ポケモンパーティ構築(シングル)
草統一 テクニカルver.2.2
拝啓 草統一使いの皆さま。
お元気ですか?
舞台がガラルからパルデアに移り、ポケモンが大きくならないことに、一抹の寂しさを感じる方もいらっしゃるでしょう。
また、ポケモンが小さくなる分については、賢明なる、草統一使いの皆さまにおかれましては、見敵必殺、こだわりトリック等で迅速なる機能停止に追い込まれていることでしょう。
さて前置きはここまでにして…、今作ではガラルで武名と悪名を馳せた、愛すべき彼らが、パルデアに入国できませんでした。彼らが強すぎたから、対抗策を用意出来ず、その結果、入国出来なかったのだ…とそう想像すれば、使い手としては誇らしい気持ちになると同時に、やはり寂しい気持ちにもなります。
中速・低耐久・変化技や特性が多様、例外は多々ありますが、これが草タイプの概ねの特徴であると考えます。戦略の面から見ますと、入国出来なかった彼らの起点作成能力とダイマックスシステムによって、本来なら速度や耐久で勝る環境のポケモンに対し、瞬間的にブーストをかけて優位に立ち、勝利してきたのが、ガラルでの戦い方でした。
パルデアに移って、草タイプの特徴が大きく変わったとは思えません。そのため本質的な戦略思想が変わることはないと考えます。すなわち、次の2点を構築を組む際、大切にしました。
・入国出来なかった彼らの代わりに、誰かが起点作成の役割を担うこと。(彼らほど、起点作成が上手くなくても良い。必要なら、役割を分散させる)
・パルデア固有のシステムであるテラスタルシステムを十分に利用すること。
…と、ここまで色々書きましたが、草霊複合の新ポケモンである、アノホラグサと、このアノホラグサを主軸に戦うアノホラ軸を中心に戦って見たいと思ったのがこの構築の出発点です。私の使った、草タイプの中で、ザシアンを最も多く倒した、パンプジンの勇姿に重ね合わせているのかもしれません。
このアノホラ軸は、現在、私が思いつく、草統一の4本の軸の内、最も非力な軸です。しかしながら、可能な限り、アノホラグサが優位に立てる相手を誘えるように、もう1本の軸、雨ウェザボ軸とともに、構築を組んでみました。
以下、個々のポケモンの解説に移ります。
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使用ポケモン
- マスカーニャ@こだわりスカーフ(ようき)へんげんじざい
- HP:6 / 攻撃:252 / 素早:252
- /
- 実数値:152-162-90-90-90-192 / 個体値:31-31-31-31-31-31
- トリックフラワーはたきおとすじゃれつくトリック
役割は、次の2点です。
1点目
先発初手のスカーフトリックによって、相手の耐久ポケモンの機能を停止させること。そして、2手目に交代で出てくる、相手の本命のエースポケモンの体力を少しでも減らし、こちらの後続のポケモンが抜きを行いやすくすることです。
2点目
スカーフを持った状態で、相手の高速低耐久のアタッカーの上をとり、ストップをかけること。先発で奇襲を仕掛けても良いですし、逆にエースのポケモンが一貫を作ってくれているのであれば、後続として詰め(スウィーパー)役を担っても良いです。タイミングは自由です。
以上の役割を果たすため、高速スカーフアタッカーの調整内容となっています。
・ミラー同速とするための最速調整
・十分な火力を得るための攻撃特化
・環境のポケモンに抜群が取りやすい攻撃技を3つ選択
・スカーフトリックを遂行するためのトリック
マスカーニャのこの調整内容はよく見かけるものであり比較的シンプルだと思います。
2022.12.19 ver.2.1
試験的に草テラスから鋼テラスに変更
- ワタッコ@ヤチェのみ(ようき)ようりょくそ
- HP:252 / 防御:6 / 素早:252
- /
- 実数値:182-75-91-67-115-178 / 個体値:31-31-31-31-31-31
- くさわけあまごいおきみやげおいかぜ
