12回目の投稿です。半熟卵と申します。
次世代に移る前に今までの受けルを供養する意味で。次世代についても軽く触れながら。
前置き
・個体は全て理想個体とします。
・非公式の略称や単語を使用します。不明な点がございましたらコメントにて。
・読み飽きを防ぐために冗談を挟んでいます。寛大な心でお許しください。
・一部、無断でリンクを貼らせていただいています。
・本論は害悪戦法や(不確定)TODの是非を問う場所ではありません。その是非を一投稿者に問われても対応は困難なだけです。同様に、一個人が決定できるものでもないので、大会等の特設ルールへの抵触や最低限のマナー(訴え方、負け確での遅延行為等)等だけは留意しておきましょう。
採用理由
受けループに於いて対面構築に対して高い詰め性能を持つポケモンを採用したい
解説
- 受けループ
後出し至上主義。後出しからの行動回数を確保し続けられれば負けない理論を主軸に組まれる構築。役割理論と対を為す実践理論という構築の1つですがサイクル思考な考え方の為、中身は役割理論に近い。
手前味噌ですが参考リンクをば。ラキヤドの情報が古いのは目を瞑ってください。
〔参考リンク〕
・ラッキー〔育成論ORAS・XY/1819〕
・メガヤドラン〔育成論ORAS・XY/1811〕
・バンギラス〔育成論ORAS・XY/2006〕
・グライオン〔育成論ORAS・XY/2063〕
- 他の構築との相性関係
受けループはその後出し性能の高さから、基本的にはタイマン性能を意識する構築――対面構築――には強いとされ、瞬間的な高破壊力を叩き出されて受けが不可能になる積みサイクルとは相性が悪い。つまり、対面構築 < 受けループ < 積みサイクル このような相関図だとされています。
ところがどっこい、現実は甘くありません。現環境の受けループは対面構築にすら不利と言わざるを得ないほど。グロ噛みガルの一般化、瞑想眠るスイクンの個体数、巧みボルトの個体数等、積み要素を多くもった対面構築が一般的な為に受けループが苦しくなってしまっています。様々な俗称を持ちますが"対面積みサイクル"や"対面+積み構築"に近い単語を見聞きした方も少なくないはず。第6世代の象徴的な構築です。4文字で言えば対面厨パ
注意すべきは、積みサイクルと対面構築の混合化でありこれらを仮想敵とする際は両方の要素を意識する必要があるという点です。
- てんねん / 比較
そこでそれらの積み展開の多くに対して後出しから展開できる特性:天然持ちのポケモンの採用の検討に至ります。これに該当する主なポケモンはヌオー/ビーダル/ピクシー/ココロモリの4匹。これらのポケモンで対面構築にも強い構成を目指す形になります。ヒヤッキーとグレニンジャとのそれとは違い、これらのポケモンに完全劣化の関係は存在しません。
これらのポケモンが対対面構築を意識した構成を取る為の考察、適性判断を簡単に箇条書きするとこのように。
・"ヌオー"
〇天然ポケの中で最高物理耐久指数を誇り、炎Pや冷P・地震等で崩されにくい耐性を持っている為、対グロガルが最も安定する枠。ゴツメを持つことで噛み砕く連打でのB下降による崩しもケアできる為、輝石ポケを比較対象に加えても再安定はここ。
〇電気も無効の為、ハピバンギ受けだと崩される恐れのある巧みレボルトに対してケアが可能。
●HB特化しても、ただの一致逆鱗で半分近く入ったり、バシャの膝に受け出せなかったり、と物理受けの役割も同時にこなすことは難しい。
●前述のメリットを生かして対対面構築を詰めようとするとHBDどれもが必要になってくるが、種族値が低く、基本的に数値が足りない。
