2度目の投稿になります。今回は5世代以降このサイトに考察が無かったのろい型のカビゴンについてです。
前置き
第二世代及び第三世代において、誰もが認める超トップメタだったカビゴン。
そしてその往時において、最もメジャーだった型がこののろい型です。
その強さは一体どこにあったのでしょう。
まず当時の環境では、カビゴンを突破できる特殊アタッカーがほとんど存在しませんでした。ほとんどの特殊アタッカーを止められるというのがまず強すぎた上に、その隙にのろいを積むことによって、後出ししてきた相手の物理アタッカーの多くを返り討ちにすることが出来たのです。相手を詰ませる性能が非常に高かったので、カビゴン対策はどれだけ厳重にやってもやりすぎということはない、という状況だったわけです。
では、なぜ四世代以降この型のカビゴンが流行らなくなったのでしょうか。
まず、命の珠やこだわり眼鏡の登場により特殊アタッカーの火力の水準が大幅にアップし、また気合玉の存在も手伝って、カビゴンを突破できる特殊アタッカーが一気に増えたこと。そして同時に強力な物理アタッカーや格闘も一気に増加し、のろいを積んだところで簡単にゴリ押されるようになってしまいました。こうして、カビゴンが容易に居座れる時代は幕を閉じたのです。
第6世代ではメガシンカが登場。火力インフレはとどまることを知らず、カビゴンはついに中堅ポケモンまで株を落としてしまったのです。
なぜ今のご時世にのろいカビゴン?
現在、積み技での居座り系エースとして名高いのはスイクン、ニンフィア辺りです。
ニンフィアはその高い特殊耐久を活かして低火力特殊を起点に決定力と特殊耐久を伸ばす戦術です。特殊相手にめっぽう強くなれますが低い物理耐久はそのままなので、死に出し等で出てきた物理に上から殴られると簡単に落ちてしまいます。
スイクンは物理耐久が高く、物理受けとして使いながら隙あらば決定力と特殊耐久を伸ばしていき、要塞化するという戦術です。物理特殊のどちらも固くなるので、居座り能力はこちらの方が上でしょう。
カビゴンはというと、とる戦術はスイクンと似ています。
高い特殊耐久を活かして、低火力特殊等を起点に決定力と物理耐久を伸ばします。低い方の物理が固くなるので、物理にも特殊にも固くなります。
では、カビゴンとスイクンの比較です。
高い方の耐久を比較してみましょう。
物理特化スイクンの物理耐久(207×183=37881)と、この型のカビゴンの特殊耐久(239×156=37284)では、スイクンの方がやや高いもののほぼ同程度と言えます。
低い方の耐久については、
スイクンの特殊耐久(207×136=28152)とカビゴンの物理耐久(239×116=27724)、これもほぼ同程度の耐久指数となっています。
一方、メイン技の火力の指数はというと…
無振りスイクンのねっとう(110×120=13200)とこの育成論のカビゴンの恩返し(148×153=22644)では、カビゴンの火力の方が1.72倍も高いということになります。
つまり、カビゴンはスイクンとほぼ同程度の耐久指数と、スイクンを1.7倍も上回る火力を両立できるということになります。
この高水準な種族値からの居座りエース型は、火力がインフレしまくっている現環境でも十分に通用すると私は考えます。
運用
クレセリア、ポリゴン2、サンダーを始めとした一部の耐久ポケに繰り出し、積みの起点にします。起点に出来る範囲はニンフィアと割と似ているかもしれません。ニンフィアと違うのは格闘に弱く、ゴーストに強めな点ですね。
この立ち回りで、並の火力の物理ならそのまま殴り勝つことができます。
リフレクターのサポートがあれば、後出しで出てきたメガガルーラ、メガボーマンダを始めとした超火力やバシャーモなどの格闘にも殴り勝つことができます。
地割れがあれば、スイクンやヤミラミなどの分の悪い耐久ポケの一部に対して役割が持てるようになったり、ピクシーなどの一部の害悪への強力なメタになります。
