はじめに
こんにちは。エグゾディアと申します。前回までの育成論でコメントを下さった方々、ありがとうございました。
今回は4回目の投稿となります。至らない点もあると思いますが、宜しくお願いいたします。
今回紹介するのは、XY環境のシーズン5、6で巷で有名になったボルトランドコントロールスタン(後ほど詳しく説明します)のパーツ、とつげきチョッキランドロスになります。
インターネットで「ランドロス チョッキ」とでも調べていただければ今回と似たような調整の霊獣ランドロスの調整が出てきますので、今回はそれらの補完ということでこの育成論を投稿させていただきます。
また、昨日diegoさんがとつげきチョッキランドロスの育成論を投稿してくださっていますが、さらにSを落として耐久に回しておりますので、diegoさんの育成論のフォークとしても投稿させていただきます。
略称についてですが、当育成論ではHP、攻撃、防御、特攻、特防、素早さをそれぞれHABCDSの略称で呼びます。ダメージ計算はトレーナー天国様のツールを用いて行い、理想個体を想定しています。
ランドロスとは
第5世代で初登場した地面、飛行タイプの準伝説ポケモン。地面無効、格闘半減、岩等倍というタイプ相性かつ威嚇という特性により物理に対して強く、水抜群、氷4倍という、特殊に比較的弱いタイプとなっています。
XY環境では、ランドロスは5世代で厳選せざるを得なかったため、比較的使用者が少ないポケモンですが、今作ORASの発売により、厳選が非常に簡単になったため、使用者が増えているポケモンでもあります。
ボルトランドコントロールスタンについて
主にメガガルーラをエースに据え、HBもしくはHDに振り切ってSを落とした化身ボルトロス、HDベースでチョッキを持たせたランドロスの後攻蜻蛉ボルチェンでメガガルーラを無償降臨する、というコンセプトのパーティになります。ボルトロスは悪戯心による電磁波挑発でのサポート、ランドロスははたき落とすと岩石封じによるサポートと、住み分けが出来ています。
このパーティに採用されるメガガルーラはいわゆる203ガルーラ(興味がある方は検索をかけてみてください)というもので、HAベースでグロウパンチ、不意打ち、猫だまし、捨て身タックルという、非常にタイマン性能に優れたメガガルーラです。
- パーティ構築例
ガルーラ@メガストーン、意地っ張りHAベース
化身ボルトロス@オボン、図太いHB
霊獣ランドロス@チョッキ、意地っ張りHDベース
スイクン@カゴ、図太いHB
キノガッサ@襷、意地っ張りAS
クレセリア@ゴツメ、図太いHB
持ち物について
今回はチョッキで確定です。4倍弱点の氷技ですが、氷4倍のガブリアスを仮想敵としためざパ氷持ちや、耐久ポケモンのあまりCに振らない冷凍ビームがバーティに組み込まれているパターンが非常に多いので、Dに大きく振ってチョッキを持たせることで4倍の氷技をかなり余裕を持って耐えてくれるようになり、ほとんどのポケモンの攻撃を1~2発は確実に耐えてくれる超耐久を手に入れることができます。
また、現状ランドロスはスカーフもしくは鉢巻で拘っている場合が多いため、技が固定されていると読んで相手が行動してくる場合が多いため、相手の読みを外すことが出来る点が非常に優秀です。
性格について
意地っ張りで確定です。A種族値が最も高いため、A補正をかけるのが一番能力上昇の効率が良いです。
特性について
威嚇しかありません。B方面は振っていませんが、この特性のおかげで物理に対しても厚く見ることができます。
ポリゴン2やサーナイトの特性トレースには注意。相手のポケモンも場に出たときに発動する特性だった場合、Sが速い方から発動するという仕様により、どちらのSが速いかを判断する基準になります。初手ランドロス同士の時など、結構頻繁に起こりえます。
努力値について
H212、A36、B4、D188、S68
実数値191-187-111-×-124-120
S:準速キノガッサ抜かれ調整、S6振りS100族抜かれ調整、岩石封じ1回で化身ボルトロス抜き、クレセリアやスイクンといった耐久ポケモンに軒並み先手が取れる
A:11n、B4ガブリアスを地震で超高乱数2、H4メガガルーラを地震で高乱数2
H:定数ダメージをくらう機会が多いため16n−1、6n−1調整の191
D:残り、メガルカリオのC2↑ラスターカノン+ステロダメ確定耐え、補正ありC252ギルガルドのC2↑シャドーボール+A1↑影うちを超高乱数耐え
