はじめに
はじめましての方ははじめまして、そうでない方はお久しぶりです。Tです。今回に関しては「珠ファイヤーファイヤー」の型紹介をさせていただきます。
型の概要(役割・採用理由)
- 高いC125という種族値を活かし、さらに珠を持たせた事による崩し性能の底上げ
- ダイジェットで素早さを上げることで役割遂行範囲の拡大
- タイプ相性上不利な相手にも崩しの役割を果たすための草地岩の広めの技範囲の活用
- 特殊にすることでランドロス(霊獣)などの「いかく」による役割妨害を無視
「崩し」とは
「崩し」とは高火力+広技範囲を相手に押し付けて、致命傷を負わせる若しくは一撃で倒すことで、行動回数を抑制し、本来するはずであった受け回しによるサイクルを崩壊させたり、相手の展開を阻止することであり、本論ではこれを「崩し」の定義として定め、考察を述べていく。
特性
- プレッシャー
場に出たタイミングでランドロス(霊獣)の「いかく」やカプ・レヒレの「ミストメイカー」との特性の発生順を見ることで、相手との素早さ関係を確認できるという長所から、確定欄についてはこれにしているが、一気に攻めて倒しに行く型のため、一匹一匹に対して居座るターン数が多いわけでもなく、効果自体の強みを発揮できる場面は極めて少ないため、ほのおのからだでも構わない。
- ほのおのからだ
接触してきた物理ポケモンを30%の確率で事故に遭わせて機能停止にすることが可能。ファイヤーが倒されてしまったあとでも他のポケモンで再展開をするとなった場合に後々響いてくるものとなる。
持ち物
火力を最大限まで引き伸ばすいのちのたまで確定。
性格・努力値配分
- 性格…確定欄は、火力に特化するためのひかえめとしており、筆者もこれをおすすめしているが、最速を取るためのおくびょうでも構わない。性格補正の有無によるダメージ乱数の変化が気になる方は、「与ダメージ計算」の欄を参考にされたい。また、下記の「素早さについて」のところで、最速を取った場合に生まれるメリットを述べているためそちらも参考にされたい。
- 努力値配分…火力を高く保持、ダイジェットによる恩恵をできるだけ増やすためにCSぶっぱで確定。
- 素早さについて
ここでは、「最速にすることで有利不利が逆転するであろう仮想敵」を始めとする、準速にはできなくて、最速にはできることを、紹介していきたいと思う。
1、特にドラパルトと対面で勝てるようになること
まず、最速にした状態で素早さを1段階あげると実数値は234という数値となり、最速ドラパルト、フェローチェの上を取ることができる。この二匹の上を取ることは、準速では実現不可能である。上を取れるようになったことにより、
特にドラパルトが珠特殊型で電気技を採用していた場合、
ドラパルト→ファイヤー珠ダイサンダー(確定2発 56.1〜66.1%)
↓
ファイヤー→ドラパルト一発耐えて珠ダイジェット(確定2発 54.3〜64.7%)
↓
ファイヤー→ドラパルト上から珠ダイジェットで倒す
というふうに対面から勝つことが可能となる。
2、最速78~89属の中で勝てるようになる敵が多い
78属~89属には、岩技持ちのドリュウズ、一致で弱点をついてくるウォッシュロトムカプ・レヒレなどがおり、最速にすることで、ダイジェット→ダイソウゲンみたいな立ち回りではなく、最初から通る技を選択できるようになり、対面有利となれる相手が増えるようになる。
3、バトンバシャーモの展開阻止が可能
最速バシャーモの上からダイジェットを打つことで「まもる」→「加速バトン」の動きを阻止することが可能。これにより、バシャーモを犠牲にするor裏にダメージを蓄積させるor受動的なダイマ権を強制させるという選択を迫ることができ、かなりの負荷を与えることが可能。
技構成
- 一致技
飛行・炎技を入れることは確定としますが、細部の技の選択に関してはお好みでどうぞ。
威力の差によって倒せるか倒せないかが変わる例もいくつか記載しておきますので参考程度に閲覧してほしい。
- 飛行技
ぼうふう
威力110(140) 命中70
ダイバーンで晴らした後、命中率が更にダウンするため、ファイヤーとの相性が悪いという欠点があるものの、威力が高いため、倒せる敵が多くなる。
エアスラッシュ
威力75(130) 命中95
30%怯みによる無限の勝ち筋を追うことが可能。
ぼうふうに比べて100%ではないものの、当たりやすい。
H252ランドロス(霊獣)
ぼうふう由来(140)
ひかえめ→確定1発 101.5~119.5%
おくびょう→乱数1発 93.4~110.2% (62.5%)
エアスラ由来(130)
ひかえめ→乱数1発 93.4~110.2% (62.5%)
おくびょう→乱数1発 86.2~102.0%(12.5%)
- 炎技
だいもんじ
威力110(140) 命中85
ぼうふうと同じく命中不安ではあるものの、ダイマ時の威力が高い。
