はじめに
初めまして。餌やり係です。旧作で別名義の育成論を投稿したことがあります。今回は、少しマイナーですが、ラフレシアの育成論を投稿します。
・HP、こうげき、ぼうぎょ、とくこう、とくぼう、すばやさはHABCDSと表記します。
・各ポケモンの個体値は、特に断りのない限りすべて31であるとします。
・ダメージ計算はトレーナー天国様のツールを使わせていただきました。
1.採用理由
(1)コンセプト
・対キノガッサ・水地面
「キノコのほうし」が無効、タイプ一致の草・格闘技両方を半減し、サブウエポンの岩技も痛くない草・毒タイプであり、キノガッサに役割を持てます。また、ラグラージ・トリトドンといった水地面タイプにも役割を持てます。
・対水
氷技をあまり持っていない水タイプ、例えばマリルリや水ロトムには比較的役割を持ちやすいです。多くの水タイプは冷凍ビームや氷の牙などを持っているため後出しはできませんが、対面で潰すことはそれなりに可能です。
(2)差別化
メガフシギバナ、フシギバナ・モロバレル、エルフーン・ロズレイドといったポケモンも類似の理由で採用されることがあります。差別化を図ることにより構成の基本が決まってきます。
・メガフシギバナ
特性「あついしぼう」により氷技のある水タイプへの後出しが安定します。単純な戦闘能力では及びませんが、メガ枠のエースと組める点によって差別化を図ります。
・モロバレル、(ヘドロ型)フシギバナ
耐久値がラフレシアより高く、モロバレルには「きのこのほうし」と再生力があります。こちらは特攻がやや高く「ムーンフォース」を使えることにより、ドラゴンへの安易な交代を許さず、メガヤミラミの起点にもされにくい点で優れます。また、モロバレルは「はたきおとす」のある腹太鼓マリルリに上から一撃で落とされますが、ラフレシアは同属なので先制のヘドロ爆弾で落とせる可能性があります。
・エルフーン、ロズレイド
特攻と素早さが高く、エルフーンには「いたずらごころ」があります。エルフーンとは毒技によりフェアリータイプ等を呼ばない点、ロズレイドとは襷キノガッサのテクニシャン岩石封じに繰り出せる点で差別化します。
構成の指針として、「メガ枠のエースと組む」「高めの特攻値を生かせるアタッカーよりの構成」「少なくともごく一般的な腹太鼓マリルリを抜く程度のS調整」「ムーンフォースの採用」「キノガッサのテクニシャン岩石封じを確定で三耐え」といったテーマが浮かびます。
2.能力値等
(1)性格・特性・持ち物
・性格
特攻の高さを活かすため、種族値的に効率の良い「ひかえめ」とします。
・特性
不意の物理対面などで、それなりに直接攻撃を受ける機会はあるだろうという趣旨で「ほうし」を確定とします。今回の調整では、晴れ下では最速111属まで抜けるようになるので「ようりょくそ」もありです。
・持ち物
耐久を補う「オボンの実」(回復量は45)です。オボンを他に使う場合は、「くろいヘドロ」(回復量は毎ターン11)が候補となります。
(2)能力値(H-A-B-C-D-S)
・基本ライン
実数値 182-x-108-154-111-75
努力値 252-0-20-76-6-36……残り120
HB: 補正ありA全振りキノガッサのテクニシャン岩石封じをオボン込三耐え
C: 腹太鼓オボン後のH振りマリルリをヘドロ爆弾で確定一発
S: H204マリルリ抜き
D: 端数
・調整
実数値 182-x-108-154-111-90
努力値 252-0-20-76-6-156
HB: 補正ありA全振りキノガッサのテクニシャン岩石封じをオボン込三耐え
無補正A全振りキノガッサのテクニシャン岩石封じ
63〜75 (34.6%〜41.2%) 三回で225
※最大HP+オボンの実で227
補正ありA全振りマリルリの力持ちじゃれつく
53〜63 (29.1%〜34.6%)
補正ありA全振りメガギャラドスの氷の牙
104〜124 (57.1%〜68.1%)
対面からでもやや分の悪い勝負になります。ギガドレインのところを参照。
補正なし無振りギャラドスの氷の牙
68〜80 (37.3%〜43.9%)
補助技警戒で挑発や身代わりをされることも多く、対面からなら割と押し勝てます。
C: H振りマリルリを腹太鼓オボン後にヘドロ爆弾で確定
S: 余り
基本ラインから残りをどう配分するかの問題です。マリルリは同属なので安心できるS調整はありませんが、確定欄では少しでも安定させるためにSに振り、ついでに無振りラグラージやランターンを抜いています。
全てCに振るとH振りメガギャラドスが高乱数二発になり、スイクンやミロカロスへの確定数が変わりますが、チョッキやめいそう等も考慮するとメリットは大きくないでしょう。中間的な微調整は各自環境に合わせて行ってください。
D: 余りの余り
後出しが安定するとまではいえませんが、水タイプからの氷技は、アイテムなし水ロトムからのめざ氷三発程度までオボン+ギガドレイン一回による回復で耐え、ギガドレイン二発で倒せます。