Sを絶妙なラインに設定し、ガブを確定2に出来るくらいの最低ラインのAを確保して、残りを耐久に振り切りました。とつげきチョッキによってDが1.5倍されますので、Dに1振ると実質的に1.5上昇しますね。実数値が2nになるように調整しました。
Sも微調整すれば岩石封じで115族、ゲッコウガなどを抜けるようになるので、キノガッサの後から蜻蛉を打つことを重視しないのであれば(胞子対策を他のポケモンでするなら)少しSを調整してもよいかと思います。
技構成
今回は確定欄4つで技候補を確定とさせていただきます。どの技も同じくらいの頻度で使いますので、抜ける技がありません。
- 地震
威力150の安定したメインウェポン。抜く理由が無いでしょう。
- はたき落とす
通常時威力65、持ち物がある場合威力97の、メガシンカポケモン以外に必ず刺さる、非常に一貫性の高い技。地震を打った後にスカーフ読みで出てくるクレセリアなんかに交代読みではたき落とすを入れると非常にアドバンテージが取れます。抜群範囲もなかなか広く、持ち物ありの時の抜群はたき落とす>等倍地震となります。A数値が高いため、馬鹿にならない火力が出ます。
- 岩石封じ
ファイアローやボルトロス、リザードン相手に打つ技。珠霊獣ボルトロスのめざパ氷くらいなら耐えて、Sダウンで逆転しますので、タイマンでボルトロスに勝つことが出来ます。ファイアローは鬼火物理受け仕様の場合には鬼火込みだと倒せませんので、交代読みで打つことになるでしょうか。
後続のスイクンなんかにまかせてしまってもいいでしょう。
- 蜻蛉返り
後攻蜻蛉によりこちらのエースポケモンを無償降臨する、このランドロスの肝となる技。外す理由がありません。クレセリアには抜群で通りますので、交代読みはたき落とす→先制蜻蛉返りでこちらはゴツメダメージと交代際の冷凍ビームの微々たるダメージが後続に入るだけで、クレセリアのHPを5割ほど減らしてゴツメを落とせますね。
このポケモンの役割について
基本的に初手に繰り出して(例外は相手にゲッコウガ、雨ドロポンなどこのポケモンを一撃で落とせる技を打ってきそうなポケモンがいる場合)、一貫性のあるはたき落とすや岩石封じを打っていきましょう。むやみに地震を打つのはやめた方がいいですが、スカーフに見せかけて地震を打つことで、相手の交換読みはたき落とすが決まったりします。
低威力の技は基本的に3~4発ぐらい受けても倒れない程度の耐久を有していますので、はたき落とすを一発入れたら引いて後続に任せるようなプレイングをすることで、1体だけではなく2体目にもはたき落とすを入れ、もう1発地震を誰かに入れてHPを半分にする、といったくらいに場を整えることが出来ます。HPが赤ゲージになっても最低限威嚇を入れることが出来ますので、大事に使うと非常に強いです。
特殊耐久に比べて物理耐久は柔らかめ(それでも十分硬いですが)ですので、物理は威嚇による後続補助と考えて後ろの物理受けに任せてしまった方がいい場合も多いです。
- 対面例1:キノガッサ
こちらの選択肢は蜻蛉返り、もしくはキノコの胞子無効かつ岩石封じも効果が薄い後続のポケモン(フシギバナ、ナットレイなど)に交代の2つ。相手の選択肢はスカーフ蜻蛉意識の岩石封じもしくはキノコの胞子。ただし、選出画面でキノコの胞子が効かないポケモンを用意しておくと相手は選択し辛いでしょうか。
岩石封じを選ばれた場合はランドロスが25%ほどダメージを喰らい、蜻蛉で襷を潰してキノガッサより早い後続に交代です。
相手がキノコの胞子を選んできた場合は眠らされてしまいますが、こちらは相手の威嚇込み種マシンガンを6~7回は耐えますので、あせらずに起きるまで蜻蛉返りを選択し続けましょう。運が悪い場合は40%弱ほどの確率でランドロスが起きずに無傷で倒されてしまいますが、多くの場合は倒される前に起きて蜻蛉返りが成功します。
胞子無効ポケモンを同時選出する場合は、ランドロスのSを123に設定して先制蜻蛉もありです。
- 対面例2:バシャーモ
こちらの選択肢はスカーフ偽装で地震、もしくは交換読み蜻蛉返り。ブラフで技と30~40秒悩んだ振りをするとよりスカーフ偽装が出来るかもしれません。相手の選択肢は1T目守るor即交代、2T目交代orめざパ氷といったところでしょうか。経験則としては、スカーフでの技固定のために大抵守るから入ってきます。
相手はめざパ氷を持っている可能性もありますが、たとえC極振りでも耐えますので、強気に技を選べます。1T目蜻蛉返りでスカーフ偽装→地震でバシャーモを落としにいってもよし、1T目地震で2T目地震無効持ちに交代読みではたき落とす、もしくは目の前のバシャーモを優先して地震連打、といったことも出来ます。とつげきチョッキのめざパ氷耐性、技選択の柔軟性が大きく機能している例だと思います。
