はじめに
- 論内で略称や用語を使用します。ご了承ください。
- 論内のポケモンは全て理想個体を想定しています。
- 誤字脱字や疑問点などがあればコメントでお願いします。
- 攻撃的なコメントや挑発的なコメントは控えるようお願いします。
序論
――滅びゲンガーについて
滅びゲンガーとは「ほろびのうた」を採用したメガゲンガーのことです。ゲンガーの特性「かげふみ」で相手は交代不能なので、歌って3ターン生き延びれば相手を確実に突破できます。滅びの歌→守る→身代わり→メガゲンガーの滅びのカウントを解除する為に交代→相手は滅ぶ といった立ち回りが一般的です。後続に脱出ボタンを持ったポケモンを添える形もありますが、それについての考察は省略します。「ゲンガナンス」と呼ばれる並びがあるように、構築の軸としても採用できる強力なギミックですが、今回は構築の軸ではなく、補完としての滅びゲンガーを考察します。
――仮想敵を絞った採用
前項で補完として滅びゲンガーを採用すると書きましたが、具体的には、パーティで突破が困難な高耐久ポケモンや嵌め戦法への対策枠として採用します。このような戦法への対策として滅びゲンガーを採用する利点は大きく2つあり、一つは相手の回復技や身代わりを無力化できることで、もう一つは相手にサイクルを回させないことです。本論のメガゲンガーは不特定多数を相手する滅びパのメガゲンガーと違い、特定の相手へのピンポイントな対策枠であるため、汎用性は一般的なメガゲンガーには劣ります。また、裏選出としてパーティに組み込まれるポケモンなので、2メガ構築にしても問題無いと考えています。
役割
――受けへの崩し
ポリゴン2やカプ・レヒレ、ドヒドイデなどの耐久の高いポケモンはサイクルに組み込まれると突破が困難となります。このようなサイクルに対してゲンガーを繰り出し、相手の受けを突破します。相手の受けを崩すことで、後続のポケモンが通しやすくなり、サイクルを有利に進められます。具体的な仮想敵は以下の通りです。
- 仮想敵
ポリゴン2、カプ・レヒレ、ドヒドイデ、クレセリア、ヒードラン、ナットレイ、ラッキー、など...
――対積み展開、まもみが
前述の役割だけでは瞑想ゴチルゼルでも可能ですが、ゴチルゼルにない強みに、相手の嵌め戦法に強いという点があります。具体的には相手のナマコイーブイバトンを失敗させたり、オニゴーリをはじめとするまもみが戦法ややどみがテッカグヤなどにも強く出られます。また、積みアタッカーに滅びの歌を入れておくことで、流しとして使うこともできます。
構成
――技
前述の役割をこなすために、「滅びの歌」と「守る」は確定です。また、滅びターンを稼ぐために「身代わり」か「金縛り」は必須です。
※どちらも相手に先制して使う前提での考察になります。
- 身代わり
安定したターン稼ぎの手段です。自身の体力が削られるのが痛いですが、滅びのターン稼ぎだけでなく、相手の補助技透かしにも使えます。本来の役割対象でないキノガッサに有利を取ることができたり、スカーフランドロスとの対面で交代読み蜻蛉返りを守るで確認したあと、身代わりを残す動きができたりと、色々な場面で光ります。
- 金縛り
身代わりに比べ、安定感は劣るものの、相手の交代技を封じることができる可能性を秘めています。例えばボルトチェンジで滅び展開を回避できる水ロトムに対しても、守る→金縛りでボルトチェンジを封じられれば滅び展開が可能となります。また、ハチマキナットレイなどのゲンガーで受けられない拘り持ちに対しては、金縛りで悪あがきしか使えない状態にすることができます。相手が金縛りを警戒して、技を切り替えてくる可能性があるため、相手の思考に依存する部分が強いのが難点です。
基本的には安定して1ターン凌げる身代わりを推奨しますが、最悪被弾しても耐えうる耐久がこのゲンガーにはあるので、交代技を嫌うなら金縛りを採用しても良いでしょう。また、催眠術も1ターン被弾を防ぐという意味では条件を満たしていますが、基本となる動きに6割の運要素が絡むのは現実的ではないと考え、候補から外しました。
