ローブシン - ポケモン育成論ORAS・XY

　この育成論ではHP、攻撃、防御、特攻、特防、素早さをHABCDSという略称で呼びます。また、ポケモン名等についても、略称を用いることがあります。ダメージ計算はトレーナー天国様のツールを用いて行い、理想個体を想定しています。

　みなさんご存じの武神ですが、簡単にその変遷を述べてみたいと思います。第5世代で初登場したポケモンで、初めのうちは使用率があまり高くありませんでした。しかし、5世代中期ではカバドリ対策として、その高い攻撃性能と特性が買われて火炎玉ローブシンが流行しました。その後は、三色パンチや鉄の拳の解禁に伴い、攻撃性能にさらに拍車がかかり、最終的にはBW2環境のトップメタにまでなったという、輝かしい出世街道を歩んできました。
　しかし、第6世代になると、ファイアローやフェアリーの流行、カバドリの死滅、鬼火の強化により、めっきり数が減ってしまいました。このように活躍の場が減ってしまったローブシンを少しでも選出機会に恵まれるようにしたのが本育成論です。

　とつげきチョッキはxy新アイテムで持たせたポケモンの特防を1.5倍にする代わりに、補助技が使えなくなるという一風変わったアイテムです。このアイテムはパッと考えただけでも武神と相性が良いことが分かります。それは、以下の2点です。

• 本来的に技構成をフルアタにすることが多く、本来の性能に弊害がでにくい
• 特殊相手にガッツリ削られてしまうことが少なくなり、十分打ち合えるようになる。

　この弊害のほとんどない特防上昇により、本来後出し性能の乏しい武神に低火力特殊に対する後出し性能や特殊アタッカーとの打ち合い性能が付加され、本来の武神とは異なりかなりサイクルに参加しやすくなります。反面、火力は本来よりも乏しくなっているため、多くの相手に一発は入れれる代わりに倒しきれないといった事態も起きやすいため、役割遂行や削りを重視した型といえます。
　次に、特性について考えます。特殊に強くなったこの型の武神で打ち合いたい相手に、零度ないスイクン・ウォッシュロトム・ヒードラン・ゲッコウガなどがいます。これらはいずれも鬼火や熱湯といった火傷技を持っている可能性が高く、ローブシンが機能停止してしまいます。そこで、強化アイテムなしでも火力を常時あげられる鉄の拳ではなく、あえて根性を採用することにより、さらに特殊相手に安定させることができます。同じく状態異常に強い火炎玉武神とは特殊耐久と過労死のしにくさで差別化できています。また、他のチョッキ持ちを使った時の感想ですが、チョッキヌメルゴンなどは特殊耐久はすさまじいのですが、毒や火傷になるとごりごり削れてあまり耐久力が感じられないということが多々ありました。その点、根性武神は毒や火傷になると毎ターンダメージを受ける代わりにドレパンの回復量も上がるので耐久力の低下をあまり感じさせませず(個人的には、むしろ覚醒武神キターという気分になれる)、チョッキとのシナジーが高いことがわかります。
　以上をまとめると、このポケモンの採用理由は、

1. 特殊耐久と回復技による特殊への高い打ち合い・後出し性能
2. 物理・特殊両方面の耐久が安定していることによる削り性能
3. 火傷や毒などの状態異常受け
4. 本来有利な相手(バンギガブなど)への性能を最低限保持している

の4つになるかと思います。

技火力の低さを補うために意地っ張りで確定です。

上で述べたように、物理アタッカーやチョッキの弱点である状態異常に強くするというコンセプトであるため、根性で確定とさせていただきます。

チョッキブシンについての考察なので、とつげきチョッキで確定です。

H84 A156↑ B12 D252 S4 (191-198-117-×-117-66)
H 16n-1調整…火傷や砂ダメをもらいやすいため。
A 11n調整
B 余り。一応陽気鉢巻カイリューの逆鱗確定耐え調整になっている。
D ぶっぱ。できるだけ特殊耐久を上げるため。
S 余り。
まだ環境が安定していないと思うので、下手に調整するよりも数値の効率を重視しました。
lunasagaruさんのアドバイスをもとに改訂しました。ありがとうございます。
なお、地震やはたき落とす採用時にギルガルドを意識したい場合はSの個体値を15かつS無振りにするとガルドよりもギリギリ遅くなれます。また、ダウンロードがどうしても気になる方はBの努力値を他に回して下さい。

