初めまして。5回目の投稿です。
今回は、よく見る採用理由から展開する場合を書いてみました。
前置き
個体は全て理想個体とします。
非公式の略称や単語を使用します。不明な点がございましたらコメントにて。
読み飽きを防ぐために冗談を挟んでいます。寛大な心でお許しください。
実践論(≠実践理論)を取り扱わない論の展開を目指します。その為、通常は考慮しづらい行動も考慮していきます。
いずれまた解禁される可能性や個人対戦での使用等を考慮し、シーズン13以降(11/17~)では使用不可能な過去産個体も考察しています。
ピカチュウの採用に至るまでの考察に興味が無い方は、次項の「採用理由」をお読みいただいた後、「運用法 / 注意点」までお読み飛ばし、または、下線や太字を流し読みください。(読んでいただいた方が、差別化の流れを理解しやすいことは確かです。)(コメントされる際は、全文をお読みいただいたうえでお願い致します。)
採用理由
地面にも麻痺を撒ける広い起点作成性能
マンムー等のステロ撒きへの先発性能
化身ボルト等の電気への後出し性能
及び、そこからのボルチェンによる展開性能
限定的な役割、かつ不安定さを許容できる愛。
「ピカチュウ」と「差別化」
愛くるしいポケモンです。以上
現環境、ランダム対戦で使用されることは極稀です。その理由を挙げれば切りがありませんが、最大の理由は進化後、ライチュウの存在です。種族値、覚える技の範囲で完全に劣化です。明確な採用理由を持たせる場合、常に差別化の必要を迫られています。
本論では、「ピカチュウを採用したい(愛)」を採用理由としつつ、差別化の可能性を最大限追っていきます。
※本論は「ピカチュウの最善を模索する論」ではなく、「ピカチュウにしかこなせない役割を模索する論」です。
採用までにある差別化の道のり
採用に行き着くまで、1つずつ差別化を試みます。
- 〔差別化〕@ライチュウ
前述の通り、「特性 / 技 / 種族値」全てに於いて劣化です。何に於いても差別化が必要ですが、ピカチュウには専用道具の電気玉があります。これにより、ライチュウより高い指数での撃ち分けが可能になり、差別化の可能性が生まれます。ひとまず、珠ライチュウを上回る値(A102orC102以上)であれば、差別化成功としましょう。
- 採用理由の模索(i)ーー火力編ーー
ここで採用理由を考えます。
ライチュウとの差別点が火力指数なので、ある程度の火力を押し付ける方向で考えます。真っ先に浮かぶのは、「ボルテッカーでの負担掛け」と「高火力ボルチェンパーツ」です。
- 〔考察〕@ボルテッカー圧力型
電気玉ピカチュウがA特化した際(A117)のボルテッカーの指数は 42,120 です。他種族での物理電気の最高指数は、珠ライチュウのボルテッカーで 36,504 と、大きく離れています。
ですが、他の負担掛けポケモン(捨身メガマンダ等)に比べ等倍指数が低い、HBスイクンを落とせない、等の事実から、明確な採用理由とは言い難いです。
- 〔考察〕@ボルチェンパーツ型
同様にC特化した際(C112)のボルチェンの指数は 23,520 です。他種族でのボルチェンの最高指数は、珠レボルトで 29,484 と、大きく劣っています。C種族値120の珠持ちあたりからC実値が逆転する為、特に化身ボルトとの差別化が困難になります。
また、電気技への受け出しから(C+1)であれば、指数は 35,280 まで上がりますが、それでも眼鏡レボルト 34,020 より少し高い程度。差別化と言うには厳しいです。
- 採用理由の模索(ii)ーー補助編ーー
模索(i)のように高火力で押していくだけでは限界が見えたので、補助技を交えながら火力を押し付ける方向に考えを変えます。ピカチュウの持つ有用そうな補助技は以下です。
【補助技】
〈 電磁波 / 光の壁 / 毒々 / 威張る / 身代わり / アンコール 等〉
【補助攻撃技】
〈 投げ付ける / ほっぺすりすり / 猫騙し / 叩き落とす / 悪巧み 等〉
