今回は環境トップザシアン(王)やムゲンダイナ軸の受けループなどに強く出れる、黒バドレックスの育成論です。ぜひ最後までご覧ください。
注意
- 本論では、非公式の用語を使用いたします。
(HABCDSや努力値など)
- ダメージ計算はポケマス様を使用させていただいております。https://pokemass.site/swsh/dc/
- ポケモンや、ポケモンの持ち物の使用率は、ポケモンバトルデータベース様を参考にしております。
https://swsh.pokedb.tokyo/pokemon/list?season=18&rule=0
- その他略語を使用することがあります。
はじめに…シリーズ10でのバドレックス(こくば)黒馬
(※飛ばしていただいても構いません。)
ダイマなし&禁伝ありという新シーズンが幕を開け、一週間以上が経過しました。現在、バドレックス(こくば)の使用率順位はザシアン(王)の2位に次ぐ『6位』と環境でもお馴染みの伝説枠となっています。
しかし、そんな環境トップのポケモンはどんな構築でも対策されており、バドレックス(こくば)を受けるためにバンギラスポリゴン2バルジーナガオガエンなどさまざまなポケモンが急増しています。
純粋なアタッカーとしてのCSバドレックス(こくば)は、これらの受けポケモンに対して明確な有効打はありません。
ただ、本来のスペックが高いが故に、対策がされている環境でもトップ層に入ってくる、そんな化け物ポケモンがシリーズ10でのバドレックス(こくば)であると考えられます。
宿木身代わりバドレックス(こくば)の採用理由
- 環境に多く存在するムゲンダイナムゲンダイナ軸の受けループに対して強め。
- 宿木身代わり採用により、バドレックス(こくば)対策の受けポケモンにも宿木&身代わりである程度の負荷をかけることが可能。例)バンギラスポリゴン2ガオガエン
※身代わり貫通のバークアウトは要注意
役割
基本的に先発として選出をする。
宿木による体力管理&相手への負荷を役割とし、対戦の終盤には相手を一掃するスイーパーとして動かしていく。
※バドレックス(こくば)に限らず、1体のみで受け崩しができるバトルはそう多くないので、選出単位で受け崩しを行う必要がある。
持ち物
たべのこし
宿木や身代わりとの相性抜群。バドレックス(こくば)には自己再生などの速攻回復がないため、回復ソースとして機能する食べ残しは確定。
特性
人馬一体…以下の特性を併せ持つ。
- 緊張感
相手の木の実を食べられなくする。イバンの実や回復実を発動させないため、意外と役立つ便利な特性。
- 黒の嘶き
相手を自分の技で倒したときに、自分の特攻を1段階上げる。(宿木による定数ダメージで倒した場合は発動しない。)
性格・努力値と調整
案1
臆病 A↓S↑
H12 B196 C44 D4 S252
H実数値177→16n+1 (残飯との相性◎)
B→A252ザシアン(王)のA↑巨獣斬を最高乱数切り耐え サイクル戦だと、対ザシアン(王)以外にも耐久振りが活きる場面も多い。
C→余り(HSザシアン(王)をアストラルビットで91.4%の確率で乱数2発)
D→余り
S→最速バドレックス(こくば)意識 (同速)
- 宿木の回復効率に関して
HP実数値の16n+1をバドレックス(こくば)で実現できる数値は177と191ですが、実数値が低いければ低いほど宿木の回復効率が相対的に良くなります。
どういうことか具体例で示すと、実数値207のバンギラスから宿木で回復できるHPは25ですが、回復する側の実数値が177と193では、回復割合が異なるということです。このとき、バドレックス(こくば)が実数値177のときは総HPの約14%、実数値193のときは約12%と、回復する割合に差が出ていることがわかりますね。
案2
特にザシアン(王)を意識しないのであればこちら。
臆病 A↓S↑
