- お断り
・この育成論では対人戦を考察/解説されているサイトで使われる程度の略称/俗称を用います。
・この育成論では言及がない場合、文脈上の理想個体を前提とします。
・考察や記述の不足がある場合はコメントにて指摘いただけると助かります。
はじめに〜カメックスとは?〜
カントー地方(赤緑)の御三家の水、ゼニガメの最終進化形です。
特性は定番の激流と隠し特性の雨受け皿の二つ。
種族値はH79-A83-B100-C85-D105-S78、XYにて得たメガ進化後はH79-A103-B 120-C135-D115-S78となります。
メガ進化することでメガ前は受けても攻めきれない程度の攻撃性能だったのが特性メガランチャーと合わさることで等倍押し切りは難しいものの、打ち分けによる対面性能を語るには十分な水準に到達しました。
採用理由
- 1 広範囲高火力によるタイマンおよび対面性能
- 2 対バンギとして、高い適性
1については、C135メガランチャーによる波動技の火力によるもの、アイデンティティがそのまま採用理由となっていることから省きます。
2はC特化波動弾でH252までのバンギとH4までのメガバンギを砂嵐込みでほぼ確定、準速バンギ抜きと両立できることからHAバンギおよびASバンギに対し、強く出られます。
H252メガバンギは低乱1なので実戦においては確2と考えておくべきでしょう。
また、準速バンギ抜きまでSに割いてなお、A特化メガバシャーモの飛び膝や同メガボーマンダのスキン捨て身を確定耐え可能なことから環境における相対的なタイマン性能の必要十分は歪みません。
このため、バンギを基軸とする選出/構築およびバンギを補完とする構築に対し、優位に立て、バンギの役割対象となるポケモンを採用しやすくなります。
ステータス
- ベース
性 格:控えめ
努力値:C252-S124 余り132
実数値:カメックス H159-A92-B120-C150-D126-S114
メガカメックス H159-A110-B140-C205-D136-S114
技構成:悪の波動/波動弾/選択/選択
C特化でバンギラスへの確定数と準速バンギ抜きを確保した状態。
対バンギ性能が高い補完役というのが個人的には欲しくなる時に一番思うことなのでCから割く場合はバンギへの確定数が動かない範囲に留めた方がいいです。無傷対面での竜舞メガバンギ意識でSは準速バンギ抜きとしています。
- 調整1
性 格:控えめ
努力値:H36-B52-C228-D4-S188
実数値:カメックス H159-A92-B127-C147-D126-S122
メガカメックス H159-A110-B147-C202-D136-S122
技構成:悪の波動/波動弾/冷凍ビーム/猫騙し(任意)or選択
HB:
A特化メガガルーラ
捨て身タックル 確2、不意打ち*2 確3、雷パンチ 確2
1舞A特化メガバンギラス
ストーンエッジ確2(砂落ち)、噛み砕く確2
C:波動弾
H252バンギ乱1(93.8%)、H4メガバンギ確1
冷凍ビーム
H252メガボーマンダ確1、H252ガブリアス確1、H252ランドロス@チョッキ乱1(68.8%)
最低限の耐久と火力、4振り100族抜きを両立する調整。
S4振りガルーラを猫騙し→波動弾→捨て身または猫騙し→不意打ち→波動弾→不意打ち→波動弾の流れで倒せます。意識するなら範囲が狭まるのが難点ですが、猫騙し採用で一定の対ガルーラ性能を持たせることもできます。
また、ある程度のすばやさがあることで水の波動で範囲を確保したり、アクジェでタイマン性能を取ったりと技構成レベルのカスタマイズで残り5体に合った調整を探すことができ、重宝しています。
選択肢は技候補にメリットや遂行先を挙げていますので構成に合わせて、各自選択ください。使用感としては確定欄の水の波動が一番無難に使えてます。
確定欄はこちら。
- 調整2
性 格:控えめ
