※この育成論はシリーズ10(禁止伝説あり、ダイマックス禁止)の環境で運用することを前提に考察しています。
フライゴンについて
現環境でフライゴンを運用する場合、普通にアタッカーやサイクルパーツとして採用すると、どうしても同じ地面タイプであるランドロス(霊獣)やガブリアスに見劣りしてしまいます。そこで、本育成論ではフライゴンにしかできない役割を見出すことを目指しました。
実用性では一線級のポケモンに劣ってしまいますが、どうしても現環境でフライゴンを活躍させたいという方のお役に立てればと考えています。
採用理由と役割
- ザシアン軸に採用する崩し枠
ザシアンザシアン(王)は現環境においてトップクラスの性能を誇る禁止伝説ポケモンです。フライゴンとザシアン(王)は相性補完に優れており、お互いの弱点をもう一方が全て半減以下で受けることができます。また、ザシアン(王)受けとしてよく採用されるポケモンは、フライゴンに打点を持っていないことが多いです。そのため、相手のザシアン対策枠を起点にして、サイクルを崩すことを目指しました。
これらのポケモンに対して身代わりを残すことができ、かつヒートロトムサンダーのボルトチェンジを止められるのは、じめん/ドラゴンタイプで特性「ふゆう」のフライゴンだけです。ちなみに、同じ耐性を持つビブラーバは「しんかのきせき」を持たせても、耐久でフライゴンに劣ります。
似たような役割を持つポケモンに、悪巧みボルトロス(霊獣)がいます。ザシアン(王)軸に採用される崩し枠としては、ボルトロス(霊獣)の方が暴風持ちのサンダーに対しても安定し、汎用性が高いです。しかし、フライゴンはボルトロス(霊獣)よりも耐久値が若干高く、岩技や炎技に耐性があるため、差別化はできていると考えています。
- 受けループ対策
詳しくは立ち回りの項で後述します。
持ち物
- ラムのみ
- たべのこし
状態異常には弱くなるものの、場持ちがよくなります。状態異常技は対面からなら身代わりを置くことで対処できるため、役割対象への繰り出しを想定しない(この場合相手のザシアン(王)受けへの交換を読んで、こちらもフライゴンに交換を合わせる必要がある)のであればこちらでも構いません。
特性
「ふゆう」です。役割対象であるランドロス(霊獣)ラグラージヌオーの地震を無効化できるため、打点を無くすことができます。
性格・努力値と調整
しんちょう HP252 防御124 特防132(187-120-116-x-128-120)
- 調整意図
HP:総耐久を上げるため全振り
防御:無振りラグラージのクイックターンを身代わりが確定で耐える
特防:余り
素早さ:役割対象のうち、状態異常技を使ってきそうな相手には、無振りでも先制で身代わりが残せるため無振り
- ダメージ計算
物理耐久
無振りラグラージのクイックターン:20.9%〜24.6%
無振りランドロス(霊獣)のとんぼ返り:20.3%〜24.1%
モロバレル等の不一致イカサマ:20.3%〜24.1%
特殊耐久
無振りサンダーの暴風:37.4%〜44.9%
無振りヒートロトムのオーバーヒート:19.3%〜22.5%
無振りムゲンダイナのヘドロウェーブ:18.2%〜21.9%
無振りヌオーの熱湯:16.6%〜19.8%
無振りドヒドイデの熱湯:14.4%〜17.6%
無振りウインディの火炎放射:12.8%〜15.5%
無振りサンダーの熱風:10.7%〜12.8%(身代わりが28.5%の乱数2発)
技構成
[確定技]
- みがわり
受けポケモンを相手にする際、補助技を防ぐために使います。受けポケモンの攻撃技や半減の技であれば身代わりが耐えるため、行動回数が稼げます。
- じわれ(命中:30 一撃必殺)
身代わりを残した後に、相手のサイクルを崩すために使います。フライゴンが覚える技で、相手の後続に負担をかけられる技がこれしかないので確定です。基本的には有利対面や身代わりが残っている場面で打ち、試行回数を稼ぐことで命中を狙います。最悪、役割対象が選出されなかった場合も、地割れを連打することで運勝ちを狙えます。
- いやなおと(命中:85 相手の防御を2段階下げる)
身代わりと地割れだけでは浮いているポケモンランドロス(霊獣)ヒートロトムサンダーに対して何もできないため、それらを流すために採用します。竜の舞でもいいですが、フライゴン自身に突破力がないため、ザシアン(王)の起点を作ることができる嫌な音の方が優先度が高いです。
音技なので相手の身代わりを貫通します。
[選択技]
- がんせきふうじ(威力:60 命中:95 相手の素早さを1段階下げる)
嫌な音と合わせてヒートロトムサンダーを流すために採用します。ストーンエッジでもいいですが、どちらにせよ火力にはあまり期待できないので、後続の起点を作ることができる岩石封じの方が優先度が高いです。
図太いHP252防御252ヒートロトム:21.7%〜25.5%
図太いHP252防御252サンダー:19.3%〜23.4%
同上の防御4段階下降サンダー:55.8%〜66.0%
- とんぼがえり(威力:70 命中:100 攻撃後、手持ちのポケモンと入れ替わる)
嫌な音を打ち、流し際にとんぼ返りを選択することで、対面操作ができます。相手が交代してこなかった場合は、防御が2段階下がったザシアン(王)受けとザシアン(王)が対面することになるので、相手のサイクルを崩せます。
立ち回り例
- 基本的な立ち回り
基本的にはザシアン(王)とセットで選出します。相手のザシアン(王)受けに対してフライゴンを繰り出し、身代わりを残しましょう。相手は交換せざるを得ないため、そこに地割れを合わせることでサイクル崩壊を狙います。フライゴンが苦手な相手に対しては、身代わりが残っていない限り、無理せずにザシアン(王)に交代し、サイクル戦に持ち込みましょう。
受けループに対しては、エアームドを選出されない限りフライゴンの地割れが一貫します。
受けループ側はザシアン(王)とフライゴンを受けるためにエアームドかヌオーのどちらかを選出しなければなりません。パーティをエアームドに強くすることでヌオーの選出を誘導できるように構築を組みましょう。サイクルの中でフライゴンの地割れの試行回数を稼ぎ、崩しを狙います。なお、身代わりムゲンダイナに対してはフライゴンではジリ貧になるため、後続に身代わりムゲンダイナに強いポケモンを選出する必要があります。
相性の良い味方
- ザシアンザシアン(王)
- ヒードランヒードラン
前述のvs受けループにおいて、エアームドの選出を抑制し、ヌオーの選出を誘導できます。挑発+大地の力を採用することで、身代わり持ちのムゲンダイナに対しても強く出られます。
また、フライゴンで受けられないザシアン(王)対策枠であるギルガルドギルガルド(シールド)に強い点も魅力的です。
- カプ・レヒレカプ・レヒレ
さいごに
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