前置き
初めましてこんにちは。育成論の投稿は初めてになります。
至らない点や理解不足などがあるかと思いますが、その際はコメントにてご指摘頂けると大変ありがたいです。
・この育成論ではHABCDS、特化(性格上昇&努力値252振)などの略称を用います。
・ダメージ計算は「pokemass」を使用しました。
パルスワンとは
パルスワンの種族値はH69 A90 B60 C90 D60 S121と、高い素早さと中堅クラスの両刀火力が特徴のポケモンです。
耐久方面は潔くペラペラですが、「ほっぺすりすり」を始めとした優秀な習得技に恵まれています。
剣盾のストーリー攻略では、進化前のワンパチワンパチが2番道路に出現することから、旅のパーティに編成してお世話になった人も少なくないのではないでしょうか。
ただ、今期は禁止伝説級ポケモンを手持ちに2体編成可能と、火力のインフレが大幅に加速した環境。中堅未満のポケモンは非常に活躍が難しいと言われています。
だからこそ「序盤ポケモンでも現環境で活躍させたい!」と考え、今回の構築を練ってみました。
最後までお付き合い頂けたら幸いです。
採用理由と役割
パルスワンパルスワンの最初の役割は、麻痺をばら撒くことを始めとした起点作成です。
パルスワンパルスワンは確定麻痺+小ダメージを与える「ほっぺすりすり」を覚えることができ、物理・特殊火力を大幅に削ぐ「あまえる」「かいでんぱ」を両立できます。
「あまえる」「かいでんぱ」を両立できるのは、パルスワンパルスワン以外だとデデンネデデンネエモンガエモンガライチュウライチュウミュウミュウと、習得可能なポケモンはごく少数です。
相手の起点作成役のタスキを潰しつつ逆に起点にしてしまったり、初手カイオーガカイオーガやザシアン(王)ザシアンでイージーウィンを狙おうという甘えた選出を咎めて、相手のエースポケモンを機能停止に追い込むのが第一の役割です。
また、この型のパルスワンパルスワンは起点作成だけがお仕事ではありません。
特性「がんじょうあご」の効果が乗る広い技範囲に恵まれているため、起点作成の次はサブアタッカーとして暴れ回るのが第二の役割。
起点にするのが難しいポケモンが相手だったり、起点作成を終えて手持ち無沙汰なターンに大ダメージを狙いに行けるのが、他の「ほっぺすりすり」習得ポケモンとの差別化ポイントです。
多くの起点作成ポケモンは努力値を耐久に割く関係から、攻撃技によって相手に負担をかけることが難しいです。そのため起点作成役を採用すると、こちらは2体の手持ちで相手3体を倒さなきゃならないことが多く、アタッカーの数的不利を背負ってしまいます。
そこで今回は、パルスワンパルスワンを攻撃ぶっぱで育成することで、起点作成役とサブアタッカーを兼任させます。特性のおかげで、起点作成役とは思えない大胆なダメージを叩き込めるのがパルスワンパルスワンの魅力です。また、起点作成役の天敵である「ちょうはつ」を受けても、腐らずサブアタッカーとして臨機応変に活躍できるのもこの型のメリットです。
選出場面としては、相手が先発で禁伝エースを通そうとしてきたり、初手ダイマエースで暴れ回ろうとする並びに対して選出すると、この型のパルスワンパルスワンは効果的に刺さります。
また、攻撃技のカスタマイズによって、採用率トップの禁伝エースを含むさまざまなポケモンに負担をかけられるのもメリットです。
「ほのおのキバ」を持たせるとザシアン(王)ザシアンに負担をかけ、
「かみくだく」がバドレックス(こくば)バドレックス(はくば)白黒バドレックスに負担をかけ、
「かみなりのキバ」がカイオーガカイオーガホウオウホウオウイベルタルイベルタルに負担をかけます。
パーティのバランスを考えつつ、パルスワンパルスワンの攻撃技を柔軟に選択できるのもポイントです。
性格・努力値と調整
性格
麻痺を入れた相手にはなるべく素早さで勝りたいため、性格「ようき」を採用。
努力値
電気単タイプという優秀なタイプ耐性ではあるものの、現環境でパルスワンパルスワンが自由に動けるターン数は長くありません。H69 B60 D60の種族値では、等倍の技であってもパルスワンパルスワンを一撃で仕留めきれるポケモンは多いです。
そのため伸びしろの少ない耐久に努力値を割くよりも、火力・素早さをきっちり伸ばし、動けるうちになるべくダメージを稼ぐ方が得策かなと思います。
努力値の配分はAS252 D4、物理攻撃ぶっぱです。
明確に耐えたい相手はいないため、ポリゴン2ポリゴン2のダウンロード対策で余った努力値をDに振っています。
最近は環境から少なくなったとはいえ、準速にすると、
最速エースバーンエースバーンや、麻痺を入れたスカーフアイアントアイアントを抜けなくなります。
エースバーンエースバーンは特性「リベロ」で自分のタイプを変更できますが、先手を取れるとタイプを変えられる前に攻撃でき、あまり読み合いが発生しません。対処のしやすさが格段に変わりますので、ようき最速にするのがおすすめです。
- 通りすがりさん、コメントによるご指摘ありがとうございました!
