はじめに
- この論に出てくるポケモンは特に記述がない限り理想個体を想定しています。
- ダメージ計算はVS SV及びSoldier Calc.を使用しています。
- 一般的に認知されている程度の非公式な略称や単語を使用します。
TS=テラスタル
- テンプレ論の補完となります。また投稿時点ではシリーズ1ルールを想定していますが、シリーズ2が開始されパラドックスポケモンが解禁され次第少々改稿するつもりですので、ご了承ください(といっても、Sライン上昇に伴い意地っ張りよりも陽気を推奨する程度だと予想されます)。
- 本論では「TS:竜 霊技:ゴーストダイブ型」と「TS:霊 霊技:テラバースト型」を同時に扱い、箇所によりそれらを比較して紹介します。また本論はどちらか一方を特に推奨するものではありません。
- 本育成論の充実のため、コメントでのご提案・ご指摘お待ちしております。
- 構築や立ち回りの相談等、単体育成論の範疇を超えていたり、直接関係の無い内容はTwitterのDMの方に送っていただけますと幸いです。
役割と強み
- 高速×高火力による崩し・スイーパー
現環境でよく見るポケモンの中では最速かつ、それぞれ無効タイプはあるものの半減以下タイプの少ない竜・霊技をタイプ一致で撃てるため、鉢巻を持たせることで強引な崩し・スイープを実現します。
詳しいダメージは後述しますが、
【竜TS】
竜TSドラゴンアローは等倍でもH252振りウォッシュロトムコノヨザルウルガモス等の耐久振り中耐久ポケモンを確定で落とし、HB特化キョジオーンラウドボーンモロバレル等物理受けの受け出しを許さないレベルの高火力を発揮します。ステロや蜻蛉返り等で事前に少しでも削っておけば、HB特化ヘイラッシャの受け出しすら食べ残し回復込みでも許しません。
【霊TS】
霊TSテラバーストはHB特化アーマーガアを9割以上の高乱数で2発圏内まで削れる火力を誇ります。ドラゴンアローを警戒したH252振りニンフィアマリルリデカヌチャン等の妖タイプも事前のステロや蜻蛉返り込みで確1圏内となるので、ある程度サイクルを回した後のスイープ性能も十分です。
- 高速蜻蛉返りによる削りと対面操作
S種族値142という環境主要ポケモン中最速の素早さから蜻蛉返りを撃つことにより、不利対面(HP満タンのマリルリニンフィアミミッキュドドゲザン等)では相手への削りとドラパルトの体力確保を両立させながら裏へ引き、有利対面を作ることができます。また有利対面(カイリューウォッシュロトムキノガッサウルガモス等)では、相手がドラパルトに有利なポケモンに引いてくる事を想定して蜻蛉返りを撃つ事で、相手の裏を削りつつ有利対面の維持が可能です。
また今作はテラスタルによる技の無効化を含めた有利不利の逆転が簡単に起こり得るので、無効化されるタイプの無い蜻蛉返りは様子見としても重宝します。
鉢巻を持たせることによって上記の”削り”も強化されており、例えば食べ残しで体力を回復させるために欠伸を連打してくるHB特化ヘイラッシャヘイラッシャに対し、眠らないように蜻蛉返り→ドラパルトドラパルト後出し→蜻蛉返り…と立ち回っても食べ残しの回復を少し上回る程度の火力となっています。
- 特性や技効果による展開・対面構築の一部拒否
特性すり抜けによって両壁や身代わりを無視することで、オーロンゲ+コノヨザルのような壁展開やミミズズモトトカゲの尻尾切りのようなギミック展開に強く出ることができます。
またドラゴンアローは2回連続攻撃という特性上、竜TSを切らずとも鉢巻と合わせてゲンガーキノガッサマスカーニャといった低耐久対面駒を襷を無視して1撃で倒すことが可能です。
これらにより、こちらの望むサイクル展開に持ち込み易くなっています。
- テラスタルの強要
テラスタルの奇襲性は上記でも触れた通りですが、サイクルをメインに据えた構築だとTSによりサイクルの計画が崩されてしまうことが多々あります。相手に早い段階でTSを切らせる事ができれば、計画の修正をゲームエンドまでに間に合わせ易くなるでしょう。
この点、対ドラパルトドラパルトにおいては、ドラパルトドラパルトが高速高火力アタッカーである事とタイプ一致技両方に無効タイプが存在することが周知されているため、対面した際にテラスタルを誘いやすいです。例えばドラパルトドラパルトとガブリアスガブリアスの対面で、通常ならドラゴンアローでそのままガブリアスガブリアスは何もできず倒されてしまうが、妖TSを切ればドラゴンアローを無効化しつつドラパルトドラパルトを突破できる…といった具合ですね。
