前書き
初投稿のため様式等至らない点が多いかと存じますので、
遠慮なくご指摘ください。
今回紹介させていただきますのは、気合の襷を持ったバイバニラです。
対面構築、特に初手でダイマックスを切る構築の後発、ストッパー役を想定しています。
認知度が高いポケモンですと、襷ウーラオスや襷ホルードと同じような役割ですね。
なお、シングルバトルランクマッチシーズン10&11の環境を想定しています。
冠の雪原およびそれ以降の環境における性能は保証できませんのでご注意ください。
対面構築
タイマン性能の高いポケモンを並べて先に残数有利をとり、
切り返してきた相手に有利なポケモンを死に出しで当て続ける構築を指します。
耐性より役割を重視し、交代が少ない傾向があります。
ランクマッチシーズン10&11の環境
シングル・ダブルの上位30匹が使用禁止になりました。
バイバニラにとっての大きな変化としては、ミミッキュとエースバーンの不在です。
・ミミッキュが担っていた対面構築のストッパー枠の不在
・エースバーンの不在による氷半減の炎タイプの減少
これらがバイバニラにとって大きな追い風となっています。
今回のバイバニラと同様の構成で紹介されている育成論がありますが、
フォークという形で投稿させていただきます。
当該育成論について多くの点で補足が必要であり、
コメントでカバーするのが困難だったためです。
また採用理由も愛ではなく、単体性能の高さと十分な差別化を根拠としています。
私自身シーズン10にてこのバイバニラを基本選出として使用し、
最終レート2100を達成していることから十分に証明できていると考えています。
そのため、別の育成論として投稿するべきと判断しました。
- この育成論では、下記の略称を用います。
H:HP A:こうげき B:ぼうぎょ C:とくこう D:とくぼう S:すばやさ
きあいのタスキ:襷 ダイマックス:DM
その他ポケモン対戦プレイヤー全般に浸透していると思われる略称
- 相手の型はポケモンHOME上やランクマッチで多く確認できるもののみ想定します。
例えば、腹太鼓リザードンは考慮しません。最も多いCSアタッカーのみ考慮します。
持ち物
気合の襷
上述の通り対面構築の後発ストッパー役を担います。
特性
雪降らし
一択です。
登場から5ターンの間天候「霰」を展開します。
氷タイプ・一部の無効特性持ち以外のHPを毎ターン1/16削ります。
また吹雪が必中になり、疑似的にバイバニラの火力を高めることができます。
砕ける鎧は連撃ウーラオスの水流連打を筆頭とした連続技に弱くなります。
アイスボディは発動機会がありません。
技構成
吹雪 フリーズドライ ミラーコート 氷の礫
特性によって必中のタイプ一致吹雪。
対水やダイバーンによる晴れ下で押すフリーズドライ。
特殊炎等に切り返すミラーコート。
一致先制技の氷の礫。
どれが欠けても役割遂行に支障が生じます。
性格・努力値配分
性格 :無邪気(D↓S↑)
努力値:4-0-0-252-0-252
実数値:147-115-105-162-103-144
※6V個体
無邪気な性格を採用する理由は、下記の2点です。
・A下げ性格にすると氷の礫の火力を損なうため
・D下げ性格にすることでミラーコートの反射ダメージを稼ぐため
配分は吹雪やフリーズドライのダメージがギリギリなのでC振り、
すぐ下に最速ホルードがいるので抜かれないように最速、
ミラーコートの反射ダメージが増えると嬉しいので残りHです。
無振りピクシーのムーンフォースが確定3発になることから、
Dの個体値を下げることはしていません。
後述しますが、リザードンをより意識する場合は下記になります。
努力値:28-0-0-228-0↓-252↑
実数値:150-115-105-159-103-144
ミラーコートダメージ(298)+霰(9)で無振りDMリザードン(306)を確定
採用理由
襷バイバニラを対面構築で採用するにあたり、下記3点の説明が必要と考えます。
環境上位のポケモンの多くに対してタイマンで有利であること
環境上位のダイマックスに対するストッパーとなること
代替不能な性能をしていること
上2つは対面構築の襷枠として採用する以上必要な説明です。
3つ目は襷枠としての差別化、同じ雪降らしとの差別化のために必要です。
<環境上位のポケモンの多くに対してタイマンで有利であること>
環境上位のポケモンの定義は人によって分かれるところですが、