・"ビーダル"
○特性:単純+分身&鈍いの知名度から、選出段階での圧力が望める。
●HB指数がヌオーに劣っているため、単純な対ガル要員としての採用は劣化。特殊に強い耐性も持ち合わせてはいない。
●受け出せる仮想敵がかなり少ない。せいぜいスイクンや聖剣以外でガルドに投げられる程度。
・"ピクシー"
○竜技を無効化できる為、逆鱗や流星の一貫を切る役割をラキムドー等に一任せずに済む。
○ムンフォの他にも文字や冷凍B等も覚える為、ptに合わせたカスタマイズが行いやすい。
○ビーダル同様、小さくなるによる選出圧力が望める。
・特性:マジガを持つため、毒ボルトに強い選出圧力をかけられる。ただし、受けループのピクシーは天然で決め打たれやすくもある。
●HB指数がヌオーに劣っている(ヌオー>ピクシー>ビーダル)。HD指数は大きく上回っているがボルトの10万が等倍で入ることを考えるとトントン。
・"ココロモリ"
○ビーダル程ではないが、特性:単純+S114からの高速ガン積み+アシパによる選出圧力がある。
●耐久が壊滅的。受け出すという行為がほぼ望めない為、受けルのコンセプトにマッチしていない。
ガルボルトスイクンあたりの積み要素を意識する際、ビーダルやココロモリはあまり優秀とは言えませんが、ピクシーやヌオーは比較的優秀と言えます。
ということでこの2体に限定して更に細かく比較してみます。
・"ヌオー"
○HB指数が高い。
○電気無効。岩半減。蓄えるとゴツメを採用することで雪崩ガルや冷Bガルにも1ターン目で動ければいい確率で打ち勝つことが可能。
○(火傷ありきな部分もあるが)熱湯で広く負担をかけれる。冷Bによる氷解除もできる。
●草4倍。ゲコボルトの不意の結びであっさり落ちる。
●格闘等倍。バシャの膝が受からない。
●スイクンへの回答がTODしかない。次世代では土下座
・"ピクシー"
○HDがヌオーより高い。
○竜無効。選出段階で鉢ガブの牽制ができる為、気持ちムドーの選出を強要されずに済む。
○そこそこのC種族値からムンフォ/冷B/文字/気合玉等でカスタマイズには困らない。
○小さくなるによる見せ合い圧力が凄まじい。
●毒2倍。水等倍。やはりゲコは物理特殊問わず後出しが難しい。特殊ゲコかつ対面からなら調整すれば打ち勝てる、が物理が薄くなる。
●炎等倍。やはりバシャは受からない。
●瞑想を持つことでスイクンの突破が可能。しかし技スぺが全く足りていない。
現環境の視点で大雑把に言えば、
・対対面積みサイクルへの勝ち筋(TOD含む)を強く意識したい場合はヌオー、
・小さくなるによる選出圧力を基に有利な選出、立ち回りを組み立てたい場合はピクシー
を採用する形になります。
採用指針を外さない為の考察は以上。上記の内容からどちらを採用するかを選択し、ご希望のポケモンの構成をご参照ください。
構成 ― ヌオー
実数値:201-xx-150-85-85-57
努力値:244-xx-252-0-0-12
性格:図太い
特性:てんねん
持ち物:ゴツゴツメット
〔 熱湯 / 蓄える / 自己再生 / 眠る 〕
〈 主な調整先 / 目安 〉
・A182ガブリアス 逆鱗 84~99 確2耐え
・A194メガガルーラ 捨身 133~159 確2 / D1↑:88~106 低乱2
・A233メガバシャ フレドラ+飛び膝 167~198 確耐え
・C111スイクン 熱湯 58~70 高乱3 / 火傷ダメ込 確2耐え
・C177ボルトロス 気合玉(球+D1↑) 82~97 確2耐え
- 解説
ガルに対して、噛み砕く連打からのBダウンの負け筋&秘密連打からの麻痺ゲーの2点をゴツメを持ち蓄えるを採用することで詰ませて熱湯で処理する。
