厳密な完全劣化ではないが、「採用理由は愛」ダグを付ける。低速受けサイクルの崩しという主要採用理由を満たしつつ、より高い汎用性を確保できるポケモンが他にもいるため。
採用理由
- 積み技による低速(受けサイクル)の崩し性能
- ある程度の対面性能 (案1は満たさず、案2は特殊耐久+カムラの実、案3は襷+凍える風による)
- マジフレによる起点作り/DM枯らし
- 竜の一貫切り
このバリヤードの強み
- 悪巧み+一致サイコショック
ショックを持つことで擬似的な両刀ATとなれる。悪巧みも併せて採用することで、特殊ATながらハピナスラッキー等の数値特殊受け入りの低速サイクルに強い。瞑想と比べると、耐久上昇がないため積むタイミングがシビアになるが、一度積んでしまえば崩すのが速い点で優れる。
- 広範囲な特殊ウェポン
タイプ一致の超妖に加えて炎/草/氷/電/闘/霊/無という多様な特殊技を揃え、上から弱点を突ける相手には強く出れる。例えば、ドヒドナットドヒドイデナットレイ/ドヒドヌオードヒドイデヌオー/ガアトドンアーマーガアトリトドンといった組み合わせに対して双方に抜群で通る技を持つことができる。
- 低速特殊ATに強い
H40-D120という高めの特殊耐久と弱点が毒以外物理寄りであることから、特殊との撃ち合いにある程度強い。特性の防音/フィルターも一部の特殊を相手にする上で有効に働く。加えて、S90というそこそこの素早さからマジフレを扱えるため、確定C↓を低速相手のタイマン性能向上/悪巧みの起点作り/ダイマターン稼ぎなどに応用できる。
似た運用が可能なポケモンとしてはサーナイトカプ・テテフアグノムなどが挙げられる。悪巧みによる崩し速度とマジフレによる炎打点や対特殊AT性能の確保が苦しいながらも優位点となる。差別化の詳細は附録1を参照のこと。
仮想敵
起点対象:低火力特殊カプ・レヒレスイクンドヒドイデトリトドンハピナスヤドキング(ガラル)モロバレル
悪巧み後処理可能:受けナットレイエアームドサニーゴ(ガラル)
対面処理可能:中低速特殊ラプラスアシレーヌウォッシュロトムヒートロトムヌメルゴンストリンダー(ハイ)
[サブウェポンの選択による追加]
エナボ:ヌオーラグラージカバルドンナマコブシ
マジシャ:バルジーナブラッキー
気合い玉:バンギラスヒードランブラッキー
[案1のみ追加]
起点対象:受けポリゴン2ラッキー/音技使いニンフィア
悪巧み後処理可能:受けアーマーガアクレベースカビゴン(カプ・ブルル)
[案2のみ追加]
対面処理可能:毒(アーゴヨンウツロイド)ゲンガー/竜ドラパルトラティオスサザンドラ/闘フェローチェ/高速紙耐久(カプ・コケコ)
[案3のみ追加]
対面処理可能:氷4倍ランドロス(霊獣)ガブリアスカイリュー(ボーマンダ)/竜(ドラパルト)ラティオスパッチラゴンサザンドラ/毒アーゴヨンウツロイドゲンガー/闘(フェローチェ)/炎4倍カミツルギハッサムアイアント
ベースライン
具体的な構成案の前に、採用理由に基づいた構成の根幹となる部分を提示する。これ満たす範囲であれば、好みや構築次第でカスタマイズしても基本性能を損なわない。
今回のバリヤードは技のみで採用理由を満たす。すなわち以下の構成である。
サイコショック/マジカルフレイム/悪巧み/自由枠
悪巧み
崩しの要となる積み技。
サイコショック
特殊数値受けハピナスラッキーに通るメインウェポン。ドヒドイデモロバレルの弱点をつけること、ウツロイド/瞑想カプ・レヒレアシレーヌスイクンニンフィア/チョッキ持ち全般に通りやすいこともよい。
マジカルフレイム
ナットレイアーマーガア等の処理速度、超技との範囲補完、確定C↓による対面性能/起点作り性能の向上、これらを考えるとサブウェポンの中でも頭一つ抜ける。
