ミライドン- ポケモン育成論SV

• エレキシードを採用した積みエースミライドンについて考察します。

• 本育成論ではHABCDSなどの非公式用語を使用します。

• ダメージ計算には「ダメ計SV」様を使用しています。

• 本文中のポケモンは全て理想個体とします。

• レギュレーションGの対戦環境を想定しています。

コライドン ≒ モトトカゲ ≒ ミライドン

【全国図鑑No.1008】ミライドン

分類	パラドックスポケモン
タイプ	/
弱点
体力/HP	██████████ 100
攻撃/A	████████ 85
防御/B	██████████ 100
特攻/C	██████████████ 135
特防/D	████████████ 115
素早さ/S	██████████████ 135
平均&合計	████████████ 平均111.7/合計670

ポケモンSVのパッケージを飾る伝説のポケモンで、伝説の特権である高種族値を無駄なく割り振られており、エレキフィールドを活かした専用技イナズマドライブが特に強力です。

本論は自前で展開するエレキフィールドでエレキシードを発動させ、積み技のめいそうと合わせて耐久・火力共に補強する事で全抜きを目指すミライドンについて考察します。

伝説枠の中でも積みを安定して行える点に着目しました。
現環境(レギュG)で積み構築を使う場合、基本的に伝説ポケモンが主軸になってくると思います。
積み技を使える伝説の中でも、攻撃or特攻・防御・特防の3点を上げる事が出来、かつ回復も出来る伝説はかなり少ないです。
その点、エレキシードミライドンはパラボラチャージが回復と攻撃を両立できたり、エレキフィールドや特性の補正も合わせて最低限の積みでも高い攻撃力を発揮できるなど唯一無二の性能を誇り、積みエースの中でも高い安定感を実現してくれます。

• エレキシード

フィールドがエレキフィールドなら、防御が1段階あがる持ち物です。特性でフィールドを展開するため、確実に発動します。
防御を補強し、積みの確実性を高めます。
これ前提で型を考察しているため確定で。

物理防御の目安

本論のミライドンミライドン

→実数値:HP177、防御142×1.5＝213

HB特化コータスコータス

→実数値:HP177、防御211 を上回ります。

【対物理ダメ計】

特化ウーラオス(いちげき)インファイト

→ミライドン: 36.1〜42.9% 確定3発

りゅうのまいx2 特化カイリューじしん

→ミライドン: 82.4〜97.1% 確定2発

いのちのたま 特化パオジアンつららおとし

→ミライドン: 85.1〜101.1% 乱数1発(6.2%)

ふとうのけん発動 特化ザシアン(王)じゃれつく

→ミライドン: 89.2〜106.2% 乱数1発(31.2%)

ひひいろのこどう発動 特化コライドンげきりん

→ミライドン: 98.4〜116.4% 乱数1発(87.5%)

以上の様に抜群技でも耐えるレベル(実戦であればテラスや壁などで更に補強出来る)の安心感のある物理防御を実現でき、そこからめいそうで特防も補強できる事で物理・特殊問わずに幅広く対応出来るようになる事が、エレキシードミライドンならではの魅力と言えるでしょう。

• ハドロンエンジン

エレキフィールドを展開し、フィールド下なら特攻も上がる壊れ特性です。
単純な火力補強はもちろん、あくびなどの眠り状態にも耐性ができます。
エレキメイカー+ほぼ無条件ちからずくなので実質じんばいったい(特性2つ)と言っていいでしょう。

• 【調整案1 スタンダード】

性格と努力値

性格:おくびょう(S↑A↓)

調整意図

H	余り(奇数)
B	特化オーガポン(いど)のじゃれつく2回耐え
C	余り(パラボラチャージで無振バドレックス(こくば)を確2)
D	テラスで臆病ハバタクカミのムーンフォース2回耐え
S	最速ムゲンダイナ(130族)、準速ザシアン(王)(148族)抜き

【詳細】

上に書いてある通りで特に言う事はないですが、特攻・防御・特防は積みで無駄が出にくい偶数にしています。

回復がパラボラチャージの吸収で相手のHP依存であるため、HPを最低限にして防御・特防に振った方が結果的に場持ちは良くなります。

素早さラインは最速ムゲンダイナ、準速ザシアン(王)抜き調整です。

最速にしても対最速135族ハバタクカミパオジアンミライドンコライドンは同速勝負になり、不安が残る事から割り切って準速135族は抜けつつ、いい落とし所を探した結果これになりました。準速一舞カイリューもギリギリ抜けているのが割と大きかった印象。他なら最速110族オーガポン抜き(s60)や最速トドロクツキ抜き(s132)くらいまで落として他に回すのもアリだと思います。

