ポケモンノベル

ポケモンノベル >> 小説を読む

dummy

天穹の彼女

著編者 : spica

第三話 巡り合わせ

著 : spica

ご覧になるには、最新版の「Adobe Flash Player」が必要です。 また、JavaScriptを有効にしてください。


「君の救いになるから」

 そこまで言ったところで、エルレイドは俯いた。少しばかり恥ずかしそうにしていたが、彼の綴った言葉はヨゾラに大きく響いた。
自分の感情ばかり頼りにして、一体何をしていたのか。
周りのポケモンの思いも考えず、命を絶とうとするなんて。

「…あり、がとう」
「え?」

震える声でヨゾラは、エルレイドに礼を言った。

「私…ショックで…目の前が見えなくなって…」

思わず零した涙が、空中で大空の星明かりのように煌めく。

「だから、止めてくれて、ありがとう」

ヨゾラは笑った。





 彼女の笑顔は今までにないほど輝いていた。
少し潤んだ琥珀のようにも見える瞳は、真っ暗な辺りを照らすように輝き、薄花色の髪は柔らかい風を受けてなびく。その姿はあまりにも眩しく、しばらくの間レイは立ち尽くしていた。
あわよくば、ずっとこのまま───

『譌ゥ縺上@縺ヲ!』
「ぅわっ!?」

訳の分からない声でゲンガーが鳴いた瞬間、レイは大声をあげた。その声に驚いて、ヨゾラも後退りをした。

「ごめん…なんか、情け無いところ見せちゃった」
「長々と話をしているからがみがみ言われるのだぞ」

後ろから、よく通る聞き慣れた声が聞こえてきた。

『菴?隱ー繝シ?』
『繧、繝ェ繧ク繧ァ讒倥□繝シ!』

やって来たのは、イリジェだった。

「こらこら、わざと分かりづらい言葉で喋るのはやめなさい」
『…はーい…』

群がるゴーストポケモン達を一瞬で宥め、イリジェは振り向いた。

「私はマコエに来る前にここに来たことがあるのだよ。菫色が気に入られてしまってな、それから慕われているのだ」

助かったと、レイは胸を撫で下ろした。気まぐれなポケモン達が仲間の味方ならば、なんとか帰ることができる。

「そろそろ…私にはここの気は強すぎる」

ヨゾラが、少し申し訳なさそうに言った。

「では帰るとしよう。…心配するな、また来るよ」
『縺ー縺??縺?縺セ縺滓擂縺ヲ縺ュ!』

ゴーストポケモン達に手を振り、レイ達は魂霊山を後にした。




 少し湿った土を踏みながら、ヨゾラ達はマコエの森へと向かっていた。だがその途中に、全速力で飛んだ反動がヨゾラを襲い、数分歩いたところでヨゾラはふらりと倒れ込んだ。

「まだマコエには遠いな…よし、迎えを呼ぶとするか」

イリジェは辺りのサイコパワーを一点に集め、一気に解き放った。たちまち、真っ青な光の柱ができる。

「これでマコエからでも見えるだろう。さて、もう少し待つとしようか」

 待つ時間はほんの数分だった。森の方から光が近づいてくるのが見えた時には、疲れも少し和らいでいた。

「…長の秘書を呼ぶために青で立てたのだが…」

イリジェが言う先には、ビターとバニラがいた。

「ほんとはさ、セレスさん分かってた」
「でもよ!わたくしの妹がーとか言って、どっか行きやがった!」

ビターが地団駄(技ではない)を踏む。

「まあまあ…あ、おれ乗せよっか?」

バニラが言った。彼の族の足の速さは確かなものなので、ヨゾラは乗せてもらうことにした。

「…ビターは乗せないのか?」
「僕チビだから無理」
「え、じゃあおれだけで良かっ」
「そういう問題じゃない!!」

他愛もない事を話しながら、ヨゾラ達はマコエへと向かった。




「はー…やっと着いた」

ふわふわと漂う鮮やかな赤紫の花弁が、桜によく合っていた。
強く香る花の匂いが、自然と心を落ち着かせる。

「…というかお前ら、まだ挨拶してないだろ」

