こんにちは。3度目の投稿となります、イガと申します。第7世代からシングルレートに潜っているものです。2021/2/1から、シリーズ8として新たにレート環境に伝説のポケモン達が解禁されたということで、皆さんもう伝説のポケモンは育成済みでしょうか。
今回は、私が今までの環境で使ってみて強いと感じた、また今後のシリーズ8でも活躍が期待できる、ギガイアスギガイアスドリュウズドリュウズの砂構築、所謂「ギガドリ」について考察したいと思います。といっても、砂かきドリュウズについては既に別の方が環境に合った大変すばらしい育成論を投稿されているので(育成論ソードシールド/2294)、本論では主にこのドリュウズと相性の良い型のギガイアスを紹介し、そのドリュウズを絡めた実戦での立ち回り方や、パーティの組み方・選出基準などを考察していこうと思います。なお、私自身は試せていませんが、先程紹介した論のドリュウズとは違う型の砂かきドリュウズとも勿論組み合わせられるので、そのあたりの組み合わせの最終判断は各々に任せるとして、まずは今後の環境におけるギガドリの可能性について本論をもとに考えていただければと思います。
注意書き
- HABCDS、V、DM(ダイマックス)等の略称を使用させていただきます。
- ダメージ計算はiOSアプリ「ダメージ計算SS」を使用させていただいております。
砂パ(砂パーティ)について
砂パとは、晴れパ・雨パといった天候パのうちのひとつであり、一言でいえば砂嵐を有効利用して戦うためのパーティ構築です。フィールドに出すと同時に天候を砂嵐にする特性「砂起こし」のポケモンと、砂嵐下でSが2倍になる特性「砂かき」といった砂嵐下でメリットが付与される特性を持つポケモンとでPTを組むことが多いです。特性砂起こしのポケモンは「砂始動役」とも呼ばれ、先発で場に出してステルスロックを撒かせるなど、後続エースの全抜き耐性を整えるサポートとして機能させることが多いです。
剣盾環境において砂始動役となり得るポケモンは、バンギラスバンギラス、カバルドンカバルドン、ギガイアスギガイアスが主です。また、相手からの攻撃を受けると砂嵐を発生させる特性「砂吐き」を持つ、サダイジャサダイジャも砂始動役の一匹となり得るでしょう。今この論を読まれている方の中には、「ダイロックでエースが自ら砂起こせば始動役はいらんやろ」と考えている方も少なくはないと思います。しかし、上記の砂始動役はいずれも、ステロや挑発(バンギラス)、欠伸(カバルドン)、大爆発(ギガイアス)、蛇睨み(サダイジャ)といった優秀な起点作成・起点回避技を習得します。また、砂始動役の存在により砂かきエースは、初手から相手の上を取って攻撃できるようになったり、必要に応じて非DMでも高い制圧力を誇れるようになるので、基本的にはPTに1匹以上の砂始動役を入れることが望ましいです。
砂嵐下で高速高火力のエースとなれる特性砂かきのポケモンは、現環境ではドリュウズドリュウズ、パッチラゴンパッチラゴン、ウオノラゴンウオノラゴンなどが主です。ドリュウズドリュウズについては、昔から「バンドリ」「カバドリ」「ギガドリ」といった砂起こしポケモンとの並びに対する呼び名が存在し、高い火力と技範囲から対策を怠れない強力な構築として名を馳せていました。パッチラゴンウオノラゴンについても、砂かき個体は割合としてそこまで高くないですが、それぞれ先制時に威力が2倍になる準固有技を持ち、砂嵐と好相性であると言えます。
※その他にも特性砂かきのポケモンはいますが、火力不足等の理由により現環境ではほぼ使われていないため、ここでは紹介を割愛させていただきます。また、砂嵐下で回避率が上昇する特性砂がくれや、火力が上昇する特性砂の力のポケモンについても、現環境でエースとして活躍している例が特にないため紹介は割愛します。
現環境(シリーズ7、8)におけるギガドリについて
現在のランクマ環境では、ダイジェットの撃ち合いに強いサンダーがトップメタとなり、それに伴いメテオビームを採用したウツロイドテッカグヤの使用率も高くなっています。そのため、これらの電・飛・岩技を全て半減以下に抑えられるドリュウズドリュウズの採用価値が高まっていると言えます。特に、砂始動役と絡めた砂かきドリュウズの存在は、サンダーに並ぶトップメタのエースバーンや、今後高い仕様率が予想されるザシアン(王)すらも上からダイアースで制圧できるため選出画面で相手に大きな圧力をかけることができます。相手は必然的にサンダーやウツロイドを出しづらくなり、反面、砂始動役やドリュウズに強く出られるカプ・レヒレゴリランダーなどの選出が強制されます。そのため、こちらはドリュウズの裏からサンダーなどの本来メタられているエースポケモンを通すこともできるようになり、戦闘を有利に進めやすくなります。まとめると、現環境での基本選出に対して高い圧力をかけられるのがドリュウズドリュウズの強みであり、これが現環境においてドリュウズドリュウズを砂パエースとする構築が強いと言える理由になります。
