- 全編において常体を用い、また敬称を略す。
最初に
- 多少調べれば分かる程度の略称、用語を用いる。また、性格補正あり252振りを「特化」、性格補正なし252振りを「ぶっぱ」と呼称する。
- ダメ計についてはトレーナー天国のツールを使用した。
最速と鱗粉
前回投稿したオニシズクモの論(育成論サンムーン/1442)にて、USMでの新規ねばねばネット(以下ネット)習得ポケモンとしてちらっとアブリボンアブリボンも紹介させて貰った。本論はそのネット撒きアブリボンの考察である。
アブリボンのネット撒きとしての強みは、ネット持ちで最もSが高い点、特性・鱗粉により技の追加効果を受けない点である。
速いということはその分挑発を食らいにくいということでもある。そしてアブリボンより速い挑発持ちは、当たること自体あまり無い(クロバットファイアローマルマイン)、挑発はほぼ無い(フェローチェ)、相手からしたら挑発より殴った方が速い(プテラメガゲンガー)、そもそもタイプ上有利(マニューラ)という感じ。挑発を本当に警戒すべきはコケコカプ・コケコとメガフーディンメガフーディン、悪戯心持ちのみである。アブリボンはそのSの高さ故に挑発を食らいにくいと言える。
鱗粉は「技の追加効果を受けない」という特性である。猫騙しで怯まなかったり岩封でSが下がらなかったりと、恩恵は結構大きい。自分より遅く先制技/連続技を持たないポケモンには一部の例外を除き確実に2回の行動保証を得られるというのはネット持ちではアブリボン独自の強みである。
総じて言うなれば、アブリボンはネット持ちの中で最もネットを撒ける可能性が高いポケモンであると言えよう。
性格・努力値・持ち物
臆病CS252B4、持ち物気合の襷で確定。
確実に行動保証を得るための襷、可能な限り相手より速く行動するための最速は必須である。
相手の技が低火力なら3回行動できる可能性に掛けてHにも振りたい気持ちもあるのだが、残念ながらぶっぱしてもミミッキュの特化シャドクロが確2から中乱2になる程度の違いしかない(勿論じゃれつくは確2)ため、正直意味がない。加えて、CぶっぱしないとHぶっぱメガラティアスにムンフォで確2すら取れないという悲しい現実があるため、Cぶっぱせざるを得ないというのが本音である。まあ瞑想を積まれたら結局2耐えされるのだが 余りはBDどちらでもいい。確定欄ではBに振った。
特性
鱗粉一択。追加効果封じがこの型にとって非常にありがたい。スイートベールは効果が限定的すぎて役立つ機会が多くない(対ガッサや欠伸展開阻止には使えるかもしれないが)、蜜集めは戦闘用特性でないため論外。
技構成
コンセプトのねばねばネット(USM限定でツボツボ・バチュル系統等から遺伝)は確定。また、扱いやすい一致ウェポンとしてムーンフォース(ピッピ系統・エルフーン・シュシュプ系統から遺伝)も確定としていいだろう。
以下、残り2枠の候補技を列挙する。確定欄はネット/ムンフォ/痺れ粉/リフレクター とする。
- 痺れ粉
初手で目の前にいるポケモンのSを下げるのに使える。電磁波と違い地面にも通るが、代わりに草と防塵持ちに通らないのには注意。因みに電磁波は覚えない。レベル技。
- 追い風(提案:足立悠樹)
こちらは相手のSを下げるのではなく自分達のSを上げる形のS操作。無効化はされないがターン数制限がある。教え技。
- リフレクター/光の壁
+@の起点作りとしての採用。裏のポケモンの耐久によってどちらを採用するか、或いは両方かを決めるといいだろう。どちらも技マシン。
- 蜻蛉返り
有利なポケモンを後出しできるというのはやはり優秀である。その後に控えに残ったアブリボンはクッションとして使える。因みに火力は2連最高乱数でないとゲッコウガ(弱点)を落とせないという悲しいものである。技マシン。
- 虫の抵抗
相手の特攻を下げる効果を持つため、相手の特殊積みポケモンの起点回避に使える。レベル技。
- 毒々
鉄板の起点回避技。すさまじく呼ぶ鋼に通らないのが癪だが搭載して損することは無いだろう。技マシン。
- 目覚めるパワー炎
唯一の鋼への有効打点。…とは言っても火力が全然無いため事実上ハッサム・ナットレイピンポ採用になる。それでも確2が限界なあたり悲しいが。技マシン。
- 粉塵