役割としては、次の2点。最初の1点目が最も重要で、2点目はあくまで補助的・副次的な役割です。
1点目
後続をサポートすること。今回、後続の分岐は大きく2ルート(A・B)あります。
Aルート(追い風乗りルート)
1ターン目に「おいかぜ」を撃ち、2ターン目に「おきみやげ」を撃ち、そのままアノホラグサにつなぐルートです。
この行動をすることで、アノホラグサが場に出た瞬間に、攻撃のランク補正が+1となり、おいかぜターンが2ターン残った状態で相手と対面することが可能です。
Bルート(雨ウェザボルート)
1ターン目に「あまごい」を撃ち、2ターン目は後続が上を取れないと予想される場合は「おいかぜ」を、後続が1撃で倒されると予想される場合は「おきみやげ」を状況に応じて撃ち分けます。
雨によって、炎タイプの技は半減させられますし、ウェザーボールは、水タイプ一致相当の火力を得ることが出来ます。
2点目
相手の先発のポケモンが襷を持っていて耐えられた場合、アマージョの「がむしゃら」が撃ち込めた場合、ミミッキュが出てきた場合。「くさわけ」を撃って相手を落とすとともに、次のターン以降に確実に上をとりサポートできるようにします。
補足
今作、追い風等の支援変化技の後の「おきみやげ」は状況によっては、必ずしも有効に機能しません。クリアチャームのような、能力低下を防止するアイテムもあり、また取り分けサーフゴーの受け出しは、逆に相手のサーフゴーの「わるだくみ」の起点にされる恐れもあります。
相手が理詰めの行動傾向がある場合は、あえておきみやげをせず、サーフゴー対面を狙った素引きも、手かもしれません。
2022.12.19 ver.2.1
「こおりのつぶて」対策に持ち物を「おんみつマント」から「ヤチェのみ」に変更。
- アノホラグサ@パワフルハーブ(ようき)かぜのり
- HP:6 / 攻撃:252 / 素早:252
- /
- 実数値:131-167-90-90-90-156 / 個体値:31-31-31-31-31-31
- ゴーストダイブのろいこうそくスピンかげうち
本構築のメイン物理アタッカー…にしたかった子です。
役割は、アマージョの「がむしゃら」を嫌って出てくる、ゴーストタイプに対面で勝利することです。
このポケモンをメインアタッカーとして出す際は、ワタッコの支援が不可欠です。ワタッコは「おいかぜ」から「おきみやげ」で速やかに退場し、アノホラグサに繫ぎます。
おいかぜ状態であれば、特性の「かぜのり」の効果で、こうげきが1段階上昇しますので、おいかぜが切れる前のこの残り2ターンで、まず前面の相手を倒すことを狙います。
ゴーストダイブは通常2ターン使用してしまう技ですが、持ち物をパワフルハーブとすることで、奇襲性能を高めるとともに、おいかぜターンを無駄にせずに攻撃を行います。
次のターンは可能であれば「こうそくスピン」を撃ち、おいかぜが切れた場合でも確実に上を取れるようにするのが理想ですが、高速系の相手に、あえて「ゴーストダイブ」を撃ち、おいかぜ切れの狭間を狙った、後攻攻撃を狙うのも手です。
以降は、状況に応じて、詰めには「かげうち」、攻撃続行なら「ゴーストダイブ」、相手が持久策に出るのなら「のろい」と技を撃ち分けていきます。
ノーマルタイプに滅法弱いので、「のろい」を落として格闘「テラバースト」にすることも検討中ですが、火力が落ちてしまうので、まだ踏み切れていないところです。
2022.12.10 ver.2.0
技3 「タネマシンガン」を「のろい」に変更。
2022.12.04 ver.1.1
技4 「のろい」を「かげうち」に変更。
- ユキノオー@ゴツゴツメット(ひかえめ)ぼうおん
- HP:186 / 特攻:252 / 素早:72
- /
- 実数値:188-100-95-158-105-89 / 個体値:31-31-31-31-31-31
- れいとうビームだいちのちからウェザーボールテラバースト
草統一にはルンパッパが必要です。しかしながら、今作では入国が制限されている。であれば擬似的にルンパッパと同じ状態を作り出せないか?それも後続にテラスタルを残した状態で。
