はじめに
9回目の投稿となります、Ms .Zです。私個人の気持ちによるものですが、ムクホークというポケモンに強い愛着を持っているので、この度開かれるシンオウダービーにおいての実用性を求めたスカーフムクホークを投稿させて頂きます。不用という声が多ければ削除します。論を読む前に以下の注意点に目をお通しください。また、それらに納得できない場合はブラウザバックをお願いします。
- HABCDSや、ぶっぱ、特化、準速、最速などの表現を用います。
- ポケモン名や、技名、道具名、タイプ名などの略称を用います。不明な点があればコメント欄にてお願いします。
- お互いに指定が無い限り6Vとします。
- ダメージ計算はトレーナー天国さんのものを使用しています。
- シンオウダービーでの運用を想定しています。
- そのため、(ダブルレートでこそムクホークは使ったことがありますが、)論中の多くが机上論となります。考察には、様々な方のブログを参考にさせていただきました。
ムクホークとは?
第4世代で初登場した、ノーマル飛行の複合タイプを持つポケモン。序盤に登場する鳥ポケモンということだけあり、旅パに組み込んでいた人は多いのではないでしょうか。種族値は85-120-70-50-60-100と、Aがやや目立つくらいの平均的なもので、あまり特徴はありません。また、特性は相手のAを1段階下げる「威嚇」、メインウェボンであるブレイブバードと捨て身タックルの威力を1.2倍にできる「捨て身」と、中々優秀なものが揃っています。ですが普段はブレバ役→アローにやや劣る、捨て身タ役→メガガルの劣化、威嚇&トンボ→霊獣ランドの劣化、と言ったように差別化がとても難しいポケモンです。そのため、それらのポケモンが使用禁止になることも合わせてムクホークの強みが発揮しやすくなる、シンオウダービーでの運用を想定したムクホークを考察します。
シンオウダービーについての簡易考察
- 基本ルール
【バトル形式】ダブルバトル
【使用可能ポケモン】全国図鑑No.001~493のポケモン
ただし、伝説・幻のポケモン、カイリュー、バンギラス、ヒードランを除く。
また、過去作産のポケモンの使用が認められる。
【道具】この大会では、ポケモンに各種メガストーンを持たせることができない。
ルールは以上のようなものですが、メガストーンの禁止から、クレセリアや(零度)スイクンなどの耐久ポケモンを崩すのが非常に難しい環境になるのは目に見えます。ダブルと言えど、オボンやチョッキなどの道具も加えて恐ろしいほどの耐久を持っているそれらを、メガ無しで倒すのは非常に難しいでしょう。
- 流行予想
・クレセリア
今大会で最も流行るであろうポケモン。その耐久は勿論、凍える風や手助けなどの有用な補助技を数多く覚え、非常に強力なポケモンです。トリックルームの始動役としても扱うことができ、クレセドサイの構築なども要注意です。
・雨パ
ニョロトノで雨を降らせ特性すいすいのルンパッパやキングドラで攻撃するという雨構築。リザYやバンギラスなどの天候を上書きできるポケモン・モロバレルやボルトロス、ファイアローなどのトノルンパに強いポケモンが使えない環境で、強さを増すことが予想されます。
・零度スイクン
言わずもがなのクラウンスイクン。クレセリアにも匹敵する耐久を持ちつつ、3割で相手を戦闘不能にする鬼畜さをも持ちます。零度は犯罪。チョッキを持っていることもあり、弱点をついても一撃で倒すことは困難です。また、通常でも追い風や凍える風などの補助技を覚えるため注意です。
・ドーブル
ダクホマン。以上。冗談でもなく、相手2匹に眠りを与えるダークホールに、猫騙しやこの指止まれまで何でも覚えられるとても厄介なポケモンです。メジャーな持ち物は襷とスカーフですが、その2つだけでも対策が大きく違ってき、たまにいるメンタルハーブ持ちにも苦戦を強いられます。
・マリルリ
貴重なフェアリー枠であり、それなりの耐久と力持ちによる攻撃力を両立しています。マニューラやライチュウ、トゲキッスなど、腹太鼓で抜き体勢を整えるために猫騙しやこの指止まれでサポートする相方への対策も難しいところ。
・(その他)数値が高いポケモン