USMで習得した技。相手の炎技に合わせることで反撃すると同時に次ターン以降相手に択を強制することができる。ただこちらにとっても択になるため読みに自信がある人向け。USM限定でビビヨンから遺伝可能。
- バトンタッチ+蝶の舞/影分身
これを採用すると最早別の型になりそうだが、有用なのは間違いないため一応記載。順に、テッカニン等からの遺伝、レベル技、技マシン。
運用
このポケモンを使うに当たってだが、選出する際は絶対に先発か死に出しで出さなければならない。理由は1つ、受け出しできるような耐久を持ち合わせていないからである。
初ターンは基本的には迷うことなくネットを押していくのだが、ゲッコウガ等、アブリボンで倒せそうなポケモンがいるならばムンフォを押していっても良い。また、相手を麻痺させることで追加で行動を確保できそうな場合(相手が自分より速いけど麻痺は通る等)は痺れ粉を押してもいいだろう。ネットを撒き終わったらほぼ仕事終了も同然。相手に倒してもらって後続のエースを出していこう。
相性の良いポケモン
- 剣舞ガブリアスガブリアス
アブリボンが呼びまくる炎と鋼に強く出れる抜きエース。現環境では足りなくなってきたSもネットでカバー可能。テッカグヤが面倒なため、他の浮いているポケモンもまとめて吹き飛ばせるイワZ型などどうだろうか。
- ホルードホルード
忘れた頃にやってきて止めるのに難儀するバ火力ウサギ2号。最速ならば最速S1↓メガミミロップも抜けるため、上から広い等倍範囲を高火力で打ち分け可能な化け物になる。ワイボや冷パンも覚えるため浮いているポケモン対策もばっちり。問題はバシャーモが一環すること。
- ヒードランヒードラン
エース運用するタイプのポケモンではないが、パーティーにいるだけでも炎・鋼への牽制として働く。だがやっぱりバシャーモが見事に一環する。
ダメ計
- 与ダメ
・ムーンフォース
→無振りゲッコウガ(弱点)ゲッコウガ
118.3%〜140.1% 確定1発
→無振りガブリアスガブリアス
83%〜98.3% 確定2発
→H244D28メガボーマンダ(リザYのめざ氷確定耐え調整)メガボーマンダ
68.6%〜81.5% 確定2発
→Hぶっぱメガラティアスメガラティアス
51.3%〜60.9% 確定2発
→H4ミミッキュミミッキュ
48.8%〜58% 乱数2発(95.3%)
・虫の抵抗
→無振りカプ・テテフカプ・テテフ
21.3%〜25.5% 乱数4発
・めざパ炎
→Hぶっぱメガハッサムメガハッサム
63.2%〜76.8% 確定2発
→Hぶっぱナットレイナットレイ
55.2%〜66.2% 確定2発
→H4テッカグヤテッカグヤ
32.3%〜39.3% 乱数3発(98.9%)
- 被ダメ
メガハッサムの無振りバレットパンチメガハッサム
106.6%〜125.9% 確定1発
霊獣ランドロスのぶっぱ岩石封じランドロス(霊獣)
82.9%〜97.7% 確定2発
ミミッキュの特化じゃれつくミミッキュ
73.3%〜86.6% 確定2発
上同影打ちミミッキュ
31.8%〜38.5% 乱数3発(97.3%)
カプ・コケコのぶっぱエレキフィールド下10万ボルトカプ・コケコ
93.3%〜109.6% 乱数1発(62.5%)
ゲッコウガのぶっぱ変幻自在冷凍ビームゲッコウガ
65.1%〜77.7% 確定2発
編集後記
ネット撒きシリーズ第2段となったが、いかがだっただろうか。
考察していて分かったことだが、このポケモンには技範囲が足りない。習得する不一致特殊技はめざパ・サイキネ・ソラビの3つのみ。しかもめざパ以外の2つは鋼に半減される。オニシズクモのように半減でもゴリ押せるパワーがある訳でもないため、アタッカーとしての運用は些か厳しいと言わざるを得ないポケモンだと感じている。
だが補助となれば話は別。相手がやることを察して挑発を打とうにも挑発される前に役割遂行できるというのはサポーターとして非常に優秀と言える。蝶舞バトンやトリック、追い風といった優秀な補助技を技の追加効果を気にせず行えるのもアブリボンの強みである。エースのサポートにアブリボン、ぜひ使ってみてはいかがだろうか。
ところで、オニシズクモに続いてアブリボンも書いてしまった以上、これはペロリームの論も書かなければいけないのだろうか?