初めに
こんにちは。のりです。
4回目の投稿になります。
今回は『クワガノン』について書きました。
良かったら過去の育成論もご覧ください。
オボン型『ハッサム』(育成論SV/2653)
ゴツメ型『パオジアン』(育成論SV/2673)
汎用型『ローブシン』(育成論SV/2888)
いつも評価やブクマありがとうございます。
感想や改善案など、なんでもコメント頂けると嬉しいです。
育成「論」として各項目に対して理由付け、深掘りしていきますのでボリュームが多くなりますが育成するにあたり参考になれば幸いです。
注意事項
- 本育成論では非公式な略称や用語(HABCDSや努力値など)を使用します。
- ダメージ計算はポケソル様(https://sv.pokesol.com/calc)を使用します。
- 努力値を252振った状態を「全振り」、更に性格補正がある状態を「特化」と表記します。
- 一部の表記でH〜Sの後の数値は努力値を示し、()内は実数値を示します。
- A↑は攻撃が一段階上がっていることを示します。
- B+は防御に性格補正があることを示します。
以前は常体で書いてましたが、今回は敬体で書いてみました。
では本題へ
コンセプトと役割
この育成論を見ている皆さんはシングル対戦をメインにやられていると思いますが、
ドヒドイデヘイラッシャアーマーガアクレベースキョジオーングライオンラッキーハピナスドオーディンルーモロバレルブラッキーポリゴン2スイクンなど(以降 受けポケ と表記)を中心とした
受けループあるいは受け寄りのサイクル構築に悩まされている方も多いのではないでしょうか?
そんな訳で、そういった受けに特化しているポケモンたちを単体で壊滅させる『クワガノン』を考察しようと思います。
前述した受けポケ以外にも、テラス後のクワガノンに有効打の乏しい型の
ガブリアスカイリューセグレイブランドロス(霊獣)ガチグマ(アカツキ)などにはある程度仕事ができ、対スタンパにおいても選出する機会はあります。
特性ふゆう+一撃必殺ハサミギロチン+特殊高火力(かつ音技のむしのさざめき)
これらを両立できるのは現状『クワガノン』だけだと思われ、それが採用理由に直結します。
大半の受けポケたちを身代わりの起点にしたり、対面から通る技で倒し相手のパーティを破壊していきます。
持ち物
- たべのこし
- 身代わりとの相性がよく、お互い有効打がなく泥試合になりかけてもTODで勝てる可能性がグッと高まります。
- ラッキーハピナスにはハサミギロチンを連打することになりますが、相手からのちきゅうなげをたべのこし込みで4回耐えることができるので相当運が悪くない限り勝てます。
※一撃技を打ち続け全て外す確率は
4回で約24%
5回で約17%
- くろいヘドロ
- たべのこしが空いてない場合はテラスと併せてこちらを採用しましょう。
- テラスを切らないとダメージを受けるため注意です。
- 一見トリック対策になりそうですが、クワガノンにトリックを打たれた時点でほぼ機能停止なので、身代わりや交代を駆使してトリックが入らないように立ち回りましょう。
特性
現状この特性しかありませんがテラスと相性がよく非常に強いです。
補完がいいとされる+や+
といった技範囲もテラス後は半減以下で受けることができます。
また、じわれを透かすことができるため対耐久ポケとの打ち合いにも有利です。
性格・努力値と調整
Sに多く振って抜きたい相手はおらず、火力がある程度欲しいため性格はひかえめ確定。
HC振りをベースに欲しい数値を調整しました。
努力値 252-0-4-116-52-84
実数値 184-67-111-198-102-74
目安としてH4ガブリアス(184-115-105)と同じくらいの耐久力です。
- H 身代わりのHP (184/4=46)が高くなるように最大にします。
残飯の効率の良い16n+1(H実数値177)にしても、総合耐久的に効率が悪くなりますので非推奨です。
- HB目安
A4ドヒドイデのアクブレで身代わりが確定耐え
A4ヘイラッシャのウェブタを残飯無し2耐え
- HD目安
C4モロバレルのリフストで身代わりが確定耐え
C特化ガチグマ(アカツキ)のブラッドムーンが
テラス時に(43.0 ~ 50.6%) 乱数2発 : 2.34% =残飯込み2耐え
- A 最低値。
タイプ一致イカサマで身代わりが確定耐え
個体値31だと身代わりが1回で割れる可能性があるためA0推奨です。
- C 耐久調整とS振りの余り。
性格補正効率の良い11nとしました。