崩すのが難しくなる高耐久や、上に書いた足りない火力を種族値で産み出すことができるポケモンは有用です。とは言っても数は少なく、準伝説と600族くらいしかそれに当てはまりません。要するに、サンダーやガブリアス・メタグロスなどですね。何にせよ、メガ無しの環境で高い数値を持つポケモンは強さを見せるでしょう。
シーズン16のダブルバトル使用率トップ12(PGLより)に名前が上がっているポケモンの内、メガ石持ちが9割を越えるポケモンも含めると11匹ものポケモンが使用できなくなるため、現在の環境とは全く違った構築を組むことが必要とされます。
採用理由
- 1.特性「威嚇」による味方補助・繰り出し性能
普通のダブルレートでも重宝される特性ですが、場に出たときAを1ランク下げられる特性「威嚇」は、自らと隣の相方の被ダメージ低下に繋がり、さらに相手2体ともに効果があるため優秀な特性です。スカーフ蜻蛉とも相性が良く、繰り出すだけで仕事ができるのは見逃せないムクホークのスペックです。
また、命懸けの火力増強にも繋がるH振りのおかげで特化ルンパッパの冷Bを余裕を持って耐えたりできるので、相手のもう一方にもよりますが受け出しからそれを狩ることもできます。
- 2.技「命懸け」による耐久崩し
メガ禁止によって高耐久がより倒されにくくなる環境に、大きな定数ダメージを与えることができる技「命懸け」はとても有用な技です。勿論H種族値が高いそれらのポケモンを1:1で持っていけるわけではありませんが、一致効果抜群でも受けることのないようなダメージを食らわすことができるため、相手の耐久調整を大きく崩せます。零度は犯(ry
- 3.対スカドー・すいすいルンパッパ
最速にしてスカーフを持たせることで、素早いことが強みであるそれらのポケモンを上から叩いて落とすことができます。ルンパッパは弱点が少なく耐久も高いため、ムクホークは素早さと攻撃力・有効打を兼ね揃えた数少ないポケモンであると言えます。
差別化
同じようなポケモンにボーマンダがいます。ムクホークと同じ飛行タイプ・特性威嚇を持ち、Sがムクホークと同速ということのみならずその他のステータスでは全てボーマンダが勝っています。
その為、差別化点は命懸けを使えることが第1になります。このポケモンの採用理由にもあるスカーフ命懸けによる耐久崩しは、ボーマンダではできない芸当です。また、ドラゴン飛行というタイプにより氷が4倍になるため、トノルンパでルンパの猫+トノの冷ビで落とされる危険性もあります。
決定的なのは技不足による火力で、ボーマンダはルンパッパや格闘への遂行打となる飛行技が非常に残念です。使えるのは空を飛ぶと燕返しくらいですが、空を飛ぶの場合1ターンの隙を相手に与え、交代・守るもされやすいので論外、燕返しの場合は威力がブレイブバードの半分の60と、圧倒的な火力不足が伺えます。これを指数で表すと、
- 無補正A12振りムクホークのブレイブバード … 25560
- 無補正A252振りボーマンダのつばめがえし … 16830
となり、その差は明らかです。この違いにより、ムクホークでは確定1発で倒せるH252ルンパッパや無振りバシャーモが、確定2発になったり50%の乱数に入ったりしてしまいます。
以上により、ボーマンダとの差別化を完了とします。
特性
特性は採用理由にもあるとおり威嚇を推します。場に出るだけで相手2匹のAを1段階下げられるので、味方の大きなサポートになります。捨て身もムクホークに合った良い特性ですが、Aを上げずとも仮想敵に対しての威力は持ち合わせているので、ダブルということも相まって今回は威嚇の方が優先されるでしょう。
持ち物
今回のコンセプトなので、こだわりスカーフで確定です。これにより、すいすいルンパッパやスカドーを上から殴ることが可能になります。その他にもゴウカザルや1加速バシャーモをも抜くことができ、蜻蛉帰りを採用する際には上から対面操作ができる点からさらに良き道具になると言えるでしょう。
性格・努力値
- 性格 : 陽気
努力値 : H252 / A4 / S252 (実数値 : 192-141-90-x-80-167)
H…ぶっぱ
A…余り
S…最速
スカーフ命懸けが活きやすいHSベースの努力値です。
