前置き
HABCDSやランク補正などの用語を使います。
いじっぱりHAという表記はいじっぱりのポケモンの体力と攻撃に努力値252振りという意味です。
トゲキッスについて
かなり高い耐久・耐性と特殊種族値を持っている強すぎるポケモンの一角。
S1ではダイマックス弱点保険アタッカーが流行り、S2以降は電磁波持ちなどの対策のためラム持ちが多く見られるようになりました。
いずれにしてもダイマックスからの全抜き狙いの運用を重視している人は多いのではないでしょうか。ダイジェット強いですからね。
今回の育成論ではダイマックスはすれど単体での全抜きは見ていない型を紹介します。
この型の方針
ダイジェットによりSを上昇させ、できるだけダイマックス中に弱点保険を発動させてAとCを同時に上げます。
積んだステータスをバトンタッチで持ち越していきます。
- からやぶポットデスとの差別化要素について
一つはダイマックスによりフィールドを晴れ、グラスフィールド、ミストフィールドなどを付加することで後続に有利な展開を作って行けます。
またもう一つとして、からやぶポットデスの場合だと物理がかなり紙耐久なので
1.白いハーブを持たせた場合はポットデス自体の耐久力次第で一撃落ち
2.タスキポットデスの場合は耐久が下がったバトンタッチ先が一撃落ち
の可能性があります。壁貼りや、バトンタッチ先での持ち物調整など事前準備がいくつか必要です。
対してトゲキッスの場合は、高耐久による安定した積みと、耐久ダウンがないためにバトンタッチ先に複数の選択肢を持つことができます。
最後に、ポットデスの場合は挑発されたりすると困ります。
トゲキッスに挑発打ってくる人はあんまりいない気がします。大丈夫です。
- 一方で
AやCは弱点を突いて貰わないと上昇しないわけで、その点については注意が必要です。
「運用について(駄文)」の項目で注意事項について説明しようと思いましたが諦めました。代わりに駄文が置いてあります。
特性・努力値・持ち物
- 特性
ダイマックス前提なので強運のみ
急所確率12.5%
- 持ち物
弱点保険のみ
対戦相手からすればこれで落とせるだろうと踏んだ攻撃でも、このトゲキッスなら耐え切ることが多いでふ。そこからの弱点保険切り返し。
バトンタッチのためだけではなく、通常のトゲキッスでは倒せない相手を倒すというメリットも付いてきます。
- 性格・努力値振り
S1上昇時に最速ドリュウズを抜くためS30振り(ドリュウズ154 S1上昇トゲキッス156)
H252、B残り ずぶとい(A↓B↑)
ダイマックス中の3ターンでいかに積み続けるかが勝負の分かれ目になります。
そのため、耐久にほぼ全振りをお勧めします。
トゲキッスの弱点属性は氷・鋼・電気・岩で、ここを確定3発程度に抑えることができればダイジェット二発+弱点保険発動のムーブが行えます。この点で、トゲキッスは特殊耐久が高く確定3発以上の耐久は元から持っているため、防御特化に振っています。(臆病サザンドラダイスチル確定3、ロトムの10万ボルト確定3など)
ここまで振ると、はりきり珠アイアントダイスチルまで確定耐えします。ちなみにそのパターンは弱点保険が発動するのでダイジェットによって確定1というのもありがたいです。ほぼ勝ちムーブ。
技構成
- 確定枠
⭐バトンタッチ
当育成論の方針により確定
受かっていない相手に対してもダイウォールとして使うことでダイマックスの3ターンを使い切り、弱点保険発動からのバトンタッチという流れもあり
⭐エアスラッシュ
S1上昇を後続に引き渡したいので確定
- 選択枠
★マジカルシャイン
ミストフィールドによりあくびや電磁波対策
★はどうだん
ダイナックルのA↑によりバトン後を意識
★くさむすび
水ロトムを意識
バトン先に珠持ちがいた場合などにもあるとたまに役立つグラスフィールド
★だいもんじ
ドリュウズなどの鋼を意識
晴れが後続の炎技サポートにもなるので強いです。
こちらは基本的に入れておきたいが、晴れが後続の邪魔になることもあるので一長一短。
この技を抜く場合は努力値調整を考え直しましょう。(ドリュウズターゲットな調整なので)
苦手なポケモンについてのダメージ計算
使用サイト https://pokemass.com/swsh/dc
ダメージ計算はパーセンテージで表記します。
こちらはダイマックスする前提での計算になります。
相手がダイマックスした場合の与ダメージは半減して計算してください。
- VSドリュウズ(陽気AS、H4振り)
・与ダメージ
ダイジェット 33.2~33.7%
ダイバーン 93.5〜110.7%
ダイナックル 63.4〜75.2%
・被ダメージ
アイアンヘッド 28.1~33.3%
ダイスチル 45.8〜54.6%
ドリュウズが鋼技を打った時点でダイジェットにより上を取り、ダイバーンにより倒します。(世の中、そんな簡単にやりたいことを通してくれるわけではありませんが)
通常のトゲキッスでは絶対に勝てないダイロック+ダイスチルをしてくる砂かきドリュウズも見ることができます。
いじっぱりドリュウズ:ダイロック(いわなだれ) 〜39.5% ダイスチル〜59.3% 砂ダメ毎ターン約3%
いじっぱりで252振り、なおかつ強い乱数を引かれた場合に負ける可能性はありますが、高確率で勝てるようになっています。