元々のC種族値が高いため良いダメージが入ります。
- S 4振りガチグマ(アカツキ)(52族)抜き。
それ以下の45族ディンルーや50族ラッキーも大きくSに振られてない限りは抜けます。
- 努力値調整の余地
C特化しても10万ボルトでドヒドイデは確定で落とせません。
ただ、Cにもう少し振るとH振りのヘイラッシャアーマーガアが確定1発で落とせるようになり、
よくいるディンルーH244D76(261-110)くらいをオボン込みで虫のさざめき2発で落とせる確率が上がるため、
DやSを削ってCに振るのもありです。
HCぶっぱでも全然良い気もしますが、調整した感を出したいため確定欄は努力値調整したものにします。
技構成
- 4つでほぼ確定としておきます。PPは全て上げておきましょう。
- ハサミギロチン
- コンセプトの1つであり、高耐久の特殊受けを突破するために必須。
- 物理受けと対面した際には大抵は引いてくるので、裏に目掛けて打つか身代わりを盾に打ちましょう。
- 試行回数を稼ぎやすいので単なる運ゲ技ではありません。
- みがわり
- 状態異常を防いだり交代の択を軽減したり、用途は多岐にわたります。
- 低火力や打点のないポケモンではそもそも身代わりを壊すことができないため、身代わりを残したまま相手に負荷をかけることができます。
- むしのさざめき
- タイプ一致、身代わり貫通、無効タイプなしのメインウェポンです。
- 受け相手には追加効果のDダウンも発動する機会が多く便利です。
参考までにかみなりを採用するとH252D4ドヒドイデが乱数1発 : 75%
H252のヘイラッシャアーマーガアが余裕で確定落ちになったりします。
ほうでんは確定数は抑えめでも麻痺を撒きたい人向け。
ボルトチェンジは居座りたい場面も多いため非推奨です。
でんじほうは当てれば最強技なので、当てる自信のある方は入れてみましょう。
他にも自身のパーティに合う技があれば一考の余地があると思います。
テラスタル
- テラス
- 主にグライオンなどに上から打たれるどくどくを無効化、
- をはじめとする多くのメジャータイプに耐性を持たせます。
- 特性ふゆうと合わせて受けポケ以外の一部のポケモンにも強く出れます。
- 特に理由がない場合はこちら推奨です。
- テラス
- パーティ内でたべのこしが空いていなくて、くろいヘドロで代用する場合はこちらを採用しましょう。
- 採用時に比べて以外の技を全て等倍以下で受けられますが、その分半減できる数は減ります。
- また、キョジオーンなどのボディプレスをケアしたいならばの方が有効です。
立ち回り例
受け中心のパーティには初手から出して場を荒していきたいです。
受けポケを中心に個別で立ち回りや注意を記載します。
『ドヒドイデ』
完全起点です。テラスを切らずとも上から身代わりすれば毒は入らず、アクブレでも身代わりは割れません。
10万ボルト2発で倒せ、裏からくる特殊受けにはギロチンを打ちましょう。
『ヘイラッシャ』
有利対面です。起点にできるかは微妙なところ。地割れ+雪雪崩型ならカモです。
10万ボルトが乱数1発なので身代わりであくびをケアしつつ、ウェブタの反動込みで倒せると相手のあくびでテンポロスせず倒せます。
『アーマーガア』
有利対面です。相手からの有効打はほとんどなく、せいぜい挑発を打たれるくらいです。
はがねテラス後でもボディプレスは耐えることができ、こちらは10万ボルトで乱数1発です。
『クレベース』
有利対面ですが、がんじょうによりギロチン無効です。
はがねテラス後でもボディプレスは耐えることができ、こちらは特殊技で余裕の2発です。
ヒスイクレベース(ヒスイ)の方もはがねテラスならメインウェポン両半減で、Sもぶっぱされてないと抜かれないレベルなので特殊技で2発で倒しましょう。
『キョジオーン』
塩漬け1ウェポンなら完全起点です。
テラスを切らないと塩漬けを身代わりが耐えないですが、はがねテラス採用時にボディプレス持ちと当たると面倒です。
身代わりを残した状態で対面するか、テラス前の状態で塩漬けに合わせてテラス身代わりをしてボディプレスの有無を確認しつつ1発は殴りたいです。
身代わり持ちにも虫のさざめきが通るのでTODされ辛いです。
『グライオン』
地震+毒々型であれば有効打がなく完全起点です。
よほどDに振っていない限りは虫のさざめき連打に対して、相手の守る込みでもポイヒの回復が間に合わないので勝てます。
Dに振ってる場合でも、追加効果のDダウンがあるのでほぼ負けず、