竜+霊の両方を半減できる単タイプは存在しないため、先発ドラパルトドラパルト出しで相手に早めにTSを切らせ、蜻蛉返りで終盤までドラパルトドラパルトを温存させる事によってドラパルトドラパルトのメインウェポンのどちらかを通すことができるようにもなります。もちろん、TSを切ってドラパルトドラパルトに強くなったポケモンをこちらの他のエースで狩る事も有効でしょう。
- 型の誤認
これは全てのドラパルトドラパルト自体が持つ強みですが、鉢巻物理型以外にも眼鏡特殊、珠両刀、壁貼りサポート、鬼火祟り目…と対策が異なる強力な型が複数あり、その多くが先発適性を持つ為、相手はこちらへの対応を絞り切ることが困難です。相手依存ではあるものの、使用者視点で変に噛み合ってイージーウィンを拾ってしまう試合も少なくありません。
構成
調整:A252 B4 S252
性格:意地っ張り or 陽気
持ち物:こだわり鉢巻
特性:すり抜け
技構成:ドラゴンアロー / ゴーストダイブ or テラバースト(霊) / 不意打ち / 蜻蛉返り
テラスタル:竜 or 霊
《概説》
・役割「高速×高火力による崩し・スイーパー」を遂行するため、鉢巻を持たせASに極振り、H奇数かつダウンロード持ちのポケモンが現状おらず先制技の採用頻度が高めな為余りはBへ。TSは「高火力」の部分を伸ばすため霊or竜。技構成には火力の保証がある両タイプ一致技に加え、ラス1対面でのスイープ力を上げる不意打ちを採用。物理竜技の中で威力・命中・リスク管理の全てが最も安定しているドラゴンアローを順当に採用するので、自動的に役割「技効果による対面構築の一部拒否」も担う事ができます。
・役割「高速蜻蛉返りによる削りと対面操作」を遂行するため、蜻蛉返りを採用し技構成が完成。
・役割「特性による展開構築の一部拒否」を遂行するため、特性はすり抜け推奨。
以下、構成欄で下線を引いた、選択余地のある部分について解説します。
- 意地っ張り or 陽気
Sラインに関して、環境主要ポケモンの中でドラパルトドラパルトの次に速いのはマスカーニャマスカーニャであり、その最速実数値は192。準速ドラパルトドラパルトのS実数値は194でこれを抜いている為、最速でないことが気になる場面はミラー対面がほとんどとなります。50:50の同速負けはもちろんのこと、スカーフまで考慮すると構築にミラー対策が入れる方が安全なので、基本的には同速を切って火力を伸ばした意地っ張りを推奨します。
以下のテラスタルの比較では意地っ張り前提で計算し考察しますが、陽気の場合はその数値が約0.9倍になると考えてください。
※シリーズ2が開始されると、準速ドラパルトを抜くテツノツツミテツノツツミとハバタクカミハバタクカミが解禁されるため、陽気の採用価値が上がります。
- 竜TSゴーストダイブ or 霊TSテラバースト
この2択を概説すると、前者「霊技がサイクル下で使いづらい代わりに竜技が超火力」or後者「妖TSに強くクセの無い霊技の使用」と言えるでしょう。それぞれのメリット・デメリットについて比較して解説します。
[竜TS]
【メリット】
・鉢巻竜TSドラゴンアローの火力がとにかく高い。
H252ウォッシュロトム 109.5~129.9% 確定1
H4等倍TS(地や電)セグレイブ 100.5~119.3% 確定1
H252キラフロル 103.1~122.1% 確定1
H252コノヨザル 99.5~117.9% 乱数1(93.7%)
H252等倍TS(ノマや飛)カイリュー 71.3~84.9% 確定2(アロー1発目のみマルスケ込み)
↑等倍でも並の耐久では耐えられず、等倍TSを切った耐久振りカイリューカイリューもアロー2発目がマルチスケイルを貫通するため羽休みが間に合いません。
HB特化ラウドボーン 62.5~73.9% 確定2
HB特化ブラッキー 59.4~71.2% 確定2
HB特化キョジオーン 54.1~63.7% 確定2
HB特化ヘイラッシャ 46.6~56.0% 乱数2(66.7%)
↑物理受けポケモンでも等倍だと受け出しが効きません。
H252サーフゴー 48.4~57.7% 乱数2(94.9%)