ここから、まずは化身ボルトも覚える電磁波と威張るを切ります。どう頑張っても劣化です。次にライコウの存在から光の壁と毒々も切ります。種族値の関係で劣化をほぼ免れられません。残った技が太字で示したものであり、差別化を望める技です。これらの中から技を選び、それで伸びる性能に役割をズラすことで差別化を試みます。
注意点
採用する技によって運用にこそ微差がありますが、基本的な立ち回りは変わりません。低耐久+襷を持てない為、とにかく行動回数が少ないですし、行動範囲も狭いです。
なので、次項の「構成案」でのピカチュウの特性は避雷針一択、行動できる機会を少しでも増やす為です。電磁波等の電気技読み繰り出しも積極的に狙う立ち回りとなります。非常にリスクが大きいですが、愛と勇気と火力を高めることで、リスクとアドが少しでも釣り合うよう意識しています。・・・していますが、どうしても愛に頼る部分でもあります。
構成案
前項で絞った技候補から、1つの案を挙げます。
【麻痺起点作成&ステロ阻止役ーー投げ付ける&猫騙し採用ーー】
実数値 : 110-76-54-102-70-156
努力値 : 0-4-0-252-0-252
性格 : せっかち (or無邪気)
[ 投げつける / ボルトチェンジ / 猫騙し / 草結び ]
〈主な調整先 / 目安〉
・HB特化[215-187-92] カバ 猫+結び 確定 (結びのみだと62.5%)
・A252[177] メガガル 猫騙し 確1
・最速90族 / 準速100族+4 / 最速レランド-1
対積みサイクルへの先発性能と麻痺起点作成を両立して先発性能に特化し、両軸での選出を可能とした型。
カバがHDだと猫+結びを耐えられてしまいますが、その場合、カバが起点特化&後続のエースが地震を採用するケースも多く、カバの打点が岩封しかないことがある為、妥協点としています。
準速100族、102族も抜けていますが、ガブガルランド等の初手は最速個体が無視出来ない為、猫騙しでの襷潰しや削りに留めるのが無難です。ガルの猫騙し、ガッサのマッパ等で簡単に落ちてしまう為、90族以下であっても高火力先制技に猫騙し以外でつっぱるのは避けましょう。
差別化の検証
ここまでで挙げた比較対象や役割の似たポケモンとの差別化が出来ているかを検証します。
- ライチュウ / ボルトロス
電気玉によって草結びによるステロ役〈カバ / マンムー / ラグ〉への打点と投げつけるによる広い麻痺撒きを両立している為、両者共にこれらの両立ができません。逆に言えば、地面への麻痺撒きを妥協すればこれらの劣化となってしまう為、麻痺した地面を起点に出来るポケモンの同時採用は必須です。(詳しくは後述する「pt構築案」を参照。)
- ジャローダ
地面にも麻痺を撒けるポケモンとして比較対象です。「麻痺起点作成役としては」耐性や耐久値の差、何よりS種族値(最速ジャロ : 181 / 最速ピカ : 156)でほぼ劣化です。
しかし、ボルチェンの対面操作や猫騙しによる「先発性能 / ステロ阻止役としては」ピカチュウが上位互換です。ステロを防ぐだけであればジャポジャロ等でも可能ですが、択や確率に頼らずともステロ展開を防ぎつつ打ち勝てる点や、ボルチェンによる対面操作ができる点でピカチュウに軍配が上がります。この先発性能の観点から言えば、ピカボルト対面で有利な点も、ジャロとの大きな相違点です。ピカに威張ってくるおっさんは事故です。愛を以て自傷回避安定。
勿論、最速90族~112族との初手対面ではジャロに軍配が上がる為、何かしらのケアが必要です。(こちらの詳細も後述の「pt構築案」を参照。)
運用法
有利対面であり、かつ麻痺起点選出であれば投げつける、対積みサイクルであれば対面に合わせて技を選択していきます。不利対面でも猫騙しから入ることで襷潰しや居座りの確認を行えるので、完全な一手損となる対面は少ないです。
しかし、行動できる回数もまた少ないので、役割を終えた後は心を鬼にしてボルチェン等で切り気味に展開していきます。
ボルトチェンジや交代等で引いた場合、死に出しやクッションの他、電気技に繰り出すしかありません。前述している通り、愛が必要な程にリスクの高い後出し(不一致めざ氷ですら殆どアウト)ですので、「採用理由は愛」タグを付けています。