C無補正無振りでもC+2ショックでH330-B62ハピナスを残飯込みで確定2発にできるため、配分(性格/努力値)については特に指定はないものとする。また、特性・持ち物についても採用理由を満たすために必要な指定はない。なお、特性の選択については論末の附録2も参照。
候補技
技構成の残りの1枠については案1と2で共通なため、先に一括で解説する。
マジカルシャイン
もう1つの一致技。低速受けサイクルに刺さることは多くはないが、汎用性を意識するなら優先度は高い。
気合い玉
受けループのバンギラス意識。命中不安は懸念点だが、鋼ヒードランナットレイジバコイルへの打点にもなるためマジフレとの入れ替えも可。
エナジーボール
受けループの天然ヌオー意識。ウォッシュロトムカプ・レヒレアシレーヌラプラストリトドン等の中低速特殊に刺さるためバリヤードの性能とも噛み合う。
身代わり
毒毒ドヒドイデヌオー/欠伸ニンフィアトリトドン/キノコの胞子モロバレル等の補助技を避けて積みの起点を作る。低速ポケモンのダイマ枯らしにも。
アンコール
相手の行動を補助技で固定し積みの起点を作る。ダイマを誘発する点に注意。
挑発
補助技対策という意味で用途は身代わり/アンコールと似るが、再生技ポリゴン2ハピナスドヒドイデや黒い霧ドヒドイデなどを封じることができる点で優れる。
バトンタッチ
悪巧みのC↑↑を後続に引き継ぐ。差別化としても重要な技だが、うまく活かすには構築単位での調整が必須。
優先度の目安はそれぞれの構成案にて示す。
構成案1:防音HC帯
- コンセプト
C特化+帯で火力を伸ばすことで低速受けサイクルに入るポケモンへの確定数をずらし、崩し速度を限界まで引き上げる。
性 格:控え目
努力値:H172 B4 C252 D4 S76
実数値:137-45-86-167-141-120
特 性:防音
技構成:サイコショック/マジカルフレイム/悪巧み/自由枠
持ち物:達人の帯
- 配分
H:4n+1調整(身代わりを4回使用可能)
B:A108アーマーガアのアイヘを最高乱数以外耐え
C:C+2ショックでH157-B224ドヒドイデを確定1発/H325-B62輝石ラッキーを99.6%の高乱数2発/H191-B111輝石ポリゴン2を82.0%の高乱数2発/H177-B183カプ・レヒレを78.9%の高乱数2発 / C+2マジフレでH205-D106アーマーガアを確定1発
D:C126ポリゴン2のC-1トラアタが確定5発(身代わりが確定耐え)
S:準速67族アーマーガア抜き
火力面は乱数が絡むため特化。(純正)受けループに入るポケモンで最も足の速いアーマーガアの上をほぼ取れるように振ると、Sを抑えた中速特殊ウォッシュロトムヒートロトムヌメルゴンストリンダー(ハイ)も抜ける。残りを耐久指数最大に。
物理耐久 (指数:137*86=11,782)
A45 タイプ一致イカサマ 20.4%~24.8%
A182ガブリアス 地震 87.5%~103.6%
A211ギルガルド(ブレード) 影討ち 83.2%~97.8%
A108アーマーガア アイアンヘッド 84.6%~100.7%
A182ウーラオス(いちげき) 暗黒強打(確定急所) 105.1%~124.8%
A121テッカグヤ ヘビーボンバー(威力120) 140.1%~166.4%
特殊耐久 (指数:137*141=19,317)
C73 ドヒドイデ 熱湯 18.2%~21.8%
C131ニンフィア マジカルフレイム 19.7%~23.3%
C126ポリゴン2 C-1トライアタック 19.7%~24.0%
C147カプ・レヒレ ムーンフォース 41.6%~48.9%
C150ラプラス DM絶対零度 56.9%~67.8%
C172ウォッシュロトム 眼鏡ハイドロポンプ 83.2%~98.5%
C182ゲンガー シャドーボール 84.6%~102.1%