H252ドドゲザン 37.6~44.4% 確定3
↑半減であっても物理受けでなければゴリ押しが可能で、元の耐久が高くても回復技がなければ2サイクル目の受け出しは不可能です。
また、相手の妖や鋼タイプに対して裏のポケモンで竜技の通るTSを誘発させ、ドラゴンアローの一貫を作る立ち回りも考えられますが、その際も竜TSであれば一貫を作れる範囲が広がります。
・竜霊→霊単タイプになる事により、先制技のアクアジェットやジェットパンチへの耐性はそのままに、ドラパルトドラパルトに上から飛んで来やすい不意打ちと影打ちやスカーフサーフゴーのシャドーボール等に耐性を得る。
A特化ドドゲザン不意打ち 51.5~61.3% 確定2
A特化珠ミミッキュ影打ち 29.4~36.1% 乱数3(27.1%)
C252サーフゴーシャドーボール 53.9%~64.4% 確定2
A特化鉢巻イルカマン(マイティ)ジェットパンチ 37.4~44.1% 確定3
終盤までドラパルトドラパルトの体力が温存できていれば、これらの先制技に縛られる事なくスイープできます。
【デメリット】
・スペックの高い竜ポケモンが環境に多い影響で妖タイプや妖TSを持つポケモンが非常に多く、最大の武器であるドラゴンアローがこちらに見えない形で通りにくい。
https://pokekou.gamewiki.jp/s1kouchikumatome/
↑こちらはS1上位100位までの構築を対象に、持ち物とTSが一目でわかるように一覧でまとめられた記事です。これを見るとわかるのですが、妖タイプ又は妖TSを持つポケモンが1体も入っていないパーティはたった2件しかなく、竜技の一貫に対する危機感の高さが窺えます。役割と強みの項目で述べた通り蜻蛉返りによる様子見はどちらのTSの場合も重要ですが、竜TSの場合特にそれが顕著であり、相手が妖TSを切ってきた場合は裏で処理する立ち回りが必要です。竜技が通らなくても高火力を出せる一致技はもう一つあるのですが…
・ドラゴンアローが通らない時に打ちたいもう一つの一致技であるゴーストダイブが扱いにくい。
ゴーストダイブは攻撃までに2ターン要するという技の仕様上、溜めターン中に相手の攻撃は食らわないものの、相手の交換に大変弱いです。例えば有利対面で妖タイプ引き読み等でゴーストダイブを撃った時、相手が交代しなかった場合はそれを見てから受け先を選べてしまいますし、交代された場合はドラパルトドラパルトにとっての不利対面なのにこちらは交代が許されず、相手の攻撃を受けるという事態になってしまいます。これにより基本的にはドラパルトドラパルトの一貫ができた終盤のスイープに使用機会が限られる事になりますが、2ターンに1回しかダメージを与えられないため回復技持ちが残った際も厳しい展開に持ち込まれます。
[霊TS]
【メリット】
・霊技の使い勝手が良い為、ドラゴンアローが通らない妖や鋼タイプにも十分な負荷を掛けられる。
H252ニンフィア 100.0~117.8% 確定1
H244デカヌチャン 92.1~108.9% 乱数1(50.0%)
H252マリルリ 82.1~97.5% 確定2
HB特化アーマーガア 48.7~57.5% 乱数2(92.1%)
ゴーストダイブと違い竜技警戒で後出しされる妖タイプをそのまま突破したり、物理受けとして個体数の多いアーマーガアアーマーガアの受け出しを許しません。
・環境に霊技を無効化するノーマルタイプが物理耐久の低いハピナスハピナスくらいしかおらず、サイクルの中で常に一定の負荷を掛け続ける事ができる。
ノーマルTS持ちは多いのですが、元タイプにノーマルを持っていなければ少なくとも受け出し時にサイクル負荷を掛けることができます。ノーマルTS持ちもほとんどがTS無しだと鉢巻霊テラバーストまたはドラゴンアローを受けられないポケモンなので、受け出し→ノーマルTSで起点化という流れは起こりにくいです。ノーマルTS持ちの死に出し=サイクルパで目指す数的有利となります。
・霊TSにより妖弱点が消え、半減されにくい高火力霊技を撃てる為、相手の妖TSに怯えず強気に行動できる。
ドラパルトドラパルトに限らず環境に竜タイプが大量発生したこともあり、妖TSを切って無理矢理行動したり返り討ちにしようとするポケモンが多く存在するようになりました。その結果、有利対面であっても安易にドラゴンアローを撃つのは安定行動と言えなくなってしまいましたが、霊TSで妖弱点を消しつつ妖に半減されない霊テラバーストを撃つことで、相手のTSを気にせず行動する事ができるようになっています。
