前書き
七世代から育成論を投稿している「わに」と申します。
七世代では30件ほど投稿しましたが、八世代でも可能な限り投稿していきたいと思いますので何卒よろしくお願いします。
以下の内容に必ず目を通してください。
- 指定のない限りすべてのポケモンは理想個体を想定します
- HP、攻撃、防御、特攻、特防、素早さをH、A、B、C、D、Sの略称で表記します
- その他安易に理解できる範囲の略称を用います
- ダメージ率はダメージ計算式をもとに計算しています
- ご質問、ご指摘はコメントにて受け付けます
- 育成論に関係のないコメント、無益だと判断したコメントは予告なく削除します
それでは考察に移ります。
論概要
ねばねばネット展開用のデンチュラの育成論です。
主に先発に出して電磁波やエレキネット等で対面のS操作をし、後続に対してもねばねばネットを展開することで相手のパーティ全体にSランク下降を付与すること目的とした型です。
目新しい型ではありませんが、どうぞ最後までお付き合いください。
ねばねばネットの可能性
『なぜ今ねばねばネットなのか』というお話です。
剣盾初期環境(2019.11.30現在)はダイマックス(以下DM)による耐久の上昇と様々な追加効果を付与された高威力DM技を上から押し付けていく動きが非常に強力で、特にミミッキュドラパルトサザンドラトゲキッスリザードンアイアント等がDM適正の高いポケモンとして猛威を振るっています。
また、ヒヒダルマ(ガラル)ウオノラゴンパッチラゴン等、DMせずとも高い火力を押し付けることができるポケモンも数多く現れたため、下から(受けて)安全に対処することが難しい環境となっています。
特に剣の舞を持ったミミッキュを受けることができるポケモンは、登場ポケモンが限定されている今作では非常に限られており、さらに厄介なことにDMして耐久値が2倍になったミミッキュを一撃で上から処理できるポケモンもほとんどいません。
ですが、これは裏を返せば上から行動できれば何とかなる場合も多いということ。
そこで相手のパーティ全体のSを下げることが見込めるねばねばネットに注目したわけです。
事前にねばねばネットを展開できれば、上記仮想敵に対して上から行動できるポケモンの幅が広がり、格段に対処しやすくなります。(相手のDMに対して上から身代わり連打でDMターンを枯らす、こちらのDMを逆に上から押し付ける等)
『今作の限られたプールの中でも環境上位のポケモンに対抗できる手段(ポケモン)を増やせる』ことがこの技の最大のメリットと言えるでしょう。
また、自分にとって苦しい展開は相手にとっても同じことなので、下から対処せざるを得ない状況を無理矢理つくり出すことができるねばねばネットは、攻守にわたっての活躍が期待できます。
ねばねばネット撒きとしてのデンチュラ
『何故デンチュラなのか』というお話です。
今作でねばねばネットを習得できるポケモンはデンチュラクワガノンツボツボオニシズクモアブリボンペロリームイオルブの全7種。
この中でデンチュラはアブリボンに次ぐ第2位の素早さを持ち、激戦区である最速80〜100族の上から行動することができるため、現環境において大きなアドバンテージとなります。
また、先に挙げたDM適性が高い環境上位のポケモンの中でねばねばネットが刺さらないサザンドラリザードントゲキッスに対してタイプ一致で上から弱点を突けることが最大の特徴です。
同じく環境上位のクリアボディドラパルトに対してはほぼ無力であるものの、逆に居座りを誘って電磁波を打ち込みやすいという利点もあります。
ねばねばネットの他にもエレキネット、糸を吐く、電磁波などS操作技を多く習得し、仮想敵に合わせて選択できる点も非常に優秀です。(アブリボンはねばねばネット以外は痺れ粉程度しか覚えません)
まとめると、初速のSラインでアブリボン以外とは棲み分けが可能であり、アブリボンとは対面のポケモンに対するS操作の安定性で差別化ができます。
特性について
電磁波やエレキネット外しによる負け筋を消すことができる複眼か、持ち物気合の襷と相性の良い虫の知らせのどちらかから選択してください。
リザードンやトゲキッス対面で電磁波を外してしまうと、そのまま全抜き態勢になりかねないので個人的には複眼推奨です。
持ち物について
先発運用を想定し、不特定多数との対面で最大限の行動保障を得るために気合の襷で確定です。状況次第では後発で襷を盾に電磁波を撒き、積みエースストッパーとして機能させることも出来なくありません。
また、今作はDMの仕様上、例え残りHP:1でも生存することに大きな意味がある(残っていればDMターンの消費等に使える可能性がある)ため、気合の襷は非常に強力な持ち物です。
調整案
- 性格
臆病
- 個体値
V/0/V/V/V/V想定
- 努力値
H60/B252/S196
- 実数値
H153/B112/C117/D80/S168
- 調整意図
H:奇数
HB:A172ドラパルトの鉢巻ドラゴンアロー超高乱数耐え(97.2%)
A182マンムーの地震+氷の礫超高乱数耐え(98.8%)
A142ミミッキュの命の珠じゃれつく+影討ち確定耐え
S:最速100族抜き
Sラインを最低限まで落とし、余りをHBに振り切ることでドラパルト対面の生存率を極力高めました。
デンチュラ対面で居座ってくるドラパルトは命の珠かこだわり鉢巻を持ってドラゴンアローで気合の襷を貫通してくるので、それを耐えて電磁波で切り返すための調整です。
副産物としてマンムーやミミッキュ対面での2回の行動保障を得ることが可能となりました。
- 【被ダメージ計算】
以下の被ダメージ計算は全て通常時のものです。
物理耐久指数:17136
A172ドラパルトの鉢巻ドラゴンアロー:43.1〜50.9%(一発当たり)確2