努力値振りの意図を説明します。まずSについて、このポケモンの仮想敵であるルンパッパは、準速の雨下では実数値が244となり、ムクホークがその値を越すにはS上昇補正236振りが必要です。他に努力値を回して勝てる相手や同速のポケモンなどを考慮に入れた結果、236振りよりも最速にした方が良いと考えました。一方Hについては、命懸けをする際192と191の実数値1の違いで相手が倒れる倒れないが決まることは無いと思ったため、ドーブルのニードルガードを殴ることもあるこのポケモンに有用な定数ダメージ意識の244振りにしました。
【コメントでご指摘を受け、努力値を変更しました。】実際にこのポケモンが使う技は反動を受けるブレイブバードやインファイトなので、例え定数ダメージを意識してもそれが崩れやすいです。Aの努力値を減らしても確定数に変動は無かったため、(コメント欄での言葉を借りますが)H種族値が同じであるポケモンを狩る際に、1%でも倒せない可能性を潰せる全振りの方が良いと判断しました。
Aは余りになってしまいますが、下のダメ計のとおり仮想敵に対する火力は十分足りています。
技構成
- 確定技
- ブレイブバード
メインウェポンであり、ボーマンダとの差別化点にもなるので確定。主にルンパッパや格闘タイプに撃ちます。ファイアローやメガボーマンダが使えないため、高火力の飛行技は貴重な技です。
- 命懸け
採用理由のとおり。自分の身をもってH実数値191以下のポケモンを一気に倒すことができ、あらゆる耐久を崩すことが可能です。ムクホークは命懸けを使えるポケモンとしては割と有名な方で、決して意表を突けるわけではないので注意。
- 候補技
- インファイト
候補技にこそ入れてますが、ブレイブバードの通りが悪い岩・鋼に抜群を取れるため、ほぼ確定としていいと思います。とは言ってもバンギドランがいないため、それらに撃つことになるかは微妙。飛行タイプで尚高威力の格闘技を撃てるのは珍しく、範囲も広いのが良いところ。
- 蜻蛉帰り
シングルでスカーフを持たせるなら確定技ですが、ダブルではシングルほど実用性の高い技ではないので選択技。最速スカーフという点からターンの始めに交代することができ、威嚇撒きとしても機能する技です。
- 捨て身タックル
通りの良いノーマル技。ブレイブバードと半減タイプが被っているため主に電気タイプに撃つことになりすが、上2つの技を差し押さえて採用する価値はそう高くないです。
実用的な技がとても少ないですね。反動技が多いため、この他にも恩返しなどの安定技を仕込むのも一考です。「スカーフ追い風」なども面白くはありますが、役割から外れているので本論では不採用としてます。
ダメージ計算
- ブレイブバード
H252ルンパッパ
割合: 115.5%~135.8% 回数: 確定1発
H252ユキノオー
割合: 103.5%~121.8% 回数: 確定1発
無振りゴウカザル
割合: 140.3%~166.8% 回数: 確定1発
H252クロバット
割合: 50%~59.3% 回数: 確定2発
無振りバシャーモ
割合: 139.3%~163.8% 回数: 確定1発
H252ニョロトノ
割合: 51.7%~60.9% 回数: 確定2発
無振りキングドラ
割合: 56%~66.6% 回数: 確定2発
無振りゲンガー
割合: 88.8%~105.1% 回数: 乱数1発 (37.5%)
- インファイト
無振りマニューラ
割合: 209.6%~248.2% 回数: 確定1発
HB特化輝石ラッキー
割合: 38.6%~45.9% 回数: 確定3発
無振りドーブル
割合: 180%~212.3% 回数: 確定1発
無振りジバコイル
割合: 45.5%~53.7% 回数: 乱数2発 (32%)
H252グレイシア
割合: 58.1%~68.6% 回数: 確定2発
特に等倍相手への火力が不足しているようですが、そこは相方のポケモンで補いたいところです。
- 命懸け(ダメージ目安)
[H種族値と、その代表ポケモン]ー[両者HP満タンで命懸けを使ったときの相手の残りHP]で書きます。あくまで目安なので参考程度に。
Hぶっぱ120族(クレセリアなど) ー 35
H244振り115族 (エンテイ、ドサイドンなど) ー 29
Hぶっぱ100族 (スイクン、マリルリなど) ー 15
H244振り95族(ミロカロス、ギャラドスなど) ー 9
Hぶっぱ90族(サンダー、ライコウなど) ー 5
H244振り85族 (ポリゴン2、トゲキッスなど) ー 0←確定突破