一方、ドリュウズと組み合わせる砂の天候始動役としては、前述の通りバンギラスカバルドンギガイアスサダイジャなどが候補に挙げられます。この中で、私はギガイアスギガイアスが以下の理由より、最も砂始動役に適していると考えます。
- 大爆発による自主退場能力
→対面に負荷(1:1交換さえ狙える)をかけつつ長い砂ターンをドリュウズに渡せる
- 砂嵐下で物理・特殊ともに高耐久(かつ4倍弱点がない)
→行動保証があり腐りにくい
- タイプ相性上ダイジェットを撃たれにくい
→ドリュウズがほぼ確実に相手の先手を取れる状態が作れる
上記3点を全て満たすことができるのはギガイアスのみです。1ターン目でステロを撒き、2ターン目に大爆発で対面に圧力をかけながら自主退場することで、後続のドリュウズに砂嵐を3ターン分、安全な状態で渡すことが可能になります。しかし、ギガイアスはS種族値25と超鈍足であり、確2がとれている相手には2ターン目で大爆発を撃つ前に処理されてしまいます。また、ウオノラゴンなどの超火力の前では何もできずに出落ちしてしまいます。このような状況でも確実に役割遂行(最低限ステロ、あわよくばステロ+1アクション)できるよう、こらえるを採用してイバンの実を持たせます。これにより、先制技を持たない相手に対し確実にステロ(+こらえる)+大爆発を決めることができるようになります。こらえるを使用した場合、ステロ+大爆発込みで3ターン消費してしまうため、後続エースが使える砂ターンは2ターンとなりますが、それでも対面の相手が大きく削れた状態でドリュウズ側が上を取れる状態(砂嵐状態)を作れることと、相手後続の頑丈・襷が潰せていることを考慮するとかなりのアドバンテージが取れていると言えるのではないでしょうか。
また、こらえる+イバンの実のコンボは相手のDMを枯らさせる非常に強い動きを可能にします。具体的には、相手のDMおよび等倍/半減DM技(ダイジェットなど)を読んでギガイアスを後投げし、次ターンはこらえるでDM技をさらに耐え、最後の3ターン目にイバンの実発動→先制大爆発を決めることで、相手のDMをギガイアスのみを使って枯らすことができます。この動かし方を覚えておくと、ギガイアスを先発で投げずに、クッションとして相手DMを枯らしながら後続エースに繋げる立ち回りが可能になる他、この立ち回りは砂かきでない味方後続エースにも切り返しのチャンスを繋げられるので、ギガイアスの選出の幅がぐっと広がります。
まとめると、以下の点が本論のギガイアスの強みであり、PTへの採用理由になります。
- 高耐久による行動保証と(相手への高い圧力を伴う)自主退場能力により、現環境に刺さりの良い砂かきドリュウズの強さを最大限生かせるサポート性能
- (マイナーで読まれにくい)こらえるイバン大爆発コンボによる相手DMの枯らし性能
採用理由と役割
ほとんど上述していますが、あらためて書くと以下の通りです。
- 砂かきエース(ドリュウズ)の抜き性能を高める起点作成役
- その他DMエースの全抜き性能を高められるステロ要員
- 相手DMを枯らすクッション役
持ち物
イバンの実で確定とします。持たせると残りHPが1/4以下となった際、次ターンの行動が速くなります(ただし、先制技の上からは行動できません)。ドリュウズなどの砂かきエースに繋ぐだけなら、さらさら岩なども持ち物の候補に挙がりますが、現環境ではイバンの実発動から先制大爆発をすることが、相手DM技の追加効果を発動させなかったり、対面と1:1交換を狙えたりと有用である他、イバンの実採用なら砂かきエースと同時選出しなくても汎用的に使えるため、本論では他の持ち物は却下とさせていただきます。
特性
あくまで砂かきエースとの運用を前提としているため、砂起こしで確定とします。砂かきエースと組ませない場合、行動保証がある特性頑丈も候補にはなり得ますが、砂起こしでないギガイアスはジバコイルなどと同様に頑丈イバンの実を少なからず警戒されるため、大爆発を透かされるリスクが高まります。何より砂かきドリュウズと組み合わせてほしい型になりますので、どうしても頑丈で採用したい場合は別の育成論を参考にしていただければと思います。
性格
- 意地っ張り