持ち物
パルスワンパルスワンは元の耐久も高くなく、努力値をASぶっぱにする関係から、相手の攻撃をHPで受けるのは非常に難しいです。
この型にする場合、持ち物は「きあいのタスキ」一択と言っていいでしょう。
特性
今回のコンセプトは「起点作成とサブアタッカーの両立」のため、特性「がんじょうあご」を採用してパルスワンパルスワンの火力を底上げします。
特性「かちき」もまた火力アップ特性ではあるものの、発動が安定しないため今回は採用しませんでした。
特性「がんじょうあご」は、いわゆるアゴ系の技威力が1.5倍になる優秀な火力アップ特性です。パルスワンパルスワンは「がんじょうあご」の効果が乗る技として、
・かみつく
・かみくだく
・かみなりのキバ
・ほのおのキバ
・サイコファング
を習得可能なのも偉いところ。
アゴ系の技だけで、悪・電気・炎・エスパーという、広い技範囲を実現可能です。
ただし、特性「がんじょうあご」の効果はダイマックスすると無効になってしまうため、ダイマックスをパルスワンパルスワンに切ると逆に火力ダウンしてしまうケースが多い点に注意です。
サブアタッカーとして運用はするものの、ダイマックスを切るのは必ず裏に控えたエースポケモンを選択しましょう。
技構成
確定技
- ほっぺすりすり
優秀な起点作成技。
確定麻痺+小ダメージを与えられるため、タスキケアと麻痺ばら撒きを両立できます。また、攻撃技のため「ちょうはつ」を打たれても防がれないのは大きな魅力。
特に現環境は高速高火力アタッカーが多いため、麻痺を入れるだけで機能停止してしまうエースポケモンは多いです。
カイオーガカイオーガザシアン(王)ザシアンと対面したときは、積極的に麻痺を入れて機能停止を狙っていきましょう。
- ボルトチェンジ
優秀な交代技。
対面が起点にしにくい相手だったり、明確に不利な相手だった場合は、ダメージを与えつつ有利な後続と交代しましょう。
また、最近は採用率が落ち着いているとはいえ、ゴチルゼルゴチルゼルにキャッチされて積む起点にされかかったときに重宝します。何かと交代技は持っていて得する場面が多いため、外せない枠です。
ただ特殊技のため、ダメージソースというよりは交代際に負担を押し付ける目的で採用しています。
選択肢(アゴ系攻撃技)
- かみくだく
威力80の悪タイプ物理技。
特性「がんじょうあご」の効果が乗るので、弱点を突いたときの威力は侮れません。
バドレックス(こくば)黒馬バドレックスが相手なら、H252振りでも確定1発です。
タスキを温存した状態でバドレックス(こくば)黒馬バドレックスと対面したときは、この技で仕留めてしまいましょう。
- ほのおのキバ
威力65の炎タイプ物理技。
元の威力は控えめですが、特性「がんじょうあご」の効果が乗るので相手に負担をかけるには十分です。
H4振りザシアン(王)ザシアンが相手なら、乱数2発の大ダメージを与えられます。
また、10%の確率でひるみが発生するため、運が良ければ「まひるみ戦法」でそのまま突破することも夢ではありません。
- かみなりのキバ
威力65の電気タイプ物理技。
元の威力は控えめですが、タイプ一致補正と特性「がんじょうあご」の効果が乗るので相手に負担をかけるには十分です。
特に環境で活躍しているホウオウホウオウは特殊耐久が極めて高いものの、物理耐久にスキがあるため、採用候補の技として十分魅力的です。
H4ホウオウホウオウが相手の場合、最大93.4%の体力を削る大ダメージを与えられます。これは相手の持ち物が「いのちのたま」だった場合、自傷ダメージ込みで倒し切る可能性がある、致命的なダメージです。
また、H252ホウオウホウオウであったとしてもダメージ量は67.6 ~ 79.8%と、確定2発の手痛いダメージをお見舞いできます。
他にはイベルタルイベルタルカイオーガカイオーガラプラスラプラスカプ・レヒレカプ・レヒレなど、「ボルトチェンジ」だけでは負担をかけきれない仮想敵は少なくありません。
ただし「かみなりのキバ」を採用すると、電気技3ウェポンになるのが悩みどころです…。
- サイコファング
威力85のエスパータイプ物理技。
「リフレクター」「ひかりのかべ」を無視しつつ、壁を壊せるロマン技です。
相手が壁貼りで起点を作った後に選択することで、手痛いダメージと壁破壊をこなし、絶望を押し付けられます。
ただ、エスパー打点は現在そこまで需要が高くないため、採用する優先度は低めです。ウーラオス(れんげき)連撃ウーラオスや壁エースのマッシブーンマッシブーンをピンポイントでメタりたいときに採用してみると面白いかもしれません。
選択肢(その他)
- じゃれつく
威力90のフェアリータイプ物理技。
「がんじょうあご」の効果は乗りませんが、元の威力が高いので十分採用候補に入ります。
パーティバランスを考えたとき、フェアリー打点が欲しいならおすすめです。
- ほえる
優先度-6のため、必ず後攻になりますが、相手のポケモンを強制的に交代させられる変化技。
相手の積みエースに対しては、この技ひとつで能力アップをリセットできるのが魅力。
「ボルトチェンジ」と入れ替えることで、対面操作から積みエースのリセットまで幅広く応用が利きます。
ただ、必ず後攻になる技のため、カバルドンカバルドンなど耐久に厚いポケモンと違い、押せば押すほど状況が厳しくなる技でもあります。また、ダイマックスした相手には無効になるため、過信は禁物です。
- かいでんぱ
相手の「とくこう」ランクを2段階下げる変化技。
後述しますが、この型はサンダーサンダーが天敵となるため、麻痺の入らないサンダーサンダーが初手対面になってしまっても、この技があれば一定の仕事をこなせるのがメリットです。
またスカーフカイオーガカイオーガ等は「ほっぺすりすり」の麻痺で素早さを半減した後、「かいでんぱ」を上から打つことで引かざるを得ない苦境に立たされます。
サンダーサンダー対面でも一定の仕事をさせたい場合や、特殊アタッカーを徹底的に追い込みたいとき、採用する優先順位は高めです。
ただ、「かいでんぱ」は相手が物理アタッカーだった場合に恩恵が薄いこと、能力ランクは交代することでリセットできる点に注意です。
- あまえる
相手の「こうげき」ランクを2段階下げる変化技。
「ほっぺすりすり」の麻痺で相手の素早さを半減した後、「あまえる」を上から打つことで火力も削ぎます。物理アタッカーを徹底的に追い込みたいときにおすすめです。
ただ、「あまえる」は相手が特殊アタッカーだった場合に恩恵が薄いこと、能力ランクは交代することでリセットできる点に注意です。
- 通りすがりさん、コメントによるご指摘ありがとうございました!
