はじめに
- 本稿は、原種のダルマモードヒヒダルマヒヒダルマ(ダルマ)をどうしても使いたい、という目的に則った育成論です。ただ安定した勝利を求めるならヒヒダルマ(ガラル)ヒヒダルマ(ダルマ・ガラル)を使うなり力尽くヒヒダルマでスカーフトリックするなりしてください。
- 本稿では常識的に理解できる範囲内で公式の用語を漢字変換して用いたり、ポケモンの話題で多く耳にする非公式用語を用います。
- 筆者はこれが2回目の投稿です。ご機嫌よう。
原種ヒヒダルマヒヒダルマ及び原種のダルマモードヒヒダルマ(ダルマ)とは
原種のヒヒダルマは、BW時代初期より特性力尽くからのフレアドライブがとても強力なポケモンでした。ですが今作ではガラルヒヒダルマが登場、五里霧中という強力な特性を持つ上に彼もフレアドライブを使えるという事態に。ですが原種ヒヒダルマもトリックなどを習得、ガラルのよりも器用に立ち回る事で差別化しました。
一方で原種のダルマモードヒヒダルマは、体力が半分以下になってから速攻物理アタッカーが耐久寄りの鈍足特殊アタッカーに変身するというかみ合わなさと変身タイミングがターン終了時という遅さ、場から離れると通常形態に戻りまたターン終了時を跨がないと変身してくれない面倒さ、何より元々の特性である力尽くの使いやすさから、鳴り物入りで登場した当初のBW時代からまるで使い物にならないクズポケモンの烙印を押されていました。
キングラーしかし、どんなポケモンでも存在する以上必要とされる力があります。クズの一言でポケモンを否定する奴儕にポケモントレーナーを名乗る資格などありません。バトルはポケモンに命を吹き込みます。その命を与えるのがポケモントレーナーの役目です。クズと呼ばれたポケモンが痛みを感じるなら、勝利して喜びを与えるのもポケモントレーナーの役目です。ケケンカニ
原種ヒヒダルマヒヒダルマ及び原種のダルマモードヒヒダルマ(ダルマ)の種族値・タイプについて
- 原種ヒヒダルマヒヒダルマ
体力:105 攻撃:140 防御:55 特攻:30 特防:55 素早さ:95 合計値:480
前述の通り高い攻撃力を誇る単炎のスピードアタッカーです。
- 原種ヒヒダルマヒヒダルマ(ダルマ)
体力:105 攻撃:30 防御:105 特攻:140 特防:105 素早さ:55 合計値:540
合計種族値も60増えた炎・エスパー複合の重戦車タイプです。しかし、変身条件の都合上体力は半分ですし能力値がガラッと変わる都合で技スペースが足りず中途半端になりがちです。
ただ元からこのステータスだと、下手すればエムリットエムリットやビクティニビクティニを超えかねないので調整が難しいのはわかります。
今作における原種のダルマモードヒヒダルマ(ダルマ)の追い風
一般的に、力尽くではできないニトロチャージやグロウパンチでのパワーアップを狙うのが特性ダルマモードを選択する理由で、今作のヒヒダルマはそれらを覚えないからダルマモードは不要とされています。詰まる所、ダルマモードの変身はほとんど着目されてないということです。
ですが変身に着目してみれば、ダルマモードの変身タイミング・HP調整用の身代わりと相性の良いみらいよちや、受けるダメージを調整できる鉄壁・マジカルフレイム、サブウェポンとして優れたボディプレスといった相性の良い技を今作にて多く習得出来ました。実質半分なHPを補えたり調整したりできるダイマックスのシステムも追い風です。
本論のヒヒダルマの戦略
- 戦法につきまして、カビゴンカビゴンやアーマーガアアーマーガアといった、自分より遅い物理アタッカーを相手取ります。そこでオボンをかじり体力を調整しつつ鉄壁を積み、防御が上がった状況でダルマモードへと変身します。相手に特殊アタッカーがいなければ、相手はほぼ詰みです。ガラルヒヒダルマも怯み祭りやハチマキ地震でない限り起点に出来ます。原種の底力ですね。
- つまり体力のある変身前の素早いときに上から積み、そのランク補正を持って変身することが戦略なのです! カチカチなダルマモードに相手はびっくりすることでしょう。
- 身代わりみらいよち型が一番安定して1:1交換できるでしょうが、この育成論はコンボが決まった時のビックリ具合を重視し相手を詰みに追い込む鉄壁型です。耐久に振りやすくなるのでこちらのがダイマックスへの適正も高くなります。
特性について
コンセプトなのでダルマモード一択です。勝利してダルマに目を入れてあげましょう。
性格について
可能な限り上から鉄壁を積みたい都合上、最速にするため臆病です。ダルマモード時に最速ゴルーグゴルーグと同じ速さになります。マヒした最速ドラパルトドラパルトをギリギリ追い抜ける数字でありまた、大抵のバンギラスを追い抜けます。
努力値・ステータスについて
ダメージを食らってもらわないと困るし、変身前ヒヒダルマの種族値やボディプレス的に防御に振った方が効率がいいため、体力の奇数調整はしません。
- 努力値