努力値:H100-B52-C228-D4-S124
実数値:カメックス H167-A92-B127-C147-D126-S114
メガカメックス H167-A110-B147-C202-D136-S114
技構成:悪の波動/波動弾/冷凍ビーム/水の波動
準速バンギ抜きのSと1舞A特化メガバンギのストーンエッジを砂込み低乱1(18.8%)に抑えるバンギ意識のだいぶ高い調整。
1舞A特化ストーンエッジを砂込み確定耐えまで振ろうとするとただでさえ、確定数カツカツのCからHBに持っていかないと無理です。
積みポケに積ませてしまった場合のケアに手厚くした副産物として、だいぶ物理耐久が上がっているため、定数ダメによる上乗せを考慮しない場合、少々積んだ相手にも対応可能となっています。メガルカリオとか、グロパンガルーラみたいな極端なのは無理ですが。
それ以外は特別意識してませんが、メガガルーラの猫捨て身は受けきれないし、Sも抜けないから上から猫して猫潰しできないのでむしろ、対ガルーラ性能は下がっています。
しかし、Hが伸びたことにより特殊耐久も若干伸びていますのでサンダーやボルトロスを意識する場合はこちらも有用です。
CSベースとHCベースの比較
まず、結論から言うと、C252どころか、上記のC228振り、残りHB調整でもメガガルーラの猫捨て身は耐えません。
つまり、火力だけを問えばまだまだ上はいるものの、火力とSの両立によって台頭しているトップメタに対する対面性能はステルスロックや砂/霰込みでも同確定数を維持できることやH実数値増加による特殊耐久が一番のメリットになってしまいます。
もちろん、HBベースC余りのように振ればメガガルーラの猫捨て身を耐えますが、火力が維持できません。
個人の価値観とは思いますが、受け出しを想定しない以上、受けだし分の耐久は不要であり、定数ダメージが入っても確定数が動かないことくらいしかメリットが感じられず、「バンギラスもカバも見飽きた」とか、「ノオー繰り出しはNO!OH!(渾身」とか言いたくなることもないので切りました。ステルスロック撒かれると切ったこと後悔することもありますが、出し勝ちのしやすさから基本、先発なので…。
定数系込み耐えが気になるならBからHに割くのが安定かと思います。もちろん、物理耐久は誤差程度下がるでしょうからその分の頓死筋は折り合いをつけなければ、なりません。
選択技候補
・竜の波動
リザードンXピンポイント気味ですが、一応、ガブリアスやメガボーマンダのような冷凍ビームの仮想敵への確定数としては及第点。
ランドロスへの有効打が薄くなるのでもう1枠は水の波動を推奨します。
・水の波動
ファイアローやバシャーモと打ちたい仮想敵がおり、悪の波動・波動弾・冷凍ビームとは範囲が重なるようで重ならないので準確定と考えていいです。
2割とはいえ、混乱自傷による強引な勝ち筋が望めることも大きいです。
・ハイドロポンプ
一致110で潮吹きを除くメガカメックスの最大威力技。20%の外しと折り合いをつけないといけないのが難点ですが、ヒードランやチョッキマンムーなどあまり行動回数を稼がせたくない相手を確定で落とせるのは大きい。
・猫騙し
S4振りガルーラ抜きまでSに割くなら入れておきたい技。
A下降補正ですが、物理耐久もカツカツなら特殊耐久もカツカツなコイツではBCDSどれも落とせないので襷頑丈猫潰し程度ですが、あれば便利。準速ガルーラは無理。
・アクアジェット
猫潰しはできませんが、高火力のポケモンに襷頑丈耐えされた時のトドメに。
調整1でも鉢巻A特化ガブの逆鱗は最高乱数以外耐えなのでタイマンだけなら襷耐えからのアクジェ→鮫肌で相討ちの流れもありません。圏内に落とす→相手交換→交換先にアクジェの流れになった場合、後続への圧力って意味ではほぼ無償降臨です。
*補助技は優秀な積み技なし、補助技打つより波動技打った方が負担がかかるということで基本、選択肢には上がりません。