C179アーゴヨンウツロイド ヘドロウェーブ 100.7%~119.7%
- 特性
- 技構成
サイコショック
H185-B77 ウツロイド 128.6%~151.8%
H157-B224ドヒドイデ 52.2%~64.3%
H202-B150ヌオー 25.2%~30.1%
H325-B62 ラッキー(輝石) 25.2%~29.8%
H191-B111ポリゴン2(輝石) 24.0%~28.7%
H177-B183カプ・レヒレ 23.7%~28.8%
マジカルフレイム
自由枠の優先度の目安は、エナジーボール=身代わり>気合い玉=アンコール=挑発>その他、くらいだと考える。
エナジーボール
ヌオー入りに出しやすくなる。仮想敵が軒並み中低速であるためHCベースの配分ともマッチする。
- 持ち物
ドヒドイデアーマーガアへの確定数をずらすことができ、かつ技の打ち分けをするために達人の帯。等倍火力を求める場合は珠もなしではないが、受け回しに対して自ら消耗するのは不利に働くことが多い。
HP管理をするための残飯/オボン/混乱実等も候補にあがるが、その場合は瞑想サーナイトとの差異がやや怪しくなる。
- 性能
Cに性格補正をかけることでH振りポリゴン2/図太いラッキー程度なら押し切れる火力が出せる。黒い霧ドヒドイデやミラーアーマーアーマーガアなど厄介な性能を持つ相手を悪巧み後に一撃で飛ばせる点もよい。崩しに特化しているため対面性能/汎用性は相対的に低く、物理耐久の低さもあり上から殴られるのには非常に弱い。したがって、起点対象がいない構築への選出は困難。
構成案2:フィルターCSカムラ
- コンセプト
フィルターを活用した1発耐える耐久調整とカムラの実のS↑により、対特殊の対面性能と悪巧みと併せた抜き性能を強化する。
性 格:臆病
努力値:H52 B12 C220 D4 S220
実数値:122-45-87-148-141-151
特 性:フィルター
技構成:サイコショック/マジカルフレイム/悪巧み/自由枠
持ち物:カムラの実
- 配分
B:A207フェローチェの飛び掛かる=毒突きを乱数上から4つ切って耐え / A131カビゴンのヘビボンを確定耐え
C:C+2ショックでH157-B173ドヒドイデを最低乱数以外1発
D:C182ゲンガー/C179アーゴヨンウツロイドのヘドウェを最高乱数以外耐え / C194サザンドラのDM悪波=DMラスカノを確定耐え
S:準速98族サザンドラ/最速85族カプ・レヒレスイクン抜き / S+1で最速フェローチェ+3
カムラも考慮して、Sに振り切った中速特殊を抜けるように素早さのラインを設定。フィルター込みでアーゴヨンウツロイドフェローチェの攻撃を耐える耐久を確保し、残りをCに振るとHDドヒドイデを1発で処理する火力を持てる。
物理耐久 (指数:122*86=10,492)
A45 タイプ一致イカサマ 22.9%~27.8%
A108アーマーガア アイアンヘッド 69.6%~81.9%
A187ボーマンダ ダブルウイング (40.1%~47.5%)*2
A131カビゴン ヘビーボンバー(威力120) 83.6%~99.1%
A207フェローチェ 飛び掛かる=毒突き 88.5%~104.0%
A142ミミッキュ A+2影討ち 91.8%~108.1%
A121テッカグヤ ヘビーボンバー(威力120) 115.5%~137.7%
特殊耐久 (指数:122*141=17,202)
C73 ドヒドイデ 熱湯 20.4%~24.5%
C126ポリゴン2 トライアタック 34.4%~40.1%
C147カプ・レヒレ ムーンフォース 46.7%~54.9%
C194サザンドラ DM悪の波動=DMラスターカノン 83.6%~98.3%
C182ゲンガー ヘドロウェーブ 84.4%~100.8%
C147カプ・コケコ EF眼鏡10万ボルト 84.4%~100.8%