通常のように特殊受けとして使うことももちろん可能です。ただしチョッキ型などと異なり過信できる耐久はなく、超火力相手だとそのまま押し負けてしまうことも多いので注意が必要です。光の壁があればほとんどの特殊に繰り出し、そのまま起点にできるようになります。
後述にあるような、苦手なポケモンが少ないorいないパーティに積極的に選出します。クレセドランやポリ2クチートなど、有名な組み合わせの一部に比較的強いという魅力もあります。
まとめると、
- チョッキ型にできること:
超火力特殊アタッカーに受け出し、そのまま殴り勝つことができる。
- のろい型にできること:
チョッキ型の苦手なクレセやサンダー等の再生技持ちを絶好の起点とすることができる。
物理アタッカーに対してはのろい型以外のカビゴンはほぼ殴り勝てず、下手をすると起点にされかねないが、のろい型は返り討ちにできる可能性がある。
物理耐久 239-116
A182ガブリアスの逆鱗:44.3%〜52.7%(19.9)
A194メガガルの捨て身:72.0%〜85.4%
A200マンムーの地震:40.5%〜48.1%
A112力持ちマリルリのじゃれつく:41.4%〜48.9%
A147珠ゲッコウガのけたぐり:92.4%〜110.8%(56.3)
C238Mサナのサイコショック:38.9%〜46.4%
A171ギルガルドの聖剣:42.6%〜50.2%(0.39)
↑調整先です
(参考)リフレクター+のろい2積みの物理耐久力
後出しで出てきた超火力物理エースに対して、このカビゴンが壁込みでどこまで戦えるか調べてみましょう。
VSガブリアス
A182鉢巻逆鱗 16.7~20.7%
A182剣舞1積み珠逆鱗 28.8〜34.3%
B4ガブを1積み地震→恩返しで確定、3積み恩返しで確1
VSカイリュー
A204鉢巻逆鱗 18.8~22.1%
A204竜舞1積み珠逆鱗 24.2%〜28.8%
無振り・マルスケ込みを1積み恩返しでほぼ2発
VSメガガルーラ
A194捨て身(親子愛込) 18.4~21.7%
A194グロP+捨て身合計(親子愛込) 46.0~54.4%
1積み恩返しで確2、3積み恩返しでH4メガガルを87.5%の高乱数1
VSメガクチート
A172じゃれつく 15.8~18.8%
同剣舞1積み 31.3~37.2%
H振りを地震で確2、2積み地震で高乱数1
VSメガボーマンダ
A216スキン捨て身 17.1~20.0%
同竜舞1積み 25.5〜30.1%
無振りなら1段階上昇恩返しで確2、H振りなら2段階上昇で確2
VSメガリザードンX
A200逆鱗 15.8~18.8%
同剣舞1積み 31.7%〜37.6%
1積み恩返しで確2
VSファイアロー
A146鉢巻ブレバ 13.3%〜15.8%
A146剣舞1積み珠ブレバ 23.0~27.6%
無振りアローを1積み恩返しで反動込み確1、H振りを2積み恩返しで確1、175-123ゴツメ型を2積み火傷空元気で確1
VSパルシェン
A161殻やぶ1積み印つららばり 20.9~25.1%
A161殻やぶ1積み珠つららばり 27.2~33.4%
139-200パルに対し1積み恩返し中乱2(56.3)、殻やぶ後なら2積み恩返し中乱1(50.0)
※この振り方だと対パルの乱数は微妙。Aを154くらいまで上げるとどちらの乱数も安定します
VSメガバンギラス
A216竜舞1積みエッジ 16.3%〜19.6%
同馬鹿力 26.3%〜31.3%
H振りを1積み地震で87.5%の高乱数2
VSマリルリ
A112力持ち馬鹿力 18.4〜21.7%
A112腹太鼓後力持ちじゃれつく 40.5〜48.1%
1積み恩返しで204-101をオボン込み確2、2積み恩返しで腹太鼓後をオボン込み確1
→マリルリが出てくるより前に2積みできれば腹太鼓の隙を与えない
(ここから一致弱点)
VSバシャーモ
A233飛び膝(メガ) 31.3〜36.8%
1積み地震でH167(メガ)まで確1→積ませない
1積み恩返しで非メガ乱1(50%)、2積み恩返しでH168(メガ)まで確1
VSメガルカリオ
