- 本論ではHP、こうげき、ぼうぎょ、とくこう、とくぼう、すばやさをそれぞれH、A、B、C、D、Sといった略称を用います。
- 個体値は全て理想個体を想定しております。
- 計算の間違いや不備等ございましたらコメント欄にてお願いします。
はじめに
夢特性解禁からわずか数日足らずでランクバトル使用率1位にまで躍り出たエースバーンエースバーンですが、その圧倒的な使用率がゆえにマスターボール級ではほぼ全てのトレーナーが対策をしているといっても過言ではないでしょう。今回ご紹介するのはそのような対策を掻い潜り、相手の思考を混乱させるような今までにない特殊型エースバーンです。
主な役割
まず最初に述べておきます。この型は対面性能では一般的な物理型リベロエースバーンに劣ります。Cの種族値65というディスアドバンテージを背負いながら戦うのでその点に関してはぐうの音も出ません。
しかし、この型のコンセプトはエースバーンエースバーン対策として出されたポケモンを逆に倒すことです。具体的に見る相手としてはギャラドス,ミロカロス,バンバドロ,ドヒドイデ,ルカリオ,パッチラゴン,デンチュラ,ストリンダー(ハイ)その他襷カウンターポケモンなどです。このように、エースバーン対策として出てくるポケモンを倒し、1、2枚抜きによって有利な展開へと運ぶ型となっております。
持ち物
いのちのたまを基本とします。足りない火力を補うために持たせますが、この型で見ることが難しいカバルドンカバルドンなどを倒す時はラムのみも候補に入ると考えます。しかし、状態異常についてはそもそも火傷はこの型に有効でないのと、麻痺はリベロによるタイプ変化によってかわせるため、ラムのみの優先度は低いです。
こだわりメガネも候補に入ると考えられますが、ダイマックス前提で運用するので、ダイマックス時に効果がなくなるこだわりアイテムとの相性が悪く、ダイマックス終了時にこだわりメガネといのちのたまの間で確定数に変化があるポケモンがあまりいないのでオススメしません。
そもそも相手がこのポケモンを物理型だとほぼ100%想定して対面するのに、非ダイマックス時でだいもんじを打つなど特殊型とバレる行動をすると、この型の強みを活かしきることができません。
その他弱点保険なども候補に入る可能性もありますが、後に述べる努力値調整を変更する必要性もあるため、今回はいのちのたまを持たせると仮定して述べてゆきます。
性格・努力値と調整
- 性格は臆病(S↑A↓)、努力値はC,Sぶっぱのいわゆる最速です。
- 最速にする理由についてですが、これはエースバーン対策としてよく用いられるデンチュラを抜くためです。襷持ちデンチュラの上からエレキボールを打つことにより電磁波を無効化&襷を解除し突破します。これによって麻痺&ネバネバネットによる起点を防ぐことができます。
- Cにぶっぱすることで足りない火力を補います。特殊の毒技を覚えないため、ダイアシッドによりCを積むことはないのでここはぶっぱせざるを得ません。
- あまりはBかDに振ります。
技構成
基本的には以下の5つからの選択になります。
- だいもんじ
基本的には等倍で殴れるポケモンへの一番の打点(ダイバーンの晴れによる炎技の威力上昇)となるため、特定のポケモンを見る技というわけではありません。命中不安が気になる方は「かえんほうしゃ」または威力の高い「オーバーヒート」「ブラストバーン」との選択となります。
- エレキボール
この型で一番重要な技だと考えます。普通の物理エースバーンが苦手とするギャラドスドヒドイデミロカロスに殴り勝つことができます。この技の強みは普通の物理エースバーンも持っている可能性があることで、これによって、初手エレキボールによる麻痺回避で特殊型とバレることはまずないです。この技とのほかの選択技はありません。
- はかいこうせん
特殊の飛行技を持たないため、自身のS上昇は望めませんが、その代わりダイアタックによって実質的にS上昇をすることが狙いです。余談ですが、この技で敵を倒すと脳汁が出ます。