- 被ダメージ(物理) ※威嚇で相手のAランクが1ダウンしていることを基本的な前提とします。
A252マニューラの氷柱落とし
割合: 63.5%~76% 回数: 確定2発
A特化ドサイドンの岩雪崩
割合: 53.1%~62.5% 回数: 確定2発
A252ゴウカザルのインファイト
割合: 41.1%~48.9% 回数: 確定3発
A特化マリルリのじゃれつく(力持ち)
割合: 43.7%~52% 回数: 乱数2発 (14.5%)
A252珠ガブリアスの岩雪崩
割合: 38%~45.8% 回数: 確定3発
A特化ハッサムのバレットパンチ(テクニシャン)
割合: 26.5%~31.7% 回数: 確定4発
A特化メタグロスの冷凍パンチ(クリアボディ)
割合: 67.7%~80.2% 回数: 確定2発
- 被ダメージ(特殊)
C252ゲンガーのヘドロ爆弾
割合: 60.9%~71.8% 回数: 確定2発
C特化ルンパッパの冷凍ビーム
割合: 69.7%~82.2% 回数: 確定2発
C特化ニョロトノの冷凍ビーム
割合: 69.7%~82.2% 回数: 確定2発
無振りクレセリアの冷凍ビーム
割合: 42.7%~51% 回数: 乱数2発 (5.1%)
C特化ウォッシュロトムの放電
割合: 76%~90.6% 回数: 確定2発
C252サンダーの10万ボルト
割合: 116.6%~138.5% 回数: 確定1発
C252トゲキッスのエアスラッシュ
割合: 47.3%~56.2% 回数: 乱数2発 (79.7%)
運用
威嚇により繰り出し性能は高いので、繰り出し方法としては何でもアリだと思います。ただ、命懸けを前提としている場合には、命懸けを撃つ前に無駄にHPが削れてしまわないような運用を心掛けましょう。
また、確定欄の技では反動を受けるものや強制的に交代する技など、安定したものが1つもありません。スカーフであることから蜻蛉でない限り打ち直しもできないため、撃つべき相手をしっかり見極めてから技を選ぶのが大事です。
特性威嚇とスカーフ命懸けで決して無駄死にしないのが特徴なので、選出に困ったら迷わず出すといいでしょう。
相性の良い味方
- ライチュウ
猫騙し+アンコールによるサポート、避雷針による電気受けをこなせるポケモン。ランドロスがいないので、多少動きやすくなったのも1つの利点。フェイント+インファイトで(猫で止めらない限り)ドーブルを確殺できます。
- ドサイドン
低速重火力高耐久アタッカーなので、スカーフ持ち全般が苦手とするトリックルームの対策になります。ムクホークが浮いているため隣に配慮せず地震を撃つことができ、その他岩雪崩等全体技を覚え、命懸けの後の後始末にも優れます。
おわりに
いかがでしたか?机上での考察でしたが、ムクホークの強みを伝えられていたらとても嬉しいです。
また、今回は実際に環境で使用したわけではないため、多くの意見を聞くためにコメントの会員限定を解除します。ルールやマナーを守ったコメントをお願いします。
環境に適応したポケモンだと思っているので、是非使ってみて下さい。以上でこの論を終わります。
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おわりのおわりに…シンオウダービーを終えて
論を投稿してから一週間も経たぬうちにシンオウダービーは終わってしまいましたが、私はこのポケモンとクレセドサイを軸に組んだパーティーで戦いました。使用感としては、クレセドサイ対策で初手から繰り出してくる雨パにとてもよく刺さり、その点では使いやすかったです。読み外しても威嚇 + 蜻蛉・命懸けで腐らずに済み、良い動きをしてくれたと思います。ただ、使っていて厳しかったのが相手の「守る」。反動技ばかりだったために、一度守って様子を見られると次ターンの相手の交代が大きな痛手になりました。相手の引き先が読めるのなら積極的に対面操作をしていくことでカバーをするべきですね。
シンオウダービー用の育成論として書きはしましたが、このポケモンの採用理由3つを満たすポケモンは5世代以降にも存在しないため、普通のダブルレートでも需要はあると考え、本論は削除せずに残しておきます。
拙い文章になりましたが、ここまで読んで下さりありがとうございました。