こんにちは。初投稿となります、イガと申します。第7世代からシングルレートに潜っているものです。今回は、自分でランクマッチで使用していて非常に役割遂行能力が高いと感じたゴツメハガネールハガネールについて投稿したいと思います。初めてということもあり、たいへん文量が多く読みづらくなってしまったのですが、参考にしていただけると嬉しいです。
注意書き
- HABCDS、V等の略称を使用させていただきます。
- ダメージ計算はiOSアプリ「ダメージ計算SS」を使用させていただいております。
序論
ハガネールといえば、B種族値200という圧倒的な物理耐久と、頑丈という行動保証のある優秀な特性を持つポケモンですが、昔からエアームドエアームドというより優秀な耐性(メジャー物理技である地震が無効)・補助技(羽休め)・素早さ(S種族値70)を持つポケモンに物理受けの役割を取られてしまっている、所謂マイナーなポケモンの一角だと思います。第6世代ではメガシンカを獲得しましたが、アタッカーとしても目立った活躍ができず不遇な時代を過ごしてきました。
現在の第8世代でも、元の火力不足によりダイマックスと相性が悪く、物理受けとしてもアーマーガアや遅れて解禁されたエアームドに回復ソースの有無から(汎用性の面で)劣るという、相変わらず不遇なマイナーポケモンといえるでしょう。
ですが、きちんと役割対象を絞ればハガネールは現環境でも十分強いポケモンだといえます。今回は、受けサイクルではなく対面寄りの構築のパーツとしてHBに振り切ったゴツメ型ハガネールを紹介しますが、まず似た役割や技構成を持てるエアームドとの差別化点をあげます。
- 電気技に対する耐性
→環境に増えつつあるパッチラゴンへの牽制となり得る
- 無補正A252振エースバーンの命の珠キョダイカキュウを確定耐え(A特化でも8割以上の高乱数耐え)
→エースバーン対面でも行動保証がある(エアームドでは確定1発)
- 高火力のボディプレス(無補正A252振ドリュウズのアイへとほぼ同火力)
→対面の相手に圧力をかけやすい
また、水や格闘に抜群を取られることから、ウーラオス(いちげき)対面で相手が突っ張ってくることがほとんどです。ハガネール自体はA特化の鉢巻水流連打も耐えられるため、相手がDM(ダイマックス)を切ってきた場合を除けば、ゴツメ+ボディプレスによって悪ウーラオス(いちげき)は処理でき、水ウーラオス(いちげき)も水流連打から入ってきた場合は9割以上(ゴツメダメが3回入る)、インファイトからでも7割以上HPを削ることができます。エアームドとの対面ではウーラオス(いちげき)側は特殊アタッカー等に引いてしまう場合が殆どである点を考慮すると、実戦でより削りor処理能力があるのはハガネールであると言えます。
上記の点より、主に対物理アタッカーへの削り(→後続のエースポケモンの抜き性能向上)役として、物理受けのエアームドとは違った役割を持つハガネールを紹介させていただきます。
採用理由と役割
- ゴツメの所持が読まれない(マイナーな)物理ストッパー
- 特性頑丈により行動保証のあるステロ要員
→(主に)対物理アタッカーに対する削り・後続サポート
持ち物
ゴツゴツメットで確定です。ウーラオス(いちげき)をはじめ、ゴリランダー・ミミッキュ等多くの物理アタッカーに不意のダメージを与えられます。
特性
頑丈で確定です。HP満タン時に致死ダメージを受けてもHPが1残るので、役割破壊の特殊技等に対しても行動保証が持てます。
性格
- 呑気
後述するサブウェポンにジャイロボールを採用する場合は呑気推奨です。S個体値も最遅が望ましいです。
- 腕白
ヘビーボンバーを採用する場合は腕白で、S個体値もV推奨です。先発で対面しやすいコータスの上をとれるようになります。
実数値(努力値)
H:182(252) A:106(4) B:277(252) C:×× D:85(0)
S(呑気・最遅):31(0) S(腕白):45(0)
<調整意図>
物理受け(ストッパー)がメインであること、ボディプレスの火力を少しでも上げたいことからHBに252振りは確定です。端数はAに振るか、腕白なら同速意識でSに振ってもいいと思います。