補正ありC全振り水ロトムのめざめるパワー氷
70〜84 (38.4%〜46.1%) 3回で最大252
※最大HP+オボン+ギガドレイン1回(最低乱数時):279
補正なしC4振りスイクンの冷凍ビーム
68〜82 (37.3%〜45%)
被ダメージは似たようなものですが、相手の耐久が高いので後出しは難しいでしょう。
※「くろいへどろ」採用の場合
182(252)-x-121(124)-154(76)-111(6)-75(36)……残り16
基本ラインからの余裕はあまりありません。
3.技
ギガドレイン/ヘドロばくだん/ムーンフォース/選択技です。
(1)確定技
- ギガドレイン
タイプ一致技であり、ラグラージや水ロトム等への遂行技です。エナジーボールは水ロトム等への確定数が変わらないため、ギガドレインによる回復が必要になります。
H全振りラグラージ
240〜288 (115.9%〜139.1%)
H全振り水ロトム
104〜126 (66.2%〜80.2%)
H全振りメガギャラドス
104〜126 (42.5%〜51.4%) 乱数2発(5.9%)
H全振りギャラドス
55〜66 (27.2%〜32.6%)
A振りで、メガギャラドスにならずに対面から竜の舞をしてくるようだと負け濃厚です。火力を侮って補助技警戒の挑発や身代わりなどをしてきた場合には、若干勝ち目があります。耐久ギャラには後出しは無理ですが、対面からは割と押し勝てます。
- ヘドロばくだん
タイプ一致メインウエポンです。キノガッサへの遂行はムーンフォースでも足りますが、腹太鼓オボンマリルリを倒しきるには、ギガドレインでは少し足りません。また、相手の交換で出てくる炎タイプにも一貫する技です。
H全振りマリルリ
156〜186 (75.3%〜89.8%)
H全振りファイアロー
88〜105 (47.5%〜56.7%) 乱数2発 (85.2%)
- ムーンフォース
ナゾノクサが新習得。他の草毒タイプとの差別化となる技です。役割対象からの交代先であるドラゴン・格闘ポケモンや、ブリガロンへの有効打となります。めざめるパワー氷でも氷四倍のドラゴンポケモンへの確定数が変わらないため、より範囲の広いムーンフォースを採用します。
無振りキノガッサ
138〜164 (102.2%〜121.4%)
不一致ですが、遂行技としては十分です。
無振りガブリアス
106〜126 (57.9%〜68.8%)
めざめるパワー氷でも確定二発です。メガボーマンダも同様。
H全振りメガへラクロス
90〜106 (48.1%〜56.6%) 乱数2発 (84.4%)
H全振りブリガロン
116〜138 (59.4%〜70.7%)
ヘドロ爆弾では倒せないブリガロンへの有効打となります。
H全振りヤミラミ
130〜154 (82.8%〜98%)
H全振りメガヤミラミ
82〜98 (52.2%〜62.4%)
後出しは許しませんが、対面では補助技読みメガ進化めいそうから入られる可能性があります。交代できるならその方がいいです。
(2)選択技
- しびれごな(ねむりごな)
ねむりごなでもかまいません。確定欄はこれです。メタグロス、メガクチート、ギルガルド、ヒードランなど、鋼タイプがどうしようもないため、交代を読んで後続のエースにつなげます。エースが十分に高速ならねむり、鈍足ならしびれなどといった形で選択してください。
- あまえる
これも後続のエースのサポートになります。命中安定ですが、メタグロス、特殊型ギルガルド、ヒードランなどには通りません。
- どくどく
クレセリア、ポリゴン2といった受けポケモンを機能停止に追い込みます。メガフシギバナほどの耐久はないので、使い勝手はやや悪くなります。また、ラフレシア自身が鋼を呼んでしまうという意味でも難しい技です。
- めざめるパワー炎
ハッサム、ナットレイといった炎四倍の鋼タイプへの有効打であり、概ね二発以内で撃破できます。H振りエアームドはぎりぎり確定二発になります。メガクチート、メタグロス、ギルガルド等は二発で倒せないので、優先度は低いと思います。
- つきのひかり
回復ソースとしては、既にギガドレイン・オボンあるいは黒いヘドロを持っています。役割範囲の広いポケモンではないため過労死の心配も小さいのですが、複数の役割対象が重いパーティなど、無理をさせる必要がある場合は使う機会があるかもしれません。
終わりに
メガフシギバナと役割が似ている部分がありますが、もちろん冷凍ビームも熱風も大して痛くないメガフシギバナと同じ運用をしようとするのは無理です。メガ枠を他に使わないのであれば、あえてラフレシアを使う意味は薄いといえます。相方は飛行、炎、エスパーなどに強いアタッカーがいいでしょう(例えばメガバンギラス)。
種族値相応の欲張らない立ち回りが運用の秘訣だと思いますので、大事に使ってみてください。では、ここまで読んでくださりありがとうございました。