もえつきる
威力130(140) 命中100
非ダイマ時の威力が高く、命中も安定しているが、一度しか打てない。
かえんほうしゃ
威力90(130) 命中100
ダイマ時の威力は大文字には劣るもののはずれないため、安定して削りを入れることができ、続けて打つことも可能。
H252DMメタグロス
だいもんじ・もえつきる由来(140)
ひかえめ→乱数1発 96.4~114.7% (81.3%)
おくびょう→乱数1発 88.2~105.1% (31.3%)
かえんほうしゃ由来(130)
ひかえめ→乱数1発 89.6~106.4% (37.5%)
おくびょう→確定2発 82.1~98.1%
- サブウェポン
ソーラービーム
威力120(140) 命中100
カプ・レヒレラグラージカバルドンらに対する打点。
ダメ計欄でも載せているが、いずれもH252振りでもひかえめ珠ダイソウゲンで確1
ねっさのだいち
威力70(120) 命中100
アーゴヨンヒードラン、受け出しに来たウツロイド、に対する打点。
珠ダイジェット+珠ダイアースで、無振りウツロイドをダイマごと確1。
げんしのちから
威力60(110) 命中100
ヒートロトム、サンダー、ボルトロス(化身)らに対する打点
抜群でも220と、一致ダイバーン(だいもんじ)(210)と威力そこまでが変わらないため、一致技2つも通し辛いヒートロトムを意識しない限り、おすすめの優先度は最も低い。
与ダメージ計算
ダイマ前提の型となりますので、ダイマ技のみ記載することにします。要望があれば、通常時の技も記載することにする。
全て珠の補正ありの計算結果になる。
飛行・炎の一致技に関しては、威力140である前提とし、威力130のダメージ乱数に関しては、ダメージ乱数の数値を0.93倍にすることで確認できる。
- ダイジェット
H252ランドロス(霊獣)
ひかえめ→確定1発 101.5~119.5%
おくびょう→乱数1発 93.4~110.2% (62.5%)
無振りファイヤー(ガラル)
ひかえめ→確定2発 83.6~99.4%
おくびょう→確定2発 76.3~90.3%
無振りドラパルト
ひかえめ→確定1発 126.7~151.5%
おくびょう→確定1発 117.2~138.2%
無振りDMサンダー(ガラル)
ひかえめ→確定1発 109.4~130.0%
おくびょう→確定1発 100.0~119.1%
無振りDMアーゴヨン
ひかえめ→確定2発 72.3~85.5%
おくびょう→確定2発 66.2~78.0%
- ダイバーン
H252テッカグヤ
ひかえめ→確定1発 161.8~191.2%
おくびょう→確定1発 149.0~176.0%
H252DMブリザポス
ひかえめ→確定2発 74.2~87.2%
おくびょう→確定2発 67.9~79.7%
H252DMメタグロス
ひかえめ→乱数1発 96.4~114.7% (81.3%)
おくびょう→乱数1発 88.2~105.1% (31.3%)
H252サンダー
ひかえめ→乱数1発 91.9~108.6% (50.0%)
おくびょう→確定2発 83.8~99.5%
- ダイソウゲン
H252カプ・レヒレ
ひかえめ→確定1発 100.0~119.2%
おくびょう→乱数1発 91.0~108.5%(56.3%)
H252ウォッシュロトム
ひかえめ→確定1発 134.4~159.2%
おくびょう→確定1発 121.0~148.9%
HD特化カプ・レヒレ
ひかえめ→確定2発 75.1~89.8%
おくびょう→確定2発 68.9~82.5%
H252カバルドン
ひかえめ→確定1発 134.4~158.6%
おくびょう→確定1発 123.3~145.1%
HD特化カバルドン
ひかえめ→乱数1発 90.7~107.4% (43.8%)
おくびょう→確定2発 83.3~99.1%
H252ラグラージ(リンドのみ込み)
ひかえめ→確定1発 116.9~138.2%
おくびょう→確定1発 106.8~127.1
HD特化ラグラージ(リンドのみ込み)
ひかえめ→確定2発 83.1~98.1%
おくびょう→確定2発 75.4~89.4%
- ダイアース
H252DMヒードラン
ひかえめ→乱数1発 91.9~109.1% (50.0%)
おくびょう→確定2発 84.1~99.7%
無振りDMウツロイド
ひかえめ→確定2発 82.1~97.6%
おくびょう→確定2発 75.0~89.1%
無振りDMアーゴヨン
ひかえめ→確定2発 83.4~98.3%
おくびょう→確定2発 75.7~89.5%
H252ドヒドイデ
ひかえめ→乱数1発 91.1~107.6% (43.8%)
おくびょう→確定2発 82.8~97.5%
H252カプ・コケコ
ひかえめ→確定1発 135.0~159.9%
おくびょう→確定1発 124.9~146.9%