スイクンに対しては、熱湯+火傷ダメを蓄えるなしでも2回耐えるため、対面から蓄えるの起点→最終ターンに下から眠ることでTOD成立。
ボルトに対しても、草結び以外のボルトは蓄えるの起点。毒ボルトに関しても再生と眠るを組み合わせることで問題なくTODが可能になっています。
バシャやガブ等も、他との対面で蓄えるを積めていれば問題なく詰ませることができます。鉢巻吠えるガブは事故(1敗)
このように対面積みサイクルに対して非常に強い詰ませ要素を備えています。レートの上昇に比例してマークが厳しくなるポケモンです。
上記の流れで自然と技構成も確定。努力値はメガガルへの確率を第一に考えてHBぶっぱ。これでもA194捨身(B1↑)の2耐えに乱数が絡む。
同様に、フレドラ+飛び膝こそ耐えるものの、数値受けできるだけのHB指数が備わっているわけではないので、安易に後投げしないよう注意が必要。バシャルカを見てヤド感覚でポンポン投げても受かりません。
また、対面構築に一定数以上いるポケモンの中で苦手なポケモンがゲンガー、特にメガゲンに関しては大不利。バンギでケアするのが基本になります。
- 相性のいいポケモン
【バンギラス】
参考リンク
・ラムバンギ〔育成論ORAS・XY/692〕
・イバンギ〔育成論ORAS・XY/2006〕
前述した通り、ヌオーで対面構築を詰ませにかかる際に邪魔になるゲンガーを処理する枠。
また、ボルトの回答をバンギヌオーの2枚で担うことで、最悪、結び持ちor気合ボール持ちのどちらかはストップできます。両立巧み型は事故(1敗)
【メガゲンガー】
参考リンク
・鬼火祟目〔育成論ORAS・XY/2090〕
ヌオー単体で詰ませにかかろうとすると吠えるのないスイクンと結びの無いボルトぐらいしか蓄える隙がないので、鬼火で起点作成をしたり道連れで障害になりそうなポケモン、不確定要素の強いポケモンを排除することでヌオーの詰ませ性能をより高める並び。某所で"エンジェループ"と呼ばれるゲンガヌオー入り受けループの形。
HBSメガゲンを挙げたのは自画自賛ではなく、バシャの処理ルートを増やすため。ヌオーが膝2発で落ちてしまう為、ヘド爆+フレドラ反動(メガゲン)+フレドラ反動(ヌオー)+ゴツメ*1処理することでメガゲンを残せる展開が強い。
- その他のダメ計
H155-D101[0-4] メガバシャーモ 熱湯 → 78~93(50.3%~60%) 確2
H172-D100[140-0] ボルトロス 熱湯 → 39~46(22.7%~26.7%) 低乱4
H167-D70[252-0] ギルガルド 熱湯 → 55~66(32.9%~39.5%) ほぼ確3
A194[252+] メガガルーラ 秘密 → 76~92(37.8%~45.7%) 確3 / 秘密(B1↑) 52~64(25.9%~31.9%) 確4
A222[252+] ギルガルド シャドクロ → 67~81(33.3%~40.3%) 確3
A200[252+] メガリザードンX 逆鱗(B1↑) → 78~93(38.8%~46.3%) 確3
C177[252] ボルトロス めざ氷 → 70~84(34.8%~41.8%) 確3
- 構成 ― ピクシー
実数値:201-xx-137-116-111-81
努力値:244-xx-252-4-4-4
性格:図太い
特性:てんねん
持ち物:ゴツゴツメット
〔 月の光 / 放射 / -- / -- 〕
〔 -- 〕: ムンフォ / コスモパワー / 瞑想 / 眠る / ステロ / etc...