今回はポケモンHOMEにて使用率20位以内であることとします。
お互いにダイマックスを既に切り合った、ラスト1匹同士でのタイマンを想定します。
こちらの2匹目を相手が倒した、相手の2匹目をバイバニラが氷の礫で倒したなど、
よく起こるシーンです。
〇:概ね有利 ▲:型や状況次第で揺れる ×:概ね不利
〇パッチラゴン 〇アシレーヌ 〇水ウーラオス 〇リザードン
▲悪ウーラオス ▲ナットレイ ▲ドサイドン 〇ホルード
▲炎ロトム 〇サザンドラ ✖カビゴン ✖マリルリ
✖ギルガルド 〇オーロンゲ 〇キュウコン ▲ゲンガー
▲ニンフィア 〇草ロトム 〇ピクシー 〇ラプラス
※▲について
悪ウーラオス:不意打ちを切っているor拘っていれば、吹雪+礫で勝ち
ナットレイ :HP満タンでラスト1匹に残るポケモンではなく、
少しでも削れていれば押し切れる。
ドサイドン :増加している準速ASのような型なら吹雪で確定
炎ロトム :拘りスカーフが最メジャーな持ち物
相手がこちらの2匹目を倒す状況ならミラーコートが成立
ゲンガー :催眠術の有無と命中と催眠ターン
ニンフィア :欠伸の有無(所持率40%ほど)、電光石火の有無と打つかどうか
完全不利を取る相手はカビゴン、チョッキマリルリ、アイヘギルガルド程度で、
多くの相手に有利か状況次第で勝利できます。
また完全不利とは述べたものの、吹雪・フリドラは10%で凍結を起こす技です。
積極的に狙うものではありませんが、最後までチャンスが残るのも魅力の1つです。
<環境上位のダイマックスに対するストッパーとなること>
シーズン10&11環境において多く見かけるダイマックスと言えば、
パッチラゴン、リザードンあたりでしょう。
これらに次ぐ形でウルガモス、ポリゴンZ、水ウーラオスあたりでしょうか。
襷を消費する以上、これらに対して無力という訳にはいきません。
DMとして最メジャーなパッチラゴンとリザードンに対して、
バイバニラはDMを切らずに相打ちに持ち込むことができます。
- 対パッチラゴンパッチラゴン
前提として、持ち物は最も使用率が高い命の珠とします。
配分も最も多いであろうAS252振りを想定します。
タイマンであれば、バイバニラの方が上から動くため、
吹雪→ダイジェット(珠自傷・霰ダメージ)→氷の礫→珠自傷ダメの順に入り、
このとき約75%で相打ちに持ち込めます。
ただし、バイバニラが場に出る前に予めダイジェットを積まれていた場合、
上からダイバーンで天候を書き換えて吹雪外しを狙われてしまいます。
この場合フリドラ+氷の礫で倒しにいくことになるため、
100ダメージ程度前のポケモンで削りを入れておく必要があります。
パッチラゴンのダイジェットで無償突破されるポケモンを選出していること自体、
対面構築としてはナンセンスですし、これはそれほど厳しい条件ではありません。
- 対リザードンリザードン
前提として、持ち物は最も使用率が高い命の珠とします。
配分も最も多いであろうCS252振りを想定します。
ダイマックスしたCSリザードンのHP実数値は306あります。
(ステロを考慮すると端数をHに振って154にする人はいないものとします。)
H4振りバイバニラの実数値は147ですから、
ミラーコートすると146*2=292ダメージ入ります。
キョダイゴクエンやダイロックを打たれた場合襷を貫通されてしまいますが、
珠ダメージの蓄積15+ミラーコート292=307でぴったり倒しきれます。
HP実数値150までCから回せばミラーコート+霰だけで処理できますが、
火力が下がることで汎用性が落ちるため確定欄はCS振り切り余りHとしています。
- その他の特殊ダイマックス
ウルガモス、ポリゴンZ、アシレーヌ等が該当します。
ミラーコート(+霰)+追撃で多くを処理することができます。
しばしば議論に挙がる「ミラーコートは読まれる」問題についてですが、
対面構築、特に初手ダイマックス構築に組み込むことで緩和できます。
「初手DMドラパルトを死に出しギャラドスのDMで切り返したら、
後発襷カウンターエースバーンに処理された」は
よくあるケースではないでしょうか。
先に展開し残数有利を奪うことで相手のダイマックスを強要し、
わかっていても補助技を打てない状況をある程度誘導することができます。
なお、ウーラオスを筆頭とした吹雪を弱点としない物理DMポケモンに対しては、
予め周りで削りを入れる等別途対策が必要になります。
