前注
- HABCDSなどの略称・スラングを用いることがあります。わかりにくい箇所等ありましたらご指摘ください。
- 所々常体文を用います。ご了承ください。
- 本論に出てくる全てのポケモンの個体値はHABCDS全てにおいてVという想定でダメージ計算されています。
セキタンザンセキタンザンについて
- 種族値
H110 A80 B120 C80 D90 S30と、微妙な攻撃力・高水準の耐久力・鈍足といった特徴を持ちます。トリックルーム戦術の流行らないシングルにおいては、鈍足アタッカーというのは総じて使われにくい、あるいは使いにくい印象。
- 特性
セキタンザン(とその系譜)の唯一特性であるじょうききかんは、「みずタイプかほのおタイプの攻撃技を受けるとすばやさが6段階上がる。」という効果。セキタンザン自身がみずタイプを弱点としていることから、じゃくてんほけんと組み合わせて用いられることが多いです。本論のセキタンザンもじょうききかんで用います。他にはほのおのからだ・もらいびがありますが、どちらもセキタンザンとの特別なシナジーを思わせる特性ではありません。
コンセプト
- 特性じょうききかんと新技メテオビーム×パワフルハーブです。
- 特性について
上記の通り多くのセキタンザンと同じくじょうききかんを採用します。一方で異なるのはその特性の使われ方。みず技を受けることでじょうききかんとじゃくてんほけんのダブルパンチを狙う一般的な型に対し、本論の型ではほのお技を受けたいと思います。詳しくは下の『差別化』の欄で後述します。
- 技について
メテオビームとは、ポケモン剣盾 DLC「鎧の孤島」において、特定のポケモンにのみ覚えさせることができる教え技のうちの一つです。威力120、命中率90、PP10、対象は1体選択の特殊技です。以下、効果説明文。
「1ターン目に宇宙の力を集めることで特攻があがり2ターン目に相手を攻撃する。」
既存の技であるソーラービームをイメージしていただけると分かると思います。異なるのは、1ターン目にCが1段階上がるということ。こうした所謂溜め技には、力を溜めている間に攻撃されるというリスクが常についてまわるわけですが、持ち物パワフルハーブは、一度だけこのインターバルを無視して攻撃することを可能にするアイテムです。したがってこの組み合わせを使えば、Cを1段階あげた後すぐさま威力120の技を放つことができるというわけです。
差別化
- じょうききかん×じゃくてんほけんセキタンザンセキタンザン
- じょうききかん・じゃくてんほけん、この2つを同時に発動させるためには、みずタイプの技を受ける必要があります。ダブルにおいては、味方同士で、あえて威力の低いみず技で起動を狙うことも可能でしょうが、シングルでは、じゃくてんほけんの発動は常に相手本位。あまつさえこのシナジーが有名すぎるが故に、対面でみず技をうってもらえるかは疑問です。
(うってもらえたとして瀕死になります。)みず技に対し受け出すこともできますが、それはメリットばかりではありません。セキタンザンはみず技が4倍弱点です。アクアジェット等の低威力のみず技に合わせない限り、それなりの痛手を負う事になります。耐久振りで解決できますが、火力方面が寂しくなります。 - 一方で本論のセキタンザンは、相手のほのお技に受け出しします。セキタンザンはほのお技が1/4軽減ですので、HPを余裕を持って残せます。じょうききかんが発動したところでメテオビームから入り、制圧していきます。
- ポジティヴな差別化点は受け出しにリスクを伴わない事、反対にネガティヴな差別化点はじゃくてんほけんによるC上昇が2段階なのに対し、メテオビームは1段階のみの上昇という事です。
超理想ムーブ(蛇足)
- 相手のポケモンのほのお技読み、受け出し
- セキタンザンセキタンザンのじょうききかん発動
- 上からメテオビーム、C1段階、S6段階上昇のセキタンザン爆誕。
- 残っていればDM。死に出されたみず・じめんタイプへのダイソウゲン、特殊耐久を上昇させるためのダイロック、晴らしダイバーンなど、より高圧的に展開できる。
調整意図と技構成
- ひかえめ H196 C252 S60
- 210 * 140 145 110 58
- H:余り。
- C:特化。
- S:6段階上昇時、最速スカーフ ドリュウズドリュウズ抜き。じめん技も4倍弱点なので、死に出しから来るポケモンまでケアするとスカーフ ドリュウズは抜くべきかなと思いました。
- 主なS調整ライン↓(S6段階上昇時)
S28最速 ドラパルトドラパルト抜き。
S60:最速スカーフドリュウズドリュウズ抜き。
S84:最速スカーフヒヒダルマ(ガラル)ヒヒダルマ抜き。
S220:最速すなかきドリュウズドリュウズ抜き。
- 技構成
メテオビーム/もえつきる/ソーラービーム/こらえる
・メテオビーム
コンセプト技。タイプ一致かつ高威力。抜く理由なし。
・もえつきる