- ダイロック
H252サンダー
ひかえめ→乱数1発 96.4~114.7% (81.3%)
おくびょう→乱数1発 88.3~104.1% (25.0%)
無振りボルトロス(霊獣)
ひかえめ→確定1発 135.1~160.4%
おくびょう→確定1発 123.4~146.8%
H252ヒートロトム
ひかえめ→確定1発 104.5~124.2%
おくびょう→乱数1発 96.2~114.0% (75.0%)
被ダメージ計算
無振りカプ・レヒレなみのり→確定2発 69.1~81.2%
C特化カプ・レヒレなみのり→乱数1発 94.5~112.7 (62.5%)
ファイヤー側DM
陽気珠エースバーンダイジェット→乱数2発 44.2~52.4% (17.6%)
陽気ランドロス(霊獣)ストーンエッジ→確定1発 106.7~126.1%
臆病アーゴヨンダイドラグーン(龍星群)→確定3発 40.9~48.5%
無振りサンダー
10まんボルト→乱数2発 42.4~52.9%(2.7%)
ダイサンダー(10万)→確定2発 61.8~72.7%
陽気ドラパルトダイドラグーン→確定3発 34.8~41.2%
リザードンとの差別化
ここまで考察を述べてきたが、全く同じタイプ、そしてこのファイヤーと同じような特殊アタッカーとしてよく使われているリザードンというポケモンが存在する。ここで、ファイヤーにはあってリザードンには無い差別化点をいくつか上げていこうと思う。
- 瞬間火力
リザードンのC種族値が109なのに対して、ファイヤーのC種族値は125ということで瞬間火力において、ファイヤーの方が上回っている。
例)
C特化リザードンの場合
珠ダイソウゲン:H252カプ・レヒレ→乱数1発 91.0~108.5%(56.3%)
珠ダイジェット:H252ランドロス(霊獣)→乱数1発 93.4~110.2%(62.5%)
C特化ファイヤーの場合
珠ダイソウゲン:H252カプ・レヒレ→確定1発 100.0~119.2%
珠ダイジェット:H252ランドロス(霊獣)→確定1発 101.5~119.5%
というふうに、リザードンでは微妙に倒せなさそうなところをファイヤーが確定で倒せるというところが、1つ目の差別化点である。
- 耐久面
特に物理耐久の話になりますが、リザードンは無振りでH153B98(14994)、ファイヤーは無振りでH165B110(18150)と約1.2倍程ファイヤーが数値上勝っている。
例)
無振りリザードンの場合(DM前提)
A特化リベロエースバーンダイジェット+珠ダメ→確定2発 45.1~53.3+4.9%
無振りファイヤーの場合(DM前提)
A特化リベロエースバーンダイジェット+珠ダメ→確定3発 37.3~43.9+4.9%
両者ともにエースバーンよりも素早さが低いため、ダイマ同士の打ち合いとなった場合、エースバーンの攻撃を2発耐えなければ勝つことができない。この例を見ていただくとわかると思うが、リザードンはダイジェットを珠ダメ込みで2発耐えることができないのに対して、ファイヤーは2発耐えることが可能。これがどういうことかというと、ファイヤーはリザードンと違って、耐久があることでエースバーンに対面から勝てるということである。この耐久の差によって、リザードンでは対面処理できない相手でもファイヤーが処理できるということが、もう一つの差別化点になる。
立ち回り・選出について
- 立ち回り
立ち回りに関しては、下記の2パターンになることが理想的である。
1.相手の構築にファイヤーの通りが良い場合、3タテを狙い気味に初手からダイマックスを切り、一気に攻めていく。
2.カバルドンラグラージ+水半減の組み合わせで、ファイヤーにとって圧倒的不利となる相手をサイクルの中ので処理したのちにファイヤーで一気に詰めていく。
- 選出
※ここでは必ず選出する前提での話をする。あまりにも通りが悪い場合には、選出しないという択もあるので、了承されたい。
選出に関しては必ず、岩技を持ってそうなポケモンがいるかどうか確認すれべきである。いるのであれば、岩技に対してケアが効くポケモンを選出することがほぼ必須になる。
ここで、現環境における岩タイプ以外で、サブウェポンとして岩技持ちのリスクが高いポケモンを並べていく。
構築単位での話になるが、それに伴った、岩技に対してケアが効くことを始めとする相性の良いポケモンを紹介する。
ステルスロックを撒いてあげることで、ファイヤーで詰めていく際の微妙に足りていない確定数の変動をもたらしたり、そのまえのサイクルにおいて優位に立つことが可能になる。
おわりに
珠ファイヤーの育成論に関してはこれで以上となる。このポケモンの強さがわかっていただけたら幸いである。何か気になる点等あるならば、コメントでご指摘してくれるとありがたい。ここまで閲覧いただきまして、誠にありがとうございました。