それを可能にすべく考えたのが雨ウェザボールです。雨が降っていれば、炎タイプの技は半減できる。そして、実質威力150の水技をテラスタルを切らずに、草タイプが撃てるようになります。
ただし、草タイプでこの作戦を取れるのは、現在パルデアでは2系統、オリーヴァ族とユキノオー族(特性「ぼうおん」)のみです。今回は悩んだ末、ラウドボーンのフレアソング対策とゴーストタイプが嫌煙するのを避けるため、ユキノオーを選択しました。以下がこのユキノオーの役目になります。
1点目
水、氷、地面タイプの技を撃ち分けて、可能な限り、テラスタルを切らずに、相手を消耗させること。
もっぱらこのサブアタッカーとしての性能に期待しています。
2点目
後続のテラスタルでも不利な相手の場合、特にマルチスケイルを持ったカイリューや、きあいのタスキを持ったソウブレイズに対して、水テラス受けゴツゴツメットを持ってそれを剥がし、後攻反撃によって奇襲をしかけます。
またこの水テラス受けは、切る瞬間が最も炎タイプへ効果的な攻撃となります。
3点目
ラウドボーン対策。
2022.12.29 ver.2.2
努力値を下記に変更。
変更前:H6 S252
変更後:H186 S72
2022.12.10 ver.2.0
ラウドボーンやソウブレイズ対策のため、以下の変更。
伴って、技も微修正。
変更前:オリーヴァ@しんぴのしずく/こぼれだね
変更後:ユキノオー@ゴツゴツメット/ぼうおん
2022.12.06 ver.1.2
技4 「にほんばれ」を「テラバースト」に変更。
努力値をH252 D6からH6 S252に変更。
持ち物を「しんぴのしずく」に変更
- ドレディア@いのちのたま(おくびょう)ようりょくそ
- HP:100 / 特攻:252 / 素早:158
- /
- 実数値:158-72-95-162-95-143 / 個体値:31-31-31-31-31-31
- ギガドレインテラバーストはかいこうせんちょうのまい
ドレディアを愛する動画実況者さんが、紹介していた炎テラスの蝶舞ドレディア。基本的にこのドレディアの技構成に習い、構築に組み込みました。
鋼タイプに打点がないと思わせるこの奇襲性能と、蝶舞ウルガモスへの優位性は、優秀なものであると感じます。
ユキノオーを雨ウェザーボール使いとしたのは、この子にテラスタルを残すためもあります。
- アマージョ@きあいのタスキ(せっかち)じょおうのいげん
- 攻撃:252 / 特攻:6 / 素早:252
- /
- 実数値:132-172-92-71-103-136 / 個体値:0-31-0-31-0-31
- ローキックくさわけテラバーストがむしゃら
意外とこぼれ勝ちを拾う子です。
連続技を持たない舞ポケモンに対し有効打を発揮します。
ローキックを連打で撃ちこみ、相手が焦れて攻撃技を撃ってきた後に、タスキで耐えて、がむしゃらを撃ち込みます。
あまり対戦をしたことのない方との戦いでは、しんそくやかげうちを撃って、特性の「じょうおうのいげん」の効果で無力化してくれます。
また、がむしゃらを嫌って出てくる、ゴーストタイプには、くさわけで上を取った後、ゴーストテラバースト落としてゆきます。
2022.12.07 ver.1.3
技3 「とびひざげり」から「テラバースト」に変更
テラスタイプを「かくとう」から「ゴースト」に変更
(火力不足になった場合はもとに戻します)
戦術と解説
今現在、私が思いつく草統一の軸は以下の4本です。この内、今回は2本目と4本目を用いました。
1本目
葉緑素晴れ成長軸
おそらく多くの草統一の使い手が考慮に入れているルートだと思います。
サポートポケモンとしては、ワタッコやユキノオー(特性「ゆきふらし」)が該当すると考えます。安全圏を作り、「あついいわ」持ちの「にほんばれ」を撃ち、場を整えた上でエースを投入します。
エースポケモンとしてはスコヴィラン、ドレディア、キマワリ、メブキジカなどが該当すると考えます。
特に新たに登場した、スコヴィランがこの軸の代表格であると思います。特徴としては、晴れの天候を書き換えられず、無事に「せいちょう」を積んでしまえば、炎技に対する半端な半減受けを許さないことです。