技構成
<確定技>
- ボディプレス(火力指数:22,160)
B実数値を攻撃力に反映させられる、ハガネールのメインウェポンです。基本的に等倍相手に対する最高打点となります。
- ステルスロック
相手の後続に削りを入れたり、襷や頑丈といった行動保証を潰せます。この型のハガネールは先発にも投げやすいので撒ける機会は多いです。相手の後続に襷の採用率が高いポケモンがいたり、味方エースを通す上で対面より後続のポケモンを削りたい場合は優先して撒きたい技となります。この技の存在は、同じ頑丈持ちで高い物理耐久を誇るクレベースとの差別化にもなります。
<候補技>
鋼技+その他の技とします。格闘+鋼で十分な技範囲となります。
- ジャイロボール(火力指数:106〜23,850)
ボディプレスに耐性のある妖や霊に対する遂行技です。DMした相手にも通るため雑に使いやすいことから、確定欄ではこちらを採用しています。最遅なら、S実数値172以上の相手にはボディプレスより火力指数が高くなる計算となります。
- ヘビーボンバー(火力指数:6,360〜19,080)
重さ80kg以下の相手に対し最高威力である120が出せる計算になります。ジャイロボールの方が最高威力が高いですが、Sに振っていないミミッキュ等に対してはこちらの方が火力が出ます。
- 岩石封じ(火力指数:6,360)
相手の素早さを下げる追加効果があり、タイプ相性上ダイジェットを受けにくいこともあって起点作成技として優秀です。技範囲上も使いやすく、頑丈を盾にしてリザードンやウルガモスのような岩4倍勢に撃つこともできるため汎用性が上がります。また、腕白で採用するとコータスの上から撃てるため、脱出パックを先に発動させて行動を許さずに後続との対面を作れるというメリットも生じます。
吠える
ステルスロックと合わせてスリップダメージを稼ぎやすく、自身が相手の積みの起点になることを阻止できます。ビルドアップ型エースバーン等に有利になります。
こちら、習得しないことが判明いたしました。大変失礼致しました。
- 地震(火力指数:15,900)
パッチラゴン等の電に対する最大打点となります。ボディプレスの削りで事足りることが多く、撃ちたい機会はそう多くないです。
- 鉄壁
コメントよりご指摘を受けたので追記(20/08/21)。積める機会は限られますが、対物理の役割を広げたりボディプレスの火力を上げたりできます。剣舞アッキミミッキュが重い方などは特に一考の余地があるかもしれません。
- 自爆(火力指数:21,200)
コメントよりご指摘を受けたので追記(20/08/22)。自主退場できる起点回避技となります。Aに努力値を振っていないため火力はボディプレスに劣る程度しかありませんが、後続で有利対面を作りやすくなるので採用する価値は十分あると思います。
- こらえる
コメントよりご指摘を受けたので追記(20/10/01)。頑丈が削れた状態でも相手のDMターンを枯らしにいけたり、余計に1ターン分ゴツメダメージを稼げたりと汎用性が高いです。相手のDMを枯らすことを広く起点回避と捉えるなら、確定欄に入れてもいいくらい優先度の高い技です。
- ドラゴンテール(火力指数:6,360)
コメントよりご指摘を受けたので追記(20/10/01)。竜技であり、ダメージを与えつつ相手を強制交代させる技となります。相手の積みの起点にされることを回避したり、ステロダメージを稼げたりと私が覚えると勘違いしていた吠えるの代用になり得ますが、身代わりを貫通できないことから相手の耐久次第では逆に起点にされてしまうため、注意が必要です。
その他候補に入りそうな技がありましたらコメントお願いします。
与ダメージ(A4振で計算)
- ボディプレス
B4振水(連撃)ウーラオス(いちげき) 39.4〜46.8%
→水流連打後ならゴツメダメ込で89.1〜96.6%(次のゴツメダメを耐えられない)
※基本的に水流連打から入られるため上記の状態になることが多いです
B↓(インファ後)B4振水(連撃)ウーラオス(いちげき) 58.8〜69.7%
→ゴツメダメ込で75.4〜86.3%(次のゴツメダメを高乱数で耐えられる)