• 【調整案2 高速移動】

性格と努力値

性格:ひかえめ(C↑A↓)

調整意図

H	余り(奇数)
B	余りを振れるだけ
C	ほぼぶっぱ(偶数)
D	テラスで臆病ハバタクカミのムーンフォース2回耐え
S	高速移動1回で最速スカーフバドレックス(こくば)抜き

【詳細】

こうそくいどうを採用するなら。余分な努力値や性格補正を特攻に回しているので突破力はピカイチです。

こちらも特攻・防御・特防を偶数にしています。

• 以後の考察は基本的に調整案1を想定しています。

• 調整案や指摘等あれば追記ドーブルします。

【確定枠】

パラボラチャージ/特殊/PP32/命中100

回復もできるメインウェポンです。威力は65と大した事はないですが、積みとフィールド、特性も込みで想像以上の火力が出ます。回復効果で場持ちが良くなるのがかなり強いです。

めいそう/変化/最大PP32/命中-

特攻・特防を上げる積み技です。より多くのポケモンに打ち勝ちやすくなります。

【自由枠】

りゅうのはどう/特殊/最大PP16/命中100

威力85の一致技。対ドラゴンや電気が効かない地面に撃てます。他のサブウェポンより一致技故に火力は出ます。

マジカルシャイン/特殊/PP16/命中100

威力80のフェアリー技。無効もなく癖のないサブウェポンとして優秀。テラスを採用するなら実質的な一致技として扱えるため火力もそこそこ。

テラバースト/特殊/最大PP16/命中100

威力80のノーマル技で、テラスによってタイプが変わります。やテラスを採用するなら。詳しくは後述します。

ちょうはつ/変化/最大PP32/命中-

相手に変化技を使わせなくする技。受けを崩したり、相手の絡め手を阻止するなど汎用性が高い技ですが、後述の3ウェポンにして範囲を取っても強いため悩みどころ。自分のパーティと相談して決めましょう。

こうそくいどう/変化/最大PP48/命中-

素早さを2段階上げる積み技。積み技2つはアンバランスに見えて、どちらも明確に打ちたい場面が違うため腐る事は少ない。技枠が足りないのが欠点...

その他

専用技のイナズマドライブ、バークアウトやラスターカノン等も優秀ではありますが、枠が足りず今回は選考外です。パーティによっては採用価値もあると思います。

• 技構成例1 瞑想+2ウェポン+α

備考

ちょうはつorこうそくいどうを採用する場合の構成。自由枠は悩むところですが、テラスを切らなくても無効が無く使いやすいマジカルシャインや無難な一致技のりゅうのはどうがオススメ。

• 技構成例2 範囲重視3ウェポン

備考

範囲を取るなら。色々試した感想としてはりゅうのはどう+テラバーストが幅広く対応出来て良かった印象。パーティと相談しながらカスタマイズしましょう。

コライドンへの耐性は勿論、その他耐性も隙がなく扱いやすいテラスタイプ。マジカルシャインを採用するなら火力強化にもなる。

前述の扱いやすさや対応幅の広さから確定欄はコレにしています。

かなりの回数パラボラチャージを打つので活きやすい。地面以外の弱点も等倍にはできる。

主に地面に打つテラバースト用です。比較は以下。

比較

	耐性、補完共に優秀。 タケルライコやブリジュラスに若干隙を見せるのが気になるが汎用性は高い。 ちょすいドオーには無力。
	電気+氷の範囲が強く、チョッキランドロス(霊獣)も一撃で持っていける。 耐性は正直微妙。 キュウコン(アローラ)と組ませるなら雪で防御をさらに高められる。

単体で完結するポケモンではありますが、折角の伝説枠なのである程度サポートしてから出したい。　
壁張りキュウコン(アローラ)や素早さ補助ランドロス(霊獣)などで場作りをすると安定感が増します。(相性の良い味方に後述)

