今回の育成論のコンセプトはいのちがけに活路を見出すという一風変わったものです。
本題に入る前に他の自滅技と比較しつついのちがけについての説明に入ります。結構長いので、判ってるって人はすっ飛ばしてもらってもかまいません;
自分の現HP分だけのダメージを相手に与えます。
ダメージを与えた後は自分は瀕死になります。
長所
1.防御力や特殊防御の影響を受けない。
2.HPが多いほど大ダメージを与える。
短所
1.使うと瀕死になる。
2.格闘タイプなので、ゴーストに当たらない
3.ダメージを喰らうほど威力が下がる
といったところ。感じた方もいると思いますが、デメリットが目立つ技です。
他の自滅系の技と比較してみましょう。
例えばじばくやだいばくはつでは、HPがいくら下がっていようと威力は200ないし250です。防御半減効果が無くなったとはいえ散り際の火力としては充分な威力です。
しかし、いのちがけはHPが下がるほど威力が落ちる上、使うとじばくのように瀕死になる。
低HPで撃ったところで大した威力じゃありません。っていうかよほど積まれてでもない限り、攻撃したほうが効果的です。
HPが減ったときに効果が上るわざ、といえばきしかいせい、じたばた、がむしゃらがあります。
HPが減るほど威力が上るものなので、いのちがけよりもはるかに優秀、かつこれらは撃ったからといって瀕死になるわけではありません。
そしておきみやげ。ダメージこそ与えませんが、相手の攻撃面をがくっと下げた上で瀕死になるため、続く仲間を有利にしつつ散っていくことができます。
HPがどれだけ減っていようと関係なく、クリアボディでもない限り相手を弱らせてくれます。
最後にみちづれ。こちらは少々挙動が違いますが、みちづれをかけた相手に倒された場合確実に相手も瀕死においこみます。
みちづれをかけられた時点で直接攻撃を控えられたりはしますが、牽制にもなり、またうまく決めれば確実に一体落とせます。
今度はタイプこそ違いますが、HPが多いほど威力のあるしおふきやふんか。多くはスカーフで、先手での大ダメージを狙ってきますが、撃ったからといって瀕死になりません
しかしいのちがけには牽制も、後続援護も、ピンチにおける最後の抵抗のような効果もなく、瀕死になる都合上一度しか撃てません。
HP満タンで使うのが理想でありながら、いきなり自分も瀕死になる為に相手を確実に持っていく必要があり、また持っていったとして共倒れなので、単純な数字で見た場合お互いに一体ずつ倒れるという痛みわけの結果でしかなく、こちらを有利に持っていくことが難しい技です。
参考にさせていただいたラッタッタさんのムクホーク育成論(bw/97)も併せてご覧ください。いのちがけの使いづらさが判ると思います。
アタッカーにいのちがけを積むぐらいなら、高威力技で弱点もしくは等倍ダメージを加える方が効果的な方が多いです。受けは役割放棄にも程があるので論外、補助もわざわざ散る必要なんか無いだろう? という始末。
じゃあ、いのちがけをうまく使えるのは誰か? せっかくの新技だからうまく活用できないものか?
そう考えた結果白羽の矢がテッカニンに刺さりました。
ではようやく育成論へ入っていこうと思います。
性格
ようき
テッカニンでようきの必要は無いと思うかもしれませんが、素早さに振る努力値を大きく減らすことでよりたくさん攻撃へ努力値をまわせるため。
今回の素早さ調整では最終的にはようきのほうが攻撃の実数値がわずかに上になるためようきで。
努力値
HP248 素早さ20 攻撃242
最速130族を初手で(まもる無しで)抜く調整です。
HPが252でないのはステルスロック二回で瀕死、という事態を防ぐために奇数に調整しています。(個体値31時)
残りは攻撃へまわしています。
いじっぱりで同速調整するより、わずかに攻撃の実数値が上となります。
素早さ調整にあわせた最大火力の調整例を下記に記載しています。
努力値・性格調整例
例1.145族抜きようき HP248 素早さ140 攻撃122
例2.140族抜きようき HP248 攻撃156 すばやさ106
例3.130族抜きようき HP248 素早さ28 攻撃234
例4.120族抜きいじっぱり HP248 攻撃192 素早さ70
例5.加速に頼るいじっぱり HP248 素早さ10 攻撃252
いずれにせよいのちがけを使うので少しでもHPへ。252振らないのは前述したとおりステロ意識のHPが奇数(レベル50に167/レベル100に325)になるように。素早さは環境や想定に応じて調整してください。
まもるを使うので素直に攻撃にまわしても問題ありませんが、加速してからとんぼを撃とうとすると大抵当てたい相手に逃げられる上に相手にターンを与えてしまうため、少なくともフーディンくらい先手で仕留めてしまえる120族抜きの振りにはしておきたいですね。
とんぼがえりが刺さる相手を考えると例3が安定でしょうか。サンダースも7割程と結構削っていけますので。
なお努力値例はそれぞれ、
初手で最速種族値145(アギルダー)を抜く。加えて最速スカーフ80族も追い抜けます。
初手で最速種族値140(マルマイン)を抜く。
初手で最速種族値130(サンダース、マニューラ想定)を抜く。
初手で最速種族値120(フーディン、ジュカイン想定)を抜く。加速後に全抜き出来ればいい程度なら無振り。
という目的になっています。
抜群が取れることを考えるとやはり最低でも120族は抜かないとジュエルを持たせた意味が無くなりそうです。
なお、いじっぱりの場合どんなにがんばっても最速アギルダーは抜けません。
持ち物