大爆発の火力を上げて対面処理できる範囲を増やしたいため、Aに補正がかかる意地っ張りで確定とします。
実数値(努力値)
H:191(244) A:199(204) B:158(60) C:xx D:100(0) S:45(0)
<調整意図>
H:16-1調整(定数ダメージ最小限)
A:大爆発+砂ダメ2回で無振ウーラオス(いちげき)を確定1発
B:A特化水ウーラオス(いちげき)水流連打を超高乱数耐え(93.8%)
D:砂嵐下でC特化眼鏡カプ・レヒレ波乗りを高乱数耐え(87.5%)
先発で対面しやすい相手として、襷やスカーフ持ちの水ウーラオス(いちげき)を意識した調整にしています。スカーフ持ちが多いのかイバンの実が警戒されないのか分かりませんが、水流連打を耐えた次のターンにアクジェをあまり撃たれないので、相手依存とはなりますがステロ+イバン大爆発がうまく決まることが多いです。(先発鉢巻ウーラオス(いちげき)が流行りだしたら涙を流しましょう)
砂嵐によるD補正のおかげで特殊耐久も非常に高く、殆ど出落ちしないので特性頑丈でなくても十分役割をこなせます。
技構成
<確定技>
- ステルスロック
初手は基本的にこの技から入ります。交代際にスリップダメージを与えられる技で、後続エースの全抜きを止める相手の襷持ちや頑丈ポケモンを無力化することができます。最悪、砂嵐の発生とステロ撒きができればこのギガイアスの仕事としては十分なケースもあります。
- 大爆発 威力:250 命中:100
使用後瀕死になる代わりに相手に大きな負荷をかけられる大技です。砂嵐やステロを撒いた後、後続を速やかにかつ安全に場に着地させるために必要な技となります。イバンの実と組み合わせて先制で使うことで、後攻の相手DM技を透かしてダイナックル等の追加効果の発動を防げる点も優秀です。火力指数はC特化珠サンダーのダイサンダー(10万ボルトベース)以上となり、相手DMに対しても高い負荷をかけられるため後続エースの処理圏内に入れやすくなります。
- こらえる
使用したターン、どんな技を受けてもHPが1だけ残ります。相手のDM技を受けるのに用いたり、ギガイアス自身のHPをイバンの実発動圏内まで確実に持っていくために使用します。様子見などで安易に使おうとすると逆に積み技を撃たれたり起点にされやすくなるので、使うタイミングには注意しましょう。
<候補技>
残り1枠の技は自由選択になります。組み合わせるエースポケモンに合わせて、最適と思えるものを選んでください。基本的には大爆発の代わりに撃てる技が使いやすいです。
- 岩石封じ 威力:60 命中:95
相手のSを1段階下げる追加効果があります。大爆発の効かない黒バドレックス(こくば)などに対して撃つことで、後続で対応しやすくなるのではと考えています。後続エースが相手の上を取れるようにするという点では優先度の高い技になるかと思います。
- 地ならし 威力:60 命中:100
岩石封じと同様の追加効果を持ちますが、大爆発を半減で受けられる鋼や岩に刺さります。飛には無効ですが、命中安定なのは大きなメリットであると言えます。ザシアン(王)の削り+Sダウンを強く意識する場合はオススメです。
- ロックブラスト 威力:25 命中:90
ミミッキュと対面した際に欲しくなる技です。アッキの実ミミッキュの削りを任せたい場合は採用するといいと思います。
- 重力 ※2/16追記
5ターンの間、浮いているポケモンが地面に降りてきます。サンダーやテッカグヤに後続のドリュウズの地震やダイアースが通るようになるため、ドリュウズの抜き性能が上昇します。(交代されると効果が解けてしまう「撃ち落とす」は採用候補外とします。)
また、重力下では技の命中率が1.67倍になるため、ドリュウズの岩技やゴリランダー意識の10万馬力、サンダーの暴風といった命中率60%までの命中不安定技が当たるようになります。後続の技外しによる運負けを防げるのは大きな採用理由になり得るかと思います。
なお、重力下では飛び跳ねるや飛び膝蹴りなど一部の技が使用できなくなるため、自身の後続ポケモンに悪影響がないかにも注意して採用してください。
その他、候補となり得そうな技がありましたらコメントにて教えていただけると幸いです。
与ダメージ
- 大爆発
無振ウーラオス(いちげき) 89.1〜105.1%(砂ダメ2回込で確定1発)
無振DMエースバーン 63.5〜74.8%
無振霊獣ランドロス(霊獣)※威嚇込 69.5〜82.3%
HB特化霊獣ランドロス(霊獣)※威嚇込 45.4〜53.5%
H252カバルドン 63.2〜74.4%