タイプ一致かつ高威力。ほのおタイプをなくし4倍弱点を消すというテクニカルな動きも可能。
・ソーラービーム
対みず・じめん打点。地味にパワフルハーブの恩恵を受けられる。主にダイソウゲンとして。
・こらえる
ダイウォール枠が欲しかった。ほのお技受け出しが不可能そうな場合、最悪みず技を受け切ることができる。先制技で処理されやすい。
- その他の技候補
・かえんほうしゃ
もえつきるが嫌な方向け。THE 無難。非DM時、即効性のある技がもえつきるのみになるため、こらえると変更するのもあり。
・だいもんじ
もえつきると両採用する場合、もえつきる使用後は唯一の1ターン技になるので、命中不安は通常よりもより大きな不安要素。外さなきゃただの強技。
・だいちのちから
じめん打点。ダイアースが強い。
・ねっとう
みず打点。意表をつけて面白そう。有用性は不明。
・おにび・ステルスロック
ダイウォール枠候補。殴りに徹してた方が強いとは思う。
ダメ計
- 与ダメ
(メテオビームは全てC1段階上昇時、それ以外はランク補正なしで計算しています。また、より一般化してダイロックと表現しています。)
- ドラパルトドラパルトにメテオビーム
94.4~112.2%(乱数1 68.7%)
- D4ヒートロトムヒートロトムにメテオビーム
180.4~217.6%
- エースバーンエースバーンにメテオビーム
198.7~236.1%
- H252ガオガエンガオガエンにメテオビーム
133.6~157.4%
- H4ヒヒダルマ(ガラル)ヒヒダルマにメテオビーム
215.4~255.2%
- H4トゲキッストゲキッスにメテオビーム
135.4~160.2%
- リザードンリザードンにメテオビーム
368.6~433.9%
- H252D4コータスコータスにメテオビーム
180.7~214.6%
- ドラパルトドラパルトにダイロック
74.2~88.3%(確定2)
- H4ミミッキュミミッキュにダイロック(かわダメ込み)
83.2~95.4%(確定2)
- H4トゲキッストゲキッスにダイロック
105.5~126.7%
- H252D4カビゴンカビゴンにダイロック
32.9~39.3%(乱数3 99.8%)
- エースバーンエースバーンにダイロック
156.1~185.8%
- D4ヒートロトムヒートロトムにダイロック
144.0~169.9%
- H4ギャラドスギャラドスにダイロック
112.2~133.3%
- H4ヒヒダルマ(ガラル)ヒヒダルマにダイロック
169.0~200.0%
- D4ラプラスラプラスにダイロック
97.5~115.1%(乱数1 81.2%)
- H252ガオガエンガオガエンにダイロック
103.9~122.7%
- H4ミミッキュミミッキュにもえつきる(かわダメ込み)
77.0~90.0%(確定2)
- ドリュウズドリュウズにもえつきる
136.2~160.0%
- エースバーンエースバーンにもえつきる(等倍時)
72.2~85.8%(確定2)
- H252D4ナットレイナットレイにもえつきる
172.3~205.5%
- H252D4アーマーガアアーマーガアにもえつきる
99.5~117.0%(乱数1 87.5%)
- H252ギルガルド(シールド)ギルガルド(シールドフォルム)にもえつきる
80.2~94.6%(確定2)
- ドリュウズドリュウズにダイバーン
145.9~172.9%
- エースバーンエースバーンにダイバーン(等倍時)
78.0~92.9%(確定2)
- H252D4ナットレイナットレイにダイバーン
185.6~220.9%
- H252D4アーマーガアアーマーガアにダイバーン
106.3~125.8%
- H252ギルガルド(シールド)ギルガルド(シールドフォルム)にダイバーン
86.2~101.7%
- D4ウォッシュロトムウォッシュロトムにダイソウゲン
96.0~113.6%(乱数1 75.0%)
- H252アシレーヌアシレーヌにダイソウゲン
59.8~71.6%(確定2)
- H4ホルードホルードにダイソウゲン
98.1~116.7%(乱数1 87.5%)
- H252D4カバルドンカバルドンにダイソウゲン
77.2~91.1%(確定2)
- 被ダメ
- おくびょうC252こだわりメガネドラパルトドラパルトのだいもんじ
10.0~11.9%
- おくびょうC252こだわりメガネヒートロトムヒートロトムのオーバーヒート
18.5~21.9%
- ようきA252いのちのたまエースバーンエースバーンのかえんボール
12.3~14.7%
- ようきA252いのちのたまエースバーンエースバーンのダイバーン(140)
14.2~17.1%
- いじっぱりA252ガオガエンガオガエンのフレアドライブ
10.4~12.3%
- ようきA252ヒヒダルマ(ガラル)ヒヒダルマのフレアドライブ
10.9~12.8%
- おくびょうC252トゲキッストゲキッスのかえんほうしゃ
6.1~7.1%