タイマン性と行動回数確保で身代わり、本職の特殊受けと殴り合う火力まではないので毒々あたりが型によっては入れるメリットがないわけではない程度。
差別化
要望があれば追記しますが、PGLのデータによるとメガ石97.4%のポケモンです。
ガルーラ同様、メガ進化しないこととの差別化は不要でしょう。
- ブロスター
同特性、(遺伝親であるため)同範囲の技を使用できます。また、珠や眼鏡を組み合わせた場合の火力はブロスターの方が高く、チョッキを利用すれば特殊耐久ではメガカメックスより耐久があります。
しかし、いずれも種族値レベルではメガカメックスの下位であり、どれかを立てればどれかが立たずで弱点を折り込む必要が出ますし、S59と遅く、補強不能な物理火力を押し付けられたらH71-B88の種族値なのでそこまでは耐えません。
対メジャーポケモンで考えた時、物理を耐えないのは致命的なため、物理耐久とS種族値により、メガカメックスが優位な差別化となります。
※トリックルームや電磁波等サポートを前提とするならこの限りではありません。
運用
受け出しは想定していませんし、不向きです。
先発または死に出しでの運用が基本となり、後出しは挑発や回復技読み、交代読みの無償降臨あたりは大丈夫でしょうが、半減読みでも受け出しから2耐えしないと攻撃できないという事実は重く、そこまでの耐久か、というとそういうわけでもなく、メガバナのようにメイン技で回復できるわけでもないため、確1で落とせる確3耐え可能な相手か、不利対面にされたから交換安定だと相手が考えるような場合しか受け出しはすべきではありません。
一方、死に出しや先発でのタイマンには強く、格闘・悪・水により複合タイプを考慮してもほとんどのタイプに等倍以上の打点が持てます。つまり、水/妖のあいつには有効打がありませんのでケアしておく必要があります。
基本的には、1耐えできない相手には抜群を狙い、1耐えできる(≒交代読み外しが許される)相手にはわかっている範囲での一貫性を重視して技選択を行うことが有効です。
ダメージ計算
- 与ダメージ
・波動弾
H252バンギラス 98.5%〜117.8% 乱1(93.8%)
H4(D4)メガバンギラス 100.5%〜118.8%
H252メガバンギラス 85%〜100.4% 乱1(6.3%)
H4メガガルーラ 83.9%〜99.4% 確2
H252メガガルーラ 71.6%〜84.9% 確2
H252スイクン 32.8%〜39.1% 乱3(99.76%)
H252水ロトム 45.8%〜54.1% 乱2(49.2%)
・悪の波動
H252メガゲンガー 94.6%〜112.5% 乱1(68.8%)
H252ギルガルド 64.6%〜76.6% 確2/155.6%〜184.4%
H252サンダー 42.1%〜49.7% 確3
H252ボルトロス 48.9%〜58% 乱2(96.9%)
H252クレセリア 54.6%〜64.3% 確2
H252メガメタグロス 75.9%〜89.8% 確2
・冷凍ビーム
H252ランドロス@チョッキ 93.8%〜112.2% 乱1(68.8%)
H252メガボーマンダ 122.7%〜146.5%
H252ガブリアス 122.7%〜145.1%
H252サンダー 62.9%〜75.1% 確2
H252ボルトロス 73.1%〜87% 確2
・竜の波動
H252メガリザードンX 99.4%〜117.8% 乱1(93.8%)
H252ガブリアス 85.5%〜101.3% 乱1(6.3%)
H252メガボーマンダ 87.1%〜102.9% 乱1(18.8%)
・水の波動
H252メガバシャーモ 109%〜129.4%
H252ファイアロー 124.3%〜147%
H252D特化アロー 84.3%〜100.5% 乱1(6.3%)
H4D252マンムー@チョッキ 65.9%〜78.9% 確2