pt構築案
採用理由がステロ展開阻止と麻痺起点作成の両立なので、麻痺を起点に全抜きを目指せ、かつ竜の抑制が見込めるオニゴーリやピクシー等。同じく竜を牽制できるが、ステロ役や電気を苦手とするギャラやパル等の同時採用を軸に組んでいきます。このピカチュウを採用することで、選出幅を持たせながら補完枠等を1つ多く採用できるのも、構築単位で見た際はメリットです。
参考程度に一例を記しておきます。
- ピカチュウ@電気玉
110-76-54-102-70-156
[ 投げつける / 猫騙し / ボルチェン / 草結び ]
- ギャラドス@メガ石
171-202-129-xx-150-146
[ 滝登り / 氷牙 / 地震 / 竜舞 ]
- ガルーラ@メガ石
181-177-120-xx-120-167
[ グロパン / 不意打ち / 秘密の力 / 岩雪崩 ]
- ピクシー@アッキ
201-xx-137-115-110-82
[ ムンフォ / 小さくなる / 瞑想 / 月の光(卵産み) ]
- ファイアロー@ラム
183-102-92-xx-133-148
[ ブレバ / 鬼火 / 挑発 / 羽休め ]
- ナットレイ@ゴツメ
181-118-198-xx-136-22
[ ジャイロ / 宿り木 / 叩き / 守る ]
ダメ計
【与ダメ】※全て電気玉込み
- 草結び
H252[215-92] カバルドン
202~238(93.9%~110.6%) 乱1(62.5%)
+猫騙し 13~16(6.0%~7.4%) 確定
D252[190-107] チョッキドサイドン
174~207(91.0%~108.3%) 乱1(50%)
H212[191-100] 霊獣ランドロス
62~73(32.4%~38.2%) 高乱3
- ボルトチェンジ ※ 基本 能力ランク0
H4[155-100] 化身ボルトロス
81~96(52.2%~61.9%) 確2
H244-D4[185-101] 化身ボルトロス
C+1 : 120~142(64.8%~76.7%) オボン込み 確2
H252[207-135] スイクン
120~144(57.9%~69.5%) 確2
H228-D252補正[161-152] クレッフィ
54~64(33.5%~39.7%) 確3
H236-D244補正[185-132] ファイアロー
122~146(66.6%~79.7%) 確2
H228-D12[204-102] マリルリ
158~188(77.4%~92.1%) 確2
【被ダメ】
- 物理
A252[182] マンムー 礫
76~91(69.0%~82.7%) ゴツメ込み 確耐え
A252[177] メガガル 猫騙し
111~131(100.9%~119.0%) 確1
A無振り[132] カバルドン 岩封
56~66(50.9%~60.0%) 確定2
A4[102] ファイアロー ブレバ
63~75(57.2%~68.1%) 確2
- 特殊
C4[146] 化身ボルトロス めざ氷
48~57(43.6%~51.8%) 低乱2(10.9%)
C252[177] 化身ボルトロス めざ氷
57~68(51.8%~61.8%) 確2
C無振り[110] スイクン 熱湯
72~85(65.4%~77.2%) 確2
C無振り[125] ポリゴン2 冷B
61~72(55.4%~65.4%) 確2
あとがき
ここまでお読みいただき誠にありがとうございます。貴重なお時間を割いていただき恐縮です。
この論がどなたかの参考になれていれば幸いです。
追記履歴
12/31 22:11 「採用理由」にて、表現の訂正。
x1/x1 20:23 「採用理由」をより具体的に記載。
x1/x3 x2:25 曖昧な表現の訂正。
x1/x8 x7:57 論全体で様々な追記、及び添削。
x1/12 x5:34 「差別化の検証」の項目を追記。それに伴い、一部を添削、訂正。
x1/19 x7:15 「差別化までの・・・」にて、比較対象の訂正。すまんライチュウ。