※ 11/17に大幅な加筆・修正。
2回目の2回目でした。半熟卵と申します。
前回の論では失礼致しました。
前置き
個体は全て理想個体とします。
非公式の略称や単語を使用します。不明な点がございましたらコメントにて。
読み飽きを防ぐために冗談を挟んでいます。寛大な心でお許しください。
採用理由
受けループでの物理受けとしての性能を大きく損ねないまま、受けの難しいバシャルカに対しての後出しからの崩し要素が欲しい。
解説
- メガヤドランの特異点
メガヤドランは、その圧倒的な種族値+メガストーン(叩き耐性)+特性:シェルアーマーを併せ持ち、物理受けとしての性能はトップクラス。
また、水/超タイプであるメガヤドは、その耐久指数も相まって、物理特殊が混合して受けが難しいバシャルカに対して後出しからの行動回数が確保できる為、受けからの行動を主体とする受けループでの需要は大きいです。
しかし、その水/超というタイプとメガストーンという持ち物固定がデメリットでもあります。
1つが竜を等倍で通してしまう点。メガ前は鉢巻竜に対して安定しない点が挙げられるものの、メガしてしまえば意地鉢ノクスだろうが2耐えが可能なラインを実現できるので、立ち回りで十分カバーできる程度のデメリット。
もう1つがゴツメを持てないという点。物理受けとして最も安定させたいメガガルの接触技に対して抵抗力を持てない為、物理受けを一任できるだけのスペックを持ちえません。グロ噛み秘密のせいで書き直す羽目になったと言ってもいい(半ギレ)
- ガルを諦める...?
かと言って、物理受けを担うにあたって、メガガルをフリーにすることは考えられません。
別に回答枠を用意するのは構築の圧迫に直結しますし、よしんばできたとしても、選出の選択肢は多いに越したことはありません。役割破壊要素の強いメガガルの回答ルートが1つしかないptは非常に運用が難しいです。
- ガルへの抵抗
ということでゴツメに代わる対抗手段を模索します。いくつか手段は存在しますが、残念ながらそのどれもが安定までには至れません。噛み砕くのBダウン、グロパンによる必要HBの上昇、秘密or冷B連打による行動停止、雪崩による犯罪行為怯み。崩し要素が豊富すぎます。
そこで、打ち勝つ以外での抵抗手段として電磁波による麻痺でのSダウンを採用します。メガ進化によるC上昇もあって、メガヤドであれば身代わりガルを苦にしません。
また、上記で触れたメガルカへの後投げをした際、悪巧みを詰まれると、行動回数が1回しか確保できないので、その1回で崩しを完遂できる≒本来の役割遂行手段も同時に担える為、電磁波以外の選択肢はありません。
基本構成
実数値(メガ前) : 201-xx-165-121-113-51
実数値(メガ後) : 201-xx-242-151-113-51
努力値 : 244-xx-156-4-100-4
性格 : 図太い
〔 電磁波 / 怠ける / -- / -- 〕
- 〈 主な調整先 〉
・A200ガブリアス 逆鱗(鉢巻) 84~100 確2耐え
・C192メガルカ 気合玉(C2↑) 153~181 確耐え / +ステロ:低乱1(18.7%)
・C211メガリザY ソラビ 170~200 確耐え
・最速麻痺メガゲン+1
- 〈 解説 〉
最低限必要なHBDラインは、メガルカへの巧みボールへの受け出し H201-D102、メガ時の鉢巻逆鱗への受け出し H201-B242。ここまで努力値が96余っているので、メガルカ軸にはステロが採用されやすい&メガリザに対してXY関わらず対面で突っ張れるようにHDラインを引き上げた形。余りをCSに振り分けることで電磁波後にメガゲンの上から1回だけ行動可能。他で電磁波を入れることもある為、念のため抜いておいて損はありません。
技構成に関しては、前項の「解説」で述べた通り電磁波が確定。また、受け出しからの行動回数を増やせる怠けるも確定です。
基本的には、残りの技も受け出しからの行動回数や役割を意識したものを入れていきます。基本的には対応範囲が最大になる熱湯+鉄壁を推奨。
- 技選択
〔 攻撃技 〕
・熱湯
C151からのタイプ一致打点(メガガルの身代わり破壊可)で3割火傷。最も汎用性のある技です。冷Bによる氷解除もできる為、万が一の運ゲも許しません。
これを抜くとアローやメガクチとの関係が逆転しかねない為、役割的にも入れておきたい技です。
・サイコキネシス
もうひとつのタイプ一致技であり最高打点。CSボルトとCSメガゲンをそれぞれ高乱2/高乱1にできる為、熱湯2耐えられからの展開を断ち切れます。ヤドゲン対面で電磁波を恐れず強気に滅んでくるHSメガゲンを確1にできないのが非常に惜しい。その為、熱湯より優先度は低い。