守るに合わせて虫のさざめきのPPを節約し試合終了前に削れば、永遠とやり合ってTOD負けすることもありません。
『ラッキー』『ハピナス』
たべのこし込みで地球投げを4回耐えますのでその間にギロチンを当てましょう。
シャドボはまだ大丈夫ですが火炎放射持ちには注意です。
相手のテラスがだと泥沼化しますが、サイコショックやアシストパワーに耐性がつくがデータ上も多いです。
『ドオー』
よくある技構成(地震/毒々/毒菱/再生/あくび/ステロなどから4つ)であれば有効打がなく完全起点です。
身代わりであくびをカットしてギロチンで突破しましょう。
唯一の負け筋としてはテラス+のろい持ちです。
『ディンルー』
よくある技構成(地震/カタス/ステロ/吹き飛ばし)であれば負けることはありません。
ステロ吹き飛ばしされるまでに2発は殴れるので、虫のさざめき2回で大幅に削るか、テラス無視のギロチン連打で突破したいです。
たまにいるA振りのテラバやヘビーボンバー持ちでもダメージレースではまず負けません。
『モロバレル』
よくある技構成(胞子/リフスト/ギガドレ/ヘド爆/イカサマ/クリアスモッグなどから4つ)は完全起点です。
テラス身代わりでヘド爆のケアをしつつ身代わりを残しギロチン連打です。
イカサマ→リフストだと身代わりを割られつつ裏のポケモンが出てきますので早めにギロチンを当てましょう。
テラバだけは速攻でギロチンを当てましょう。
『ブラッキー』
起点にできるかは微妙ですが対面突破は余裕です。先に動かれるのでテラスを切って毒々をケアしましょう。
イカサマ2回で身代わりは割れるのでさざめきかギロチンで突破です。
唯一の負け筋としてはテラス+のろい持ちです。
『ポリゴン2』
トレースの耐久型ならよほど運が悪くない限りギロチンで勝てます。
H振りに対してもメインウェポンがおよそ3発で純粋に殴り合うと再生で粘られます。
主な負け筋はトラアタや冷凍Bの追加効果、テラス後の電磁波麻痺。
アナライズやDLの火力型だと早めにギロチンを当てないと押し切られます。
『スイクン』
素の状態なら10万連打で押し切れますが、瞑想やテラス次第でちょっと変わります。
熱湯/瞑想/身代わり/眠る
の技構成でないとギロチンとさざめきの両対応がほとんど不可能なので基本的には有利と思っていいでしょう。
与ダメージ計算
確定数は重要そうなものだけ記載します。
H252クレベース (75.8 ~ 89.2%)
H252キョジオーン (45.0 ~ 52.7%) 乱数2発 : 22.26%
H212D4(177-96)グライオン (29.0 ~ 34.7%)
D特化(182-139)グライオン (19.7 ~ 23.7%)
D252輝石ラッキー (13.2 ~ 16.0%)
D252ハピナス (16.4 ~ 19.4%)
H244D76(261-110)ディンルー (52.9 ~ 62.9%)
D特化モロバレル (31.7 ~ 38.1%) 乱数3発 : 91.74%
H252ブラッキー (66.4 ~ 80.2%)
H244輝石ポリゴン2 (30.4 ~ 36.7%) 乱数3発 : 63.72%
D特化輝石ポリゴン2 (21.9 ~ 26.5%) 乱数4発 : 7.53%
無振りガブリアス (52.5 ~ 62.3%)
無振りガチグマ (49.8 ~ 58.6%) 乱数2発 : 98.43%
H252ガチグマ(アカツキ) (53.7 ~ 64.1%)
゛チョッキ持ち (36.0 ~ 42.8%)
無振りオーガポン(かまど) (56.2 ~ 66.5%)
H252ドヒドイデ (80.3 ~ 95.6%)
H252ヘイラッシャ (91.9 ~ 109.8%) 乱数1発 : 56.25%
H252アーマーガア (93.7 ~ 111.3%) 乱数1発 : 62.5%
H252スイクン (73.5 ~ 87.0%)
D特化スイクン (53.2 ~ 63.8%)
H244カイリューマルスケあり (21.4 ~ 25.4%)
゛マルスケなし (42.7 ~ 50.8%) 乱数2発 : 2.34%
無振りハバタクカミ (50.8 ~ 60.0%)
被ダメージ計算
A4ドヒドイデアクブレ (20.2 ~ 24.5%)
A4ヘイラッシャウェブタ (40.8 ~ 47.9%)
A4,B特化キョジオーン
塩漬け (27.2 ~ 33.7%)
゛(半減時) (6.5 ~ 8.2%)
ボディプレス(抜群時) (59.8 ~ 70.7%)
C4ハピナス
シャドボ (15.7 ~ 19.0%)