代替不能な性能をしていること
ここまでで、単体としてのバイバニラの性能は説明できました。
似たようなことができる上位互換のポケモンがいないことをここで確かめます。
- 同じ技構成ができるポケモン
吹雪・フリーズドライ・ミラーコート・氷の礫という技構成は、
他にグレイシアグレイシア・バリヤード(ガラル)Gバリヤード・バリコオルバリコオルの3体が実現できます。
まずグレイシアとバリコオルについてですが、S種族値が低いです。
素早さ関係は順に、グレイシア(65)<バリコオル(70)<バイバニラ(79)<バリヤード(ガラル)(100)。
特に70族と79族の間は、環境最上位のパッチラゴン(75)とホルード(78)がいます。
削れたホルードを上から氷の礫で倒して襷を守れたり、
DM状態でもスカーフでもないパッチラゴンを上からワンパンしたりできるのは、
明らかにグレイシア・バリコオルに対して上回っている点です。
バリヤード(ガラル)については、火力が不足しています。
冷凍ビーム+氷の礫では到底パッチラゴンを倒しきれず、
ストッパーとしての役割を果たせません。
また、3体とも特性雪降らしを持っていない点も重要です。
例えば下記のような恩恵をバイバニラだけが受けることができます。
・襷連撃ウーラオスに霰ダメージ込みで勝ちうる
・ピクシーの月の光を阻害して押し切れる
・物理特殊が不明なDMすいすいガマゲロゲに天候を奪って上を取れる
まとめると、特性・素早さ・火力の3点を両立できるのが、
バイバニラの強みとなります。
- 同じ特性を持つポケモン
特性「雪降らし」に触れた以上、他の同特性との比較も必要です。
最終進化系のキュウコン(アローラ)Aキュウコン、ユキノオーユキノオーについてのみで良いでしょう。
ユキノオーは吹雪、草技、岩雪崩、氷の礫の構成で、
かなりバイバニラに近いことが可能です。
しかし下記の点でバイバニラより使い勝手で劣ります。
・S種族値が60しかない(前述の通りホルードパッチラゴンを下回る)
・パッチラゴンに上からダイバーンを打たれると安定打点を失う
キュウコン(アローラ)との差別化は、下記2点で十分と考えます。
・ミラーコートの有無
・火力(アシレーヌやDMパッチラゴンへの確定数)
上からのオーロラベールは魅力的ですが、
対面構築のストッパーとしての仕事ではありません。
以上により、採用理由について十分な説明ができました。
なお今回比較に挙げたポケモンたちを否定する意図はありません。
あくまで対面構築の襷枠としての適性を比較しています。
ダメージ計算
採用理由等で触れた部分以外は最低限のもののみ載せています。
明らかに記載したものより耐久値が低いポケモンは省略しています。
与ダメージ
- 吹雪
抜群相手なら十分な火力があります。
H4パッチラゴン :134.9%~160.2%
D4悪ウーラオス :70.8%~84%
H252モロバレル:92.3%~108.5%
H252ピクシー :46.0%~53.9%
→D+1 〃 :30.1%~36.1%
→D+2 〃 :22.7%~27.2% 残飯瞑想なら対面から押し切れます。
H252ナットレイ:41.4%~48.6% 後出しを咎める程度の火力はあります。
- フリーズドライ
技威力が控えめなため、不一致抜群技程度の感覚です。
H4水ウーラオス:92.5%~109.7% 霰1回で高乱数、2回で確定です。
H252アシレーヌ:51.3%~60.9%
H252ドヒドイデ:50.9%~61.1%
- 氷の礫
A下降補正アシレーヌのアクアジェットの1.3倍程度入ります。
H4パッチラゴン:30.1%~36.1%
H4ホルード :33.5%~40.9%
B4ゲンガー :24.4%~28.8%
被ダメージ
耐性がなく、基本的に襷を盾にするので最低限のみ載せます。
A200水流連打 85.7%~100% 3連続最高乱数以外耐え
C115ムンフォ 40.8%~48.9% 耐久ピクシーなら2回耐えます
C195ムンフォ 69.3%~82.3% アシレーヌのムンフォはステロ込みで乱数です。
相性の良い味方
残数有利を取れそうで、パッチラゴンより足が速い初手ダイマポケモン
→ゲンガー、ウルガモス、ヌメルゴン等
ナットレイに強めのポケモンを採用すると無理やりステロを撒かれないのでより快適です。
以上になります。
一線級のポケモンとして強く使える貴重な機会なので、是非お試しください。