・サイコショック(+瞑想)
後出ししてくるメイクンを逆に突破できる。が、攻撃技がショックだけになってしまうのがデメリット。
・冷凍ビーム
羽舞で粘りつつ積んでくるマンダを許さない技。しかし、対物理竜に安定するHBラインを確保しているので本当にここピンポ。
挑発が無いムドーでマンダを見る場合、最悪、みが舞羽TODを仕掛けられるので選択肢ではあります。が、他と比べて仮想敵がピンポすぎる為、やはり優先度は低め。
〔 補助技 〕
・鉄壁
物理ATの積み技の搭載率が非常に高い為、電磁波とこれがあるだけで物理受けとしての安定度が大きく変わってきます。
いくつか例を挙げると、龍舞マンダ・リザX・カイリュー・メガギャラ/猫捨身グロ不意ガル/剣舞ガブ・メガクチ・アロー・ガルド etc...。メガギャラの噛み砕く急所で崩されたり、ラムガルドだったり、羽舞マンダ・リザXに粘られたりする為、完璧に見れるわけではありませんが、それでも他の多くの型を対策できるので優先度は高いです。
物理受けとしての性能を最優先に考える場合はこれ。
・瞑想
対スイクンの役割を可能にする技。(詳しくは上のショックの項を参照)また、一度積めれば、メガゲンにも縛られない性能を持てるので可能性はあります。
しかし、現状の調整ではボルトにも強くなれず、メガルカには対面からでないと瞑想が間に合わないため、採用理由違い、型違いです。
運用上の注意
"物理受け"という役割名の通り、相手の攻撃を耐え→電磁波を撒き→鉄壁or怠けor電磁連打等と展開していくのが基本的な流れとなります。なので、この流れの始点となる攻撃を耐える範囲――
1.後出しから受け切れるポケモン
2.後出しは無理、対面からなら受け切れるポケモン
3.後出しも対面も無理、先に鉄壁を積んでおくor麻痺を入れておく必要があるポケモン
――を正確に把握しておくことが非常に重要です。そこで、次項の「ダメ計 - 被ダメ - 物理」でその3タイプ別に分けて記載しておきました。ある程度だけでも把握しておけば、選出時間を他の思考に費やせることができます。即決による†先行選出アドバンテージ†も望めます。
また、すでに仮想敵に麻痺が入っている場合、受け切れる範囲が2→1、3→2と変化するだけ、という早見表としても役立ちます。自分が今、相手の行動に対してどれだけの対応範囲があるのか、相手の行動をどれだけ縛れているかが特に重要なポケモンですので、考える癖をつけておきたいところです。受けループに限らず、様々な構築で役立ちます。
ダメ計
見やすさを重視し、確定欄の配分 (メガ前)H201-B165-C121-D113 / (メガ後)H201-B242-C151-D113 のみを記載。
記載の必要を感じるダメ計はコメントにてご要望ください。
【 被ダメ 】
- 〔 物理 〕
1.後出し可能 〈メガ前→メガ後〉
A146[252+] ファイアロー ブレバ(鉢巻) 91~108+61~73=152~181(75.6%~90.0%) 確耐え
A112[252+] マリルリ じゃれつく(鉢巻) 103~123+70~84=173~207(86.1%~103.0%) 低乱数(93.0%)
A233[252+] メガバシャーモ 飛び膝(A2↑)103~122+71~84 =174~206(86.6%~102.5%) 低乱数(94.5%)
1. 後出し可能 〈メガ後〉
A200[252+] ガブリアス 逆鱗(鉢巻) 84~100(41.8%~49.7%) 確3
A182[252] 〃 剣舞→逆鱗(A2↑) 102~121(50.7%~60.2%) / 逆鱗(A2↑+B2↑):51~61(25.4%~30.3%)
A216[252+] メガボーマンダ 捨身 79~94(39.3%~46.8%) 確3
A194[252+] メガガルーラ 捨身 82~99(40.7%~49.2%) 確3
A207[252] メガギャラドス 噛み砕く 80~96(39.8%~47.7%) 確3
A197[252] メガルカリオ 飛び膝(A2↑) 80~95(39.8%~47.2%) 確3
2. 対面からなら可能
A194[252+] メガガーラ グロパン 10~13(4.9%~6.4%)
A112[252+] マリルリ 腹太鼓→じゃれ(A6↑+B2↑):94~112(46.8%~55.7%) / じゃれ(A6↑+B4↑):63~75(31.3%~37.3%)
/ アクジェ(A6↑+B4↑) 14~17(7.0%~8.5%) / じゃれ(A6↑+B2↑)+じゃれ(A6↑+B4↑)+アクジェ(A6↑+B4↑) 171~201 ほぼ確耐え(ラム想定)