B4振悪(一撃)ウーラオス(いちげき) 78.8〜93.7%
→ゴツメダメ込で68.7%の中高乱数1発
B↓(インファ後)B4振悪(一撃)ウーラオス(いちげき) 117.7%〜(確定1発)
無振ゴリランダー 43.4〜51.4%
無振エースバーン 56.7〜67.0%
無振パッチラゴン 46.0〜54.5%
無振アイアント 47.3〜56.3%
HB特化輝石ラッキー 50.4〜59.3%
H244振輝石ポリゴン2 53.4〜63.8%
HB特化輝石ポリゴン2 37.6〜45.0%
H4 B252振ハピナス 81.5〜96.0%
- ジャイロボール(最遅で計算)
H4 最速ミミッキュ(化皮無) 132.8%〜
H228 B108振 B↑ミミッキュ(育成論ソードシールド/406) 38.9〜46.5%
→化皮ダメ込で中乱数2発
H4 S236振(S↑時ドラパルト抜き)トゲキッス 75.7〜90.6%
H252 B140 腕白オーロンゲ(育成論ソードシールド/52) 35.6〜42.5%
無振ドラパルト 57.6〜68.7%
無振 最速ヒヒダルマ(ガラル) 100.0〜117.7%
- ヘビーボンバー
H4振ミミッキュ(化皮無) 112.9%〜
H228 B108振 B↑ミミッキュ(育成論ソードシールド/406) 49.0〜57.8%
→化皮ダメ込で確定2発
H4振トゲキッス 78.2〜93.1%
H244振トゲキッス 65.9〜78.5%
H252 B140 腕白オーロンゲ(育成論ソードシールド/52) 63.3〜75.2%
無振ヒヒダルマ(ガラル) 71.1〜84.4%
→ヘビーボンバー採用の場合ヒヒダルマ(ガラル)に対してはボディプレスのみ安定択となります
- 岩石封じ
B4振リザードン 65.3〜78.4%
H4振ウルガモス 69.5〜84.4%
無振エースバーン 33.5〜40.0%
- 地震
無振パッチラゴン 66.6〜80.0%
H252振ジバコイル 101.6%〜
その他欲しいものがありましたらコメントお願いします。
被ダメージ
※エースバーンの特性はリベロ、パッチラゴンアイアントの特性は張り切りを想定
無補正A252振水ウーラオス(いちげき)水流連打 52.7〜62.6%
A特化水ウーラオス(いちげき)鉢巻水流連打 79.1〜92.3%
無補正A252ウーラオス(いちげき)インファイト 49.4〜59.3%
A特化ウーラオス(いちげき)鉢巻インファイト 82.4〜96.7%
A特化DM水ウーラオス(いちげき)キョダイレンゲキ 59.3〜70.3%
A特化DMウーラオス(いちげき)ダイナックル(威力95) 43.9〜52.7%
無補正A252振ゴリランダーGF(グラスフィールド)ドラムアタック 21.4〜25.2%
無補正A252振ゴリランダーGFグラススライダー 18.1〜21.9%
A特化ゴリランダーGF鉢巻グラススライダー 30.2〜36.2%
A特化ゴリランダー鉢巻馬鹿力 52.7〜62.6%
A特化DMゴリランダーダイナックル(威力95) 28.5〜34.0%
A特化DMゴリランダーGFキョダイコランダ 46.1〜54.3%(GF込で5.4%の超低乱2発)
A特化 A↑DMゴリランダーGFキョダイコランダ 68.1〜80.7%
→A特化ダイナックル+キョダイコランダをGF込で62.5%の中乱耐え
無補正A252振エースバーン火炎ボール 46.1〜56.0%
無補正A252振エースバーン跳膝蹴り 49.4〜59.3%
無補正A252振DMエースバーンキョダイカキュウ 60.4〜72.5%
無補正A252振DMエースバーン命の珠キョダイカキュウ 78.5〜94.5%
A特化DMエースバーン命の珠キョダイカキュウ 85.7〜102.7%(18.7%の低乱1発)
無補正A252振DMエースバーンダイナックル(威力95) 36.2〜43.9%
無補正A252振DMエースバーン命の珠ダイナックル(威力95) 47.2〜57.1%
無補正A252振DMパッチラゴンダイナックル(威力100) 35.1〜41.7%
A特化DMパッチラゴンダイナックル(威力100) 37.3〜45.0%