立ち回り例
- 「ほっぺすりすり」で麻痺をばら撒きます。今回の型は、タスキを潰されると安定して仕事できないため、先発起用がおすすめです。まずは「ほっぺすりすり」を選択し、相手に麻痺を入れてタスキの可能性も潰しておきましょう。
- アゴ系の技で大ダメージを狙います。1ターン目で麻痺を入れることに成功したら、ほとんどの相手に素早さで勝っているため、上から弱点技を狙っていきましょう。また、「あまえる」「かいでんぱ」を採用していた場合、選択するのは2ターン目のタイミングです。
1ターン目ですばやさが負けていたとしても、タスキを盾に麻痺を入れれば2ターン目はほぼ先手が取れます。麻痺が入れば、最速スカーフテッカニンテッカニンでさえパルスワンパルスワンの先手を取ることはできません。
2回行動保証があるようなものなので、アゴ系の技を振って相手に負担をかけましょう。
(相手が先制技を持っていても、麻痺のしびれで動けないことだってあります)
この型は2ターン目に倒されることを想定していますが、麻痺には無限の勝ち筋があります。運良く3ターン、4ターン動けた場合、高いダメージで相手にきっちり負担をかけられる上に、そのまま突破することだって夢ではありません。
ただ、運良く相手が麻痺で動けなくなったターンが生まれ、パルスワンパルスワンで突破可能なチャンスが巡ったときは、少し立ち止まって「このままパルスワンパルスワンで対面を突破しても大丈夫か?」を考える必要があります。
タスキを消費したパルスワンパルスワンを逆に起点にされるリスクがないか。裏のエースのために起点を残した方がお得じゃないか。場合によっては、対面を倒し切れないことを理解した上で「ボルトチェンジ」を選択する決断が、勝利をたぐり寄せたりします。
1ターン目・2ターン目の行動はほぼ確定している型ではありますが、運良く3ターン目以降も生き残った場合は、じっくり腰を据えて最善の行動を選択したいところです。
立ち回りのコツ
パルスワンパルスワンは非常に恵まれた習得技を備えています。そのため、試合ではこちらの技構成をすべてばらしてしまわない立ち回りを意識すると、意外なところで相手の読み外しを誘えたりします。
例えば積みエースは、「ほえる」を打たれることを恐れます。
例えば物理アタッカーは、「あまえる」を打たれることを恐れます。
その他にも「かいでんぱ」「バークアウト」「こらえる」からのイバン発動、「エレキフィールド」であくび対策など、厄介な搦め手を豊富に実現可能です。
こちらの技構成が不透明な状態でパルスワンパルスワンが場に立っていると、それだけで相手は「ちょうはつ」で様子見行動に出てくれたり、積んだエースを交代させられないようダイマックスを切ったり、簡単に壊される「みがわり」を張って体力を消耗してくれたりと、慎重になるあまり裏目に出る行動を選んでくれる可能性があります。
しかし、こちらの技構成がすべて明らかになってしまうと、相手は他の搦め手を警戒する必要が無くなり、安心してパルスワンパルスワンを正面突破してしまいます。他のポケモンにも言えることかもしれませんが、搦め手を警戒させて、深読みを誘うためにも、技構成はすべて明かさない立ち回りを意識するのがおすすめです。
立ち回りの注意
この型はタスキを盾に麻痺を入れ、2ターン目は麻痺込みで先手を取り、攻撃を仕掛けます。しかし相手が先制技を持っている場合、タスキを消費済みのパルスワンパルスワンはサブアタッカーとして負担をかける前に倒されてしまいます。
特にウーラオス(いちげき)ウーラオスやイベルタルイベルタルは先制技「ふいうち」を持っている可能性が高いため、タスキ消費後は要注意です。また最近はザシアン(王)ザシアンが「でんこうせっか」を搭載しているケースが大きく増えているのも怖いところ。
シーズンによって変動の激しいところでもあるため、環境で先制技の採用率が高いポケモンについては、常に最新情報をチェックしておきたいところです。
対策としては、先制技が飛んでくることが読める場面では、変化技や交代を選択してみるといいかもしれません。「ふいうち」なら変化技を選択することですかせますし、先制技は威力が低いものが多く、交代を選べば最小限の負担で後続のエースが着地できるのがメリットです(※ただしザシアン(王)ザシアンの「でんこうせっか」を除く)。
タスキを消費したパルスワンパルスワンを温存する意義は薄いと判断したら、相手が先制技を持っていないことに賭けて居座り、「ふいうち」が飛んでくる可能性があるときは変化技を選択し、ダイマ枯らしやクッションとして温存しておく意義がありそうなら、思い切ってエースと交代してみるといいかもしれません。
与ダメージ計算
かみくだく
H252バドレックス(こくば)黒馬バドレックス 123.6 ~ 146.8% 確定1発
H4バドレックス(はくば)白馬バドレックス 44.3 ~ 52.2% 乱数2発
