初めに
- この考察ではHP/攻撃/防御/特攻/特防/素早さをH/A/B/C/D/Sと略記するなど比較的一般的と思われる略称・略号を用いたり、公式のカナ表記を漢字に改めたりします。あまり一般的ではないと思われる用語や意味の分からない部分がありましたら、コメント欄までお願いします。
- 今回が初投稿です。なんでレートも終わった今の時期にと思われるかもしれませんが正式な順位が出なくとも対戦環境はありますし、正式な順位が出ないからこそ中堅・マイナーと言われているポケモンを次回作に向けて試運転しているという人もいるのではないでしょうか。今回考察するメガデンリュウはメガシンカするポケモンのなかで多く採用されている方ではないため、今の時期だからこそ見直してほしいという思いがあります。また初投稿ゆえの至らなさはあると思いますが、コメント欄でやさしくご指導願えると幸いです。
- ダメージ計算はトレーナー天国さん、基本的なポケモンのデータ(種族値、性格補正表、覚える技、タイプ相性表、目覚めるパワー表など)はポケモンWikiさんを参照しています。これら参照元の信ぴょう性問題については僕は一切ノーコメントですので検証したい方は各自でお願いします。
性格・努力値ぶり
先に説明したいこと、すべきことはたくさんあるのですが他の育成論との差異を明確にするため、さきに性格と努力値を解説します。
まず性格ですが図太い(B:UP A:DOWN)か呑気(B:UP S:DOWN)の二択です。この二択には一長一短があるのですが後の方が説明しやすいため後述します。
次に努力値ですが
H252 B196 C60
で確定です。
調整意図ですが
H:ぶっぱ
B:性格補正効率最大(性格補正は10%上昇だが端数切捨てであるため性格補正非考慮での数値が10の倍数つまり実数値が11の倍数のときに効率が最大になる)
C:余り
となっています。
またHBのラインは意地ガブリアスの逆鱗を乱数16通りのうち最高を引かなければ耐えます。またマリルリのじゃれつくも指数上これより低いので耐えることができます。
最遅ギルガルド抜かれについて
確定欄ではSの実数値が57となっています。これは最遅ギルガルドより遅く行動することでブレードフォルムにダメージを与えることを狙ったためであり、S個体値14〜15で達成可能です。ただし呑気を候補にしたことからもわかる通り、こいつが抜きたい相手など多くなく、むしろ後述するように抜かれた方が得な場合も多いため、いっそS個体値0でも構わないのではないかという考え方もあります。また呑気の場合どこまでSを落とすかも難しい問題であり、Sを下げる場合の調整は無責任ながら各自考察してくださいと言わざるを得ません。僕から言えるのはS個体値16以上よりは15以下の方がいいのではないか、ということぐらいです。
なぜB振りなのか
既存の育成論ではCに振り切ったものやDに厚いものもありましたが、Bに大きく振った(ましてや性格補正をかけた)ものはありませんでした。僕がこの調整を選んだ目的はデンリュウの長所を生かすことです。
- デンリュウの長所・・・環境に多い電気タイプに強い。ウォッシュロトム(以降水ロトム)やヒートロトム(以降ヒートム)をはじめ化身ボルトロス(以降単にボルトロスもしくはボルト)や霊獣ボルトロス(以降レボルト)など電気タイプのほぼ全般に強く出ることができます。
これは電気四分の一でさらにどうせ環境にはいないフロストとノーマル以外のロトム系のもう一つの一致技も半減にする強力な耐性のなせる業です。
こう書くと特殊方面に役割の厚いポケモンなのだから既存のD振りが妥当なのではと思うかもしれません。しかし逆に考えればこいつの特殊への役割は耐性だけで十分持てているとも言えます。昨今のロトムやボルトは耐久型が多いことも考えれば過剰なD振りは不要と考えているわけです。言い換えれば、こいつの長所は単に電気勢を止められるということにとどまらず、H振りのみでそれが達成可能なことだとも言えます。
一方物理方面はどうでしょうか。物理でのこいつの役割対象筆頭はファイアローです。ファイアローも一致技を半減することはできますが、鉢巻など火力上昇アイテムの採用率が高く一致技の火力も電気ポケモン勢より高いです。要するに繰り出し可能回数が電気勢よりずっと少なくなりやすいわけです。例えば水ロトムやヒートムにも半減にしかできない高威力技はあるにはありますが、低命中やCダウンなどリスクがあるため安易には打てなかったりそもそも採用されていないこともある一方、ファイアローは強化アイテムをもってブレイブバードを連打してくることがあることを考えれば繰り出し回数に差が出やすいことはわかるでしょう。
つまり特殊方面は耐性受けと考えて削り、物理方面に振ることで役割対象や繰り出し回数が増える可能性があるという考え方です。
別の例を挙げると、メガデンリュウは現在環境を席巻している電気タイプと異なり、浮いていないため地震を普通に抜群でくらってしまいます。それが電気タイプとして飛行タイプ(例えばギャラドスやボーマンダ)への遂行を目指す場合にネックになります。B振りによってそれを補うことができます。