最後の1枠は以下から選択です。
- ヘドロ爆弾
安定した一致技です。カプ・コケコや挑発持ちカプ・レヒレなどにも勝てるようになります。また、ブルルドランやブルルドイデのような並びを1体で崩せるようになります。
→H252カプ・コケコ 115.2%〜136.7%
→H252カプ・レヒレ 74.5%〜88.1%
- シャドーボール
もう一つの一致技。ゲンガーやミミッキュへの打点となります。等倍範囲はこちらの方が広いです。
→無振りミミッキュ 106.1%〜126.1%
→H252メガゲンガー 91%〜107.7%(43.8%)
→無振りメガルカリオ 66.2%〜78.6%
- 道連れ
この型はあまりSに振っていないので、比較的先制道連れは決めにくいですが、苦手な相手を強引に突破したり、役割遂行後に使い1対2交換を狙ったりできます。
――努力値・性格
- 穏やかH252 D252 S4
仮想敵に中速特殊アタッカーが多く、それらの相手への行動回数を確保したいため、Sを最速85族(カプ・レヒレなど)抜きまでに留め、特殊耐久に特化しました。これにより、並大抵の特殊技は2耐えできるようになります。
→C84イーブイのエボルブアシパ 96.4%〜114.4%(62.5%)
→C4イーブイのエボルブアシパ 81.4%〜97.0%
(イーブイのCのラインは育成論サンムーン/55から引用させていただきました。)
→カプ・コケコのZ10万ボルト 80.8%〜95.8%
→C252メガルカリオのラスターカノン 43.1%〜51.4%(5.1%)
→C特化霊獣ボルトロスの10万ボルト 41.3%〜49.1%
→C特化ヒードランの火炎放射 38.3%〜45.5%
→無振りカプ・レヒレのハイドロポンプ 26.9%〜32.3%
仮想敵への役割遂行にはこの調整が最適だと考えていますが、Sが準速100族-1になっているので、その付近の相手にも有利を取りたければ各自で調整してください。
――持ち物・特性
持ち物は「ゲンガナイト」
特性は「呪われボディ→影踏み」で確定です。
立ち回り
――選出画面
相手のパーティで突破が困難なポケモンが見受けられた場合に選出します。相手が受けループだった場合は、ゲンガーで全員を突破しようとするのではなく、こちらが通したいポケモンを決めて、その障害となるポケモン=ゲンガーで滅ぼしたいポケモンをしっかりと見据えておきましょう。
――滅び展開
サイクルの中でできるだけ早い段階でメガシンカして、相手をキャッチできる体制を整えておきます。先発で出して、初手からメガシンカ守るで様子見をしても良いでしょう。メガゲンガーの仮想敵が出てきたらメガゲンガーでキャッチして、滅びの歌を仕掛けます。基本的な立ち回りは、滅びの歌→守る→身代わりor金縛り→守るor交代という流れになります。最後の守るか交代かは、今後ゲンガーを残しておく価値があるかや、後続のポケモンに負担が掛からないかで、場に応じて考えます。ゲンガーを残しておくメリットは、サイクル中にクッションとして使えることや、アタッカーとして運用できること、ラス1滅びの勝ち筋を残せることなどがあります。これはあくまでも基本的な立ち回りなので、局面に応じて変則的な動きをする場合もあります。
――アタッカー運用
このゲンガーはCとSにはほとんど振っていませんが、元の数値が高く、実数値にしてC190 S151もあります。臆病CSぶっぱのシャンデラの実数値がC197 S145なので、これと同程度と書くとその高さが伝わりやすいと思います。つまり、仮に仮想敵が選出されなかったなどで、滅び展開ができなかったとしても、アタッカーとしての運用は十分可能だということです。前述した特殊耐久の高さも相俟って、ロトムやカプ・コケコ、霊獣ボルトロス辺りを対面から突破することが可能です。CSやHSのメガゲンガーには劣りますが、対面性能も十分にあると言って良いでしょう。
さいごに
ここまで読んでいただきありがとうございました。
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