A197適応力インファ 32.6〜38.4%
1積み地震で確1→積ませない
地震を切っている場合:相手剣舞→インファの場合1積み恩返し2発で確定
VSローブシン
A211ドレパン 16.7〜20.0%
H特化を1積み恩返しで確2、HB特化を2積み恩返しで確2
VSゲッコウガ
A147珠変幻自在けたぐり 23.4~28.0%
1積み恩返しで確1
VSメガヘラクロス
A260インファ 31.7~38.0%
H特化を1積み恩返しで確2、インファ後なら2積み恩返しで確1、4積みで確1
こちらのHPほぼ満タンで1積みしたターンに出てこられた場合、のろい→眠る→恩返しで勝てる(相手インファ連打想定)
同じ条件でHPが削れていた場合、眠る→のろい→恩返しで勝てる。残るHPは12.1~25.5%
リフレクターがなくとも、4積みしていればギリギリ2耐えする位の耐久になるので勝てる。
→リフレクターを貼りつつのろいを連打していればメガヘラが裏にいても何とか突破できると見て良い。
うほっ、いい耐久(誰
強敵はメガヘラ、HBゴツメローブシン、壁パルシェン位でしょうか。超火力エースが相手でもほぼ打ち負けないというのが分かると思います。
カビゴンは実は物理環境でも十分やっていける、逞しいポケモンだったのです。
特殊耐久 239-156
C特化眼鏡ミトムのドロポン 43.0~51.4%(5.9) ←ほぼ2耐え
C特化ミトムのドロポン 28.8~34.3%(3.1) ←ほぼ3耐え
C126ミトムのドロポン 21.3~25.5% ←ほぼ4耐え
C191メガゲンガーのへど爆 26.3~31.3% ←毒にもならないので居座りが安定します
C191メガゲンガーの気合玉 46.8~55.2%(66.4)
C166 メガチルタリスのハイボ 29.2~35.1%(11.8)
C155珠ゲッコウガの草結び 36.4〜43.9%
C177珠ボルトの10万 31.3~37.6%(82.1)
C177珠ボルトの気合玉 55.6~66.5%
C146ボルト/サンダーの10万 20.5~24.2%
C192メガルカの気合玉 93.7~110.4%(62.5)
C特化眼鏡ニンフィアのハイボ 47.6~56.4%←ニンフィアへの素での後出しは不可
C144瞑想2積みニンフィアのハイボ 51.4~60.6%←積み合いにはそれほど強くないので壁などが欲しい
特殊耐久はこのくらいで十分だと感じます。
サンダー程度の火力なら壁などがなくとも余裕で起点にできます。
基本的には特殊受けというよりは低火力特殊を起点にして要塞化を狙うというのが本来の使い方だと思うので。
眼鏡持ちのニンフィアやミトム等の高火力は壁を貼れば起点にできるという感じでしょうか。
努力値調整
1.ねむカゴ採用型
239-148-116-*-156-51
H28振り:16n-1調整(火傷,砂嵐,宿り木,ゴツメの被ダメを抑えるため確定)
B244振り:のろい型にとって最も大事なパラメータなのでほぼぶっぱ、奇数回積み時に効率が良くなるよう偶数調整
※確定欄では上昇効率を重視して性格補正をDに掛けています。あまりAやDを削ってしまうとこのポケモンの強みが生かしにくくなってしまうので…。
S4振り:モロバレル、ヤドランと同速なので。
ここまで確定で、残りは火力と特殊耐久の兼ね合いになります。
ここは正直自由です…
確定欄の振り方は、特殊耐久をやや重視しています。
D92振り+性格補正:ミトムやゲンガー、メガチルタリスなどからの攻撃の確定数が大きく変わるライン。
A140振り:恩返し採用の場合のAの最低ライン。
・1段階上昇恩返しで無振りメガボーマンダ/HAメガガルーラ確2
・1積み地震→恩返しで(鮫肌ダメを抑えつつ)B4ガブを確定
・1積み恩返しでゲッコウガを、1積み地震でHSメガゲンガーを確1
・H振りメガヘラを1積み恩返しで確2=2積み恩返しでインファ後のH振りメガヘラを確定
・H振りメガクチを地震で確2
これらを全てぴったり達成します。ついでに、
・H振り剣ガルドを地震で75.0%
火力重視の調整例はこちら。
