はじめに
予め申し上げておきます。当育成論の【採用理由は愛】です。
差別化は為されていますが、ニッチな選択肢であることは念頭に置いておいてください。
フォクスライフォクスライとは?
第8世代で初登場した悪単ポケモンです。いわゆる序盤悪という枠に入ります。第3世代のグラエナや第5世代のレパルダスの系譜に入る枠ですね。ちなみに今作ではタチフサグマも序盤加入するので、最序盤から2種族のあくタイプを手持ちに入れられます。
タチフサグマがそれなりに優秀な種族値をしているのに対して、このポケモンは合計種族値が低く、第8世代における不遇ポケモン候補の筆頭となっております。
そんなフォクスライをなんとか使いたい、と考えた結果が今回の育成論です。
打倒レパルダス
フォクスライには3つ特性が存在します。
- にげあし
対戦では効果なし。ということで候補外。
- はりこみ
超火力の一致イカサマをぶっ放せます。鎧の孤島で解禁されましたね。
当育成論は解禁前のものであり、役割的にも見送り。
ということで最後の1つ。
- かるわざ
持ち物を消費すると素早さが倍になる(引っ込むと戻る)。なおランクアップではなく純粋に数値が倍になる(すいすい等と同じ)ので、バトンで引き継ぐことは出来ません。
問題はこの特性、よりにもよって同じ悪単であるレパルダスも所持してしまっています。しかもS種族値はこちらが90に対してあちらは106、20近い差をつけられてしまっています。
さて、突然ですがここでそれぞれの種族値を見てみましょう。
フォクスライ/H:70 A:58 B:58 C:87 D:92 S:90
レパルダス/H:64 A:88 B:50 C:88 D:50 S:106
D以外の数字は負けてるか、誤差レベルの勝利です。
とはいえ、ポケモンは奥深いゲーム。種族値では負けていても技で差別化のしようはいくらでも……と、技に目を向けてみると。すてゼリフとサイコキネシス。この2つはレパルダスが覚えず、かつ有効な技に見えます。しかしすてゼリフを使うには微妙すぎる種族値、というかそれだけならタスキモルペコでも使った方がなんぼかマシです。サイコキネシスはC特化して眼鏡までかけて、ようやくHBドヒドイデを確2ライン。当然他のポケモンを使った方がなんぼかマシです。まずエスパー技は環境に刺さってません。
ということで実用的な差別化は、Dでなんとかするしかありません。かといって本体の抜き性能は無惨なものなので、結論として【バトンによるエースへの繋ぎ役】としての採用にたどり着きます。
性格・努力値
確定枠はおだやかです。おだやかS92振りでおくびょうS4振りと同速であり、かつ残りをDに振ることでおくびょうHDぶっぱよりも僅かにDが高くなります。
この状態でS実数値が122、かるわざ発動で244。これを素で抜ける奴はいないので、スカーフやダイジェット、その他素早さ操作系特性を想定しなければこの数値で問題ありません。それらを想定するならばおくびょうにして努力値を調整するといいでしょう。
- 調整案:おくびょう/H252 S180 D76
最速トゲキッスの上を取り、バークアウトでダイフェアリーを受けきれ、後続へのサポートを遂行しやすくなります(72.3~85.8%の確定2発)。ドラパルトやサザンドラなんかの上を取れない相手からの確定数が悪化するので一長一短。トゲキッスからフォクスライの間には、他の特殊型がFCしたロトム、たまに見てもジュラルドンぐらい(ミロカロスはS振りは稀です)なので、これ以上を狙う必要はないと思われます。ちなみにこの振り方でS実数値は146。かるわざ発動で292となり、スカーフマニューラまで抜けるようになります。
持ち物
- カムラのみ
確定欄は一応これになっていますが、後続のエースに合わせて変えて構いません。ピンチになるとSが上昇。
現環境は前作に続いてSのインフレが進み、スカーフ持ちドラパルトなんて化け物もいるのでお勧めではあります。
- チイラのみ
ピンチになるとAが上昇。物理エースへ繋ぐ場合に。
- ヤタピのみ
ピンチになるとCが上昇。特殊エースへ繋ぐ場合に。
- じゃくてんほけん
弱点を突かれるとACがそれぞれ2段階上昇。トゲキッスニンフィアほぼピンポイント。
- きあいのタスキ
連続技以外ならとりあえず1回は受けて積めます。半端にDがあるので物理相手専用。
確定技
バトンタッチ
