前置き
- ここでは非公式用語(略語)を多用します。
例)各ステータス→HABCDS ダイマックス→「DM」
エレキフィールド→「EF」アタッカー→「AT」
ビーストブースト→「BB」
- 後述するダメージ計算については「ポケマネ」というアプリを利用した計算結果になります。
- 本論におけるサンダー及び仮想敵については全て理想個体を想定したものとなります。
サンダーについて
タイプ:電気・飛行
種族値:H90-A90-B85-C125-D90-S100
特性:プレッシャー・せいでんき(夢)
パッと見攻撃的な種族値をしており、飛行半減でかつ一致であるという、剣盾の環境に非常に相性の良い攻撃性能を有しており、現に珠を持たせたアタッカーとして運用されてることが多いです。
耐久値に関しては種族値だけをみるならば「受け」として採用するにはギリギリの数値ですが、草虫鋼地格飛の6タイプを半減以下、弱点が岩氷の2つのみという耐性で、上からの「羽休め」で弱点を帳消しにすることで、岩・氷技を打ってくる相手の前でもある程度粘れることから、耐久型で使われることも多いです。素のC種族値とメインウェポンの暴風(ダイジェット)の威力が高いため、耐久型ではありつつも、展開によってはサンダー自身が攻め駒として扱うことも可能であり、攻めよりのサイクルに合った性能を持っています。
本論のサンダーの役割(コンセプト)
- タラプのみ+かいでんぱ+羽休めを駆使した特殊ATの受け流し。
- かいでんぱによる特殊ATの弱体化及びボルトチェンジの対面操作によるサイクル下における裏のサイクル駒又はアタッカーへの負荷の削減並びにサイクルの潤滑剤としての寄与
- 暴風(ダイジェット)採用によるサイクル下における削り及び一部特殊AT(アーゴヨン)のストッパー(副産物)
「受け流し」について
初心者の方のために、「受け流し」に含む「受け」と「流し」の2つの要素の意味を説明しつつ、本論のサンダーの役割の概要を示したいと思います。
「受け」とは、ポケモンが回復技を持つことによって急所意外では絶対に倒されない状況を作り出すことをいい、「流し」とは、相手を倒せる技や相手のダメージ量を上回る回復技などの手段によって、相手のポケモンが交代せざるを得ない状況を作り出すことをいいます。
タラプのみ(D上昇)+かいでんぱ(Cダウン)+羽休め(回復技)の3つの要素を絡めることで「受け」の状況を作り出すことで「流し」の状況を成立させること(受け流し)を企図したものが本論のサンダーになります。
努力値・性格・技構成等
- 各構成
持ち物:タラプのみ
性格:穏やか
特性:プレッシャーor静電気
実数値(努力値):
H197(252)-A×-B106-C146(4)-D147(172+)-S130(76)
技構成:ボルトチェンジ/暴風/羽休め/かいでんぱ
- 調整意図
HP:総合耐久指数最大
HD:特化珠サンダーのダイジェット(威力140)+ダイサンダー(威力130)×2を後投げからタラプ+羽休め込み耐え。
特化カプ・レヒレの眼鏡ムーンフォースをタラプ込み2耐え
HD(C無振り)アナライズポリゴン2のれいとうビームタラプ無しで確定2耐え
特化珠アーゴヨンの+2ダイドラグーンをDMで確定耐え。
特化珠アーゴヨンの+1ダイドラグーン×2をDMでタラプ込み確定耐え。
臆病アーゴヨンの+1ダイアシッド→+2ダイドラグーン→+2流星群を、+1ダイアシッドで最大乱数を引かれた場合で11/16でDMでタラプ込み3発耐え
S:準速ヒードラン抜き、+1で最速アーゴヨン抜き、+2で準速+1アーゴヨン抜き
その他:余り
C:ダイジェット×2+珠ダメ×2で無振りアーゴヨンが10/16で落ち。×3で確定落ち
- 役割対象
- 特性について、カプ・レヒレ、ランドロス(霊獣)等との素早さ関係の把握、ミラー、HDポリゴン2との粘り合いにおいて優位に立つことを重視するのであればプレッシャー、HDポリゴン2の空元気(状態異常時でも確定3発)、鉄壁瞑想カプ・レヒレのドレインキッス、その他サイクル下において物理ポケモンからの被接触時の麻痺によるSダウン、痺れを狙うことを重視するなら静電気の検討が望ましいです。特性の双方が役割遂行において特段と役立つわけでもないため、そこまでこだわる必要はありません。