ただし「ほっぺすりすり」も合わせると高乱数2発。麻痺を引ければ、突破が見込めます。
H252ラッキー「しんかのきせき」ラッキー 48.4 ~ 57.1% 高乱数2発
追加効果で「ぼうぎょ」ダウンが発生するため(20%)、「たまごうみ」との応酬になっても最後には突破可能です。
ほのおのキバ
H4ザシアン(王)ザシアン 46.4 ~ 54.7% 乱数2発
ただし「ほっぺすりすり」も合わせると確定2発。1回でも麻痺を引ければ、突破可能です。
H252ザシアン(王)ザシアン 39.1 ~ 46.2% 確定3発
H4アイアントアイアント 116.4 ~ 140.2% 確定1発
H252アイアントアイアント 94.5 ~ 113.9% 乱数1発
H252ナットレイナットレイ 77.3 ~ 92.8% 確定2発
HBナットレイナットレイ 64 ~ 77.3% 確定2発
かみなりのキバ
H252ホウオウホウオウ 67.6 ~ 79.8% 確定2発
H4イベルタルイベルタル 66.3 ~ 80.1% 確定2発
H252イベルタルイベルタル 57.5 ~ 69.5% 確定2発
H252カプ・レヒレカプ・レヒレ 65.5 ~ 77.9% 確定2発
HBカプ・レヒレカプ・レヒレ 54.2 ~ 64.4% 確定2発
「ミストフィールド」が発生するため麻痺は入りませんが、先発カプ・レヒレカプ・レヒレは「ちょうはつ」を搭載していることが多いため、運がいいとタスキを温存したまま無償突破が可能です。
H4カイオーガカイオーガ 81.8 ~ 96.5% 確定2発
「ほっぺすりすり」込みで高乱数1発です。
H252カイオーガカイオーガ 69.5 ~ 82.1% 確定2発
H4ラプラスラプラス 75.7 ~ 90.2% 確定2発
H252ラプラスラプラス 65.8 ~ 78.4% 確定2発
サイコファング
H4ウーラオス(れんげき)連撃ウーラオス 64.7 ~ 77.2% 確定2発
H4マッシブーンマッシブーン 46.9 ~ 55.7% 乱数2発
ボルトチェンジ
特殊技のため、あくまでオマケ程度のダメージです。
H4カイオーガカイオーガ 28.4 ~ 35.2% 低乱数3発
H252カイオーガカイオーガ 24.1 ~ 29.9% 乱数4発
H4ラプラスラプラス 33 ~ 40.7% 高乱数3発
H252ラプラスラプラス 28.6 ~ 35.4% 低乱数3発
苦手なポケモン
この型のパルスワンパルスワンは、有利・不利がはっきりしています。
「ほっぺすりすり」で麻痺が入らない相手や、アゴ系の技で弱点を狙えない相手に対しては不利なことが多く、対面は避けたいところです。
その中でも、採用率上位ポケモンであり、特に警戒すべき相手を紹介します。
- サンダーサンダー
この型の天敵と呼べる存在です。
電気タイプのため麻痺が入らず、またアゴ系の技で弱点を突くことも出来ないため、負担をかけるのも難しい相手。最近はHB特化の物理受けサンダーサンダーも人気のため、パルスワンパルスワンは起点作成役としても、サブアタッカーとしても、仕事しにくい相手です。
- ランドロス(霊獣)霊獣ランドロス
こちらも非常に仕事がしにくい相手です。
地面タイプのため麻痺が入らず、またアゴ系の技で弱点を突くことも出来ないため、負担をかけるのも難しい相手。最近はHB特化の物理受けランドロス(霊獣)ランドロスも人気のため、パルスワンパルスワンは起点作成役としても、サブアタッカーとしても、仕事しにくい相手です。特に先発で対面してしまうと「いかく」による攻撃ダウンをもらってしまうため、裏に負担をかける役割さえも潰されてしまいます。選出を考えるときは特に注意したい相手です。
同じ先発の起点作成役として対面することになり、非常に仕事がしにくい相手。
地面タイプのため「ほっぺすりすり」で麻痺も入らず、アゴ系の技で弱点も突けないため負担もかけにくく、極めて不利です。また「あまえる」を入れたとしても、相手が起点作成に徹する場合はあまり美味しくありません。
相手の先発にカバルドンカバルドンやラグラージラグラージが出てきそうな場合は、パルスワンパルスワンはなるべく選出しないよう警戒したいところです。
相性の良い味方
同じ先発の起点作成要員であり、役割はかぶっていますが、一緒に手持ちに採用することで、どちらが先発で出てくるか相手の読みを絞らせないことが可能です。また相手のパーティとの相性が悪く、パルスワンパルスワンを選出するのが厳しいとき、カバルドンカバルドンやラグラージラグラージの起点作成を軸にした選出で勝負に挑みたいところです。
電気タイプ以外の起点作成役とは基本的に相性がいいと言えますが、特にカバルドンカバルドンラグラージラグラージはパルスワンパルスワンが天敵とするサンダーサンダーの選出を牽制できるのも、相性がいいポイントです。
- サンダーサンダー