実数値:A154、D150(努力値:A76+性格補正、D156)
H振り剣ガルドを地震で確1、139-200パルを1積み恩返しで高乱数2(90.6)
実数値:A166、D139(努力値:A164+性格補正、D68)
一段階上昇時、HAメガボーマンダを恩返しで高乱数2発。HBサンダーやメガチルタリス程度の耐久なら一積みで2発圏内に入ってきます。
Dは心もとないので壁等でしっかりサポートできる必要があります。
2.残飯採用型
240-148-116-*-155-51
確定欄の努力値を、DからHに8移しただけ。残飯を持たせるならHP16n調整が良いでしょう。
特性
めんえきを推したいですね。
眠るで治せるとは言え毒を食らうと素眠りに追い込まれやすいです。クレセやポリ2、サンダーなどをより安定した起点にできるめんえきは優秀な特性です。毒みガルドや毒守ドランにもかなり優位に立てます。
あついしぼうのイメージが強いのでめんえきの可能性があるのに毒を打ってくる相手が案外多く、めんえきならここでアドがとれるわけですね。
あついしぼうにもシャンデラを完封できる、炎の一貫性を緩和できるなど魅力は多いですが、基本的にこの型にはめんえきの方がマッチしています。
技構成・持ち物
回復ソースとして眠カゴを採用するか、残飯を採用し眠るを切るかの二択になります。
?ねむカゴ型
優位点は、一回ノーリスクで全回復できるので特殊受けとしての運用もしやすいことでしょうか。また状態異常を自力で回復できるので、火傷等で機能停止することもありません。
恩返し/のろい/眠る/選択肢@カゴ で確定。
一致技は恩返し一択だと思いますが一応比較します。
- すてみタックル
火力は高いですが、鈍足のカビゴンにとって反動は辛すぎます。ゴツメダメすら嫌なのに
- のしかかり
のろいのSダウンと麻痺がアンチシナジーです。麻痺を引いたとしても先手が取れないということが起きやすいということです。火力は恩返しの方が2割上で、確定数に大きな差が出てくるので候補外。
- からげんき
ゴツメアローや水ロトム、スイクン等に強くなれますが、一致技の威力をここまで下げてしまうとさすがに遂行速度的な意味で辛いです。
残飯型であれば有力候補の一つになってきますが、眠カゴ型では眠るで火傷を治せるということもあり候補外とします。
選択肢
- じしん(推奨) 優先度5
古(いにしえ)からあるカビゴンのサブウエポンの王道。ノーマル+地面 の補完の良さは金銀の頃と変わりません。
ヒードラン、ギルガルド、メガゲンガーへの遂行技として重要であり、バシャーモ、メガクチート、メガルカリオ、バンギラスを突破する為にも必要。一番無難で使いやすいと思います。
- じわれ 優先度4
従来ののろいカビゴンは挑発や鬼火を持った耐久ポケモンを突破しにくいです。ただしこの技を持っている場合を除く。
のろいで居座り能力を上げる型であるため対面からの試行回数を稼ぎやすく、それなりに型とマッチしています。
特に狙いたいのは宿り木で居座りを妨害してくるナットレイや、熱湯のやけどや吠えるでジリ貧になりやすいスイクンです。ブラッキーやメガヤミラミに有効なのも見逃せません。あとはパンプジンやブリガロン、カバルドンにも。現環境ではナットレイ、スイクン、カバルドンの3体だけでもかなりの個体数になるので、それだけ採用価値の高い技ということになります。
ただし、浮いている耐久ポケモンはこの技があっても突破できません。例えばバルジーナ、ゴツメアロー、ゴツメギャラ。
また、地震を地割れに変えるとジバコイル、メガゲンガー、ギルガルドに一転して弱くなり、メガクチートやメガルカリオの突破がかなり厳しくなります。
ここからは優先度の低い技となります。参考までに。
- リサイクル 優先度2
眠カゴリサイクルによって、実質再生回復並の回復速度を得ます。それにより、従来ならこちらを確定4発にしてくる特殊アタッカーには居座ることしか出来なかったのが、のろいを積む隙ができるようになります。またこちらを確定3発にしてくる特殊アタッカーに居座りが効くようになります。