また現環境で非常に幅を利かせているガルーラ、ガブリアス、バシャーモなど物理技を主体にするポケモンたちは、積極的に出ていきたい相手ではありませんが、個体数が多い分偶発対面する確率も高いです。こいつらは火力が高く、交代からは受けられないシチュエーションも多いので、最悪の場合の選択肢として居座りの選択肢がある範囲を広げるという見地からもB振りは生きると思います。つまりこいつの理想の動きであるサイクル戦が不可能と判断し物理とのタイマンを余儀なくされた場合、本来勝てなかったタイマンに勝ちうるということで、理想の立ち回りができなくなった場合の保険としてのB振りでもあるということです。
突っ張れるようになる対面の例(大天使さんから頂きました)
- A特化カイリューの逆鱗or鉢巻地震(裏にフェアリーや鋼を見せれば特に鉢巻型には逆鱗は打たれにくい)を耐え、型破り竜の波動で落とせる。
- メガリザードンxのドラゴンクローを確定で耐え抜ける為、XYどちらでも突っ張りうる(逆鱗持ちもドラゴンクロー持ちも、どちらもPGLの割合は2割5分と同程度でYの可能性も考えると十分突っ張れる)
以上のような理由から今回は大きくBに振った育成論となっています。
立ち回り・運用
- 起用法・・・基本的にこいつは先発出しないしは後攻とんぼ返りからの展開を考えています。耐久十分というのはあくまでメガシンカ後の話でありメガシンカ前では受け出しは耐性・数値ともに難しいからです。ただし、大天使さんからコメントをいただき、一部相手にはメガ前からでも出ていけるのではないかとの指摘がありました。詳細はダメージ計算をご確認ください。
- 基調とする立ち回り・・・ここまででガブリアスからの被ダメージ計算に触れたり、役割対象などという言葉を使ったりして、こいつの運用について幅広い対面を強引に突っ張ったり、対面や後出しから幅広い相手を落としていくというようなイメージをさせてしまったかもしれませんが、こいつの本来の仕事はボルトチェンジによるサイクル戦です。
そもそも論になりますが、こいつの採用理由を考えてみましょう。
こいつを採用する理由
誰かをピンポイントで見ているポケモンではないので難しいですが、ほかのメガシンカ枠(例えばガルーラやゲンガー)ではなく、なぜこいつを軸にしたのかという意味での採用理由ならあります。これは大きく4つの要素があります。
1.環境で採用率の高いポケモンに刺さっている耐性
先ほども言ったとおり電気勢やファイアローに強いです。
2.高耐久
電気勢ではトップクラスの耐久です。最初に挙げた優秀な耐性も含めて考えます。
3.高火力
今回のかなりCを削った型ですらHSメガゲンガーと同等と特殊技火力としては結構高いです。
4.鈍足
なぜ鈍足が採用理由なのか?言わずもがな後攻ボルトチェンジがしたいからです。二番目に挙げた高耐久と相まって、こいつで攻撃を受けつつサイクルしていくことができます。(性格の項で物理技を使わないのに呑気を候補にしたのは後攻をとれる範囲をさらに広げるためです。しかしこれで後攻をとれるようになる具体的な相手が思いつかず、イカサマのダメージを減らすことの方が重要と思われたので確定欄は図太いとしました。)交代際に役割破壊を受けて一気にサイクル負けというような事故を大幅に減らすことができます。
これらのことからこいつを採用する目的がそもそも高火力ボルトチェンジ(以下ボルチェンと略すことがあります)で負担をかけつつサイクルすることだといえます。突っ張れる範囲は広いですし、役割対象に対する安定性もありますが、タイトルにも書いた通りこいつはボルチェンのスペシャリストだということをよく覚えておいてください。有利対面を作ってボルチェンで回すというのが基本の動きです。その中で環境に多いやつらに刺さる耐性は流し性能という形で生きると考えています。電気タイプやファイアローに繰り出せばたいていは流れてくれるので、交代読みボルチェンが決めやすいです。また(もちろん避けられるなら避けるべきですが)、ボルトチェンジを地面タイプに止められたとしても一致の地震も大体一発耐えるので比較的ボルチェンを押しやすいとも言えます(上では述べませんでしたがこれもB振りの恩恵です)。実戦では迷ったらボルチェンぐらいの気持ちでいいと思います。
技構成
ボルトチェンジ
上でも述べたこの型のコンセプト。言わずもがなの確定技。
竜の波動
一貫性を求めて打つ技。フェアリーにこそ無効化されるが等倍範囲が非常に広い。デンリュウ使ってて入れない理由もないので確定。
十万ボルト
電気タイプとしての遂行技。ほしい場面は多いとは思うが技スペースがきついので選択技。
気合玉
あるとドリュウズやジバコイルに有効打ができるが、当たらなきゃどうしようもないうえ技スペースがきついので選択技。
目覚めるパワー