敵に回すと恐ろしい相手ですが、味方に引き入れると非常に心強い味方。同じ電気タイプのため噛み合わせが悪いと思いきや、相手のパーティに電気の通りがいいとき、意外とアリな選出になります。
パルスワンパルスワンは素早さが高いため、ボルトチェンジを押すと先攻になることも多く、交代先のエースに負担をかけてしまうのが悩みの種です。しかし控えにサンダーサンダーを採用すると、このデメリットがメリットに変わります。
接触技が飛んでくるのが読める場面で先攻ボルトチェンジを押すことで、サンダーサンダーの特性「せいでんき」や持ち物「ゴツゴツメット」の試行回数を稼ぐ動きに繋げられます。サンダーサンダーなら多少のダメージは「はねやすめ」で回復できるのも頼もしいところ。
また、サンダーサンダーの特性「せいでんき」は麻痺が入るかどうかは運が絡みますが、パルスワンパルスワンはタスキを盾に「ほっぺすりすり」で確実に麻痺を入れられるため、パルスワンパルスワンを温存しておくのは悪い策ではありません。相手のエースに麻痺が入るとサンダーサンダーは先攻で「はねやすめ」が打てるため、非常に動きやすい環境になります。確実に麻痺を入れられるメンバーを起用するのは、サンダーサンダーにとってもメリットがあります。
また、3体の選出が判明していない序盤、相手は裏にサンダーサンダーがいることを警戒して接触攻撃を控えることが多いですが、先発でパルスワンパルスワンが出てくると、それだけで裏にサンダーサンダーはいないと確信し、無警戒に接触攻撃を振ってくれることが増えます。
「とんぼがえり」で様子を見ようとしたら裏から出てきたサンダーサンダーに接触し、「ゴツメ」に触れてタスキが潰された挙げ句に「せいでんき」で麻痺までもらうというテンプレートな展開は、誰もが必ず警戒してくるはずですが、先発パルスワンパルスワンと組み合わせることで警戒心をゆるめる効果が期待できます。
- ランドロス(霊獣)霊獣ランドロス
敵に回すと恐ろしい相手ですが、味方に引き入れると非常に心強い味方。
パルスワンパルスワンは素早さが高いため、ボルトチェンジを押すと先攻になることも多く、交代先のエースに負担をかけてしまうのが悩みの種です。しかし控えにランドロス(霊獣)ランドロスを採用すると、このデメリットを軽減することができます。
物理の接触技が飛んでくるのが読める場面で先攻ボルトチェンジを押すことで、ランドロス(霊獣)ランドロスが着地したときに特性「いかく」が発動し、相手の「こうげき」が1段階下がり、ランドロス(霊獣)ランドロスが受けるダメージを減らすことができます。ここでランドロス(霊獣)ランドロスに「ゴツゴツメット」を持たせておくと、ボルトチェンジのダメージも合わせて相当負担をかけられます。
また、ランドロス(霊獣)ランドロスは交代技「とんぼがえり」を覚えられるため、Sに割く努力値を減らせば後攻「とんぼがえり」によって再びパルスワンパルスワンを無傷で着地させやすくなります。選出の読みが外れてパルスワンパルスワンが不利な対面に遭遇してしまったとき、ランドロス(霊獣)ランドロスは優秀な引き先となってくれるでしょう。
また、ランドロス(霊獣)ランドロスの特性「いかく」は非常に優秀な特性だからこそ、「いかく」を入れる相手は慎重に決めたいというのもあります。初手で対面してしまうと非常に厳しい展開になる雨潮吹きカイオーガカイオーガや「いのちのたま」ホウオウホウオウ、眼鏡バドレックス(こくば)バドレックスや特殊イベルタルイベルタルに対面するのは避けたいところ。またラッキーラッキーに「いかく」が入ってしまう事態も美味しくありません。先発をパルスワンパルスワンに任せることで「いかく」を入れる相手をある程度吟味できるのは、ランドロス(霊獣)ランドロス側にとってもメリットがあります。
- ザシアン(王)ザシアン
高速回復技を覚えられず、「けんのおう」フォルムになるときは持ち物が固定になるため、回復系の道具は持てません。そのため、自身の耐久を削られないよう火力を押し付ける立ち回りが重要になる禁伝ポケモンだと言えます。
パルスワンパルスワンが「あまえる」「かいでんぱ」を相手にかけると、起点になったポケモンが殴り返してきたとしても、ザシアン(王)ザシアンの耐久はほとんど削れなくなります。そのため「あまえる」「かいでんぱ」を打たれたポケモンはタイミングを見計らって交代し、能力ダウンをリセットしようとします。この交代際にザシアン(王)ザシアンが「つるぎのまい」で火力を上げてしまえば、並大抵のポケモンでは受け切れなくなり、お馴染みの全抜き態勢が整います。
禁伝2体環境ではザシアン(王)ザシアンが2発耐えない高火力を押し付けてくる相手と対面することも多く、剣舞を打つスキをなかなか作りにくいことから、最近は「つるぎのまい」の採用率は下火傾向にあります。しかし起点作成役にパルスワンパルスワンを採用すると、ザシアン(王)ザシアンが「つるぎのまい」を打つための1ターンのスキを作りやすくなります。そういった意味で、ザシアン(王)ザシアンとの相性は良好です。
