はじめに
はじめまして!今回が初投稿となりますDidierと申します!
今回紹介したいのはバタフリー。シングルバトルでは可愛そうな子扱いですが、ダブルバトルにおいて、実はかなり優秀なんですよこの子!
レートでは全然見かけない為何が基本型か確信は持てませんが、PGLを見る限り、今回の育成論は恐らく基本型でしょう。
では紹介していきます!
追い風パとは
バタフリーの育成論に入る前に、少しだけ遠回りをさせてください。前提条件として、追い風パの基本的な戦法、追い風パのメリットデメリット、追い風発生役のすべき仕事、これらを簡潔に説明したいと思います。(主観が多く入るはずなので、絶対の定義ではありませんが)
追い風パの基本的な戦法
追い風を吹かせ、3ターンという短い間に強力な全体技などを叩き込む速攻型の戦法です。
追い風パのメリットデメリット
メリットは、縛りの概念や難しい読み合いに気を遣わずとも、シンプルに強力な攻撃が出来る点です。また、同じS操作系のコンセプトである雨パなどと比べ、使用できるアタッカーのバリエーションが非常に豊富です。
デメリットは、その発動時間の短さ。それと、読まれてトリックルームをされれば打つ手が無くなる点です。
追い風発生役のすべき仕事
確実に追い風を発生させる事が最優先です。その後、退場するのであれば速やかに後ろのアタッカーに繋ぎ、居座るのであれば最大級のサポートが出来る必要があります。バタフリーは前者に当たるので、追い風だけしてすぐ退場したとしても、十分過ぎる仕事だったという事になります。
バタフリーとは
初代トキワの森組で、ストーリー上では非常に役に立つポケモンですね。しかしガチな対戦環境になるとどうしても種族値の差が・・・バイバイバタフリー
しかし舞台はダブル!隣に相棒がいれば、ストーリーで見せたあの器用さを余すところ無く発揮してくれるわけです!
なぜバタフリーなのか
追い風と(ほぼ)必中催眠を両立できるポケモンはバタフリーとドーブルだけだからです。そしてドーブルはたいていの場合警戒されすぎて、最低限の仕事も出来ない場合があります。
先ほど追い風パのデメリットとしてトリル対応などを挙げました。要するに、相手の対応が簡単に済む以上、警戒されない事、マイナーである事、バレにくい事はかなり重要なステータスなのです。
なので、同じ追い風要因として優秀なエルフーンやファイアローと比較しても、バタフリーを使う理由は十分にあるわけです。
また、必要な技を全て今作で用意できるというのも、追い風パにとっては助かる話です。BW2の教え技であることが多いので、育成が面倒だったり、大会で使えなかったりしますからね。
実数値
157-45-112-110-100-101
特性
当然、複眼です。97%で命中するねむりごなを上から放てるのは相当強力です。
技候補
- おいかぜ
確定。この育成論のメインになります。
- ねむりごな
確定。追い風で上から眠り粉を放てるのは、バタフリーのみの強みです。
- いかりのこな
準確定。自主退場技でもあり、速攻型の追い風パにとって、1ターンアタッカーがフリーになるのは非常に大きなアドバンテージ。S操作を半分無視して突っ張れる強力先制技持ちは追い風パの天敵である為、活躍する場面は多い。
- むしのていこう
選択技。基本的に攻撃は余裕が無ければしないので、パーティによってはここに補助技を入れるのもアリ。とはいえ、100%Cダウンの全体技は優秀。この技に頼る場面は無くとも、楽になる場面はある。
- いとをはく
十分候補に入る優秀な技。全体攻撃でSを2段階下げる為、交代されない限り永続的な追い風状態とも言える。無効化されないタイプだというのも地味に優秀。追い風との選択。一応デメリットとしては、順調に速攻が決まった場合、相手の後続に対してSの優位性が保てないという事が挙げられる。
性格や努力値振り
追い風下での素早さが基準となるため、ダブルでも多いメガゲンガーのような最速130族抜きの出来る、実数値「101」。これだけあれば不自由しません。