防御に140、特攻に118、素早さに252です。
- 実数値
変身前ヒヒダルマ
HP:180 A:130 B:93 C:65 D:75 S:161
変身後ヒヒダルマ(ダルマ)
HP:180 A:31 B:143 C:175 D:125 S:107
HPは変身条件の都合上最大で90です。ダイマックスすれば最大180。
上記の理由で最速にするため素早さに252振りは確定です。防御につきましては、h4振りバンギラスバンギラスを変身前の鉄壁1積みボディプレスでギリギリ確定一発です。特攻は余りですが、h252振りかつdに補正や努力値をふられていないローブシンローブシンをダルマモードでのサイコキネシスにて超高乱数一発で倒せる数字です。
持ち物について
オボンのみを推奨します。時間を稼ぎつつ鉄壁を積みましょう。ダイマックスをすることで相対的な回復の割合を調整するテクニックもあります。後は食べ残しでしょうか。攻めるタイミングでダルマモードが解除される事故が怖いですが。
技構成について
- 確定枠
鉄壁
コンセプトなので確定です。変身前は積まないと豆腐のようにもろいです。
ド忘れも覚えてくれたらというのは無い物ねだりですね。でもそれは伸び代ですからヒヒダルマの向上心と次回作に期待しましょう。
- 優先枠
ボディプレス
ダイマックス時に無力ですが、鉄壁を採用する都合上何かと便利です。岩タイプの弱点をつけるのもあり、変身前の特攻種族値30から繰り出される特殊技よりは機能します。
- 選択枠
だいもんじ・オーバーヒート・マジカルフレイム
炎タイプの特殊技です。ppが気になるところですが、だいもんじが安定です。尚オーバーヒートを持ってしても、変身前ではh252振り特防補正無しのナットレイを確定一発に持ち込めません。超低乱数一発です。
また火炎放射を採用するくらいなら上述のようにマジカルフレイムを採用した方がダメージ調整的に都合が良いので火炎放射はなしです。
サイコキネシス・みらいよち
エスパータイプの特殊技です。スタンダードはサイコキネシスです。
みらいよちは、体力が半分切ってないけど鉄壁を3回積んでしまった。相手はゴーストでボディプレスが効かないし、特攻種族値30からの特殊技はなあ、という時に打てます。2ターン後にはダルマモードになるように立ち回りましょう。あと単純に威力が120と高いです。
みらいよち中にヒヒダルマが退場した場合、特攻種族値30から繰り出される不一致特殊技という冗談みたいなダメージが発生します。
補足です。みらいよちのダメージ計算のタイミングは発動時ではなく効果適用時です。そしてその時、使用者が場に存在する場合はサイコフィールド・いのちのたま・ランク補正など場に存在する時の条件を加味してダメージ計算を行います。一方で、場に使用者が存在しなかった場合、アイテムやフィールド、フォルムチェンジの効果はなく元々のステータスでダメージ計算を行います。
だから場から離れるとショボいダメージになってしまうのです。
くさむすび・ソーラービーム
草タイプの技は炎タイプとの補完が優秀です。前者はダイマックスポケモンには効かず、後者はこちらがダイマックスしていないと不安定なのがネックです。
とんぼがえり
体力があるうちは苦手な対面から逃げることができ、ダルマモード発動後は後攻とんぼの動きが可能です。ダルマモードの発動タイミング的に、体力が減ってから場から離すのはあまり得策ではありませんが。
きあいだま
格闘技という側面ではボディプレスと被りますが特殊技ですし一応記します。普段は命中不安でダイマックス時には威力が下がり追加効果も意味を成しません。せいぜいイシヘンジンイシヘンジンピンポイントメタでしょう。
ほのおのうず
あくび
苦手な相手を流したり、有効打がない相手への最後っ屁にどうぞ。また、ガラルでとんぼがえりとあくびを使える最終進化系は、こいつとヒヒダルマ(ガラル) レパルダス アギルダーしかいません。覚えておくといつか役立つでしょう。
ダメージ計算について
- 被ダメ
鉄壁を打つ前に攻撃された場合の計算です。あんまり対面したくないです。
鉄壁0積み
上から積むという戦略の都合上、あまり対峙させたくないし戦略から外れているので多くは書きません。ミミッキュは何とかなりそうに見えますが、ばけのかわやつるまいの都合でかなり微妙です。シャドクロ連打とかなら突破出来そうですが……
あとはこのヒヒダルマが素で倒されるラインです。
そして鉄壁1積みのダメージ計算を記します。カマスジョーカマスジョーなど自分より速くて弱点を突いてくるポケモンにはまず勝てないので引きましょう。
鉄壁1詰み
意地っ張りぶっぱバンギラスのストーンエッジ 確定二発 70〜83.3%
意地っ張りぶっぱドリュウズのじしん 確定二発 70〜83.3%
意地っ張りぶっぱカビゴンのじしん 確定三発41.1〜48.8%
意地っ張りぶっぱアーマーガアのブレイブバード 乱数三発 28.8〜33.8%