C167ドラパルト 珠シャドーボール 86.0%~102.4%
C169ウツロイド C+1メテオビーム 99.1%~118.0%
- 特性
耐久調整をフィルター込みで行なっているため確定。カムラが発動する機会が増える。
- 技構成
サイコショック
H185-B77 ウツロイド 94.0%~111.3%
H157-B173ドヒドイデ 50.9%~61.1%
H157-B224ドヒドイデ 39.4%~47.1%
H330-B68 ハピナス 30.0%~35.4%
H325-B62 ラッキー(輝石) 22.4%~26.7%
H191-B111ポリゴン2(輝石) 21.9%~25.6%
マジカルフレイム
H134-D51 カミツルギ 244.7%~289.5%
H181-D137ナットレイ 68.5%~81.7%
H185-D86 ドリュウズ 52.9%~62.7%
H205-D106アーマーガア 39.0%~46.8%
自由枠の優先度の目安は、マジカルシャイン>身代わり=バトンタッチ>アンコール=挑発>その他、くらいだと考える。
マジカルシャイン
S振りにより最速パッチラゴン/準速サザンドラウーラオス(いちげき)、カムラ発動後ならばドラパルトなどの上から打てる。等倍最高打点であるため、抜き性能を最も高める。
H167-D111サザンドラ 143.7%~172.4%
H175-D80 ウーラオス(れんげき)(連撃) 96.0%~114.2%
H163-D96 ドラパルト 85.8%~103.0%
H145-D96 カプ・コケコ 48.2%~57.9%
H207-D120バンギラス(砂) 35.7%~43.4%
身代わり
カムラ発動のためのHP調整としても使える。
バトンタッチ
カムラのS↑も引き継げるため好相性。
- 持ち物
S↑により対面性能/抜き性能の向上が期待できるカムラの実で確定。
- 性能
フィルター+カムラによりフェローチェドラパルトカプ・コケコアーゴヨンゲンガーウツロイド/DMサザンドラ等に対面で勝てる可能性が生まれた。CSにバフをかける手段があるため終盤スイープの仕事もできる。汎用性がやや向上したのと引き換えに、Cラインを落としているため崩し枠としての性能には若干不安がある。ポリゴン2ラッキー等に対しては悪巧み1積みでも3発必要なため、周りで予め削ったり悪巧みを2回積んだりと立ち回りで解決しなくてはならない。
構成案3:テクニシャンCS襷
- コンセプト
性 格:臆病
努力値:C252 D4 S252
実数値:115-45-85-152-140-156
特 性:テクニシャン
技構成:サイコショック/マジカルフレイム/悪巧み/凍える風
持ち物:気合いの襷
- 配分
C:H196-D100ランドロス(霊獣)がテクニこご風で乱数下から3つ切って1発 / C+2ショックでH157-B173ドヒドイデを確定1発
D:端数(C126ポリゴン2のC-1トラアタの乱数が動く)
S:最速 / 準速102族ガブリアス/最速88族ドリュウズ+2
襷持ちなのでCS振り切りで問題ない。控え目にすると準速ボーマンダサザンドラウーラオス(いちげき)/最速カプ・レヒレカイリューなどが抜けなくなるため非推奨。
物理耐久(指数:115*85=9,775)/特殊耐久(指数:115*141=16,215)ともに案2よりやや低い程度であるため、被ダメ計は省略(抜群技に対してフィルター補正がないことに注意)。また、火力は案2よりやや高い程度であるため、凍える風以外の与ダメ計も省略。
- 特性
こご風の威力を底上げできるテクニシャンで確定。
- 技構成
自由枠は凍える風でほぼ確定。抜群範囲が広いのもさることながら、S操作がタイマン性能の底上げやダイジェットに対する起点回避にもなる点が強い。
H183-D106ガブリアス 98.3%~115.8%