HB特化カバルドン 46.9〜53.3%
H244輝石ポリゴン2 59.1〜70.1%
無振カプ・レヒレ 95.8〜113.1%(砂ダメ込で確定1発)
H252カプ・レヒレ 78.5〜92.6%
無振DMサンダー 53.9〜63.6%
H252DMサンダー 45.1〜53.2%
無振ゼルネアス 81.0〜95.5%(イベルタルも同様)
(砂ダメ込で12.5%の低乱数1発
- 岩石封じ
無振バドレックス(こくば) 38.2〜46.2%
- 地ならし
無振ザシアン(王) 40.7〜47.9%
その他載せてほしいものがありましたらコメントお願いします。
被ダメージ(特殊技は砂嵐下を想定)
A252ウーラオス(いちげき)インファイト 81.6〜97.3%
特化ウーラオス(いちげき)インファイト 89.0〜106.8%(37.5%の中低乱数1発)
A特化水ウーラオス(いちげき)水流連打 84.8〜103.6(6.2%の超低乱数1発)
A252珠エースバーンダイナックル 79.0〜93.7%
無振カバルドン地震 50.2〜59.6%
C特化眼鏡カプ・レヒレ波乗り 85.8〜101.5%(12.5%の低乱数1発)
C252珠バドレックス(こくば)アストラルビット 67.5〜79.5%
C252珠イベルタルダイアーク(悪の波動ベース) 80.1〜95.8%
その他載せてほしいものがありましたらコメントお願いします。
注意すべき立ち回り
基本的には前述した通り、先発でステロ→(こらえる→)大爆発と動くか、相手のDMに合わせて後投げ→こらえる→大爆発と動くのがメインの立ち回りとなります。しかし、高種族値な伝説環境ともあり、先発では必ずしも思考停止でステロを撒けるわけではありません。先発で下記のポケモンと対面した場合は以下のように立ち回ることをオススメします(無論、絶対的な解ではありませんのでご容赦ください)
巨獣斬(きょじゅうざん)でワンパンされます。かといって、身代わり持ちを考慮すると迂闊にこらえるは撃てません。対面したら泣きながら大爆発(地ならし採用なら地ならし)を押しましょう。削れた状態なら、後続に砂かきドリュウズを入れていれば上から地震で制圧できるのでそこでなんとかしましょう。
ステロは撒かせてもらえますが、パワフルハーブジオコントロールという恐ろしいコンボを決められてしまいます。ジオコントロール後の技は耐えられないので、積まれた後はこらえる→大爆発の流れが安定行動になります。後続がチョッキ砂かきドリュウズなら切り返しがきくので大きな心配は必要ないです。
- 先制技持ち
先制大爆発が失敗する可能性が浮上します。こらえるを見せると100%イバンを警戒されるので注意してください。ステロを撒いた後のHPの残量次第では、一旦引っ込めて後でクッションにすることもできるので柔軟に立ち回りましょう。安易にこらえるを撃たないことが重要です。
- 霊タイプ全般
大爆発が透かされるのであまり旨味がないです。ステロを撒いた後は一度引っ込めて後でクッションにした方が強いケースが多いです。特に壁貼りドラパルトに対しては、壁ターンを枯らした方が強い動きになるので安易な退場は控えましょう。
相性の良い味方
冒頭で紹介させていただいたチョッキ砂かきドリュウズ(育成論ソードシールド/2294)が非常にオススメです。剣舞型や弱保型も超火力が出せていいのですが、チョッキ持ちにすることで特殊相手に対しDMを切らずともある程度戦えるようになり、試合の中でDMを裏のエースに切る選択肢が生まれるため、戦術の幅が広がります。また、前シーズンで多かった受け回しに対して角ドリルが刺さるのも高評価でした。ヌオードヒドイデなど、ザシアン(王)に強い受け寄りのポケモンは今後も環境に一定数残ると予想されるので、一撃必殺持ちのフルアタチョッキ型が環境最適解だと個人的には思います。
ギガドリ解説の項で触れた通り、ギガドリの並びが呼ぶ水や草(カプ・レヒレゴリランダー)に対して強く、サンダーが呼ぶ岩や氷にギガドリが強いため相性抜群です。試合の中でドリュウズかサンダーのどちらにDMを切るか選べるのもこの並びの強みであると言えます。
ギガドリに高負荷をかけてくるウオノラゴンに強い他、エースバーンに強いのが優秀な点です。スカーフを持たせて先発に出し、本論のギガイアスをクッションにドリュウズや他DMエースを出して場を荒らした後、カプ・レヒレで詰める動きが強そうです(試してはいませんが)。呼ぶ電・毒をドリュウズが両無効にできる点が優秀です。
その他、今後強力な型が開拓されていくであろう伝説のポケモンとの相性についても、今後考察し追記していこうと思います。