ランク効果や状態を維持したまま別のポケモンに交代。コンセプトなので確定。
候補技(積み技)
技スペースの都合上、積み技は1個までに抑えておくといいでしょう。というか2回以上積めるような耐久をしていません。
わるだくみ
今回の確定欄。C2段階上昇。シンプルに使いやすい特殊エースへの繋ぎ。
こうそくいどう
S2段階上昇。これを入れる場合は素早さを細かく調整する必要はあまりありません。
つめとぎ
A1段階上昇、命中率1段階上昇。命中不安な物理エースへ繋ぐ場合に。
つるぎのまいは覚えません。
候補技(それ以外)
みがわり
今回の確定欄。HPを調整してピンチ木の実を発動しやすくなります。本来はHPを4n調整すると効率が良いですが、この育成論においては積み技を1度挟むので細かい調整は不要と判断し、行っていません。気になる人は244振りで実数値が176になります。
バークアウト
今回の確定欄その2。身代わり貫通、Cを1段階低下させます。特殊アタッカーに撃つことで確定数の調整に役立ちます。この技を採用する場合はおくびょうからの素早さ調整を行うことでトゲキッスなんか相手に多少有利に立ち回れたり。
イカサマ
物理相手に一矢報いたい時に。
ちょうはつ
相手の補助技を封じます。ちょうはつで機能停止するので上から挑発をしたい時に。後は耐久型にでも打ちましょう。
被ダメージ
C↑252振りトゲキッス
マジカルシャイン:80~96.5%(確定2発)
ダイフェアリー(マジカルシャイン):108.4~128.8%(確定1発)
ダイジェット(エアスラッシュ):54.2~64.4%(確定2発)
いきなり確定1発です。マジカルシャインなら丁度いい感じになるのですが、ダイジェットだと半端に削れ、ダイフェアリーなら即死です。ダイフェアリー読みなら素直に交代、ダイジェット読みならみがわり、マジカルシャイン読みなら積み技で行きましょう。
無補正252振り珠ドラパルト
りゅうせいぐん:42.9~51.4%(乱数2発)
ダイドラグーン(りゅうせいぐん):47.4~55.9%(乱数2発)
特殊なら相手がすりぬけでも基本的に安定して受けられます。初手積み技、HPの調整が上手くいかない場合はみがわりを利用してきのみを発動させましょう。なお、相手が物理だと死にます。
無補正252振りサザンドラ
りゅうせいぐん:50.8~59.8%(確定2発)
ダイドラグーン(りゅうせいぐん):54.2~64.4%(確定2発)
りゅうのはどう:32.7~39.5%(乱数3発)
ドラパルトよりダメージは大きいですが、型が読みやすいのでむしろ楽です。りゅうせいぐんなら初手みがわりで丁度木の実の確定ライン。わるだくみされたりしてもみがわり分の有利が取れます。
C↑252振りニンフィア
ハイパーボイス:84.7~99.4%(確定2発)
ダイアタック(ハイパーボイス):101.6~119.7%(確定1発)
ハイパーボイスは丁度いい感じで耐えてくれますが、ダイアタックは無理です。
C↑252振りウォッシュロトム
ハイドロポンプ:42.3~49.7%(確定3発)
ボルトチェンジ:27.1~32.2%(確定4発)
C↑252振りヒートロトム
オーバーヒート:49.1~58.1%(乱数2発)
ボルトチェンジ:27.1~32.2%(確定4発)
とりあえず積み技から入っても構いません。ただしボルトチェンジで半端に削られた場合に危うい後続がいるなら、みがわりを置いておくほうが身のためです。
ここから先は、みがわりで起点に出来る相手を載せていきます。
無補正無振りドヒドイデ
ねっとう:13.5~15.8%(乱数7発)
みがわり安定。安心して積めます。有効打もありませんがくろいきりに注意。ちょうはつを搭載してあるならみがわりの上から撃っておきましょう。
無補正無振りサニーゴ(ガラル)
ナイトヘッドが無ければカモです。ある場合は確定4発。存分に積んで3発目を受けた後でバトンしましょう。
おわりに
被ダメージの欄を見ても分かる通り、ある程度読みが必要になるポケモンです。どうしても種族値の都合上限界があり、私の頭ではこれがフォクスライを活かす限界でした。私がもっと上手くフォクスライを使えるんだ! という方々、是非育成論を書き、彼(彼女)の魅力を知らしめていただけると幸いです。
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