もしパーティ構築をザシアン(王)ザシアンで全抜きするスタイルに寄せたい場合、パルスワンパルスワンの技構成は「あまえる」「かいでんぱ」両立型にしてもいいかもしれません。その場合、パルスワンパルスワンが相手のみがわりを割れなくなり、みがわりが残ったままパルスワンパルスワンを突破される事態はなるべく避けたいため、火力の高い技を1枠採用しておきたいところです。無効にされる心配のない「かみくだく」「じゃれつく」あたりを「ボルトチェンジ」と入れ替えるといいかもしれません。
- ホウオウホウオウ
極めて高い特殊耐久を誇り、高速回復技「じこさいせい」と特性「さいせいりょく」を駆使して不死鳥のごとく場に残り続けることが可能な禁伝ポケモン。ただし岩4倍弱点に加えて物理耐久にスキがあるため、相手が「ストーンエッジ」などを隠し持っていると尖った岩が急所に刺さってあっさり倒されることも珍しくありません。
高い耐久と豊富な回復手段、優れた火力を備える一方で、ホウオウホウオウは致命的な弱点をケアする運用が大切になります。
相手が岩技を持っていることが分かれば、そのポケモンとホウオウホウオウが対面しないようサイクルさせる動きができますが、物理の岩技はホウオウホウオウにとって致命傷になることが多く、「そもそも1発耐えない」というケースが多いのが悩みの種です。
そこでパルスワンパルスワンに「あまえる」を覚えさせておくことで、起点に麻痺を入れて物理火力もあらかじめ削ぎます。これでホウオウホウオウが登場したときにもし岩技が飛んできても、1発耐えられることが多くなります。手痛いダメージは負うかもしれませんが、交代して特性「さいせいりょく」を発動させれば再び体力を取り戻すことができます。
ただし「ストーンエッジ」が急所に刺さると攻撃ダウンが無視されるため、ホウオウホウオウの出落ちは避けたり避けられなかったりします。尖った岩が急所に刺さらないようトレーナーの必然力を高めておけば問題ありませんな
また、ホウオウホウオウは「じこさいせい」を使うとき、先手で動けると立ち回りを考えるのが非常に楽になりますが、ホウオウホウオウ自身はS90族なので素早さで抜ける相手はそこまで多くありません。麻痺を確実に入れられる起点作成役と組み合わせるのは、「じこさいせい」を先手で打てる相手を増やす意味でも相性がいいと言えます。
- アラメインさん、コメントによるご指摘ありがとうございました!
差別化ポイント
- ストリンダー(ハイ)ストリンダー
パルスワンパルスワンと同じく「ほっぺすりすり」を習得可能で、特性「パンクロック」で火力補強もできる点が共通しています。また、ストリンダー(ハイ)ストリンダーがメイン武器とする音技はみがわり貫通だという点は、パルスワンパルスワンにない長所です。
ストリンダー(ハイ)ストリンダーの種族値はH75 A98 B70 C114 D70 S75と、特殊火力が高いのが特徴。また、採用率の高い音技はそろって特殊攻撃です。「起点作成+サブアタッカー」で育成するなら、特殊型にしたいところだと思います。一方、パルスワンパルスワンの「がんじょうあご」の恩恵が乗るのは物理技のため、物理型の適性があるという違いがあります。
物理型・特殊型が違うと、そもそも役割対象が違ってきますが、物理型には特殊型にないメリットがあります。それは「とつげきチョッキ」の存在です。
特殊耐久は「とつげきチョッキ」を持たせることで「とくぼう」を1.5倍に底上げできる一方で、「ぼうぎょ」を底上げする物理版「チョッキ」にあたる持ち物は存在しません。そのため、役割対象に被ダメを大きく抑えられてしまう想定外の事態が発生しにくいのが物理型のメリットです。
また、パルスワンパルスワンの素早さはS121あるため、激戦区であるS100ラインを超えるかどうかが違うというのもあります。
習得技についても、ストリンダー(ハイ)ストリンダーは「かいでんぱ」を覚える一方で、「あまえる」を覚えないのも相違点です。
「起点作成+サブアタッカー」を採用するとき、なるべく素早さで抜ける相手を増やしたり、「かいでんぱ」「あまえる」を両立できる起点作成要員が欲しかったり、「チョッキ」やラッキーで止まらない物理型を入れたいならパルスワンパルスワン、みがわり貫通の特殊音技を入れたいならストリンダー(ハイ)ストリンダーという違いがあると言えます。
- ドラパルトドラパルト
言わずと知れた高速高火力の600族ドラゴン。
命中はやや安定しませんが「でんじは」「おにび」を習得可能なため、起点作成要員として高い適性を備えています。
他にも「ひかりのかべ」「リフレクター」で両壁を張ることもでき、状態異常を入れた相手には「たたりめ」で大ダメージを狙えます。
また600族の恵まれた種族値は大きな魅力です。