H196-D100ランドロス(霊獣) 95.9%~114.2%
H167-D111サザンドラ 51.4%~61.0%
H185-D86ドリュウズ 29.7%~35.1%
- 持ち物
物理AT相手にも行動保証を得るために気合いの襷で確定。
- 性能
襷による行動保証のおかげで物理を含めた多くの相手と撃ち合うことができ、タイマンならアーゴヨンウツロイドガブリアスサザンドラランドロス(霊獣)パッチラゴン等に高確率で勝てる。カイリューボーマンダはダブルウイングに注意(陽気かつ持ち物なしなら高乱数で耐える)。襷+S操作技持ちなので選出のしやすさや先発適性もそこそこ高い。崩し性能の不足は案2同様立ち回りで補う必要がある。
運用
竜/闘技と音技(防音採用時)以外に対する後出し性能は皆無なので、基本的には得意な相手に死に出しする形になる。低速特殊相手には半減だろうとマジフレが打ち得。ラプラス等の低速がダイマを切ってくれば非常に美味しく、並火力の特殊であれば次のターンに悪巧みを積んで崩しにいく動きが狙える。ただし、悪巧みのターンに速いポケモンを後出しされると無駄に終わるためタイミングは慎重に。悪巧みを積むことに成功してもポリゴン2アーマーガアなどにダイマを切られると簡単に押し切られるので、タイミングが読めるなら一旦引くかこちらもダイマするなどして対応する必要がある。
構築
受け回しの突破手段に乏しい構築に採用できる。案2や3であれば対面性能もある程度あるので対面構築などにも向く。苦手なポケモンが多いため補完は難しいが、速いポケモン、特に物理AT全般にめっぽう不利なのでその点を補える味方とは相性がよい。さらにいえば、とにかく死に出しの機会が欲しいポケモンであるため蜻蛉/ボルチェン等で有利対面を創出できるポケモンがいると活躍の幅が広がる。以下具体例。
附録1:差別化詳細
論の冒頭にも示した通り、低速受けサイクルへの崩し性能を持ちながら汎用性を確保できるポケモンはそれなりに多い。崩しの手段はかなり豊富ですべてと比較することは難しいため、このバリヤードと似たような性能を持つか、似たような手段を取れるもののみに絞って記載する。すなわち、「超妖複合」か「 悪巧み+一致サイコショック持ち」のみに限定して行う。
- サーナイトサーナイト
[構成サンプル]
臆病HS ムンフォ/ショック/瞑想/身代わり@残飯
控え目HC ムンフォ/ショック/マジフレ/叩き@チョッキ
臆病CS ムンフォ/ショック/マジフレ/トリック@スカーフ
・悪巧みによる崩しの速さ;1積みでH振り輝石ポリゴン2/B振り輝石ラッキーが2発/H振りアーマーガアが1発
・バトンタッチ (採用時)
・防音;対ニンフィアアシレーヌ(ラプラス)ストリンダー(ハイ) (案1)
・10高いS;準速リザードンサザンドラウーラオス(いちげき)/最速ドリュウズカプ・レヒレトゲキッス等を抜ける (案2/3)
・テクニシャン補正の載る凍える風;H振りランドロス(霊獣)が1発等 (案3)
- カプ・テテフカプ・テテフ
[構成サンプル]
臆病HS ムンフォ/ショック/瞑想/身代わり@残飯
控え目HC ショック/10万/自然の怒り/挑発@オボン
○マジフレの炎打点/起点作り性能
○凍える風/アンコール/バトンタッチ (採用時)
○防音;対ニンフィアアシレーヌラプラスストリンダー(ハイ) (案1)
- ガラルギャロップギャロップ(ガラル)
[構成サンプル]
臆病HS ショック/マジフレ/瞑想/日差し@残飯
穏やかHD 角ドリル/マジフレ/身代わり/日差し@残飯
○特殊火力+悪巧み
○草打点/凍える風/アンコール/バトンタッチ (採用時)
○防音;対ニンフィアアシレーヌラプラスストリンダー(ハイ) (案1)
- ブリムオンブリムオン
[構成サンプル]
控え目HC マジシャ/ショック/マジフレ/瞑想@残飯