草タイプ特有の特性「ようりょくそ」との相性も良く、上から次々と高火力を叩き込んで行けるため、草統一の軸の中では比較的使いやすい軸だと思います。
短所としては、天候書き換えの特性を持ったポケモンに弱いことや、特性「てんねん」持ちのポケモンに有効打を持たない場合、止められてしまうことが挙げられます。
2本目
雨ウェザボ&テラス舞い軸
選出時点で、炎タイプを呼び込み、対戦中にサポートポケモンが「あまごい」を撃つことで、相手の炎タイプの技を半減し、草タイプのこちらの雨ウェザーボールが抜群をとるという、逆転現象を起こします。
この際、こちらは、テラスタルを切らずに行動を起こせるため、後続の蝶舞ドレディアや竜舞アップリューがテラスタル受けが可能となります。
あくまで舞いエースがテラス受けが出来るようにするための軸であり、雨ウェザボと舞いエースの連携は密接なものではありません。そのため、雨ウェザボと舞エースどちらかと、別の軸の一部を、状況によって合わせて使うという方法が可能です。
3本目
草の毛皮軸
ゴーゴートをメインに使う軸です。
サポートポケモンは特性「こぼれだね」のオリーヴァで、持ち物に「だっしゅつボタン」や「だっしゅつパック」、「グランドコート」を持たせて先発で使用します。
前2つの持ち物の意図は、グラスフィールドが切れた後に、クッションとしてオリーヴァを挟み、グラスフィールドを再展開し、草の毛皮の効果を継続することです。
グランドコートの意図はそのまま、8(7)ターングラスフィールドを展開することです。
試験的に運用してみましたが、オリーヴァの前面で積みを行う相手も見られたため、特攻に特化させ抜群技で殴っていける、だっしゅつボタン型が個人的には好みです。
後続はエースのゴーゴート。グラスシードを持たせておきます。この際、できる限り相手のポケモンを消耗させます。残りの1体はスカーフドレディアです。
スカーフドレディアにいやしの願いを搭載し、相手の対面優位となるポケモン(オリーヴァ・ゴーゴート)を復帰させます。
4本目
追い風乗り軸
アノホラグサをメインに使う軸です。
個々のポケモンの解説で示したとおり、サポートポケモンはワタッコ。追い風と置土産で、アノホラグサに追い風ターン2ターンと安全圏、攻撃1段階上昇を残し退場します。
その後はパワフルハーブを用いたゴースト技最大打点のゴーストダイブを用いて、一撃を加え、追い風ターンを無駄にせず、相手の後続ポケモンにもダメージを加えます。
火力、ターン数的にもあと一歩足りないケースがあるため、いかにして先発又はラストのサブアタッカーが相手を倒せるかが大切になってきます。
以上の4つの軸を考えましたが、前述のとおりまずアノホラグサの軸を使いたいということが最初の出発点でした。
ただ、耐久型のポケモンを落とすための火力が足りないため、それを機能停止させるための、こだわりトリックが使えるポケモン(マスカーニャかカットロトム)が必要であり今回は器用なマスカーニャを採用しました。
また、抜群で撃ち合えるゴーストタイプを呼び込む必要があり、がむしゃらをおぼえる、アマージョを入れる必要があり、そうすると全体の構築が物理寄りになる。
そこで特殊型で比較的安定している、蝶舞ドレディアを追加する。ワタッコはもちろん不可欠。
この時点で3本目のゴーゴートの軸を合わせることは難しい。火力の高い1本目の葉緑素軸は可能だが、炎タイプに奇襲がかけられる2本目が使いやすい印象を受ける…ウェザーボールはオリーヴァかユキノオーか、より炎タイプを誘えるユキノオーか…という風に思考を進めていった結果、最終的にこの構築に行き着きました。
以上、長々と書きましたが、今の構築に至りました。
皆様の良い草統一ライフの一助となればと思います。
敬具。
投稿日時 : 2022/12/04 06:00
最終更新日時 : 2023/07/23 18:21
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