実際は大抵の特殊アタッカーに対しては壁を貼れば悠々とのろいを積めるので、地震や地割れで突破できる範囲を広げた方が良いです。特にゴーストタイプのいるパーティに選出出来なくなってしまうのは深刻すぎる問題です。のろい型にはミスマッチでしょう。
ちなみに、恩返し/地割れor地震/眠る/リサイクル@カゴ はなかなか使いやすい型です。
- しっぺがえし 優先度2
個人的には地震>>しっぺor噛み砕く。しっぺと噛み砕くならしっぺ>噛み砕くです。
非メガのゲンガーをどうするのかという話になってきますよね。
実際のところゲンガーのうちかなりの割合がメガであり、基本的にゲンガーはシャドボ読みなどでの後出しの対象です。後出しの際にメガ進化してくる場合がほとんどなので、ほとんどしっぺがえしや噛み砕くが欲しいと思う場面はありませんでした。非メガのゲンガーにやることがなくなるのは事実ですが、他の奴に交代したり、開き直ってTODを狙ったりと、対処法はいくらでもあります。それよりも、メガルカリオやメガクチート、バンギラスなどに有効打がなくなるデメリットの方が今の環境では脅威です。
- あくび 優先度2
攻撃技をノーマル単タイプにしてまで入れる技ではないのかなと。ただ、積みサイクル的な動きがしたいなら悪くはなさそうですし、今後考察を追加する所存です。
- ふきとばし 優先度1
スイクンで言うと吠えるに当たる技。起点回避のための技ですが、このポケモンはワンウエポンでは辛く、また一致技の火力もスイクンに比べると数段上なので、敢えて持たせる意味は薄いと言えそうです。
?残飯型
眠カゴという安定回復を無くした分、技スぺが増えるのが魅力です。
- 1.恩返しと空元気の両立
状態異常になっていないときの空元気の火力は切ないですが、やけど状態での恩返しの火力もまた切ない。もっとも分かりやすくやけど状態に強くする方法は、この二つを両立させることです。水ロトム対策をカビゴンに任せたい場合や、PTでゴツメアローやスイクンが重い場合に有力です。
ねむカゴ型だと両方採用することができません。
恩返し/空元気/のろい/地震or地割れ@残飯
- 2.地震と地割れの両立
地割れはこのポケモンが選出を誘いやすいポケモンの多くを逆に返り討ちにできる点が魅力的な技で、この技があるとかなり選出しやすくなるのは事実です。
一方、すでに書いたように、地震を切ってしまうと本来役割を持てていたジバコイル、ギルガルド、メガゲンガー、ヒードランなどに弱くなってしまうという悲劇が起きます。
よってこの二つを両立させた技構成が魅力的であるという話になってきます。
一致技は恩返しと空元気の選択となります。恩返し採用なら火傷を常に警戒した立ち回り・選出が必要で、空元気採用なら状態異常時でなければまともな火力が出ないので、例えば自分から麻痺ややけどを狙いに行き、状態異常になる前は地割れを中心に負担を掛けるなど、柔軟な立ち回りが必要となります。
恩返しor空元気/地震/地割れ/のろい@残飯
その他に候補に挙がるのは、
恩返し/地震or地割れ/のろい/あくび@残飯
恩返し/地震or地割れ/のろい/眠る@残飯 など。
上は、あくびで相手の物理アタッカーを流しつつのろいを積む型。あくびと残飯の相性が良いです。4世代に一時期流行ったらしい。
下はねむカゴ型のカゴを残飯に変えただけのもの。状態異常に強くなり、特にヒードラン等に対し居座りやすくなります。
回復ソースが弱い残飯型の場合は特に、のろいを積む際両壁などのダメージケアのサポートが必須級になってきます。
ただし、相手にできる・突破できる範囲は残飯型の方が広くなるので、パーティ次第でこうした派生型を使ってみるのも面白いと思います。
苦手なポケモン/技
居座りを狙う系積みエースということで、タイマンでの突破が難しい相手を挙げていきますぜ兄貴。
- エアームド 苦手度5
完封ですね。絶対に勝てません。本当にありがとうございました。
こいつが一番突破しづらい敵となっているあたりも二世代と同じですな・・・