- 対面例3:ガルーラ
このランドロスがメガガルーラに対面で勝つのは難しく、はたき落とすも岩石封じもあまり効果がありませんので、威嚇だけ撒いて後続のゴツメクレセリア辺りに任せてしまいましょう。これだけでも十分物理受けの負担軽減に役立っています。
- 対面例4:化身ボルトロス
こちらの選択肢は岩石封じ、もしくは交代読みはたき落とす。相手の選択肢は交代、もしくはめざ氷。交換読みでリスクをとるならはたき落とすの方が相手に与える負荷は大きいですが、読みはずして居座られても目の前のボルトロスにもある程度は効果的な技です。岩石封じは目の前のボルトロスを強く意識した技ですね。ただし交換された場合の相手に与える負荷もそこまで大きくないです。相手はスカーフ岩なだれも想定するので、岩半減の後続に交代する割合の方が高いと思われます。
こちらは珠めざ氷で6割ほどしか削れませんが、相手は岩石封じ、はたき落とすどちらでも半分以上削れます。1T目こちら岩石封じ、相手めざ氷の場合は2T目Sが逆転しておりボルトロスは交換を強制されますので、2T目はたき落とす安定です。1T目こちらはたき落とす、相手めざ氷の場合は2T目こちらが引くことになりますが、相手のHPを6割削り、珠もしくは襷を落としたと考えましょう。
このような感じで、とつげきチョッキを持つことで色んな相手のめざパ氷を恐れずに安定してはたき落とすや蜻蛉返りを決めることが出来ます。
ダメージ計算(与ダメージ)
基本的に実数値表記で記述しております。与ダメージの-の前後の数字はHとBの実数値を表しています。
基本的にアタッカーはH又はB4振り、受けポケモンは特化(例外あり)で計算しています。
こちらのAは187で計算しています。
- 地震
183-116ガブリアス
→ダメージ: 91〜108 割合:49.7%〜59%
181-120メガガルーラ
→ダメージ: 88〜105 割合: 48.8%〜58.3%
155-101メガバシャーモ
→ダメージ: 210〜248 割合: 135.4%〜160%
175-171メガバンギラス
→ダメージ: 126〜150 割合: 72%〜85.7%
191-156ポリゴン2(輝石無)
→ダメージ: 67〜81 割合: 35%〜42.4%
167-100メガゲンガー(鬼火込み)
→ダメージ: 104〜126 割合: 62.2%〜75.4%
そこまでAに振っていませんので、物理受けを突破は厳しいですが、弱点相手に打つ分には十分役割遂行できそうです。
- はたき落とす
227-189クレセリア
→ダメージ: 74〜88 割合: 32.5%〜38.7%
197-150サンダー
→ダメージ: 46〜55 割合: 23.3%〜27.9%
183-116ガブリアス
→ダメージ: 59〜70 割合: 32.2%〜38.2%
167-170ギルガルド
→ダメージ: 80〜96 割合: 47.9%〜57.4%
167-111サザンドラ
→ダメージ: 31〜36 割合: 18.5%〜21.5%
半減されなければ、身代わりを壊すくらいの火力は大体備えていますよ、という指標にどうぞ。ギルガルドが風船だった場合にもはたき落とすでこの威力が出ますので、弱点保険持ちよりむしろカモに出来ますね。
- 岩石封じ
155-90化身ボルトロス
→ダメージ: 94〜112 割合: 60.6%〜72.2%
153-131メガリザードンX
→ダメージ: 66〜78 割合: 43.1%〜50.9%
153-99メガリザードンY
→ダメージ: 172〜204 割合: 112.4%〜133.3%
185-135ファイアロー
→ダメージ: 128〜152 割合: 69.1%〜82.1%
書いてはいませんがB4振りファイアローは確定1です。メガリザードンはXと分かった時点で地震を打てばいいでしょう。
蜻蛉返り
135-101キノガッサ
→ダメージ: 50〜59 割合: 37%〜43.7%
227-189クレセリア
→ダメージ: 54〜64 割合: 23.7%〜28.1%
167-111サザンドラ
→ダメージ: 90〜106 割合: 53.8%〜63.4%
あまり火力に期待するような技ではないですが、弱点相手に対してはかなりの威力が出ますし、耐久が低いキノガッサくらいなら3~4割は削れます。