H252ヒードラン 55.5%〜66.6% 確2
・ハイドロポンプ
H252D特化アロー 101.6%〜121%
H4D252マンムー@チョッキ 82.1%〜97.2% 確2
H252ヒードラン 67.6%〜79.7% 確2
- 被ダメージ ※H36/B52/D4で計算
・物理
A特化メガガルーラ 猫騙し 28.5%〜34.1%
A特化メガガルーラ 捨て身タックル 83.8%〜98.7%
A特化メガガルーラ 不意打ち 37.8%〜44.7%
A特化メガバンギラス ストーンエッジ 56.5%〜67%
A特化メガバンギラス 噛み砕く 45.3%〜54%
A特化ガブリアス 逆鱗 57.7%〜67.7%
A特化鉢巻ガブリアス 逆鱗 85.7%〜101.2% 乱1(6.3%)
A特化ファイアロー ブレイブバード 41.6%〜50.3% 乱2(0.39%)
A特化鉢巻ファイアロー ブレイブバード 63.3%〜75.1% 確2
A特化メガボーマンダ 捨て身タックル 80.7%〜95.6% 確2
A特化メガバシャーモ 飛び膝蹴り 76.3%〜90% 確2
A特化ギルガルド シャドークロー 39.1%〜46.5%
A特化ギルガルド↑2 シャドークロー 78.2%〜91.9% 確2
・特殊
C特化メガボーマンダ ハイパーボイス 57.7%〜68.9% 確2
C252メガゲンガー シャドーボール 44.9%〜52.6% 乱2
サンダー(4/特化) 10万ボルト 68.3%〜81.9% 確2/90.6%〜108% 乱1(43.8%)
C特化ギルガルド シャドーボール 39.7%〜47.2% 確3
C特化ギルガルド↑2 シャドーボール 78.8%〜93.1% 確2
C特化メガフシギバナ ギガドレイン 74.5%〜89.4% 確2
C特化水ロトム ボルトチェンジ 63.3%〜75.7% 確2
相性の良いポケモン
相性補完のよいポケモンも多いですが、そこは普通に偏らないよう組むレベルで十分です。僕の場合、だいたい新PT作ろう!→新顔3〜6体→何か手に馴染まない→いつの間にかカメックスが入るという流れ多いのでつい手が伸びる補完枠って感じで入ってきます。
カメックスを使うことから構築を始める場合は↓みたいな感じです。
- 高火力先制技持ちのポケモン
ファイアローやカイリューとの相性がいいです。
ダメージ計算を見てのとおり、妖怪イチタリナイは影のように付き纏っていますので削りきれなかった相手を掃討してくれるポケモンがいると妖怪が出ても安心です。
同様の理由からステルスロック持ちとも好相性で、足りない確定数を補ってくれます。
- 高火力物理ポケモン
ガブリアスやランドロス、ガルーラ、バシャーモといった高火力物理ポケモンと一緒に見せ合いで出すとメジャーな物理>メガカメックスとの判断か、物理受けの選出率が高くなり、メガカメックスが動きやすいです。
ランドロスは襷ステロでも鉢巻蜻蛉でもいいですが、できるだけ後攻蜻蛉を狙ってやってください。威嚇ありでも耐久削れるとつらいです。
- 威嚇・鬼火持ち
威嚇や鬼火のような相手の物理火力を下げるポケモンとの相性もいいです。スカーフゴロンダの捨て台詞とかもタイマン性能がグッと上がるので使いやすかったです。
限られた耐久をやりくりしないといけないので消耗しにくくなる動きができるポケモンとは好相性です。
あとがき
いかがでしたでしょうか?
メガカメックスの強さは認識してましたが、レートでぶつかったメガカメックスが机上論の強さをそのまま実践してるかのような高火力広範囲とその打ち分けを可能にする程度には十分な耐久で立ちはだかったのがキッカケで考えれば考えるほど強いので使ってみたらやっぱり、強かったです。
対面構築寄りのタイマン性を強調した本文になってますが、普通の編成にも入れやすく、威嚇トンボや鬼火みたいな普通に組んだら備えてる範囲のギミックが恐ろしいほどに噛み合います。
是非使ってみてください。