控え目HC ショック/シャドボ/瞑想/魔法の粉@残飯
○悪巧みによる崩しの速さ;1積みでH振り輝石ポリゴン2/B振り輝石ラッキーが2発/H振りアーマーガアが1発
○61高い素早さ;大抵の受けラッキーハピナスポリゴン2アーマーガアを抜ける
○格闘打点/凍える風/アンコール/バトンタッチ (採用時)
○防音;対ニンフィアアシレーヌラプラスストリンダー(ハイ) (案1)
- アグノムアグノム
[構成サンプル]
控え目HC ショック/放射/悪巧み/身代わり@残飯
○高めの特殊耐久+マジフレ;悪巧みの積みやすさと対特殊AT性能
○悪等倍/竜無効かつ一致マジシャ;vsイカサマ/サザンドラ等
○凍える風 (採用時)
○防音;対ニンフィアアシレーヌラプラスストリンダー(ハイ) (案1)
悪巧み+一致サイコショック+炎技を並立可能な面々。特殊火力/特殊耐久/(仮想敵を抜ける)素早さ/技範囲/タイプ耐性のうち複数の要素で差別化を完了するため詳細を省略する。
附録2:バリヤードとサーナイトカプ・テテフの性能比較
バリヤードを考察するうえで意識せざるを得ないのは、同じ妖超複合のサーナイトカプ・テテフの存在である。後述するとおり、バリヤードはサーナイトカプ・テテフと似た性能を持つものの全体的に劣っているため、差別化を図ろうとすると非常に苦労する。よってこの項目では、バリヤードとサーナイトカプ・テテフの性能差とそれを踏まえて筆者が本論で悪巧み型を提案するに至った経緯について解説する。なお、同複合タイプには他にブリムオンギャロップ(ガラル)がいるが、種族値傾向が異なることからここでの比較対象からは外す。
- 種族値
バリヤードバリヤード :40-45-65-100-120-90
サーナイトサーナイト :68-65-65-125-115-80
カプ・テテフカプ・テテフ:70-85-75-130-115-95
無振り時の耐久指数
物理:カプ・テテフ13,775 > サーナイト12,155 > バリヤード9,775
特殊:カプ・テテフ19,575 > サーナイト19,305 > バリヤード16,100
バリヤードサーナイトカプ・テテフの種族値は非常に似ている。すなわち、1.高めのC、2.中速、3.並以上の特殊耐久、4.低い物理耐久、である。しかし、バリヤードは他の2種に勝る点がほぼなく、特にカプ・テテフと比べると数値上完全下位互換になっていることが分かる。サーナイトにはSのみ勝っているが、火力と耐久で大きく水をあけられているため汎用性では数段劣る。S80族~90族にはトゲキッスカイリューギャラドスカプ・レヒレドリュウズファイヤー(ガラル)等がひしめくため決して小さな差ではないが、これらを確実に抜くためにS補正をかけると不足気味の火力がさらに心許なくなる点には注意が必要。
- 特性
サーナイトのトレースは、威嚇ランドロス(霊獣)ボーマンダギャラドス/リベロエースバーン/マルチスケイルカイリューなど相手の強特性を貰うことで自身の性能を強化できるほか、貰い火ヒードラン/貯水ラプラス/蓄電ボルトロス(霊獣)をトレースしながら受け出しができるなど立ち回りにも応用が利く。カプ・テテフのサイコメイカーは、場に出るだけで超技の火力補強/悪戯心を含む先制技の無効化/フィールドの塗り替え等を一挙に実現し、特にスカーフやメガネを持たせて上から高火力を押し付けるような運用と噛み合いがよい。どちらも汎用性が高く、非常に優秀な特性であるといえる。
対して、バリヤードの特性は贔屓目に見てもピンポイント気味である。以下で個別に解説するとおり特定の状況において有用ではあるが、特性を理由にサーナイトカプ・テテフを差し置いてバリヤードを採用するかといえば大抵の場合ノーだといえる。その意味で、あくまで差別化要素の1つと捉えるべきだろう。
防音
音系の技を受けない。