元の耐性はそこまで強い訳ではないのと、1瞑想でも積んでしまえば抜き性能が一気に高まる事を踏まえ、テラスタルは惜しみなく使ってあげていいと思います。

ブラックキュレム

差別化経緯

+(+)の技範囲が類似している

伝説枠の積みアタッカーである

差別化点

パラボラチャージによる回復や防御・特防を能力上昇で補える事により得られる安定性

物理・特殊の違いにより、物理受けてんねん勢ラウドボーンヘイラッシャやいかくランドロス(霊獣)による妨害を受けにくい事

タケルライコ

差別化経緯

めいそうによる積みを行えるポケモンかつ同タイプの特殊アタッカーである事

差別化点

持ち前の速さによる対応幅の広さ

パラボラチャージやマジカルシャインなど、タケルライコの覚えない強力な技を覚える点

コライドン

純粋な殴り合いでは基本負けます。事前に瞑想を積んだり、テラス込みならなんとか誤魔化せます。

バドレックス(こくば)

こちらも純粋な殴り合いでは遅れを取る上、アンコールの存在からめいそうも積みにくい。事前に瞑想さえ積めれば何とかはなるので、早めの展開を心がけましょう。

メタモン

積んだミライドンをコピーされて大変な事になります。最近はこだわりスカーフ持ちが多く打ち分け出来ない事が多いため、裏にミラーコートブリジュラスを置いたり、電気や竜の一貫がない構築にするなどの対策をしましょう。

キュウコン(アローラ)

壁張りでサポートする。ミライドンの苦手な地面や竜、氷を誤魔化せるのも優秀。

他の壁張りとしてオーロンゲエルフーンヤミラミなどいたずらごころ勢や読まれにくいブリジュラスサーフゴーも良さそう。

オオニューラ

襷持ちがオススメ。ミライドンが無限に呼ぶパオジアンガチグマ(アカツキ)ディンルーなどに強い点、エレキシード型を誤認させ、相手の選出を歪めたり出来る点が優秀。ミライドンの補助としてどくびしを採用しても強そうです。

その他　ランドロス(霊獣) カイリュー サーフゴー パオジアン オーガポン(いど) アーマーガア

がんせきふうじで素早さを補助するランドロス(霊獣)やでんじは撒きとしてカイリューやサーフゴー等もオススメです。

ミライドンと組ませると言えば未来パラドクスポケモンですが、この型は場持ちがよくフィールドは基本残らず、残っても1〜2ターンな事が多いため微妙かもしれません。

また、ミライドンの電気技の圧からランドロス(霊獣)ガチグマ(アカツキ)ディンルーなどの地面枠は非常に出されやすい傾向にあるため、パオジアンやオーガポン(いど)などの地面に有利なサブアタッカーを用意したり、後出しからでも対処しやすいアーマーガアなどを入れておくと良いと思います。

ミライドンは無補正C84振りで計算します。

また、フィールドがエレキフィールド状態の場合(ハドロンエンジン込み)に加えて、フィールドが切れて特性が発動していない場合も記載しています。(以下、特性有 & 特性無 と表記)

• パラボラチャージ

無振りハバタクカミ
特性有 53.1〜63.1% 確定2発
特性無 308〜37.0% 乱数3発(59.79%)

無振りパオジアン
特性有 81.3〜95.5% 確定2発
特性無 465〜54.9% 乱数2発(61.32%)

無振りバドレックス(こくば)
特性有 50.3〜60.0% 確定2発
特性無 29.2〜34.9% 乱数3発(10.54%)

HD特化チョッキママンボウ
特性有 49.3〜58.1% 確定2発
特性無 28.7〜33.9% 乱数3発(72.94%)

無振りイーユイ
特性有 58.5〜69.3% 確定2発
特性無 33.0〜40.0% 乱数3発(99.97%)

• りゅうのはどう

無振りオーガポン
特性有 58.8〜69.7% 確定2発
特性無 44.6〜53.0% 乱数2発(24.21%)

無振りコライドン
特性有 100.6〜120.0% 確定1 発
特性無 76.5〜90.2% 確定2発

h252ガチグマ(アカツキ)
特性有 57.3〜67.3% 確定2発
特性無 42.7〜50.9% 乱数2発(4.68%)

h252ブリジュラス
特性有 62.4〜73.6% 確定2発
特性無 47.8〜56.9% 乱数2発(89.45%)