むしのジュエル ラッタッタさん提供
虫技を使ったとき、一度だけ威力を1.5倍にしてくれます。とんぼがえりの火力が跳ね上がります。とんぼがえりでフーディンをゾロアークを確1、ラティオス・ラティアスを高乱1、スターミーを確1、サザンドラを確2、などと瞬間火力は馬鹿に出来ません。加えて自分はHPを温存出来るので、いのちがけの威力も死守できるので一石二鳥。
技構成
・確定技
いのちがけ
これがないと何の投稿か判りません。遺伝技です。遺伝先はチョボマキorアギルダーから。実は「変化技」ではなく「特殊技」なので、挑発を喰らっても使えます。使う時点で瀕死なのでとんぼで逃げた方がいいですが。
バトンタッチ
いのちがけを活用するのにテッカニンを選んだ理由とも言える技。加速で上昇した素早さを味方に引き継いであげましょう。
とんぼがえり
こいつの素早さなら先手技でも喰らわない限りは先手でとんぼがえりできます。とにかくHPを温存したいので、逃げの一手を撃てる技であるとんぼは確定。挑発対策にもなります。基本的に加速前の撃ち逃げか、挑発対策。
まもる
最初のターンにまもります。どうしても無償降臨を誘ってしまいますが、かといって被弾するわけにもいかないので。スカーフガブリアスでも一度加速すれば抜かれないはず……。無償降臨のリスクはありますが、被弾しては型が意味ないので個人的には確定。
基本的な運用法
相手が自分よりはやい可能性があるorとんぼがえりでダメージを期待できない相手
1.先発出撃
2.とりあえず初手に守る→加速で素早さ1ランクUP
3.バトンで加速分を引き継ぎ交代
4.中盤以降、ジュエルが残っているはずなので死に出しor地面読みの無償降臨で悪やエスパー、または死にかけの相手に出て行ってとんぼがえり。
5.バトンもジュエルも使い果たした後はいのちがけで相手を道連れに。
抜かれる心配がなく、とんぼがえりでダメージを期待できる相手
1.先発出撃
2.初手からとんぼがえり
3.相手に大ダメージ、理想は瀕死にして自分は交代
4.中盤以降、苦手とするポケモンに死に出ししていのちがけ。相手を道連れに。
弱点
ステロが巻かれてると再出撃時にHPが半減する
基本的にバトン型であり、HPを残しながら確実にバトンできる補助は素早さ1ランクだけ
・いのちがけで葬れる相手
※個体値は31、レベルは100想定で計算しています。
テッカニンの個体値31のHP248振りのHPは325
HPの種族値は61
よって……
HP種族値61以下のHP252振り
ツボツボ・スターミー・キノガッサ・オオスバメ・チャーレム・トリデプス・ペンドラー・エルフーン・ゾロアーク・ギギギアル・フーディン・アイアントなど。
HP種族値96以下の6振り
メタグロス・ギャラドス・オーダイル・ファイヤー・サンダー・フリーザー・ミロカロス・ドダイトス・サザンドラ・カイリキー・エンペルト・ライコウ・パルキア・プテラ・ラティオス・ハガネールなど。
※ラムパルドは6振り時326になるため、252振っていないと落とせません。
※HPは極振りか端数がほとんどだと思い、調整振りは言い出したらきりがないのでここでは割愛しました。
※あくまで目安です。そいつにHP6振りはありえないとかそういう突っ込みはしないでください。
※格闘タイプなので、ゴーストには当りません。
HPさえ保っていれば、6振り程度のアタッカーなら伝説だろうと一撃で葬れるのは驚きです。
本来テッカニンでは狩れない奴まで落とせます。しかも速度面ではまず負けないため確実に持っていけます。
また、バトン型を軸としているため他の技がいのちがけを死に技とすることはなく、ステロさえ置かれていなければバトン→道連れとそこそこな活躍が出来るのではないでしょうか。
ダメージ計算
とんぼがえり+ジュエル
与ダメ
H4振りゾロアーク
割合: 151.4%〜180.8%
回数: 確定1発
H252振りラティアス
割合: 81.2%〜96.2%
回数: 確定2発
H4振りサザンドラ
割合: 90.4%〜107.1%
回数: 乱数1発
H4振りガブリアス
割合: 39.6%〜47.2%
回数: 確定3発
H4振りユキノオー
割合: 106%〜126.5%
回数: 確定1発
H4振りヒヒダルマ
割合: 30.3%〜36.4%
回数: 乱数3発
H4振りアーケオス
割合: 32.4%〜38.4%
回数: 乱数3発
H4振りバンギラス
割合: 72.7%〜86.3%
回数: 確定2発
H4振りキュウコン
割合: 29.5%〜34.8%
回数: 乱数3発
H252振り ニョロトノ
割合: 44.6%〜53.2%
回数: 乱数2発
H252振り カバルドン
割合: 27.9%〜33.4%
回数: 低乱数3発
H4振り ウォッシュロトム
割合: 52.3%〜61.9%
回数: 確定2発
まもるを使わないとHPを保てない、ステロや天候ダメージで倒せる範囲が変動してしまうという弱点はあるものの、バトン後の一撃としては充分すぎる成果を出せるんじゃないかと思います。
テッカニンはバトン型のイメージが強く、アタッカー型であればつじぎりを搭載していたりするので対策でゴーストが出てくることもそう多くないと思われ、いのちがけ自体は結構当ってくれるのではないでしょうか。
ステロでHPが半減するのばっかりはどうしようもないですが……。それでも162の固定ダメージは置いていけるので無駄にはならないと思います。バトンという役割後というのもあって、無駄は省かれたと思います。
なんかいのちがけの短所ばっかり目立たせた気もしますが、感想・指摘などお待ちしております。