- ねっさのだいち
対パッチラゴンストリンダー(ハイ)用です。相手の電気技をよんで透かしたり、ダイアースによる自身のD上昇が可能ですが、使用頻度は少ないです。それと、ダイアースをうつことで特殊型だとバレる危険性もあります。パーティーと相談して採用するかを検討してください。※7月10日追記 以前までマッドショッドの記述でしたが、アップデートによって追加された新技のねっさのだいちと変更しました。文章は以前と変更しておりません。
- ふいうち
特殊型を謳っておりますが、この技の採用を強くオススメします。主にはかいこうせんやねっさのだいちとの選択です。
基本的にダイマックス前提で運用することが多い型なので、ダイアークのD↓が非常に相性が良いことと、先制技が欲しい場面が多かったのが印象です。性格でAに下降補正がかかっておりますが、A個体値がVの場合はCより数値が高いので火力に関しては申し分ないです。
- その他技候補
・シャドーボール→対ゴースト用。ドラパルトに対してはふいうちの方が強く、ミミッキュ、ギルガルド(シールド)にはダイバーンで事足りいるなど、正直言ってあまりオススメしません。ダイホロウ<ダイアークの優先度です。
・バークアウト→悪技&音技。ダイアークと相性がいいですが、素の火力が低いのでオススメしません。
・きあいだま→どうしても格闘技が欲しい人用。ダイナックルとの相性が悪いですが、相手のミスリードを狙えます。
・コートチェンジ→ダイウォールを打てるのが強み。対策してきた両壁やステロを逆に利用できます。ただ、技スペースが減るので弱点をつける技が減ることによる火力不足が懸念点です。(6/11 ドラグナーさん提供)
立ち回り例
ここではコンセプトとなっているエースバーン対策ポケモンとの対面を実際の経験とダメージ計算を元に述べてゆきます。
- H4ギャラドス(ダイマックス)
ダイサンダー→確定1 109.3~129.2%
- H252,D4ミロカロス
ダイサンダー→確定2 77.2~92.5%
- H252,D4ドヒドイデ
ダイサンダー→乱数1 89.2~105.7%
- H252,D4バンバドロ
ダイバーン→確定2 54.5~64.7%
- H4パッチラゴン(ダイマックス)
- ダイアタック→ 42.7~50.9%
- ダイアース→ 63.5~75.3% よって確定2
- H252デンチュラ
だいもんじ→確定1 133.8~158.7% (初手は電磁波回避のためエレキボール推奨)
- H4エースバーン(ダイマックス)
- ダイアタック→43.5~51.6%
- ダイサンダー→75.6%~89.6%(相手のエースバーンが飛行タイプの場合)
この対面は、両者同じく最速の場合以下のようになります。
「味方エースバーンダイアタック(S↓)→相手エースバーンダイジェット(両者同速)→味方エースバーンダイサンダーで勝ち」となります。相手視点からするとダイジェットを選択しなければならない対面なので、そこをよんで同速対決に持ち込みダイサンダーを打つ手が最善と考えられます。
- その他襷カウンターポケモンは「殴る→カウンターを透かす→再度殴るで勝てるのでダメ計は行いません。
- なお、被ダメージ計算は行いません。一般的なASぶっぱ物理エースバーンと耐久値が同じため、ここでは述べる必要性はないと考えました。ご容赦ください。
最後に
いかがでしたでしょうか。実際の使用感としては、Cの種族値は低いもののリベロによるタイプ一致のおかげでそこそこの火力を維持しつつ、相手のミスリードを誘うので非常に楽しい型だと感じました。キョダイマックスによるさらなる強化をまだ控えているので、これからの活躍に期待できそうです。*7月10日追記 この育成論は鎧の孤島アップデート以前に書いた物です。現在では新技や新ポケモンによって環境も変わり、一部情報が古くなっています。追々修正をする予定ですのでご容赦ください。