- グライオン 苦手度4
簡単にTODを狙われ、隙ができるとギロチンで突破しにかかる難敵。
- バルジーナ 苦手度4
エアームドほどではないが挑発があり地割れが効かないので突破は難しいです。
- ブリガロン/ブラッキー/ブルンゲル/ヤミラミ/パンプジン/オーロット 苦手度4(地割れ採用時1~2)
地震採用なら突破はほぼ不可ですが、地割れ採用なら突破できます。サイクルを回し、敵の交代際に地割れの試行回数を稼いでいきます。
- れいじゅうランドロス/ギャラドス 苦手度3
いかく持ちにサイクルを回されるとキツい。鋼岩ゴーストとコイツの同時選出などをされるとかなり決定力を発揮しづらいです。ステロ等を撒けると良いですね。
- カバルドン 苦手度3(地割れ採用時2)
吹き飛ばしと欠伸があるので起点にできません。ステロ撒かれて吹き飛ばされて、ジリ貧に追い込まれる。地割れがあれば倒せる見込みが上がります。
- メガヘラクロス 苦手度3
重火力格闘の代表格。メガルカリオやバシャーモは一撃で処理しやすいので打ち合いに勝てる見込みは十分ありますが、耐久の高いメガヘラの場合そうはいきません。対メガヘラについては上の項で詳しく書きました。
- ファイアロー 苦手度2
ゴツメアローは非常に突破の難しい相手です。空元気があれば戦いやすくなります。
- ナットレイ 苦手度2(地割れ採用時1)
起点にできそうに見えて実はただの苦手なポケモン。宿り木という技自体が苦手。地割れ採用なら苦手ではないです。
- ルカリオ/バシャーモ/ローブシン/キノガッサ/エルレイド/ミミロップ 苦手度2
格闘ポケメジャー勢。ローブシンは火力が、その他のポケモンは耐久がさほど高くないのでメガヘラクロスほど厳しい相手ではないでしょう。
- ロトム系 苦手度1
こだわり型ならトリック、それ以外なら鬼火が痛く、比較的不利な相手です。
- スイクン 苦手度1
積み合いになりますが、熱湯で火傷を狙え、吠えるで流しも効くスイクンの方が有利な戦いになります。
苦手な技
- みちづれ持ち
折角積んでも道連れにされてしまったら意味がありません。メガゲンガーを得意とは言えないのはこの技のせい。
- トリック持ち
選出時に水ロトム、火ロトム、ラティオス、トゲキッスなどを見たら警戒すべき技。ノーマル技の通りが良いならまだ脅威の度合いは低いです。(トリックをされるターンに選んだ技が固定されるため、そこで選んだ一致技が通りの良い技であるならそれほど大きな問題にならない)
- アンコール持ち
のろいや眠るをアンコールされると無条件に交代しなくてはいけなくなるため悔しい思いをします。アンコール持ちがいるだけで、のろいをかなり隙を見て積まなくてはいけなくなるなど、行動が大きく制限されます。エルフーン、ニョロトノなど。
相性の良いポケモン
- エスパータイプの壁貼り
例:スターミー/ニャオニクス
カビゴンの苦手な格闘に対して強く、苦手な霊に対してはカビゴンが受け出ししやすいです。
リフレクターは超火力物理への容易な返り討ちと中〜低火力物理を起点とした積み、光の壁は等倍超火力の特殊アタッカーを起点とした積みを可能にします。
- メガボーマンダ
バシャーモを始めとした格闘に強く、クレセポリ2サンダーの選出を誘えます。
ちなみに私は、壁張り+物理受け+カビゴン という構成で選出することが多いです。
カビゴンは自分から先にのろいを積めれば相手の物理積みエースに勝てることが多いですが、逆に相手から先に積まれるとどうしようもない、という類のポケモンです。そこで、壁込みの物理受けで相手の物理ポケに決定力を発揮させず引かせることで、カビゴンが先に積める状況を作ります。
おわりに
鬼火や威嚇、接触ダメージが辛いなどスイクン等と比べて扱いにくい面もありますが、まだまだ居座りエースとして十分通用する素質を有しているカビゴン。
うまく積めれば、かつてトップメタであったことにも納得の超耐久と超火力を発揮してくれるでしょう。
みなさんもぜひこの第2世代の王者を使ってみてください!それでは。