- ヒードラン、テッカグヤに対する長期の居座りも考慮するのであれば放電等の検討もありです。
運用方法・相性の良いポケモン(構築例)
- 相性の良いポケモン(構築例)
ラグラージ+サンダー+攻め駒(DM、積みエース等)
サンダーの苦手なバンギラスドサイドン等にたいして後投げが安定となるラグラージであくび後攻クイックターンによる対面操作+ステロによる削りの補助をいれつつサイクルコントロールをして、頃合いを見てエースを着地させて通していく。あわよくば相手を眠らせて積みの起点にすることもできます。
- 運用方法
サンダーカプ・レヒレポリゴン2を初めとする特殊ATに対して受けだし、羽休め+かいでんぱでサンダーのHP管理をしつつ特殊ATの能力ダウンを狙います。ある程度ダメージ量を抑えることができた後、暴風で削るor交代読みボルチェンで対面操作をするという動きが基本的になります。
ガブリアスや特にかいでんぱを見た後にやってくる、ランドロス(霊獣)などの交代読みの積み技を打ってくる可能性が高いポケモンとの対面等、展開によってはサンダーでDMして攻めていくことも検討する必要があります。
テッカグヤについてはタイプ上有利には見えるものの、やどみが+メテオビーム型の個体もいるので注意が必要です。
アーゴヨン、ラプラスについては珠等を考えると後投げは不可となります。どちらも対面からかいでんぱ+羽休めで弱らせることは可能であるものの、特にラプラスに対しては絶対零度を考慮すると長期の居座りは安定しません。
VSアーゴヨンについて
アーゴヨンについてはCを1段階でも上げられてしまうとかいでんぱによる搦め手を使っても攻撃を受けきることができません。しかし、能力上昇のパターンによってはサンダーにDM権を切ってストッパーとして扱うことも可能となる場面が存在します。以下に示すケースにおいては、各ケースの攻撃被弾回数に応じて、全て最大打点となるダメージを被弾する前提とします。
- 珠アーゴヨン(性格は不問):CS+1orC+2S±0で珠ダメが既に1回以上入っている状況
珠持ちの場合、CS+1アーゴヨン側からの最大ダメージとなる+1ダイドラグーン×2を特化でもタラプ込みで確定耐えし、ダイジェット×2+珠ダメ×2で倒せる。
C+2S±0の場合、アーゴヨン側からの最大ダメージとなる、+2ダイドラグーン×2をタラプ込みでも耐えることはできないが、ダイジェットで素早さをあげることで2ターン目に上からダイジェットを打つことで珠ダメ×2込み10/16で倒せる。しかし、落としきれない確率もそこそこあるため、最悪イチイチ交換に持っていく程度の認識を持つ必要がある。
- 臆病アーゴヨン:CS+1で相手DMターンが残り2ターンorC+1~2S±0(DMの残ターン数は不問)である状況
CS+1の場合、相手からの最大打点となる+1ダイアシッド→+2ダイドラグーン→+2流星群を構成のところで前述した通り、極めて最大乱数を引き続けない限りタラプ込みで3発耐え、ダイジェット3発で突破可能。
C+1~2S±0の場合、アーゴヨン側からの最大ダメージとなる+2ダイドラグーン×2をタラプ込みで確定耐えし、ダイジェット3発で倒すことができる。
- 特化アーゴヨン:CS+1orC+1~2S±0
この場合、相手からの最大打点となる+1ダイドラグーン×2をタラプ込みで確定耐えし、3ターン目に攻撃を被弾する前にダイジェットで倒すことが可能。
C+2±0の場合最初の+2ダイドラグーン×2をタラプ込みDMで64.8%程の確率で耐え、ダイジェット3発で倒すことができる。耐えない確率もそこそこあるため斬り込みの動きになる。
尚、C+2S±0の状況が生起する場面は、特化アーゴヨンがダイアシッド+BBもしくは、特化臆病問わず悪巧みを積まれた状況となります。後者の場合、ラグラージ等の後手からの対面操作でサンダーを着地させなければ+2アーゴヨンVSサンダーの対面を作ることができません。また、BBによる能力上昇ではないため、相手のアーゴヨンの性格を判別することができません。つまり、VS+2アーゴヨン(珠を持っていない場合)については最後のダイジェットを打つ前に相手に倒される可能性があることを考慮しなければなりません。よって、アーゴヨンの能力上昇をいかに抑えられるかというのと、BBでアーゴヨンのCとSどちらが上昇しているのかを漏れなく確認することがVSアーゴヨンにおいては、かなり重要となります。