採用するなら炎か地面。電気タイプがよく持っている氷は竜の波動で十分感があるため、めざ氷入れるぐらいなら気合玉を入れたい。選択技。
パワージェム
ウルガモスに恨みを持ったある人がほしいといっていた。個人的にはあまりいらない気がするが一応選択技。
電磁波
補助技としては優秀だが、コンセプトである後攻ボルチェンができなくなるため微妙。一応選択技。
以下候補外
コットンガード
優秀な積み技だがボルトチェンジと相性が悪いため却下
高速移動
型が全く変わってしまう。これをやるならもっとCに振りたい。
光の壁
鈍足(というか後攻をとる前提)で粘土も持てないこいつでは、張ってもアドバンテージが取れないと考え、候補外。なお、リフレクターは僕の知る範囲でカロスマーク付きで習得できないため論外。
シグナルビーム
単純に打つ相手が思いつかない。
与ダメージ計算
ボルトチェンジ
→H236ボルトロス・・・76〜91ダメージ(40.8〜48.9%) 確定三発
なお型破りなのでレボルトにも入る。
→H252水ロトム・・・60〜72ダメージ(38.2〜45.8%) 確定三発
→H228メガガルーラ(209ガル)・・・64〜76ダメージ(30.6〜36.3%) 中乱三発(51.2%)
竜の波動
→無振りガブリアス・・・176〜210ダメージ(96.1〜114.7%) 中高乱一(75%)
十万ボルト
→H252スイクン・・・146〜174ダメージ(70.5〜84%) 確定二発
気合玉
→H252ジバコイル・・・158〜188ダメージ(89.2〜106.2%) 中乱一(37.5%)
なお、めざ地もほぼ同程度のダメージとなる。
→HD特化ナットレイ・・・96〜114ダメージ(53〜62.9%) 確定二発
なおめざ炎もほぼ同程度のダメージとなる。
パワージェム
→H244ウルガモス・・・188〜224ダメージ(98.2%〜117.2%) 高乱一(93.8%)
被ダメージ計算
無補正A252ガブリアス
→地震・・・126〜150ダメージ(63.9〜76.1%) 確定二発
→逆鱗・・・152〜180ダメージ(77.1〜91.3%) 確定二発
A特化ガブリアス
→地震・・・138〜164ダメージ(70%〜83,2%) 確定二発
→逆鱗・・・168〜198ダメージ(85.2〜100.5%) 低乱一
逆鱗でも一発はほぼ耐える。地震の低乱数程度ならそのあともう一仕事できる可能性もある。
A特化鉢巻ファイアロー
→ブレイブバード・・・45〜54ダメージ(22.8〜27.4%) 中乱四
フレアドライブも同ダメージ
A特化プレートファイアロー
→ブレイブバード・・・36〜43ダメージ(18.2〜21.8%) 中乱五
B52振り(A特化鉢巻ファイアローのブレイブバードほぼ確四調整)との間で繰り出し回数が一発分違う
無振りボルトロス
→十万ボルト・・・14〜17ダメージ(7.1〜8.6%) 低乱十二
→めざ氷・・・52〜62ダメージ(26.3〜31.4%) 確定四発
無振り水ロトム
→十万ボルト・・・12〜15ダメージ(6〜7.6%)低乱十四
→ハイドロポンプ・・・30〜36ダメージ(15.2〜18.2%) 中乱六
以下は大天使さんから頂いたダメージ計算になります。特にメガ進化前での繰り出しを考える場合には参考にしてみてください。大天使さんありがとうございました。なお、私が行ったダメージ計算とは異なりスマホ用のアプリ「ダメージ計算forポケモンoras」をご使用とのことです。バグや微妙な仕様(解析が出ていないあたりの仕様)の関係で誤差が出ることが全く考えられないとはいえないため、一応追記しておきます。
A特化マリルリじゃれつく(非メガ)
ダメージ 81〜96 (41.1%〜48.7%)
確:3発
メガシンカしないで撃ち合うことも一応可能です。
A特化ファイアローの鉢巻フレアドライブ×2(非メガ+メガ後)
ダメージ 103〜123 (52.2%〜62.4%)+45〜54 (22.8%〜27.4%)
A特化メガボーマンダの捨て身タックル+地震(非メガ+メガ後)
ダメージ 68〜81 (34.5%〜41.1%) +100〜118 (50.7%〜59.8%)
A特化メガギャラドスのA一段階上昇地震
ダメージ 156〜184 (79.1%〜93.4%)
確:2発
ダメージ計算は順次追加予定です。コメント欄までリクエストをよろしくお願いいたします。
相性の良い味方
トンボルパの相方として
- ハッサム(とんぼ返りの火力とサイクルを回せる回数を重視したいので珠よりは鉢巻やゴツメをお勧めしたいです)
- ランドロス
(Bに振ったとはいえ)苦手な地面タイプに強い枠として
- マンムー、パルシェン、マニューラなど氷枠
- スイクン
などが考えられます。
特に地面をすかせてトンボが打てるランドロスとの相性はかなりいですが氷が強烈に一貫してしまうので、組ませる場合は何らかの回答を用意しなくてはなりません。
その意味ではギルガルドなどとも相性はいいかもしれません。
長い考察最後までお読みいただきありがとうございます。