H88 A120 B75 C100 D75 S142のステータスは、準速でも最速124族まで抜かすことができ、C特化ひかえめ「かえんほうしゃ」はH4振りザシアンザシアンを確定2発で持っていけます。
特性「すりぬけ」はみがわり貫通のため、様子見行動を許さず、安定して負担をかけられるのもメリットです。
ドラパルトドラパルトを「起点作成+サブアタッカー」としてパルスワンパルスワンと比較したとき、差別化ポイントとしては、バドレックス(こくば)黒馬バドレックスの処理が安定するかどうかが大きな違いになるかと思います。
C特化ひかえめドラパルトドラパルト→H252バドレックス(こくば)黒馬バドレックスの打点の候補としては、
たたりめ 98.5 ~ 117.8% 乱数1発
シャドーボール 121.7 ~ 144.9% 確定1発
ふいうち 98.5 ~ 115.9% 乱数1発(ドラパルトドラパルトが物理型の場合)
などが挙げられます。
一見有利な打ち合いになるように思われますが、ドラパルトドラパルトとバドレックス(こくば)黒馬バドレックスの対面がうまく成立したとしても、相手はほぼ100%居座ることはないため、処理は安定しません。
相手のパーティにラッキーラッキーやポリゴン2ポリゴン2などがいた場合は、交代によってゴースト技をすかされてしまいますし、悪技の「ふいうち」を選択したとしても、相手が攻撃技を選択していないため不発に終わってしまいます。
対バドレックス(こくば)黒馬バドレックスキラーとしてドラパルトドラパルトを活躍させようとすると、かえって相手の控えポケモンの無償降臨を許すスキを与えてしまうリスクがあると言えるでしょう。
一方、パルスワンパルスワンがバドレックス(こくば)黒馬バドレックスキラーの役割を担っていることは、そうそう読まれません。アタッカーの印象がないためか、居座って打ち合いに乗ってくれたり、悠長に積み始めるパターンも少なくないです。相手にとってパルスワンパルスワンは、特性「くろのいななき」の起点にできるカモに見えるのでしょう。
また、パルスワンパルスワンの打点は「かみくだく」のため、「ふいうち」と違い交代されてもすかされる心配がないのがメリットです。相手が交代するなら交代先に負担をかけ、居座ってくれたら確実に落とし切ることが可能です。
パーティ全体でバドレックス(こくば)黒馬バドレックスが重くなってしまったとき、安定してバドレックス(こくば)黒馬バドレックスを処理できるというのは、パルスワンパルスワンならではの差別化ポイントです。
また細かい差別化ポイントではありますが、ドラパルトドラパルトは「いたずらごころ」持ちによる先制「ちょうはつ」を打たれる事態には十分警戒が必要です。
特に「たたりめ」をメインウェポンとしている場合、サブアタッカーとしての火力も半減してしまうため、非常に苦しい展開に追い込まれてしまいます。
ささやかなダメージではありますが、「ほっぺすりすり」は攻撃技のため「ちょうはつ」で防がれないのも地味に重要な差別化ポイントです。
- エレザードエレザード
命中安定かつ地面タイプにも麻痺が入る「へびにらみ」を習得可能なのが大きな魅力。
パルスワンパルスワンが習得可能な「ボルトチェンジ」「かいでんぱ」を覚え、S109と激戦区であるS100ラインを抜いています。
バドレックス(こくば)黒馬バドレックスへの打点として「あくのはどう」を習得できるのもポイントです。
差別化ポイントとしては、エレザードエレザードの種族値はA55 C109と特殊火力に秀でるため、「起点作成+サブアタッカー」として運用するときは特殊型での採用になり、役割対象が違うという点が挙げられます。
また、エレザードエレザードの特性は「かんそうはだ」「すながくれ」「サンパワー」と、天候によって恩恵を受けるラインナップだというのも大きな違いです。
そして、共通する差別化ポイントではありますが、エレザードエレザードもまた「かいでんぱ」を覚える一方で「あまえる」を覚えません。また、「いたずらごころ」持ちによる先制「ちょうはつ」を打たれる事態に警戒が必要です。「へびにらみ」は変化技のため、「ちょうはつ」を打たれると出せなくなってしまいます。
- オーロンゲオーロンゲ
起点作成要員としてトップクラスの適性を備えたポケモン。
特性「いたずらごころ」によって変化技を先制できるため、相手に先んじて厄介な技を押し付けられるのが魅力です。
習得技としては「でんじは」による麻痺ばら撒きや、「ひかりのかべ」「リフレクター」の両壁による後続の耐久アップ、「ちょうはつ」による相手の起点作成妨害など、豊富なラインナップを備えています。
また攻撃種族値はA120 C95あり、高威力の技を習得できるため、サブアタッカーとしての適性も申し分ないです。
「パワーウィップ」「じゃれつく」「アームハンマー」「しっとのほのお」などを覚えることができ、威力と技範囲に恵まれています。