- VSラプラス(控え目HC)
・与ダメージ
ダイジェット 37.9〜44.7%
ダイソウゲン 50.6~59.9%
くさむすび 47.2〜55.6%
・被ダメージ
キョダイセンンリツ 39.5〜46.8%
ちょこちょこダメージを与えてダイウォールをしつつ後続に繋ぎます。
ダイソウゲンは相手の弱点保険をギュイーンさせる可能性があります。
キョダイセンリツを打たれた場合は弱点保険が発動しているので等倍計算です。
強運につき、オーロラベールを貫通する可能性があります。(12.5%)
トゲキッスの耐久力を度外視するくらいにCに振ればラプラスを落とせるチャンスはあります。が、技の枠と耐久力とのバランスを考えるとパーティー次第ということになります。
- VSバンギラス(いじっぱりHA)
・与えるダメージ
ダイナックル 52.1〜61.8%(砂)
・被ダメージ
ストーンエッジ 39〜45.8%
ダイロック 50〜59.3%
ダイウォールとかでやり過ごしつつなんとかしましょう。無理です。
- 総括
世の中にたくさんいるムリムリなポケモンに対面した時はとりあえずダイウォールです。弱点保険発動してくれたらうれしいな。
後続おすすめ
- ウオノラゴン
タイプが強いです。耐久もそこそこあって一発は耐えやすいので、バトンタッチはかなり繋がります。
サイコファングとかいう壁破壊も強いです。
仮にトゲキッスの弱点保険が発動しなくとも、S2上昇さえ引き継げば先制攻撃で高火力が期待できます。
一方でミミッキュ、コオリッポやタスキ持ちに弱く、またバトンする時にフリーズドライでやられないように注意しましょう。
- パッチラゴン
ウオノラゴンと近い感覚です。命中不安はあれど、やはり技範囲が広いので助かります。
- オノノクス
繋がれば強いです。ミミッキュコオリッポの対策にもなるので。
ミミッキュのトリル発動が怖いんです。
- シャンデラ
技範囲が強いです。すり抜けだからラプラス対策にもなります。
弱点保険が発動していなくてもダイバーンの晴れで火力は出しやすいです。
トゲキッスとは岩について相性抜群が被っている点が痛く、バンギラスがとても重くなりがちです。
あとミミッキュ。
- リザードン
晴れで凄まじい火力と技範囲が出る代わりにサンパワーでそのままいくうえにトゲキッスの弱点属性である岩電を持っているうえに紙耐久なので厳しいです。やめておきましょう。
- その他
好きなポケモン。
僕はドータクンが好きですがバトンタッチさせたことはありません。
運用について(駄文)
この型について、「相手に抜群技打ってもらわないと話にならないのでは?」と思った方、正解です。
もちろん相手によっては「トゲキッスといえば弱点保険よりはラム持ち意識」だったり、トゲキッスのAS上昇が怖くない相手の構築だったり、抜群打つしかない局面だったり色々あって打ってくれることも多いです。そういう勝ち方大好きです。想定通りの勝ち方ですからね。
まぁ想定外に相手が抜群打ってくれない想定をすると、このトゲキッスは『安定してSを上昇させて後続に繋ぐ』ということが最大のメリットであって、『AC上昇はおまけ』みたいなものなのかもしれません。
それならば、「Sが上昇するだけじゃ後続の火力足りないだろ!相手のダイマックスどうするんだ」
という疑問が湧いてくると思います。
それに対する答えは、自分には以下の3つぐらいしか出せません。
1.相手にダイマックスされても一撃で沈めるような火力と範囲を持つ後続に繋ぐ、ついでに後続に有利なフィールドを作っておく、ダイナックル打っとく。
2.なんとかして相手に先にダイマックスを切ってもらう。
3.やっぱり相手になんとかして抜群技打ってもらう。
1は脳味噌が筋肉な人の考え方です。だが、それがいい。
3についても先ほど説明した通り、ラム持ち意識だったりして相手の実力次第では弱点保険を使わせてくれることもあるでしょうし、逆に構築次第では壁貼り済みだったりとか裏にスカーフヒヒダルマがいるとかタスキ持ちがいるとかでトゲキッスの弱点保険が痛くないこともあるでしょう。
2についてもやはり同じことが言えて、やはりというか相手頼みです。
相手にそうさせたくなるようなパーティー構成にしてみたらどうでしょうか。そんなものあるんでしょうかね。もしかしたら相手の気持ちになって考えてパーティーを組んでみるというのが良いのかもしれません。例えば壁貼られたらダイマックス切りたくないなぁ…とかそういう気持ちになりますよね。おそらくそういうレベルの話です。
そういう相手の気持ちを考える積み重ねでトゲキッスの性能を100%発揮できる可能性というのは上がってくると思います。
ですが、、こんな意味不明なトゲキッスをどの試合どの相手に対しても毎回選出して100%の性能を引き出そう!という思考そのものが無駄な努力なのかもしれません。
そこまで悟ると、相手のパーティーみて、イケそうだと思ったら選出する、ダメだと思ったら選出しないのが一番な気がしてきました。
あ、当たり前か。
あとがき
この育成論は2020年3月時点で書かれたものです。
流行のポケモン次第で型は変わってくると思うので、その時の環境に合わせて調整を考えましょう。
また近いうちにエキステンションパスで解禁されるポケモンで環境は激変するので、とりあえずこの育成論はこの環境で終わっておきます。