A216[252] メガバンギラス 噛み砕く 84~98(41.7%~48.7%) 確3 / +砂ダメ*1:低乱2(8.6%) / +砂ダメ*2:乱2(64.8%)
3. 先に鉄壁積んでおく(or麻痺を入れておく)
A260[252+] メガヘラクロス ミサイル針(B2↑) 70~100(34.8%~49.7%) 確3
A112[252+] マリルリ 腹太鼓→じゃれつく(球+A6↑+B4↑) 81~97(40.7%~48.2%) 確3
- 〔 特殊 〕
C222[252] メガゲンガー シャドボ 180~212(89.5%~105.4%) 乱1(31.3%)
C211[252] メガリザードンY ソラビ 170~200(84.5%~99.5%) 確2
C192[252] メガルカリオ 気合玉(C2↑) 153~181(76.1%~90.0%) 確2 / +ステロ*1:乱1(18.8%)
C92[92] メガガルーラ シャドボ 76~90(37.9%~45.9%) 確3
C144[4+] ニンフィア ハイボ 84~100(41.7%~49.7%) 確3
C172[252] メガマンダ ハイボ 102~120(50.7%~59.7%) 確2
【 与ダメ 】
- 〔 熱湯 〕
H167-D115[252-0] メガゲンガー 60~72(35.9%~43.1%) 確3
H187-D125[252-0] メガヘラクロス 55~66(29.4%~35.2%) 乱3
H155-D100[4-0] ボルトロス 69~82(44.5%~52.9%) 乱2(24.2%)
H153-D135[0-0] メガリザードンY (晴下) 50~60(32.6%~39.2%) 高乱3
H181-D120[4-0] メガガルーラ 58~69(32.0%~38.1%) 高乱3
H189-D127[68-52] メガガルーラ 54~64(28.5%~33.8%) 乱3
〈サイコキネシス〉
H135-D115[0-0] メガゲンガー 134~158(99.2%~117.0%) 高乱1(87.5%)
H187-125[252-0] メガヘラクロス 122~146(78.7%~94.1%) 確2
H155-D100[4-0] ボルトロス 76~91(49.0%~58.7%) 高乱2(98.8%)
相性のいいポケモン
受けループの中でも特に補完の強い例を挙げていきます。
- ラッキー《育成論ORAS・XY/1819》
所謂ラッキー枠。メガヤドの苦手な状態異常、特殊高指数に圧倒的耐性を誇る。
また、無理なく電磁波を採用できるポケモンである為、ラキで電磁波を撒くことでメガヤドの受けを手助けすることにも繋がり、さらに相互補完が取れています。メガヤドはそのHB指数と再生力による回復により役割集中には比較的強い為、物理or特殊で受け範囲がハッキリ分けられるこのポケモンとは好相性。
- ギロチングライ
所謂グライ枠。電磁波&毒々無効とみがまもを両立できる数少ない枠。
周囲の電磁波を頼りに行動回数を確保し、それをギロチンの施行回数へと繋げる。当たったらみがまもで勝利する。ね、簡単でしょ? 勿論、そんな簡単にはいくことは少ないが、それでも強すぎる勝ち筋であることに変わりはありません。
また、多少のリスクこそ伴いますが、拘りが見えてるロトム等へのボルチェンカッターとして機能しないこともありません。
- イバンギ
所謂対ゲンガー枠。メガヤドが熱湯を採用した場合に強い候補となる。
受けループにいるヤドランとバンギを見ても出てくるゲンガーは、霊技+気合玉か滅び+身代わりを両立していると見ていいです。その中でも。気合玉持ちのゲンガーはヤドゲンガ対面でも交代読みで気合玉を打ってくることが多分にあるので、最悪、敢えて打たせて狩ることのできるイバンギがバンギの中でも相性がいいと言えます。このイバンギもすんなりと電磁波を採用できる点も見逃せません。
あとがき
まずは、ここまでお読みいただき誠にありがとうございます。貴重なお時間を割いていただき、非常に恐縮です。
とある方からのご依頼(?)ということもあり、別の意味で緊張のある執筆でした。
この論がどなたかの参考になれていれば幸いです。
追記履歴
11/15 10:44 「対メガガルを掘り下げる」にDダウンに関する考慮を追記。また、論上部に採用指針を強調目的で追記。
11/16 x0:29 「調整例」「ダメ計」にメガルカに関して追記。
12/x1 11:41 「相性のいいポケモン」にリンクを追記。また、論全体で見やすさを追求
11/17 x4:36 環境の変化を考慮し、全体で大きく加筆、修正。亀更新
11/18 19:41 誤字の訂正。