A182マンムーの地震:60.1〜71.2% 確2
A182マンムーの氷の礫:24.8〜29.4% 乱4
A142ミミッキュの命の珠じゃれつく:55.5〜66% 確2
A142ミミッキュの命の珠影討ち:25.4〜30% 確4
特殊耐久指数:12240
C182ゲンガーのシャドーボール:67.9〜80.3% 確2
C152ドラパルトの火炎放射:84.9〜100.6% 乱1
C172トゲキッスのエアスラッシュ:59.4〜70.5% 確2
C157ウォッシュロトムのボルトチェンジ:25.4〜30% 確4
C157ウォッシュロトムのハイドロポンプ:79.7〜94.1% 確2
ここに記載していないものは恐れ入りますが各自計算をお願いします。
技構成
与ダメージ計算は全て通常時の相手を記載しています。
相手がDMした場合は約半分の割合になります。
- 確定技
ねばねばネット
コンセプトであり採用理由のため抜く理由がありません。
虫のさざめき
無効タイプのないメインウエポンであり、悪、超、草タイプに対する遂行技。
範囲が狭いものの、身代わり貫通やDダウン効果が地味に役立つことも。
ダメ計には記載していますがバンギラスには基本使っちゃダメです。(弱点保険発動してぐちゃぐちゃにされます)
H167D110サザンドラ:65.8〜79% 確2
H207D90ゴリランダー突撃チョッキ:43.9〜52.1% 乱2
H207D120バンギラス砂下:31.8〜39.1% 乱3
エレキネット
ダメージ蓄積とS操作を同時に行える良技。
対面のポケモンに対する起点回避としても優秀。
飛行、水タイプへの遂行技です。
H153D105リザードン:44.4〜54.9% 乱2
H191D135トゲキッス:28.2〜34.5% 確4
H171D120ギャラドス:72.5〜86.5% 確2
電磁波
Sダウンを受け付けないクリアボディドラパルトに対する有効打。
麻痺の効果で思わぬ回数行動できることもしばしば。
DMターンに相手が痺れれば儲けもの。
基本的には以上の4つで確定です。
この他使用感が良かった技は、雷、ボルトチェンジ、飛びかかる、糸を吐く、胃液あたりですが上記の技を差し置いて採用するかと言われると微妙なところなので説明は割愛します。
追記
2019.12.19追記
ドヒドイデヌオーアーマーガアのような並びが環境に増えてきたことで、雷+エナジーボール(orギガドレイン)のような構成に明確な採用価値が生まれたため
、それらを意識した構成を追記しておきます。
- 性格
臆病
- 努力値
H44/B172/C92/D4/S196
- 実数値
H151/B102/C129/D81/S168
- 調整意図
H:8n−1かつ50n+1
HB:A172ドラパルトの命の珠ドラゴンアロー耐え
C:H201D87ヌオーをエナジーボールで確1
S:最速100族抜き
- 技構成
雷/エナジーボール/ねばねばネット/電磁波
雷
デンチュラ最大火力となる水、飛行への遂行技。
特性複眼によって命中が安定し、3割の麻痺追加効果も優秀です。
H157D162ドヒドイデ:64.9〜76.4% 確2
H205D106アーマーガア:74.1〜87.8% 確2
H171D120ギャラドス:156.7〜189.4% 確1
エナジーボール
電気との範囲補完に優れる技。
特に水地面勢には効果テキメン。
H201D85ヌオー:101.4〜119.4%
H218D102トリトドン:80.7〜95.4%
H215D110カバルドン:37.2〜44.6%
この構成にすることで、ネット撒き、麻痺撒きに加え、受けサイクルに対する崩しを担うことができます。
サザンドラに対する打点がなくなりますが、対面から電磁波を撒けるだけでも十分仕事ができると判断しました。
立ち回り
基本的に先発で繰り出し、対面ポケモンへのS操作(電磁波orエレキネット)からねばねばネットを展開します。積み技やダイジェット等でS関係を逆転される恐れのある相手には必ずS操作から入ることが大切です。
仕事を終えたら基本はそのまま捨てることになりますが、味方に大きな負荷をかけることなく交代できそうなら、なるべく残して数的不利にならないよう心がけましょう。
瞑想等の起点にされる恐れがあるポケモン(ブリムオンエーフィ等)や相性上不利なポケモン(ドリュウズキリキザンヒートロトム等)と対面してしまった場合はすぐに引きましょう。裏を返すとこれらに対して強い選出を構築内に用意する必要があります。
相性の良い味方
- ウインディウインディ
ねばねばネット展開後のエース枠。
微妙に足りないSを補うことで、広い技範囲で上から制圧していくことができます。
達人の帯、命の玉、突撃チョッキなどがオススメです。
- ウオノラゴンウオノラゴン
エース枠その2。壊れ技エラ噛みの使い手。
上から行動することに大きな意味があるポケモンなので当然相性良しです。
こだわり鉢巻で全てを吹き飛ばしましょう。
- アイアントアイアント
エース枠その3。
DMと特性:張り切り、高いS全ての相性が良すぎてヤバい。(語彙力)
- ローブシンローブシン
補完枠。
特性:根性と突撃チョッキの構成でデンチュラが苦手なドリュウズバンギラスキリキザンヒートロトムなどをまとめて相手することができます。
- バンバドロバンバドロ
あとがたり
ここまでご覧いただき誠にありがとうございました。
今回はサポートデンチュラの育成論となりましたがいかかだったでしょうか。
アタッカーのような派手さはありませんが、やっていることは地味に強いポケモンだと思います。本論を通じてデンチュラに少しでも興味を持っていただければ幸いです。キャンプでカレー食べてるバチュル可愛いすぎるから見て!!
今後も引き続き育成論を投稿していく所存ですのでよろしくお願いいたします。