自分はキノガッサをランドロスの蜻蛉返り→メガガルーラの猫だまし+不意打ち、なんていうルートで処理することが多いですね。
ダメージ計算(被ダメージ)
基本的に実数値表記です。
こちらの数値はH191-B111-D124のチョッキ持ちで計算しています。
↓、↑はランク補正を表しています。
- 対物理
A182ガブリアスのA↓1逆鱗
→ダメージ: 69〜82 割合: 36.1%〜42.9%
A216メガボーマンダA↓1の捨て身タックル
→ダメージ: 115〜136 割合: 60.2%〜71.2%
A194メガガルーラのA↓1猫だまし
→27〜33+13〜16 割合: 20.9%〜25.7%
A194メガガルーラのA↓1捨て身タックル
→79〜94+39〜46 割合: 61.8%〜73.3%
A233メガバシャーモのA↓1フレアドライブ
→ダメージ: 94〜112 割合: 49.2%〜58.6%
A170ギルガルドのA↑1影うち
→ダメージ: 52〜63 割合: 27.2%〜32.9%
A200テクニシャンキノガッサのA↓1岩石封じ
→ダメージ: 41〜49 割合: 21.4%〜25.6%
A200テクニシャンキノガッサのA↓1タネマシンガン(1発あたり)
→ダメージ: 25〜31 割合: 13%〜16.2% 乱数7発
威嚇込みとは言え、Bにはあまり振っていませんので、対面なら倒せますが後出しから倒せるとは言えない相手ばかりですね。威嚇は後続補助とある程度割り切った方が使いやすいと思われます。ギルガルドのランク補正は威嚇→弱点保険発動の設定です。
- 対特殊
C95クレセリアの冷凍ビーム
→ダメージ: ダメージ: 72〜88 割合: 37.6%〜46%
C145サンダーのめざパ氷
→ダメージ: 72〜88 割合: 37.6%〜46%
C110スイクンの冷凍ビーム
→ダメージ: 84〜100 割合: 43.9%〜52.3%
C125ポリゴン2の冷凍ビーム
→ダメージ: 92〜112 割合: 48.1%〜58.6%
C197珠霊獣ボルトロスのめざ氷
→ダメージ: 125〜151 割合: 65.4%〜79%
C155珠ゲッコウガの冷凍ビーム
→ダメージ: 224〜270 割合: 117.2%〜141.3%
C125水ロトムのハイドロポンプ
→ダメージ: 84〜102 割合: 43.9%〜53.4%
C172眼鏡水ロトムのハイドロポンプ
→ダメージ: 174〜206 割合: 91%〜107.8%
氷技は流石にゲッコウガの冷凍ビームはだめですが、珠霊獣ボルトロスのめざ氷まではしっかり耐えます。耐久ポケモンのC無振りの氷技は2発耐えますね。CS眼鏡ロトムがハイドロポンプを上から打ってきたら危険ですが、無振りロトムのハイドロポンプは乱数2にしかなりません。
C222ギルガルドのシャドーボール
→ダメージ: 55〜66 割合: 28.7%〜34.5%
C222ギルガルドのC↑2シャドーボール
→ダメージ: 109〜129 割合: 57%〜67.5%
C211メガリザードンYの火炎放射
→ダメージ: 87〜103 割合: 45.5%〜53.9%
C194眼鏡サザンドラの悪の波動
→ダメージ: 72〜85 割合: 37.6%〜44.5%
C178眼鏡ニンフィアのハイパーボイス
→ダメージ: 94〜112 割合: 49.2%〜58.6%
C192メガルカリオのC↑2ラスターカノン
→ダメージ: 124〜148 割合: 64.9%〜77.4%
眼鏡持ちの特化の火力でもこんなもんなので、眼鏡をはたき落としてあげれば十分勝てますね。ルカリオのラスターカノンやらリザードンYの火炎放射なんかでも一撃では落ちません。
まとめ
この型のランドロスはタイマン性能を求めているタイプのポケモンではないため、ダメージ計算を見てもイマイチ動かし方が分からないかもしれませんが、残りHPをしっかり確認しながら、例えば今HPが120残っているからまだ相手のパーティのこのポケモンに対してはまだ死に出しからなら勝てそうだな、だから残しておこう、などと柔軟に考えて大事に使ってみてください。
最後に
いかがでしょうか?自分自身もORASになってから初めてこのランドロスを使い始めたのですが、現在の環境でも十分活躍できる型になっていると思われます。
みなさんもこの機会に、とつげきチョッキもちのランドロスを使ってみていただけると嬉しいです。
誤字脱字、努力値のアドバイス、ダメージ計算の追加、などなどございましたらコメント欄の方までお願いいたします。
それでは当育成論を終わります。