• 確定技

ドレインパンチ
ローブシンをローブシンたらしめる技。この技のダメージ+回復により打ち合い性能と場持ちの良さが飛躍的に向上します。

マッハパンチ
先制技。少し残ったポケモンを狩ったり、こちらのHPが少ない状況でもバンギやヒードラン、メガガルーラといったポケモンを大きく削ることができる、Sの低い武神にとっては重要な技。

冷凍パンチ
対ガブや飛行勢などに対する有効打。格闘技との相性補完にも優れるため、外せません。

• 選択技

どれを選択するかによって、見れるポケモンが変わってきます。パーティ次第かと思いますので、各自合ったものを選ぶようにしてください。

雷パンチ
スイクンにより安定させたり、ギャラやマリルリへの有効打となる技。これがないとHB特化眠る持ちのスイクンに瞑想ガン積みされると厳しくなります。水ポケモンを誘いやすいパーティにどうぞ。

いわなだれ、ストーンエッジ
ファイアローこそ狩れませんが、チョッキにより耐えやすくなったメガリザードンyやシャンデラなどへの有効打となります。ストーンエッジはH4シャンデラを確一にできますが、外しやちいシャンの起点となりやすいのが怖いです。

はたきおとす
冷凍パンチ＋マッハパンチでラティオスを落としきれないので、メガネを意識する場合は是非。ゲンガーなどの霊への有効打にもなります。個人的にはこの技の使い勝手も試してみたいのですが、ポケムーバーを代行してもらった身なので試せていません。できれば使用感などを教えてもらえると助かります。

地震
ギルガルドへの有効打。コイツも忘れちゃならない特殊アタッカーですね。

• 被ダメ

• 特殊方面

スイクン
C4熱湯 15.7%〜18.8%
C252ハイドロポンプ 26.7%〜31.9%
この時点ですさまじい特殊耐久力が感じられると思います。瞑想スイクンには眠る持ちに対してもかなり強く出ることができます。ドロポン持ちはいるかわかりませんが、目安で載せました。

ウォッシュロトム(アイテム無/メガネ)
C252↑10万ボルト 26.7%〜31.4%/39.7%〜47.1%
C252↑ハイドロポンプ 31.9%〜38.2%/48.6%〜57%
メガネドロポンのみ乱2とられますが、ドレパンの回復を考えると打ち勝てます。

ヒードラン
C252大文字 34.5%〜40.8%
C252↑メガネ大文字 55.4%〜65.9%

サザンドラ(珠/メガネ)
C252↑悪の波動 16.7%〜20.4%/19.8%〜23.5%
C252↑流星群 56%〜65.9%/64.3%〜75.9%
少し増えつつあるサザンドラへ悪の波動読みで非常に低負荷で後出しが可能なのもチョッキのポイントだと思います。

ラティオス(珠/メガネ)
C252流星群 51.8%〜61.7%/60.2%〜71.2%
C252サイコキネシス 73.2%〜86.9%/82.7%〜98.4%
珠なら冷凍パンチ＋マッパ＋珠ダメで事足りるのですが、メガネは2発で倒される可能性がかなりあります。これが叩き落すも本当は実験してみたかった理由です。

メガリザY
C252大文字 59.6%〜70.6%
C252エアスラ 53.4%〜63.8%

シャンデラ
C252↑シャドーボール 29.8%〜35%
C252↑大文字 39.7%〜47.6%

ギルガルド
C252↑シャドーボール 30.3％~36.1％

メガゲンガー
C252 ヘドロ爆弾 34.5%〜40.8%

ボルトロス
C252 10万ボルト 27.2%〜32.9%

• 物理方面

バンギラス
A252↑ハチマキエッジ 38.7%〜45.5%

ガブリアス(アイテム無/珠/ハチマキ)
A252地震 46%〜54.9%/59.6%〜71.2%/69.1%〜81.6%
A252逆鱗 55.4%〜65.9%/72.2%〜85.8%/83.2%〜97.9%

鉢巻カイリュー
A252逆鱗 83.7%〜99.4%

マンムー
A252↑地震 50.7%〜60.2%

メガガル(親/子)
A252恩返し 45.5%〜53.9%/21.9%〜26.7%
A252猫騙し 17.8%〜21.9%/8.3%〜10.9%
恩返しのみなら余裕ですが、最近は猫だまし持ちも多いです。そのため、マッパ入れれるなー程度に思っておいた方が良いです。

マリルリ
A252じゃれつく 94.2%〜110.9%
A252↑腹太鼓アクジェ 90%〜106.8%

• 与ダメ(右が根性発動時のもの)