パルスワンパルスワンとの差別化ポイントとしては、「サブアタッカーを兼任させるのがメリットになるかどうか」が焦点になると思います。オーロンゲオーロンゲの場合、起点作成に加えてサブアタッカーも任せようと欲張りすぎると、かえって器用貧乏に陥る危険があります。
起点作成から攻撃に転じたとき、麻痺込みで相手に先制するためには、オーロンゲオーロンゲはしっかり素早さに努力値を割く必要があります。素早さ種族値はS60と鈍足寄りのため、準速以下にすると麻痺を入れたスカーフカイオーガカイオーガに先手が取れなくなります。
また、耐久方面はH95 B65 D75と、無振りで運用する場合は決して過信できない数値です。オーロンゲオーロンゲをサブアタッカーにしようと火力に寄せた調整にするほど、耐久振りに比べて場に残れるターン数が大きく減少すると言えるでしょう。
そのためオーロンゲオーロンゲは「起点作成+サブアタッカー」の候補として適性は高いものの、特性「いたずらごころ」をがっつり活かせる起点作成に集中させた方がリターンが大きいと考えられます。
他には、細かいポイントになりますが、オーロンゲオーロンゲは交代技を覚えないというのも差別化ポイントかなと思います。
サブアタッカーも兼任してあれこれ欲張るよりは、耐久振りにして起点作成に集中させる方が合っていそうです。
パーティ構築を考えたとき、裏に積みエースを起用するなど、がっつり盤面を整えられる起点作成要員を採用したいならオーロンゲオーロンゲ、サイクル戦や対面勝負を得意とするエースを採用し、先発は起点作成だけでなくアタッカーとしても相手に負担をかけられるメンバーが欲しいならパルスワンパルスワンという違いがあるのではないでしょうか。
- レジエレキレジエレキ
剣盾で使用可能なポケモンの中で、素早さが最も高い驚異のS200を備えています。
起点作成役としては「でんじは」で麻痺をばら撒き、「ひかりのかべ」「リフレクター」の両壁を張ることができます。起点作成が完了したら「だいばくはつ」で自主退場できる点も器用です。
高い素早さ・紙耐久・中堅クラスの火力に加え、「ボルトチェンジ」「かいでんぱ」を覚えるのはパルスワンパルスワンと共通した特徴です。また、特性「トランジスタ」は電気タイプの威力が1.5倍になるため、火力アップ特性を活かしたサブアタッカー適性があるのも似ています。
レジエレキレジエレキとパルスワンパルスワンの差別化ポイントとしては、技範囲の違いにあると考えられます。
レジエレキレジエレキの攻撃技は、主に電気・ノーマル・飛行タイプに実用的な技が集まっており、パルスワンパルスワンの技範囲と大きく違っています。
また、レジエレキレジエレキの特性の恩恵は電気技にしか乗らないため、電気技以外の打点だと意外と負担をかけにくいという違いがあります。
加えて、共通する差別化ポイントではありますが、レジエレキレジエレキもまた「いたずらごころ」持ちによる先制「ちょうはつ」を打たれる事態に警戒が必要です。「でんじは」は変化技のため、「ちょうはつ」を打たれると出せなくなってしまいます。
起点作成が完了した後、サブアタッカーに求める技範囲が電気・ノーマル・飛行の場合はレジエレキレジエレキ、電気・炎・悪・エスパーの場合はパルスワンパルスワンという違いがあると考えられます。
- サマヨさん、お財布さん、暖さん、カマケロケさん、アラメインさん、ハウスダストさん、コメントによるご指摘ありがとうございました!
最後に
今回の型のパルスワンパルスワンは、使用率トップ勢のポケモンの中に天敵が何匹もいたりと、ちょっと欠陥構築気味ではあります。ですが有利・不利がはっきりしている分、選出を考えるとき扱いやすく、ハマれば大きなアドバンテージをもたらしてくれます。
特に、先発で禁伝エースを通す動きや、初手ダイマックスで暴れ回ろうという相手に対して刺さると、序盤から試合を有利に進めやすくなります。相手のパーティを見て初手にエースを通してきそうな並びだと感じたら、この型のパルスワンパルスワンを選出するチャンスかもしれません。
また、今回の育成論に対して、コメントによるご指摘をくださったすべての方に、心より感謝いたします。
投稿直後の初期バージョンは、他のポケモンとの差別化がほとんど無く、パルスワンパルスワンを採用するメリットが明確に伝わらない未熟な内容でした。
コメントを通じて議論する中で、パルスワンパルスワンだからこそ出来ること、現環境で採用するメリットがより鮮明になり、さまざまな発見に出会うことができました。一人では決して気付けなかったパルスワンパルスワンの魅力を色々と加筆できたことは、非常に幸せな時間でした。
まだまだ改良の余地がある育成論かと思いますが、何かお気付きの点がありましたら、コメント等で助けていただけますと幸いです。
この記事が、旅の良き相棒であるパルスワンパルスワンを現環境で活躍させるきっかけになってくれれば幸いです。