例:妖TSのHB特化ウルガモスウルガモス対面
与ダメ(鉢巻霊テラバースト)
H244B252ウルガモス 78.5~93.1% 確定2
被ダメ
C+1 C4妖テラバースト 68.0~80.9% 確定2
→蝶舞への後出しからでも有利
※もちろんポケモンや型次第で不利をとる事もあるため、状況次第では蜻蛉返りで様子見する判断も必要です。
【デメリット】
・テラバーストの威力が中程度かつ特殊な効果も持たないので、竜TSほどの強引な崩しやスイープができない。
霊テラバーストの火力はTS無しドラゴンアローよりほんの少し高いだけですので、先に示した竜TSほどの高火力による強引な崩しとスイープが実現できない事がそのまま霊TSのデメリットとなります。タイプ相性を考慮せず数値だけで比較するならば、霊TS型での最高打点となる霊テラバーストの火力は竜TSドラゴンアローの約0.8倍まで抑えられてしまいます。こちらのドラパルトドラパルトを通すためには、その分のダメージを裏のポケモン(ステロ、ゴツメ等スリップ含め)で補う意識が必要となってきます。
・TSをドラパルトに切らないとそもそも霊技が使えない為、TS絡みの立ち回りや構築が窮屈になる。
とはいえ竜TSであっても結局霊技は使いにくいわけですから、ドラパルトドラパルト以外にTSを切るという選択をすれば、どちらのTSにせよこのデメリットに関する差はそこまで無いのかもしれません。ただし、テラバーストは非TS時には特殊技で固定されてしまう為、使い難いどころか全く使えない代物となってしまいます。
ダメージ計算
- 与ダメージ
ここまでで扱っていない、非竜TSドラゴンアロー、ゴーストダイブ、不意打ち、蜻蛉返りのものを載せます。
ドラゴンアロー(竜TS無し)
H無ゲンガー 148.1~174.8% 確定1
H無キノガッサ 120.0~142.2% 確定1
H無マスカーニャ 119.2~140.3% 確定1
↑低耐久襷ポケモンは難なく1撃で突破可能です。
H252等倍TS(ノマや飛)カイリュー 53.1~63.7% 確定2(1発目のみマルスケ込み)
↑Bに厚く振られていなければ、竜TSを切らずとも羽休めでマルスケが復活しないラインまで削れます。当然、相手がTSを切らなければ確定1発です。
ゴーストダイブ
H252ニンフィア 83.6~98.5% 確定2
H244デカヌチャン 77.4~91.6% 確定2
H252マリルリ 69.5~82.6% 確定2
H236ジバコイル 61.7~72.5% 確定2
↑サイクル疲弊を入れられていれば終盤のスイープ時には問題無い数値。
HB特化アーマーガア 40.9~48.7% 確定3
HB特化妖TSラウドボーン 38.8~45.9% 確定3
↑2ターンに1回しか攻撃できないこともあり、竜の効かない物理受けは厳しいです。
不意打ち
B4ドラパルト 95.7~112.8% 乱数1(68.7%)
H4サーフゴー 79.7~94.4% 確定2
H4ミミッキュ 57.2~67.9% 確定2
H無イルカマン(マイティ) 36.5~43.4% 確定3
H無ガブリアス 35.5~42.0% 確定3
↑この圏内まで削れていると、ラス1対面で先制技やスカーフを抑えて勝ち切ることができます。
蜻蛉返り
H252ドドゲザン 26.0~30.9%
H252ニンフィア 21.7~25.7%
H252マリルリ 21.1~25.1%
↑有利対面を維持しつつの削りとしては上出来。
HB特化ブラッキー 41.5~49.5%
HB特化カバルドン 20.9~24.6%
HB特化ヘイラッシャ 15.9~19.0%
↑欠伸ループに対して。
- 被ダメージ
環境に多いポケモンより立ち回り上気になるものを抜粋。既に論内で紹介しているものは省きます。
特に記載の無い場合は非TSで計算しています。
カイリュー
A特化ノマTS鉢巻神速(対竜TS) 88.3~104.9% 乱数1(31.2%)
A+1 A4飛テラバースト 89.5~106.7% 乱数1(37.5%)
サーフゴー
C252シャドーボール(対竜TS) 53.9~64.4% 確定2
ガブリアス
A252地震 66.2~77.9% 確定2
セグレイブ