• ドレインパンチ

スイクン
H252 30.4%〜36.2%/44.9%〜53.6%
H252B252↑ 22.2%〜26.5%/33.3%〜39.6%
上でも述べたようにHB特化の場合、火傷を貰えないと試行回数の多さから急所を1回考慮しても素眠り中に倒しきれません。HSの場合眠るの状況まで持ち込んで、あいて眠る→ドレパン→眠り1ターン目→ドレパン→眠り2ターン目→ドレパン→マッパで倒せます。

ウォッシュロトム
H252 42.6%〜50.3%
H252B252↑ 31.2%〜36.9%/46.4%〜55.4%

メガガルーラ
H4 77.3%〜92.8%
H252 66%〜79.2%

H252ヒードラン 67.6%〜79.7%/101%〜119.1%
H4サザンドラ 90.4%〜108.3%
H252バンギラス 127.5%〜150.7%

• マッハパンチ

スイクン
H252 15.9%〜19.3%/24.6%〜28.9%
H252B252↑ 12%〜14.9%/17.8%〜21.7%

メガガルーラ
H4 43%〜50.8%
H252 36.7%〜43.3%

H252ヒードラン 36.3%〜43.4%/54.5%〜64.6%
H252バンギラス 65.7%〜81.1%
H4ラティオス 14.1%〜17.3%

• 冷凍パンチ

H60B4((191-116)ガブリアス 106.5%〜126%
H4マルスケカイリュー 58.6%〜69.4%
H252トゲキッス 51%〜60.4%/76%〜90.6%
H4ラティオス 71.7%〜85.8%
H4ボルトロス 80%〜95.4%

• 雷パンチ

スイクン
H252 40.5%〜48.3%/59.9%〜71.4%
H252B252↑ 29.9%〜35.7%/44.4%〜53.1%
HB特化でも、あいて眠る→雷パンチ→眠り1ターン目→雷パンチ→眠り2ターン目→雷パンチ→マッパで高確率で倒せます

H4メガリザY 74%〜88.3%
いわなだれ無しではマッパ込でも倒しきれません。

H4ギャラドス(威嚇あり) 91.2%〜107.6%
H252マリルリ 54.1%〜64.7%

• いわなだれ

H4メガリザY 148%〜176.6%
H4シャンデラ 75%〜89.7%/113.2%〜133.8%

H4デンチュラ 95.8%〜113.6%
襷や珠が多いので、岩雪崩の方が安定していると思います。

H4メガリザX 55.8%〜66.2%

• ストーンエッジ

H4シャンデラ 100%〜119.1%

• 叩き落す(メガストーン持ちはアイテム無で計算)

H4ラティオス 93.5%〜110.2%
H4シャンデラ 97%〜114.7%/145.5%〜172%
H4メガゲンガー 72%〜85.2%

H252守ギルガルド 51.4％~61％
地震と違い、接触技かつ2発目から威力が低下するので、この技でどうしてもガルドを処理したい場合はS個体値を調整するとよいです。

• 地震

H252守ギルガルド 53.8％~63.4％

先にも述べたように、本来の岩・悪への後出しに加えて、低〜中火力の特殊への後出しが可能なのでサイクルに積極的に参加させていきます。また、圧倒的不利になることが少ないので先発で出して相手パーティを削り込むという動きもおすすめです。しかし、火力が控えめなので、サイクルだけで勝ちに行く構築ではジリ貧になりやすいです。そのため、サイクルと抜きが合わさった構築で採用して、サイクルか削りのどちらか一方は確実に果たせるようにすると腐りにくくなります。かっこよく書きましたが、「サイクルと抜きが合わさった構築」というのは、ぶっちゃけ最もスタンダードなものだと思うので採用しやすいかと思います。

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先発で出してスイクンの熱湯を余裕をもって耐え、相手パーティの削り込みに成功しており、また、終盤にバンギラスへの後出しに成功しています。ホルードはASスカーフだったので、調整キッスなら抜けるかなーと思っていたので少しプレイングは甘くなっているかもしれません。なお、このバトルビデオで使っているブシンは本育成論の努力値配分の前段階となったものを使っているので、ここで書いたものとは少しステータスが違います。

　いかがでしたでしょうか。確一をバンバンとりにいく型ではないので、分かりにくかったかと思いますが、サイクル性能の高さや広い範囲に削りにいけることを理解していただければ嬉しいです。今までの武神とは大分違うので、最初のうちは動かしにくいかもしれませんが、慣れれば心強い1匹になってくれるかと思います。
　火力が心配な方は
育成論ORAS・XY/204
に徹子バージョンの素晴らしい育成論があるのでそちらも参考にしてみてください。

【受けループの参謀】メガジュペッタ 育成論ORAS・XY/53
【ランチャー=波動!?】メガカメックス基本型 育成論ORAS・XY/138