火炎放射 (35.9 ~ 42.4%)
A特化ディンルー
テラバ(半減時) (19.5 ~ 23.4%)
C4モロバレル
ヘド爆(等倍時) (29.4 ~ 34.8%)
リフスト (20.7 ~ 24.5%)
C4ポリゴン2
トラアタ (31.0 ~ 36.5%) 乱数3発 : 58.61%
冷凍B (22.9 ~ 27.2%) 乱数4発 : 54.1%
C特化ポリゴン2
トラアタ (41.4 ~ 49.5%)
C↑トラアタ (62.5 ~ 74.0%)
C4スイクン
熱湯 (27.8 ~ 32.7%)
C↑熱湯 (40.8 ~ 47.9%)
A特化カイリュー こちらテラス
ノマテラ神速 (22.9 ~ 26.7%)
スケショ(5回) (35.4 ~ 43.5%)
テラバ (30.5 ~ 35.9%)
A4オーガポン(かまど) お面補正あり
ツタこんぼう (94.6 ~ 112.0%) 乱数1発 : 68.75%
A特化ガチグマ(根性) こちらテラス
からげんき (60.9 ~ 71.8%)タイプ的に有利なのに恐らく勝てません
C特化ガチグマ(アカツキ) こちらテラス
ハイパーボイス (27.8 ~ 32.7%)
ブラッドムーン (43.0 ~ 50.6%) 乱数2発 : 2.34%
しんくうは (33.7 ~ 40.3%)
C252ハバタクカミ
シャドボ (45.7 ~ 53.9%) 乱数2発 : 39.45%=たべのこし込みで乱数2発 : 2.73%
眼鏡ムンフォ(半減時) (39.7 ~ 47.3%)
不一致イカサマモロバレルなど (12.0 ~ 14.7%)
一致イカサマブラッキーなど (18.0 ~ 21.7%)
゛A個体31の時 ダメージ40 ~ 48(21.7 ~ 26.0%)
苦手なポケモン
- 全般
- イーユイオーガポン(かまど)シャンデラテツノドクガヒードランなど
- レギュFよりエンテイ(ガオガエン}ウガツホムラといった強力なポケモンも追加されたため要注意である。
- テラス前後で技が一貫しており、対面してしまった場合は裏で受けられるように対策が必要です。
- 上記のような超火力ポケモンがいる場合は選出を控えたいです。
- 受けループ対策(特にサーフゴー)の対策枠としてイーユイ オーガポン(かまど)は筆頭候補のため、
- 受け寄りのパーティ内に上記ポケモンが混在している場合にはクワガノン以外のメンバーでポケモンはケアしましょう。
- 身代わり+半減タイプ※テラス含む(チオンジェンクレセリアヒードラン)など
- 上記の例は受けやサイクル寄りの構築でよく見られるポケモン。
- 上からの身代わりでギロチンをケアされ、虫のさざめきを半減以下にされると、本体に対してもさほど削れないのでジリ貧、起点になります。
- テラスor特性がんじょう+特殊高耐久
- ギロチンが無効のため試合が泥沼化するか殴り負けする恐れがあります。
- 可能性としては
- テラス ラッキーハピナスドオーカビゴン
- がんじょう持ち ジバコイルキョジオーン(クレベースは特殊技で突破可能) など
極端な例ですが、
HDキョジオーンがんじょう, テラス
塩漬け/守る/身代わり/自己再生
と当たると、泥試合が予想されるのでご注意を。
HP満タン同士だとTOD負けするかもしれませんが、こちらは満タンで相手を少し削れれば勝ちなので、完全不利という訳ではなさそうです。
相性のよい味方・構築例
- 水『ウーラオス(れんげき)』
- タイプに強く、呼ぶヘイラッシャドヒドイデ貯水ドオーモロバレルなどにクワガノンが有利です。
- とんぼがえりにより対面操作も可能です。
- 苦手なポケモンで挙げたポケモンたちに広く刺さります。
ある程度パーティメンバーが決まって、受けポケの対処が難しいなと思ったらぜひ、このクワガノン採用してみてください。
以上
終わりに
いかがでしたでしょうか。
筆者は受け構築に対して特別視している訳ではありませんが、困ってる方に向けて攻略の1匹となればいいなと思い立ち執筆しました。
もちろん相手側も構築できついポケモンは対策してますので、『クワガノン』にもある程度抗える動きがあると思います。
その動きを構築や選出から読み、対戦の中でうまく対処できれば、刺さるパーティには相当刺さるクワガノン育成論だと思ってます。
冒頭でも書いたように評価や質問の他、考察不足や認識違いなどありましたらコメントを頂けると大変ありがたいです。
それでは。
更新履歴
24.1.24 レギュF追加ポケモンについて追記