無振りランドロス(霊獣)
特性有 64.7〜76.9% 確定2発
特性無 49.4〜58.6% 乱数2発(98.04%)

• マジカルシャイン

無振りコライドン
特性有 128.0〜150.9% 確定1発
特性無 96.0〜114.3% 乱数1発(81.25%)

h252ディンルー
特性有 39.0〜45.9% 確定3発
特性無 29.0〜34.4% 乱数3発(3.14%)

無振りカイリュー(マルチスケイル無)
特性有 67.5〜79.6% 確定2発
特性無 50.6〜60.2% 確定2発

• テラバースト

h252ガチグマ(アカツキ)
特性有 107.3〜126.4% 確定1発
特性無 80.0〜95.4% 確定2発

無振りランドロス(霊獣)
特性有 122.0〜144.0% 確定1発
特性無 92.7〜109.8% 乱数1発(56.25%)

h252ディンルー
特性有 58.1〜68.8% 確定2発
特性無 43.5〜51.1% 乱数2発(5.07%)

• テラバースト

無振りカイリュー(マルチスケイル無)
特性有 202.5〜238.6% 確定1発
特性無 151.8〜180.7% 確定1発

h252チョッキランドロス(霊獣)
特性有 136.8〜161.3% 確定1発
特性無 104.4〜122.4% 確定1発

ミライドン はH12、B172、D20 振り、エレキシード発動状態で計算します。攻撃側は努力値252、性格補正別に計算します。

ハバタクカミムーンフォース
特攻補正 91.5〜108.4% 乱数1発(43.7%)
無補正 82.4〜98.3% 確定2発

オーガポン(かまど)じゃれつく(お面補正有)
攻撃補正 41.8〜49.7% 確定3発
無補正 38.4〜45.1% 確定3発

パオジアン つららおとし
攻撃補正 57.0〜67.6% 確定2発
無補正 52.1〜61.8% 確定2発

コライドン げきりん
攻撃補正 98.4〜116.4% 乱数1発(87.5%)
無補正 88.1〜105.0 乱数1発(25.0%)

ランドロス(霊獣)じしん
攻撃補正 65.5〜77.8% 確定2発
無補正 58.7〜71.1% 確定2発

ガチグマ(アカツキ)ブラッドムーン
特攻補正 66.6〜78.5% 確定2発
無補正 61.8〜71.7% 確定2発

ガチグマ(アカツキ)だいちのちから
特攻補正 85.8〜101.6% 乱数1発(6.2%)
無補正 77.9〜92.6% 確定2発

バドレックス(こくば)アストラルビット
特攻補正 66.6〜78.5% 確定2発
無補正 61.0〜71.2% 確定2発

カイリューじしん
攻撃補正 41.8〜49.7% 確定3発
無補正 38.4〜45.1% 確定3発

ブリジュラスりゅうせいぐん
特攻補正 116.3〜138.9% 確定1発
無補正 106.0〜125.4% 確定1発

ミライドンりゅうせいぐん(フィールド込み)
特攻補正 163.9〜199.4% 確定1発
無補正 150.3%〜177.5 確定1発

ミライドンりゅうのはどう(フィールド込み)
特攻補正 106.3〜126.6% 確定1発
無補正 94.9〜112.3% 乱数1発(68.7%)

テツノツツミれいとうビーム
特攻補正 81.3〜96.0% 確定2発
無補正 74.5〜88.1% 確定2発

ウーラオス(いちげき)インファイト
攻撃補正 36.1〜42.9% 確定3発
無補正 32.7〜39.4% 乱数3発(99.8%)

使用感としてはシーズン1のコノヨザルに近いです。
他の積みエースと比べてでんじはやあくびに耐性があるのがストレスフリーで嬉しい所。
場持ちはいいものの、だからこそフィールドの残りターンや瞑想を積む回数には最大限気を使う必要があります。
パラボラチャージの回復だけでは流石に相手3匹を相手取るのは厳しく、特に上から殴ってくる高速ポケモンは早い対処が要求されます。
素早さ補助として、ねばねばネットと組み合わせても強そうだと感じました。

不備・指摘等あればコメントしていただけると大変助かります。
最近はコライドンの方が注目されている印象ですが、ミライドンも勿論負けていないので是非使ってあげてください。
ここまで読んでいただきありがとうございました。シェイミ(スカイ)