A特化DMパッチラゴンダイバーン(炎の牙由来:威力120) 45.0〜53.8%
A特化DMパッチラゴン命の珠ダイバーン(威力120) 58.7〜69.7%
無補正A252振DMミミッキュ命の珠ダイホロウ(威力130) 28.0〜32.9%
A156振 意地 A↑↑ミミッキュドレインパンチ 32.9〜39.5%
A156振 意地 A↑↑ DMミミッキュダイナックル(威力90) 38.4〜46.1%
A156振 意地 A↑↑↑ DMミミッキュダイナックル(威力90) 49.4〜58.2%
→剣舞+ダイナックル+ダイナックルを81.3%の高乱耐え
無補正A252振ギャラドス滝登り 32.9〜39.5%
無補正A252振DMギャラドスダイストリーム 52.7〜62.6%
→無補正A252滝登り+ダイストリームを93.8%の超高乱耐え
A特化DMギャラドス命の珠ダイストリーム 74.1〜90.1%
無補正A252振五里ヒヒダルマ(ガラル)鉢巻フレアドライブ 78.0〜92.3%
無補正A252振DMアイアント命の珠ダイアース(威力130) 61.5〜73.0%
無補正無振ポリゴン2冷凍ビーム 28.0〜32.9%
C特化ポリゴン2冷凍ビーム 37.9〜45.0%
C特化C↑(ダウンロード)ポリゴン2冷凍ビーム 56.5〜67.0%
C特化ハピナス大文字 74.7〜89.0%
特殊受けは基本的に想定していないため少数しか載せていませんが、2耐えしそうなものなど、必要ありと判断されるものがありましたらコメントお願いします。
立ち回り
- 基本的に物理メインのPTに投げます。襷物理アタッカー(特にウーラオス(いちげき))に強いので、それらの選出が読める場合は初手に投げます。ウーラオス(いちげき)やゴリランダーに対しては、基本的に突っ張ってくるのでボディプレスから入ってわからせましょう。ゴツメが見えた後は特殊アタッカーに交代される可能性が上がるので、交代を読んだ技選択が必要になります。
- ステロが刺さっているPTに対しても雑に初手投げできますが、それなりに挑発をもらうこともあるので注意が必要です。また、特殊アタッカー全般には強く出れないので、とにかく役割を持てる対象がいないPTには投げないことが大事です。
- 先発対面して不利となる筆頭ポケモンは起点作成型のドラパルトやカバルドンです。またエースバーンも対面では勝てないことが殆どなので、耐久型のギャラドスやウォッシュロトムなどの安定した引き先を用意しましょう。
- 初手ではなく後続に控えさせておくことで、相手のDMを枯らす役も務まります。物理相手ならステロ等で頑丈が潰れていても大抵1発は耐えるので、頑丈が消えたからといって雑に切らず、役割対象を常に意識しましょう。
相性の良い味方エース
相手の襷カウンター持ちに対してハガネールが強いのでかなり動かしやすくなります。カバルドンやドヒドイデなど、相手の物理受けに弱くなるのでラストはウォッシュロトムあたりがオススメです。(ウーラオス(いちげき)の通りがよくなるので初手にも誘いやすくなります。
ハガネールでうまく削りを入れられれば、悪ウーラオス(いちげき)やミミッキュにおびえる必要がなくなります。不意打ち持ちのエースバーンが重いので注意が必要です。
ドラパルトに強いスカーフ一撃ウーラオス(いちげき)を一緒に使っていましたが、ミミッキュやオーロンゲに対しハガネールの後出しが安定して使いやすかったです。DMエースはギャラドスなど、カバルドンに隙を見せないように選ぶといいと思います。
その他相性よさそうなポケモンがおりましたらコメントお願いします。
終わりに
ここまで読んでいただきありがとうございました。
とても長くなってしまいましたが、現環境におけるゴツメハガネールの魅力が伝わっていれば幸いです!
自分で使っていた時の感想としては、やはりドヤ顔で水ウーラオス(いちげき)をミリまで削れた時とエースバーンのキョダイカキュウ耐えてDMを2ターン消費できた時がとても嬉しかったです。
2020/9/1より ランクマ上位の多くのポケモンが使用禁止となるようですが、カバルドンに代わるステロ撒き&パッチラゴン受けとしても使いやすいと思います。是非育成してみてください。