与ダメージ計算
暴風
無振りアーゴヨン:確定2発 65.8~77.7%
H252カプ・レヒレ:確定3発 34.5~41.2%
HDポリゴン2:確定5発 20.3~24.0%
H252スイクン:乱数3発(99.0%) 32.4~39.1%
H252ラグラージ:確定3発 40.6~47.8%
H252ランドロス(霊獣)乱数2発(62.9%) 46.4~55.1%
ダイジェット
無振りアーゴヨン:確定2発 83.8~99.3%
H252カプ・レヒレ:乱数2発(6.3%) 42.9~51.4%
HDポリゴン2:確定4発 25.5~30.2%
H252スイクン:確定3発 41.1~49.3%
H252ラグラージ:確定2発 50.7~59.9%
H252 ランドロス(霊獣):確定2発 58.7~69.4%
ボルトチェンジ
放電によるダメージ乱数については、以下に示す計算結果に1.14倍することで確認できます。
H252カプ・レヒレ:乱数2発(8.6%) 44.1~51.4%
HDポリゴン2:乱数7発以上
H252バンギラス(砂下):乱数6発(82.8%) 15.9~18.8%
無振りサンダー:乱数3発(91.6%) 31.5~38.2%
H252サンダー:確定4発 26.4~32.0%
H252ヒードラン:乱数4発(76.2%)
HDドヒドイデ:確定3発 35.7~43.3%
H252ドヒドイデ:乱数2発(52.0%) 45.9~54.8%
ダイサンダー(120)
放電由来(130)によるダメージ乱数については、以下に示す計算結果に1.08倍することで確認できます。
H252カプ・レヒレ:確定2発 75.5~89.3%
無振りサンダー:確定2発 55.2~65.5%
H252サンダー:乱数2発(55.0%) 46.2~54.8%
H252ヒードラン:確定3発(39.9~47.5%)
HDドヒドイデ:確定2発(61.1~72.6%)
H252ドヒドイデ:確定2発(77.7~93.0%)
被ダメージ計算
特化珠サンダー
ダイジェット:確定3発(35.0~41.6%)
ダイサンダー(威力130、D+1):乱数2発(12.5%) 44.2~52.3%
特化眼鏡カプ・レヒレ
ムーンフォース:乱数2発(41.4%) 45.7~53.8%
ムーンフォース(D+1) :乱数3発(54.6%) 30.5~36.5%
特化眼鏡アシレーヌ
ムーンフォース:確定2発 56.3~65.5%
ムーンフォース(C-2、D+1):乱数5発(48.0%) 18.3~21.8%
HDアナライズポリゴン2
れいとうビーム:確定3発 39.6~46.7%
特化ポリゴン2:確定3発 40.6~48.7%
特化アナライズポリゴン2
れいとうビーム:確定2発:53.8~64.8%
れいとうビーム(D+1):確定3発 35.5~42.6%
特化ラプラス
キョダイセンリツ(威力130、C-2):確定3発 39.6~46.7%
特化珠アーゴヨン
ダイアシッド(C+1、サンダー側DM):確定3発 34.0~40.6%
ダイドラグーン(威力140、C+2、サンダー側DM、D+1):乱数2発(78.1%) 47.5~55.8%
ダイドラグーン(威力140、C+2、サンダー側DM)確定2発 70.3~83.2%
臆病アーゴヨン
ダイアシッド(C+1、サンダー側DM):乱数4発(96.7%) 23
.9~28.4%
ダイドラグーン(威力140、C+2、サンダー側DM、D+1):乱数3発(99.8%) 33.0~39.1%
流星群(威力140、C+2、サンダー側DM、D+1)乱数3発(62.7%) 30.7~36.5%
特化アーゴヨン
ダイドラグーン(C+1、サンダー側DM):確定3発 40.6~48.0%
ダイドラグーン(C+2、サンダー側DM):確定2発 54.1~64.0%
ダイドラグーン(C+2、サンダー側DM、D+1):確定3発 36.5~42.6%
最後に
これで「HDタラプサンダー」の考察は以上になります。指摘事項等ありましたらTwitterのDMもしくはコメントなどにてしていただけると幸いです。