対戦環境(シングル)で見かける音技
泡沫のアリアアシレーヌラプラス/オーバードライブストリンダー(ハイ)/騒ぐポリゴンZ/バークアウトストリンダー(ハイ)ブラッキー/ハイパーボイスニンフィア/爆音波ストリンダー(ハイ)オンバーン/スケイルノイズジャラランガ/不気味な呪文ヤドキング(ガラル)/虫のさざめきウルガモス/歌うラッキー/捨て台詞ガオガエンシルヴァディタイプ:ヌル/吠えるバンバドロ/滅びの歌アシレーヌラプラスマリルリ
音系の攻撃技はすべて特殊技であり、Dが高めなバリヤードとはマッチする特性だといえる。特にアシレーヌラプラスニンフィアストリンダー(ハイ)等に対しては、Sで上回っている+マジフレによる確定C↓も併せて有利に展開することが可能。また、本来音技によって貫通される身代わりをより低リスクで使えることや、滅びの歌や吠えるが無効なため積み技を用いた居座りやバトン戦術と相性がよいことなども特筆すべき点である。まとめると、1.元から強めな相手にさらに有利になれる、2.身代わりや積み技(+バトン)とのシナジー、が特徴。
しかし、音技を使うポケモンも、アシレーヌムンフォ/ラプラスフリドラ(氷技)/ストリンダー(ハイ)毒技、というように他の有効打を持っているケースは多いというのは事実である。また、環境全体で見ると音技が多いとはいえず、役に立つ場面がいささか限定的であることも否めない。さらに、サーナイトならば(相手依存にはなるが)ラプラス貯水/ストリンダー(ハイ)パンクロックをトレースすることで攻撃を無効化/半減するという動きも可能な点には留意。
フィルター
タイプ相性が『こうかは ばつぐん』の技の受けるダメージが3/4になる。例えば、2倍弱点の場合は1.5倍のダメージになる。
「抜群技を耐えるための努力値を300強節約できる特性」と言い換えると、その効果が実感しやすいかもしれない。例えば、バリヤードが臆病アーゴヨンのヘドウェを確定耐えするために必要な最小努力値は、フィルターの場合はH28D28振りなのに対して、フィルターでない場合はH252D124振りである。無振り時の耐久指数に換算すると、抜群技に対してのみ物理が13,033(サーナイトより高くカプ・テテフより低い)、特殊が21,466(サーナイトカプ・テテフより高い)までに改善する。ただし、サーナイトカプ・テテフともにCかSを削って耐久に回せば埋められる程度の差でしかないため、差別化になるかと言われればそうではないと考える。
しかし、バリヤード単体で見れば、抜群でも耐えられる攻撃が増えるのは大きなメリットである。具体的には、H68B4D4まで振るとフィルターを採用することで以下のような確定数の変化が見られる。フィルターで運用する場合は、このあたりまで振ることをオススメしたい(案2で採用)。
C182ゲンガー/C179アーゴヨンウツロイド ヘドロウェーブ 確定1発→確定耐え
C167ドラパルト 珠シャドーボール 確定1発→最高乱数以外耐え
C211ギルガルド(ブレード) シャドーボール/ラスターカノン 確定1発→確定耐え
C194サザンドラ DMラスターカノン 確定1発→確定耐え
C105モロバレル クリアスモッグ 確定3発→確定4発 / ヘドロ爆弾 確定2発→中乱数2発
C100クレッフィ 徹底抗戦 9/16耐え→確定2発
A108アーマーガア アイアンヘッド 7/16耐え→確定2発
A131カビゴン ヘビーボンバー(威力120) 確定1発→確定耐え
A207フェローチェ 毒突き 確定1発→乱数上から4つ切って耐え
テクニシャン
威力が60以下の技の威力が1.5倍になる。威力の変動する技や、威力が修正された場合は修正後の威力で判定する。
テクニシャン適用(条件付きを含む)でバリヤードが覚える主な技
アシストパワー、いびき、草結び、凍える風、マジカルリーフ、輪唱、泥棒、猫騙し