- おくびょうC252トゲキッストゲキッスのダイバーン
9.0~10.4%
- おくびょうC252リザードンリザードンのかえんほうしゃ
8.5~10.4%
- おくびょうC252リザードンリザードンのダイバーン(130)
12.8~14.7%
- れいせいC252コータスコータスのふんか(晴れ下)
20.4~24.2%
- ようきA252ドリュウズドリュウズのじしん
144.7~171.4%
- ようきA252いのちのたまリベロエースバーンエースバーンのとびひざげり
109.0~130.0%
- ようきA252いのちのたまリベロエースバーンエースバーンのダイナックル(95)
81.9~96.6%(確定2)
- おくびょうC252こだわりメガネウォッシュロトムウォッシュロトムのハイドロポンプ
253.3~299.0%
- おくびょうC252こだわりメガネウォッシュロトムウォッシュロトムのダイストリーム(140)
213.3~253.3%
- ようきA252いのちのたまギャラドスギャラドスのたきのぼり
143.8~170.9%
- ようきA252いのちのたまギャラドスギャラドスのダイストリーム(130)
230.4~274.7%
- おくびょうA252ヒヒダルマ(ガラル)ヒヒダルマのばかぢから
88.5~104.7%(乱数1 31.2%)
- ひかえめC252ラプラスラプラスのうたかたのアリア
133.3~160.0%
- ひかえめC252ラプラスラプラスのダイストリーム(130)
194.2~228.5%
- ひかえめC252アシレーヌアシレーヌのうたかたのアリア
173.3~205.7%
- ひかえめC252アシレーヌアシレーヌのダイストリーム(130)
247.6~293.3%
- ようきA252ホルードホルードのじしん
81.9~99.0%(確定2)
- ようきA252ホルードホルードのダイアース(130)
110.4~131.4%
- 無振りカバルドンカバルドンのじしん
102.8~121.9%
- 無振りドヒドイデドヒドイデのねっとう
59.0~70.4%
追記(キョダイ個体と非キョダイ個体の再考察)
- 前注
この欄では、以前まで非キョダイ個体を推奨していました。しかしながら、コメントを含め様々な指摘やアドバイスをいただき、かつ投稿主自身も客観的に再考した結果、キョダイ個体を推奨することとしました。
- キョダイフンセキ
いわタイプの専用技。毎ターン終了時、いわタイプ以外のポケモンに最大HPの1/6のダメージを与える追加効果を持ちます。
- 非キョダイ個体のメリット/デメリット
・メリット
すなあらし下では、いわタイプの特防は1.5倍になります。ダイロックによってすなあらしを起こすことで、耐久面をカバーできます。
・デメリット
とはいえ、みずタイプの特殊技等にはその補正があっても耐久が追いつきません。元々等倍の技に対して更に強くなる程度です。
- キョダイ個体のメリット/デメリット
・メリット
技構成に、2ターン技を2種類搭載していることから、非DM時のダメージソースが乏しいのがこの型の弱点です。キョダイフンセキによるスリップダメージは、非DM時のダメージソースとなってくれます。また、DM同士で対面した場合、足りない火力を補助してくれます。
・デメリット
メテオビームのC1段階upを積むことができれば、非DMの相手に対しては十分な火力が出せるので、このような状況に限りスリップダメージが有効に働くことはそれほど多くありません。
- キョダイ個体の推奨
重要なダメージソースとなり、相手の後続への負荷、こちらの後続への与ダメ補助を担えるスリップダメージを発生させることができるキョダイ個体を推奨します。特防upの恩恵を受ける場面がかなり限定的であるため、汎用性を考えこのような結果となりました。
- 以上が追記です。ref様、せい様、ありがとうございました。
相性の良いポケモン
- ナットレイナットレイ
相手のほのお技を誘発しやすいです。受けポケは処理が面倒なので、相手が安易にほのお技をうってきたところを起点にできます。
- ハッサムハッサム
弱点がほのおタイプのみで、同じくほのお技を誘発しやすいです。同じ複合タイプにアイアントアイアントがいますが、DM権でセキタンザンと競合してしまいます。一方ハッサムはバレットパンチ、新技ダブルウイング等、DMせずとも一定のスペックが見込めます。ランク戦で使えるのはまだしばらく先でしょうが...。
- ゴリランダーゴリランダー
グラスフィールドを展開することで、セキタンザンが苦手とするじしんの威力を低下させたり、受け出しで受けたダメージを帳消しにしたりできます。一方で、ドラパルト、トゲキッス、エースバーン等と対面した場合、ひこう技かほのお技かの択を常に迫られるので、安易なセキタンザンの受け出しは要注意。
以上。ご精読ありがとうございました。
- 不明な点、至らぬ点ございましたらコメントにてご指摘ください。