H12 C244 S252 or H140 C200 S252
確定技
- アストラルビット
威力120のタイプ一致技。高火力&命中安定&デメリットなしという禁伝ならではの性能。
なぜかバドレックス(はくば)ブリザードランスよりも威力が10低い。
- やどりぎのタネ
命中90%。相手のHPを最大HPの1/8ずつ減らし、その分自分のHPを回復させる。草タイプには無効。
- 身代わり
最大HPの4分の1を削り身代わりを出す技。一部の変化技を無効化。音技は貫通してしまう。
「宿木のタネとあわせて使用すると、こちらのHPが少ししか減らずに一方的に相手のHPを削り続ける」といった動きも可能。
これがバドレックス(こくば)受けのポケモン(交代際)に刺さるポイント。
選択技
- サイコショック
エスパー枠。サイコキネシスでない理由は、主にラッキーハピナスウツロイドなどの物理耐久の低いポケモンを意識したため。
威力を優先したい場合は、サイコキネシスでも問題ない。
- 鬼火
命中85%。相手を火傷状態にする。
ザシアン(王)の上から行動し、鬼火を当てることができれば2発耐える確率が99.7%。定数ダメージもサイクル構築と相性が良い。
- 草技
リーフストーム・エナジーボール球・草結び・ギガドレイン
ラグラージヌオートリトドンやバンギラスなどへ。
草結びは相手の重さ依存のため、バンギラスなどに対してはエナジーボール以上の火力が出ますが、重さが軽めのトリトドンなどに対してはむしろ火力が下がってしまいます。
(草技を採用したときに、リーフストームだとCダウンが痛手となることが多いためエナジーボールor草結びが最もおすすめです。)
- ドレインキッス
後出し悪ウーラオス(いちげき)ピンポイントメタ。
相手の交代読みで、こちらに身代わりがある状態ならばキッスで安定する。
D4悪ウーラオス(いちげき)に対して102.8〜121.1%
有利不利と立ち回り例
有利サンダー(ザシアン(王))ランドロス(霊獣)ヌオーウオノラゴンカバルドンムゲンダイナラグラージガブリアス etc…
上から1発or2発で落とせるポケモン。身代わりであくびなどの状態異常対策が可能。
不利ウーラオス(いちげき)ミミッキュブラッキー スカーフカイオーガ スカーフメタモン etc…
対面からはほぼ勝つことができないため、こちらの後続に対応してもらう。
(環境にはかなり少ないが、「C252バドレックス(こくば)のアストラルビット2耐え調整で慎重H252D188ザシアン(王)」に対して、こちらから確定2発が取れないため不利となる。)
先述の通り、選出ができる相手(の構築)であればバドレックス(こくば)を先発に置く。
- 有利な相手に対しての立ち回り例
VS アタッカー
例としてウオノラゴンを挙げます。
こちらの行動は単純明快、アストラルビットを上から撃つだけです。雑な説明に見えますが、C種族値165から繰り出されるタイプ一致威力180の技ですから、並の耐久では受かりません。
さらに、相手の大抵の攻撃は耐えることが可能なため、1度受けてから2ターン目に倒す動きも強力です。
この場合、ウオノラゴンが鉢巻だとしても後攻エラがみを確定耐えです。ウオノラゴンがスカーフでも抜かれないバドレックス(こくば)の素早さも優秀です。
VS 起点作りポケモン カバルドン ラグラージマッギョ
例として挙げるのはカバルドンです。
カバルドンは『あくび』や『ステルスロック』といった補助技を主に戦うポケモンなので、こういったポケモンに対しては初手の身代わりが活きます。
カバルドンにはふきとばしがありますが、あくびをもらわずにアストラルビットや宿木といった行動が取れるため、このバドレックス(こくば)は補助技メインのポケモンにはかなり強い型だと言えます。
さらに相手がA無振りラグラージだった場合、クイックターンで身代わりが割れません。ラグラージにはふきとばしも無いのでさらに安定しますね。