これらのうち、具体的な恩恵があるのはこご風くらいだと言える。テクニシャン補正込みで擬似冷ビとして扱うことができ、確定S↓の追加効果もある優秀なサブウェポンに化ける。確定数の観点では、臆病バリヤードならテクニシャンの有無でH振りランドロス(霊獣)が確定2発→13/16で1発になるといった変化が見られ、これはサーナイトのこご風では不可能な火力ラインである。
他の技について。草結び/マジカルリーフに関してはエナボを習得するためほぼメリットはない(なお、サーナイトカプ・テテフもエナボ/草結びを覚える)。輪唱は(技固定/行動不可という小さくないデメリットはあるが)騒ぐ/破壊光線で代替可能なうえ、抜群範囲が広がるわけでもないのでサブとしては微妙(ダイアタック前提なら他2つの方が威力が高い)。猫騙しはAが低すぎるためテクニシャンの有無にほぼ意味はないだろう。
- 技
バリヤードは覚えるがサーナイトカプ・テテフは覚えない主な技
騒ぐ、ソーラービーム、イカサマ、瓦割り、不意討ち、猫騙し、くすぐる、バトンタッチ、ファストガード、フラフラダンス、真似っこ、リサイクル、ワイドガード、悪巧み
バリヤード(カプ・テテフ)は覚えるがサーナイトは覚えない主な技
雷、鉄壁
バリヤード(サーナイト)は覚えるがカプ・テテフは覚えない主な技
マジカルフレイム、マジカルリーフ、凍える風、ワイドフォース、雨乞い、怪しい光、アンコール、催眠術、手助け、電磁波、トリック、トリックルーム、ミストフィールド、メロメロ
リストを見ると、バリヤードが覚えてカプ・テテフが覚えない技には有用なものもかなり多いが、サーナイトに関してはそうではないことが分かる。補足するなら、不意討ちは影討ちで、フラフラダンスは怪しい光で代用可能であるなど、差別化できる部分はリストの見た目よりもさらに小さい。
サーナイトカプ・テテフともに覚えない技の中で注目すべきものを選ぶなら、悪巧みとバトンタッチをあげておきたい。悪巧みは非常に優秀な積み技で、バリヤードサーナイトカプ・テテフ全員が習得する瞑想と比べると火力増強の速度に優れることが利点となる。具体的な数字で比較すると以下の通り(ただし、カプ・テテフにはPF補正があることに注意)。
悪巧み1積みC特化バリヤード;C334 > 瞑想1積みC特化カプ・テテフ;C300 > 瞑想1積みC特化サーナイト;C291
バトンタッチは構築によるところが大きいが、バリヤード単体で見れば悪巧み/瞑想/鉄壁をバトンできるため相性は悪くない。例えば、瞑想+鉄壁をバトンできるポケモンは他にバタフリー(蝶舞)ソルロックイオルブバリコオルのみ、悪巧み+鉄壁をバトンできるポケモンは他にニャイキングバリコオルのみであり、個性は出しやすい。
なお、逆にバリヤードが覚えずサーナイトカプ・テテフが覚える重要な技としてはムーンフォースが挙げられる。もともとC種族値には差があるが、この技の有無によりフェアリー技の火力に大きな隔たりが生じていることには留意したい。
猫騙し/ファストガード/ワイドガード/手助け/トリックルームなどダブル向きの差別化点は多いため、バリヤードの主戦場はダブルなのかもしれない。
- 要旨・結論
・カプ・テテフと比べると数値上は完全劣化だが、技で差別化を図ることは比較的容易。
・サーナイトにはSのみ勝るが、習得技がかなり似ているため差別化がより難しい。
・バリヤードの3つの特性はそれぞれ有用だが、サーナイトカプ・テテフとの十分な差別化になる程強力ではない。
・サーナイト(カプ・テテフ)との差別化に使えそうな技は悪巧みやバトンタッチなど。
・あらゆる手段を尽くしても、サーナイトカプ・テテフに汎用性で勝る構成にするのは現実的ではない。
以上です
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