耐久調整については、あまり気にしなくても構いません。長く居座るタイプでも無く、タスキ依存の型ですので。最低限のSを確保できていて、先制技警戒で残りはHBに振れば十分です。そもそも耐久には期待しませんし、早めに落ちてくれた方がありがたい場合もあります。とはいえ、残っても決定的な仕事はできますし、いかりのこなで吸える相手の先制技が1つになるか2つになるかは大きな違いなので、全く無視できるわけでもありません。多く耐える事を期待しないまでも、耐久振りは必要でしょう。
コメント欄でご指摘のS振りについてですが、私の方に少々説明不足がありました。なぜ私がバタフリーのS実数値101で抑えたかですが、基本的には後続のアタッカーの為なのです。強力な全体技を持つ味方アタッカーが後続で出てきた場合(バタフリーも場に残っている)、例えばバタフリーがねむりごなを放つ訳ですが、この場合においてバタフリーの理想的な行動順位は2番なのです。一番先に行動してしまうと、せっかくバタフリーが眠らせた相手が味方の全体技で落ちてしまった、という事もよくある話なのです。味方の全体技を耐え、残った相手を眠らせるのであれば、リスクは最小限で済みます。
後続のアタッカーは、多くの相手を上から殴りつつ、出来るだけ長く居座ってもらう必要があります。つまり、相手よりも先に行動できるのであれば、できるだけ耐久に振りたいのです。その方が事故率も低いと考えました。S振りを最小限に抑えたその結論が、補助役のS実数値101でした。当然、アタッカーのSは最低でも102としています。もちろん、このままではスカーフランドロスなどに抜かれるSなので、ねこだましを使ったり、追い風を吹かせるより先に危険な相手を眠らせるなどして、適宜対応は可能なのですよ。
まぁとはいえSの基準はパーティによりそれぞれだと思うので、性格おくびょうSに努力値を140振る事で最速スカーフランドロス抜きにしたものを、仮にパターンBとして提案もしておきます。
その場合の努力値振りはH108 A0 B252 C4 D4 S140
実数値はH149 A45 B102 C111 D101 S118
となります。このパターンBでは確定数も変わってくるので、後ほど2通りで被ダメ率を示します。
被ダメ、与ダメ
タスキ前提の耐久力なので、耐えて何かをするという計算ではありません。むしろ、強力な先制技をどれだけいかりのこなで吸い寄せられるかという指標になります。
性格補正無し、持ち物無しようきガブリアスの岩雪崩が乱数1発になる程度の耐久ですので、退散の時以外には2度攻撃を受けないつもりで動いて下さい。或いは、状況によっては早い段階で「いかりのこな」を使い自主退場して下さい。
最初に示した努力値振りをパターンA、上に挙げたS140振りをパターンBとして、先制技の被ダメを計算していきましょう。
ポケモン 持ち物補正 性格補正 技名
(パターンA/パターンB)
ファイアロー 1.3 性格補正アリA252 ブレイブバード
(134.3%〜159.2% / 153.6%〜183.2%)
ファイアロー 1.0 性格補正ナシA4 ブレイブバード
(80.2%〜95.5%確定2発 / 89.9%〜108.7%中乱数1発)
メガユキノオー 1.0 性格補正アリA252 こおりのつぶて
(53.5%〜62.4% / 60.4%〜72.4%)
メガユキノオー 1.0 A4性格補正ナシ こおりのつぶて
(42%〜49.6%あられ込み乱数2耐え / 45.6%〜56.3%あられ込み確定2発)
メガガルーラ 1.0 性格補正ナシA252 ねこだまし
(33.1%〜40.7%確定3発 / 39.5%〜48.3%確定3発)
メガハッサム 1.0 性格補正アリA252 バレットパンチ
(42.6%〜51.5%低乱数2発 / 50.3%〜59%確定2発)
マリルリ 1.5 性格補正アリA252 アクアジェット
(42.6%〜51.5%低乱数2発 / 50.3%〜59%確定2発)