〈 主な調整先 / 目安 〉
A194メガガルーラ 秘密 85~101 低乱2
C177ボルトロス 10万 82~97 確3
- 解説
やはりメガガルへの回答&乱数の向上を第一にHBベース@ゴツメが基本。ヌオーより1.1倍ほどのダメージを食らう。
技構成に関しては、優秀な回復手段である月光を基に様々な組み合わせが考えられますが、個人的には放射を推したいところ。と言うのも、受けループでのナットの突破手段というのが本当に少ないからです。バナがめざ炎を持たないこともザラ。TODやギロチン頼りになるのが好きではない方には特に推奨。ナットを確1にできない&殆どのハッサムにS負けしていることから命中安定の放射推奨。一応、文字(C1↑)でナットが確1なので、スイクンの突破を図って瞑想を組み込む場合は文字も視野。
後は、タイプ一致+命中安定+竜への遂行としてムンフォを採用し、残りの1枠で詰ませ性能をカスタムしていくのが無難。
ピクシーはヌオーと違い、HBが一回り低いのも相まって、どうしても隙が見えてしまいます。同じ並びでも中身は多種多様な対面構築に対して、このデメリットは地味に響くところ。
つまりは、選出段階でどれだけ相手のptの中身を透かせるかが非常に大きく影響してきます。環境を意識したり、その流れを意識したり、ブログ等で事前メタを得たり。勿論、数をこなして被選出傾向を掴むのも立派な手段の1つ。そのうえでピクシーの選出誘導能力を考慮した選出を準備しておくことが肝要です。そういった事前の準備や知識が大きく活きるポケモンです。
- 相性のいいポケモン
【バンギラス】(リンクは上記参照)
ちいピクストッパーの第一候補である滅歌メガゲンは勿論、その他の型に対しても後出しから高確率で勝てるポケモン。他の受けループの面々との補完も優秀なため、入れておいて損はありません。
ピクバンギの並びを見せることで選出段階で相手にメガゲンの選出択を迫ることができ、その択を嫌った相手がメガガルの押し付けを図ってくる可能性まで考えると、バンギにガルへの打点を仕込みたいところ。
【バシャーモ】
バシャピクの並びで更に選出誘導をかけ、受けループの問題点である足の遅さをエースとして担う役割を1枠で完結できるポケモン。吠えるスイクンを誘ってしまうのが惜しいところですが、代わりはいません。
バシャの構成は色々と考えられますが、憎きメガガルを1撃で屠れる跳び膝、ピクシーの詰めを手助けできる鬼火あたりの優先度が高く、エースとしての性能を落とさない為に残りを守る・フレドラと埋めていくのがベター。
勿論、加速バトンを組み込むことで、ピクシーが上から詰ませられる範囲を広げる選択肢もありますが、それだったら素直にちいピクを採用した方が勝ち筋は広いです。
- その他のダメ計
H181-D136[252-0] ナットレイ 放射 → 116~140(64.1%~77.4%) 確2
H183-D105[0-0] ガブリアス ムンフォ → 120~144(65.6%~78.7%) 確2
A233[252+] メガバシャーモ フレドラ(B1↑) → 76~91(37.8%~45.3%) 確3
A182[252] ガブリアス 地震 → 76~90(37.8%~44.8%) 確3
あとがき
ここまでお読みいただき誠にありがとうございます。
貴重なお時間を割いていただき恐縮です。
この論がどなたかの参考になれていれば幸いです。
更新履歴以下、駄文。
本論をここまでお読みいただいた皆様、改めてお疲れ様です。
レート環境も実質的締めの状態。第6世代のレート環境も色々ありました。受けループ逆風であった今世代ですが、それでもメガ進化という新しい戦術幅は非常に楽しかったです。ここでの具体的なネタバレは避けますが、新世代でも新戦術の要素があるらしく、非常に楽しみです。
そんな新戦術も含め、次世代の事前情報が数多く公開されてますが、グライの採用理由の6割が死んだのが私の一番のショックです。ヌオーも半分死んでます。ちいピクやゴーリは嬉々としています。
そんな新世代でも楽しくポケモンできれば、空いた時間でここにも投稿していければ、自分が参考にしている以上にどなたかの参考になれていければ、と。できなかったら察してください。では最後に、