ビターがヨゾラの方を睨んだ。

「た、確かに」
「ふっふん、そんくらいお見通し。占い師なめんな」

そうしてヨゾラは、命の恩人────エルレイドと向き合った。

「改めて…はじめまして。私はヨゾラ。助けてくれてありがとう」
「はじめまして、僕はレイ。君のことは前から知ってた、けど…これからよろしく」

微妙な空気。沈黙を破るようにバニラが叫んだ。

「ねっ、あれ!あれ何…本当に何…?」

少し遠くの岩の上に、何か光るものがあった。
 見に行くと、そこには首飾りのようなものがあった。人間の言い方なら、ペンダントといったところだろうか。だがヨゾラが旅の途中見てきたものとは見た目が大きく異なり、近未来的な形をしていた。

「綺麗ではあるが…怪しいな」

 ポケモンの技とは違う、小さな光を発するペンダント。
自然に生まれるとは考えられないこれは、一体何を意味するのだろうか?

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
【ゴースト達の文字化け解読】
『譌ゥ縺上@縺ヲ!』
  ↓
『早くして!』

『菴?隱ー繝シ?』
  ↓
『何?誰ー?』

『繧、繝ェ繧ク繧ァ讒倥□繝シ!』
  ↓
『イリジェ様だー!』

『縺ー縺??縺?縺セ縺滓擂縺ヲ縺ュ!』
  ↓
『ばいばーい!また来てね!』

⇒ 書き表示にする

2023.10.15  14:40:49    公開
2024.6.8  19:18:35    修正


■  コメント (4)

※ 色の付いたコメントは、作者自身によるものです。

そうなんですね、ありがとうございます!!
確かになんか真ん中に?マークみたいなことになってましたね…
出来次第ポケピクに投稿します!
恐らく思い付きのハロウィン絵が先になりますn(

23.10.19  20:05  -  spica  (kirarin)

突然失礼します。
今、思いだしましたけど、今、表紙イラストを投稿しますとバグって表示されず、変な感じになります(経験者は語る)僕のゴツメをゲットし隊を見たら分かりやすいかと。
とりあえず、今はやめておくか、ポケピク(https://yakkun.com/pic)の方へ投稿するのがいいかと思います。
突然失礼しました

23.10.19  17:25  -  キノコ13  (13777)

こんにちは!いつもありがとうございます!
文字化け、ゴーストらしいおどろおどろしい雰囲気が出せたと思います!工夫したので嬉しいです!
それでは表紙イラストの方へ行って参ります…!

23.10.17  16:23  -  spica  (kirarin)

またまたこんにちはキノ(ry
ゴーストの文字化け、すごくいいいですね!
関係ないですけど、文字化けって独特の雰囲気ありますよね?
なんか、よくわからない難しい漢字が沢山とェとかュとかちっちゃいカタカナとか。
それではまた、次か、その次か(多分後者)

23.10.16  22:54  -  キノコ13  (13777)

パスワード:

コメントの投稿

コメントは投稿後もご自分での削除が可能ですが、この設定は変更になる可能性がありますので、予めご了承下さい。

※ 「プレイ!ポケモンポイント!」のユーザーは、必ずログインをしてから投稿して下さい。

名前(HN)を 半角1文字以上16文字以下 で入力して下さい。

パスワードを 半角4文字以上8文字以下の半角英数字 で入力して下さい。

メッセージを 半角1文字以上1000文字以下 で入力して下さい。

作者または管理者が、不適切と判断したコメントは、予告なしに削除されることがあります。

上記の入力に間違いがなければ、確認画面へ移動します。


<< 前へ戻るもくじに戻る 次へ進む >>