ファイアローのブレイブバードとメガユキノオーのこおりのつぶて以外の先制技はタスキ無しでも2耐えする可能性もあるので、追い風下で呼ぶ先制技を、いかりのこなで吸える範囲はなかなか広い事が分かります。
基本的な立ち回り
- 相方のサポートを受けながら、確実に追い風を発生させます。
- バタフリーと相方が共に先制出来そうなら、相手にしたくない方にねむりごなを、もう片方を相方で倒しましょう。もしも相方が狙われていそうで、また先制されてしまいそうなら、いかりのこなを選択して自主退場します。その隙に相方で倒しましょう。
- 先制ねむりごなが出来ている内はやられることも無いので、複数催眠とか気にせず、起きてる敵は次々眠らせていきましょう。
- 余裕が出てきたら、むしのていこうで相手のCを下げ、相手の勝ち筋を消していきましょう。
相性の良いポケモン
ねこだましで、少なくとも片方の行動を縛れるポケモンが相方であると良いでしょう。耐久で居座るタイプの追い風要員であれば、もう片方はまもるを覚えたアタッカーで構いませんが、バタフリーはそういうタイプではありません。
その中でも私はゴウカザルをオススメします。ねこだましで行動を封じる事も、ファストガードで先制技を封じる事も、インファイトでガルーラを狩る事も、3色パンチやフレアドライブで特定の相手を倒すことも出来ます。後続のアタッカーが苦とするポケモンを順に狩って行きましょう。
以下追記
- バタフリーが仕事を出来ないパターン
?バタフリーより先に動かれ挑発を入れられる。
?ねこだましでバタフリーの動きを封じられる。
?メガガルーラの親子愛での攻撃や、強力な連続攻撃を受ける。
?相手2匹から集中攻撃を受ける。
?てんのめぐみエアスラッシュのような、高確率で怯む技を受ける。
これらは、基本的にはゴウカザルのねこだましで防ぐことが可能です。防ぐことが出来ないものの中で現実的なパターンは、まずファストガード&メガガルーラの組み合わせ。ねこだましを防がれ、メガガルでバタフリーが狩られます。それを読んで、怒りの粉&インファイトなどで対応しましょう。外しても、それが一番怪我が少なくて済みます。
他には、ゴウカザルより早いポケモンの猫騙し&バタフリーへの挑発orタスキ貫通攻撃。これは見せ合いの段階で警戒できるので、素直にバタフリーの選出は控えましょう。
次に、ヤミラミ等ねこだましの入らないポケモンによるねこだましor挑発。後ろのエースにメガシンカポケモンを起用しないのであれば、ゴウカザルではなくメガガルを相方にするのも悪くないかもしれません。あるいは、ファストガード持ちを相方にするか。ゴウカザルもファストガードを覚えますが、これは技範囲との相談ですね。
以上の事に気を付けて起用すれば、最低限の仕事はこなせるはずです。出来れば選出前に察知するべきですが、もしも出来なかったとしたら割り切ってバタフリーを犠牲にしましょう。
とはいえ、多くの場合において最低限の仕事はできるはずなので、ゴウカザルとならば積極的な起用が可能なはずです。
最後に
ここまで読んでくれてありがとうございます。使える子である事が少しでも伝わりましたら、是非試してみてくださいね!
ところで、最近ポケモンの世界大会が行われ、パチリスが一躍時の人ポケモンになっていますね。(シングル勢にとっては)かなりのマイナーポケモンを使った事で変な注目を浴びていますが、別にあれはマイナーポケモンを使いたくて使った訳では無く、単純に活躍できると踏んだからこそだったと思います。今回私が紹介したバタフリーについても、マイナーポケモンに光を当てたいという思いは一切無く、純粋に、他のポケモンよりも優秀だと感じたからこそ使っているのだという事を、どうか理解してください。前シーズンにはなってしまいますが、私はバタフリー入りのパーティでダブルのレート1800台中盤までいくことは出来ましたので。あくまで、ガチ環境での選出に対応したつもりです。
では、皆様良きポケモンライフを!そして出来れば、ダブルバトルがもっと盛り上がらんことを!