A252氷の礫 58.8~69.9% 確定2
マスカーニャ
A252不意打ち 82.2~96.9% 確定2
A252トリックフラワー 30.6~36.1%(急所) 乱数3(48.8%)
ラウドボーン
C無妖テラバースト(対霊TS) 38.6~46.0% 確定3
C無フレアソング 19.0~22.6%
ウルガモス
C特化眼鏡オーバーヒート 72.3~85.2% 確定2
ウォッシュロトム
C特化眼鏡妖テラバースト(対霊TS) 75.4~88.9% 確定2
デカヌチャン
A4はたき落とす 45.3~53.9%
ニンフィア
C特化ハイパーボイス(対霊TS) 70.5~83.4%
マリルリ
A特化じゃれつく(対霊TS) 72.3~86.5%
A特化アクアジェット 16.5~19.6%
テラスタルの耐性変化(弱点減少)を持ってしても複数回の被弾を耐えられる耐久では無いので、ドラパルトドラパルトをいかに通すか≒ドラパルトドラパルトの体力をいかに残すかとも言えるでしょう。
基本的な立ち回り
序盤において役割及び強みである「高速蜻蛉返りによる削りと対面操作」が生きる為、先発選出に適性が高いです。初手から崩せそうな対面であればTSを切って殴り、不利対面やテラスタルの恐れがある相手からは蜻蛉返りで逃げサイクルを始動します。相手のスカーフやゴツメ鮫肌をケアするのであれば素引きでも問題ありません。
中盤はドラパルトドラパルトのドラゴンアローor霊テラバーストの一貫ができるように裏と合わせて相手を消耗させ、終盤は役割「高速×高火力による崩し・スイーパー」を遂行しゲームセットを目指します。
また竜+霊の両方を半減できる単タイプは存在しないため、相手に早めにテラスタルを切らせる事によってドラパルトドラパルトの一致技のどちらかを通すことができるようになる事を知っておくと、より一貫が作りやすくなるでしょう。
- TSによる立ち回りの若干の違いについて
「サイクル下でドラパルトドラパルトを通す」という立ち回りの観点から、構成の項目でのTS比較で述べた事をまとめると、竜TSは相手の削れ具合に関わらず有利不利がはっきりしており、霊TSは削れ具合により倒せる相手が広がっていく、とも言えます。それを踏まえると、ドラパルトドラパルトを通すための裏の動きに、以下のような違いが生じてきます。
【竜TS】
相手を削って圏内に入れることよりも、ドラゴンアローの通らない妖・鋼タイプを裏で処理し切ることが求められます。そのため、ドラパルトドラパルトが蜻蛉返り等で相手の交代先に掛ける負荷は裏にいるポケモンの処理圏内に入れるためだと捉え、裏の別アタッカーで確実に倒していく必要があります。またドラゴンアローの一貫を作るために、裏のポケモンで妖タイプに別タイプのTSを誘発することも有効です。
【霊TS】
竜+霊という広い範囲でのスイープが可能な代わりに体力満タンの相手を落とし切る程の火力は出せないので、自身の蜻蛉返りを含め、裏でサイクル負荷を少しずつ掛けることにより全抜き体制を整えます。竜TSで作るのがタイプ的一貫だとすると、霊TSは数値的一貫と呼べるでしょうか。
相性の良い味方
以上の立ち回りを踏まえて、裏においておきたいポケモンを見繕っていきます。
両テラスタル共通で、ドラパルトドラパルトは終盤まで倒されてはならず、なるべく体力を残しておきたいという思考があります。そのため、ドラパルトドラパルトが先発から蜻蛉返りで帰ってきた際にしっかりと受け出しのできるポケモンを用意したいところです。
HBニンフィア HBゴツメアーマーガア HAチョッキドドゲザン HBorDヘイラッシャ HBorDステロドオー HCチョッキヒートロトム HBステロ塩漬けキョジオーン等
眼鏡orチョッキジバコイル スカーフサーフゴー HCチョッキヒートロトム モロバレル ウルガモス等
眼鏡ウォッシュロトム 眼鏡ジバコイル 眼鏡サザンドラ サーフゴー等
- サイクルに参加可能なステロ撒き
終わりに
サイクル向け鉢巻ドラパルトドラパルトのテンプレ論ではありますが、筆者自身がTS選択に悩んだ経験を基に、竜TSと霊TSについて比較考察をしてみました。本論が皆様の鉢巻ドラパルトドラパルトのTS選択に役立つ事を願い、またこの論によって鉢巻ドラパルトドラパルト自体に興味を持ってくださったのであれば幸いです。
ご高覧いただきありがとうございました。