意地っ張りぶっぱ珠ミミッキュのシャドークロー 乱数四発 22.2〜26.6%
ひかえめぶっぱニンフィアのサイコショック 乱数六発 16.1〜19.4%
オボンのみ込みならば、安定して積みながら体力半分へと突入できるのです。あとキョダイサイセイを連打してくるカビゴンは、鉄壁連打で凌いでダイマックスが切れてから変身後ボディプレスでワンショットキルできます。
特殊ポケモンについてもいくらか。無補正無振りなのであんまり耐えられません。
ひかえめぶっぱニンフィアのサイコキネシス 乱数二発 44.4〜52.7%
無補正ぶっぱユキメノコの凍える風 乱数三発 33.3〜39.4%
無補正ぶっぱロズレイドのヘドロ爆弾 確定二発 66.6〜78.8%
無補正無振りドヒドイデのねっとう 確定二発 50〜60%
ニンフィアは、ダルマモードによりエスパーが付与されることもあり有利対面です。ですがマジフレ連打されて特攻がメタメタになる事が予想されるため詰ませ性能が下がります。変身後にシャドボ打たれるのも不安ですし。
またドヒドイデに対し、初手みらいよちすればダルマモードの変身ターンにみらいよちが適用されて大ダメージじゃね? と思う方もいるかと思いますが、ダルマモードの変身の処理はみらいよちの効果適用タイミングの後に行われます。残念です。
特攻種族値125であるロズレイドから繰り出される威力90のヘドロ爆弾は等倍でオボンのみ込みで二ターンもつか中乱数なラインです。参考までに。
- 与ダメ
まずは変身前のボディプレスから。
鉄壁1積みボディプレス
鉄壁2積みボディプレス
鉄壁3積みボディプレス
hぶっぱカビゴン 乱数一発 98.8〜116.8%
変身後のボディプレスです。割とメインウェポン。
鉄壁1積みボディプレス
大体鉄壁は2連打くらいするのであんまり有意なデータではないです。
鉄壁2積みボディプレス
hb特化バンギラス 確定一発 141〜166.1%
hぶっぱカビゴン 確定一発 113.8〜134%
hb特化ドリュウズ 乱数一発 96.7〜114.2%
hぶっぱラプラス 確定一発 109.7〜129.1%
鉄壁3積みボディプレス
hb特化カビゴン 確定一発 101.1〜119.1%
hb特化ラプラス 確定一発 100.4〜118.1%
hb特化きせきタイプ:ヌル 確定二発 71.2〜84.1%
hb特化もふもふバイウールー 確定二発 63.1〜74.8%
ちなみにhぶっぱキョダイラプラス程度ならキョダイセンリツの壁込みでもボディプレス確定二発です。対峙すべき相手ではありませんが、積んだ後なら掃討できます。もふもふ勢や物理受けっぽいポケモンは素直に特殊技で焼き払いましょう。
次は変身後の特殊技についてです。特攻種族値140だけあって、いい数字が出ます。ヒヒダルマのイメージにより物理受けを誘うので相手を驚かせられます。
だいもんじ
慎重hdぶっぱナットレイ 確定一発 143.6~170.1%
hぶっぱアーマーガア 確定一発 100.4〜119%
慎重hdぶっぱアーマーガア 確定二発 77〜91.7%
hぶっぱカットロトム 確定一発 108.2〜128.6%
hぶっぱゴリランダー 確定一発 115.9〜137.1%
h4振りミミッキュ 確定二発 66.4〜78.6%
hぶっぱバルジーナ 乱数二発 43.7〜51.6%
はがねの多い環境ゆえボディプレスと範囲が被りますね。とはいえエスパーとの補完による等倍範囲の広さは長所。また、ヒヒダルマと対峙するバルジーナはおそらく物理受けなのでやけど込みなら優位に立てると思います。イカサマも大したダメージになりませんし。
サイコキネシス
現環境だと弱点を付ける相手があまりいません。ほのおタイプと合わせれば等倍範囲はそこそこになります。また、みらいよちならばダメージは威力の都合上4/3倍です。
相性のよいポケモン
麻痺などすばやさを操るポケモン
前述の通り、変身後でも麻痺込みならば最速ドラパルトまでを追い抜けます。ねばねばネットなら最速93族ケンホロウまで。
麻痺撒きならばシンプルにオーロンゲ、スピードスワップならドータクン、ねばねばネットならデンチュラですね。
後続にオススメのポケモン
見れば分かりますが、このヒヒダルマは物理受けの特殊アタッカーなのです。ならば後続は特殊受けの物理アタッカーがいいです。
タイプ的にウォッシュロトムを呼びやすいのでちょすいガマゲロゲあたりが使いやすいでしょう。私はチョッキとっておきニンフィアを使っています。
終わりに
皆様も原種ダルマモードヒヒダルマを使ってみてください。
体験談ですが、私がこの型の試運転でマスターボール級を潜っていた所、原種ダルマモード使いの同士を見かけて、その方が身代わりみらいよち型を使っていたんですよ。私もみらいよちの裁定を知っていたのでその形はイメージできていたものですが、役割遂行はあちらに分がある感じでした。こちらは物理パーティーを降参に追い込んだ実績がありますけどね。