- 不利な相手に対しての立ち回り例
VS 黒バド受け バンギラス
例としてバンギラスを挙げます。
こちらはバドレックス(こくば) 相手はバドレックス(こくば)に不利なポケモン といった盤面であったとき、
パターン1 バンギラス(バドレックス(こくば)に有利なポケモン)を出してくる。(大抵の場合はこちら)
パターン2 相手がこちらの釣り交換を読んでそのまま突っ張ってくる。
こんなとき、どちらにも対応できる行動、それが身代わりです。
パターン1の場合、身代わりバドレックス(こくば)vsバンギラスという対面になります。次のターンにこちらは宿木を撃ち、その後は身代わり連打で相手のHPを減らしていきます。それに対してバドレックス(こくば)のHPは減る割合がかなり小さく、身代わり連打が尚更安定します。
この動きがとても強力なのです。相手からしたら、「役割対象にHPがどんどん削られている」という状況ですね。
パターン2は相手にとって非常にリスクのある行動なので、パターン1よりも機会は少ないですが、安定行動として身代わりを選択するのが最善だと言えます。
後出ししてくるバドレックス(こくば)受けに対しては意外な強さを発揮してくれます。
与ダメージ計算
※進化前は輝石込みでのダメージ
- アストラルビット
D4悪ウーラオス(いちげき) 45.7〜53.7% (乱数2発 42.5%)
D4ザシアン(王) 57.4〜68.2%
D4ゴリランダー 82.2〜97.7%
無振りサンダー 71.5〜84.2%
H236D20カバルドン 63.8〜76.0%
- サイコショック
B84ウツロイド 120.6〜143.4%
H244B12ポリゴン2 27.2〜32.9%
無振りラッキー 71.3〜84.3%
B特化ラッキー 28.6〜34.1%
無振りハピナス 87.2〜102.7% (乱数1発 18.7%)
B特化ハピナス 38.4〜45.4%
- エナジーボール
HDラグラージ 81.1〜96.6%
HDヌオー 100.9〜120.7% 草
HDトリトドン 82.5〜97.2%
砂嵐HDバンギラス 26.0〜30.9%
被ダメージ計算
A252ザシアン(王) 巨獣斬 85.3〜100.5% (乱数1発6.2%)
A特化ゴリランダー GFグラススライダー 45.7〜54.2%
C4サンダー 暴風 42.9〜50.8%
C4ムゲンダイナ マジカルフレイム 22.0〜26.5%
無振りカバルドン 地震 22.5〜27.1%
C252カイオーガ 雨潮吹き 120.3〜142.3%
C252レジエレキ 10万ボルト 54.2〜64.4%
タイプ不一致イカサマ 54.2〜65.5%
タイプ一致イカサマ 94.9〜110.7% (乱数1発 62.5%)
相性の良い味方・構築例
バドレックス(こくば) ピクシー バンギラス ラッキー ドヒドイデ ランドロス(霊獣)
投稿者自身は、『 バドレックス(こくば)+物理受け+特殊受け』という構築を組んでおります。
Aを上げる手段がない悪ウーラオス(いちげき)ならば受けが成立
バドレックス(こくば)でむやみにザシアン(王)に突っ込むのではなく、一旦ヌオーなどの安定した受け駒に引くのが行動として最適です。
まとめ
宿木&身代わり連打による削り性能
並のポケモンでは受けられない高火力
やはりこの2点が、本論のバドレックス(こくば)の強みとなります。
実際にランクマッチで運用しておりますが、ムゲンダイナムゲンダイナ軸受けルなど環境でトップレベルに多い構築に対しても強さを誇る、使いやすくて強い伝説枠として活躍してくれています。(実際に投稿者はこの型でバンギラスガオガエンを突破したことがある)
ザシアン(王)に対しても、型にはよりますが比較的強く出れます。とはいえヌオーに託しましょう。
最後までご覧いただきありがとうございました。
では!