確1:187〜224(102.1%〜122.4%)
・H252ランドロス(196-100)
確1:203〜239(103.5%〜121.9%)
・H252メガゲンガー(167-115)
確定4:44〜52(26.3%〜31.1%)
→身代わり確定破壊
- めざめるパワー岩
・H4メガリザードンY(154-135)
低乱1[75%]:146〜177(94.8%〜114.9%)
・H4ウルガモス(161-125)
確1:161〜192(100%〜119.2%)
・H252ファイアロー(185-89)
確1:224〜265(121%〜143.2%)
- めざめるパワー地
・H252ヒードラン(198-126)
確2:156〜187(78.7%〜94.4%)
被ダメ
・A252メガガルーラ(177)の親子おんがえし
高乱1[83%]:150〜177(96.1%〜113.4%)
・A特化バンギラス(204)のダブルいわなだれ
確3:63〜75(40.3%〜48%)
・A252霊獣ランドロス(A252)のダブルじしん
確2:181〜96(51.9%〜61.5%)
・C252ボーマンダ(162)の晴れ下文字
確1:170〜200(108.9%〜128.2%)
・C特化トゲキッス(194)のエアスラッシュ
低乱1[12.5%]:134〜158(85.8%〜101.2%)
→珠ダメ込み確1
・C無振りクレセリア(95)のサイコキネシス
確2:84〜98(53.8%〜62.8%)
○2014/06/24追記
・C特化眼鏡ニンフィア(267)のダブルハイパーボイス
確3:54〜65(34.6%〜41.6%)
・同ニンフィアのサイコショック
確1:158〜186(101.2%〜119.2%)
今回は以上です。追加要望があればお願いします。
晴れに圧力をかけようとする水タイプのトリル要員は即死します。また、高耐久エスパーやフェアリーも集中攻撃を受ければ耐えきれません。最悪催眠で何とかしましょう。
相性のいい味方
- メガリザードンY
XYでメガシンカを得たことで天候始動特性を得ました。横の並びとしての相性はそれなりにいいのですが、縦は耐久を振っていないだけあってさほどではありません。バナが草技を持つことで、リザードンの技スペを空かせる可能性ができることが最大の利点です。
- キュウコン
メガ枠としてリザードンを採用したくないのであれば。誘う相手はメガリザYと大きく変わらないはずです。
- ウォッシュロトム
飛行、炎技受けに。晴れ下では水技が弱体化することを覚えておきましょう。
- ヒードラン
ウォッシュロトム同様。対炎タイプ用にだいちのちからの搭載を推奨。
- ガブリアス
炎タイプ+フシギバナが弱いシャンデラ(特にトリル仕様)や遅いドラゴンに圧力をかけられます。フェアリーの半減は容易ですが、氷に注意。非常に一貫しやすいです。
- バンギラス
晴れと矛盾したポケモンですが、ガブとランド以外の呼ぶポケモン全般に非常に強いです。第2の選出枠として使えます。
危険な敵
- シャンデラ
リザ(キュウコン)バナ共に相手をできません。トリルを張られたり小さくなられたら負けだと思ってください。構築段階から対策する必要があります。
- ヒードラン
↑と同じく。クレセドランの並びをどう処理するかが晴れ構築の難しいところです。
- ガブリアス
スカガブを抜けないSのフシギバナである、相手の配分により耐えられるなどの場合極めて辛い相手です。めざ氷はこいつのためにあると言って過言ではないですが、それでも難しい相手です。
運用
基本は先発リザードン+フシギバナですが、それに拘らないでください。仮に先発で出したとしても、メガシンカターンに葉緑素は発動しないので相手にペースを握られる恐れがあります。この2体に強いポケモンのほとんどは物理なので、私はリザードン+ランドロスやズルズキンなどの威嚇持ちやウォッシュロトムなどを先発で出し、蜻蛉ボルチェンでフシギバナを降臨させています。
リザバナは基本的にリザードンを活躍させなければ火力不足になり気味です。リザードンのケアを出来るポケモンを必ず後続に控えさせてください。フシギバナを強引に選出する必要はありません。
○2014/06/14追記
- パーティ例
カロスダブルでは下記のパーティで潜っています。
リザードン@Yナイト ねっぷう/エアスラ/オバヒ/守る
フシギバナ@珠 リフスト/ヘド爆/めざ氷/守る
ガブリアス@ゴツメ ドラクロ/地震/岩石封じ/守る
ズルズキン@ラム 猫騙/ドレパン/噛み砕く/ファストガード
水ロトム@食べ残し ドロポン/10万/鬼火/守る
サーナイト@オボン ムーンフォース/封印/守る/トリル ※C特化シャンデラのシャドボ耐え
ヒードランを完全に無視しているため、全国ダブルでは通用しないかもしれません。
環境に合わせてサーナイト、ロトム辺りを変えた方がいいと思います。
終わりに
いかがでしたでしょうか。
バナはダブルでも活躍できそうであることが分かって頂けると幸いです。モロバレルやメガバナとは運用方法が全く違うのでまずは使ってみないと強さが体感しずらいポケモンですが、選出できた時はかなりの活躍が期待できます。とりあえずカロス産リフスト遺伝めざ氷理想個体葉緑素バナの厳選の面倒くささを体感してみてください。
誤字脱字があれば指摘をお願いします。
最後まで閲覧ありがとうございました。
ちなみに
ヘドロばくだんとほえるを採用しない場合、フシギバナと一定の互換性を持ちうるポケモンがいます。ドレディアです。比較すると、ドレディアはフシギバナよりも高いCSと物理耐久を維持できます。例えば、メガガルーラの恩返し耐えをC実数値167を維持しながら行う場合、
- フシギバナ
努力値 4-0-112-252-4-136
実数値 156-x-117-167-121-117
- ドレディア
努力値 4-0-240-176-4-84
実数値 146-x-125-167-96-121
となります。カロスダブルでは使えませんが、全国ダブルでリザドレ構築で結果を出すとお通夜状態のドレディアも使用者が増えるかもしれないので、誰か頑張ってみてください。
2014/06/24 追記。ニンフィアのダメージ計算とパーティ例を追加