まえがき
本論で解説するダイオウドウは今期のランクバトルで使用することはできない。
今後の環境の変化などについて推測が混じる考察になることを予めご了承願いたい。
(キョダイマックスに極端に依存した内容ではないので、通常のダイオウドウの運用を考えている方もこのまま読み進めていただけるとありがたい。)
ダイオウドウの特徴
- 特性ヘヴィメタルによる強力なメインウェポンのヘビーボンバー
ヘビーメタルでもなければヘヴィボンバーでもない。断じてヘビィボンバーでもない。
ダイオウドウの重さは650kg。これに特性ヘヴィメタルが乗るとなんと1300kg。
前作のトップタイ組テッカグヤ、コスモウム(999.9kg)を押さえ堂々のトップに君臨した。
これを踏まえてヘビーボンバーの仕様をまとめると
260kg以下・・・威力120
325kg以下・・・威力100
433kg以下・・・威力80
650kg以上・・・威力60
詳細に列挙すると冗長になるので省略するが、
ヘビーボンバーはほとんどの相手にデメリット無しかつ命中安定で威力120という強力な技になる。
重さについてのまとめはこちら(https://yakkun.com/sm/pokemon_weight.htm)を参考にされたし。
(余談だが、今作の同特性のジュラルドンは特性込みで80kg。見かけ倒しである)(さらなる余談だが、現実の生物で最も重いものはシロナガスクジラであり、平均で110000kgと言われている。ダイオウドウでは足元にも及ばない。)
- 唯一無二のキョダイマックス技キョダイコウジン
キョダイマックスしたダイオウドウの専用技、キョダイコウジンは発動後、とがったはがねを相手のフィールドに設置する。
とがったはがねはステルスロックのタイプ相性が鋼になったものと思って差し支えない。(例えば、後から出たミミッキュのHPが1/4削れる。)
ステルスロックの有用性は初登場の第四世代から現在までの流行っぷりから十分証明されている。
タイプ一致威力130を叩き込みながら鋼版ステルスロックを発動できる、と言えばこのキョダイコウジンがいかに強力な技かが分かるだろう。
現在、とがったはがねを設置できるポケモンはダイオウドウのみである。
- 優秀なサブウェポン
有用な攻撃技を列挙すると以下のようになる。
・じゃれつく(フェアリー)
・じしん、じだんだ(じめん)
・ばかぢから、かわらわり(かくとう)
・ストーンエッジ、ロックブラスト、いわなだれ(いわ)
・げきりん(ドラゴン)
・パワーウィップ(くさ)
・しねんのずつき(エスパー)
・ヒートスタンプ(ほのお)
・しっぺがえし(あく)
と、なかなかのデパートっぷり。
しかも鋼を半減する炎、電気、水、鋼すべてに抜群を取れる・・・と見事なまでに噛み合っている。
- 鬼のように高い捕獲難度
詳細はこちらのページでも解説されているが、キョダイマックス可能なダイオウドウが出現する場所はワイルドエリアにある数多の穴の中のたった一箇所である。
さらに、太い光かつ☆5のときのみその中から5%の確率で出現する。
出現する場所を知っていても、絶望的な非常に低い確率であり、捕獲だけでも大きな労力を要する。
(さらに孵化でキョダイマックスが遺伝しないという難点もあるが、厳選については性格補正を変えるアイテム、個体値を最適化する手段が存在するためそこまで問題ではない。むしろ厳選のおこぼれを他人から貰えないという方が問題)
能力値
A特化を基本とする。
高めのH、低いBDという性質上、HよりBDに振る方が効率が良い。
調整例:
B84→珠反動込で珠ミミッキュのシャドークロー確定二発耐え
D68→サザンドラのあくのはどう確定二発耐え
D164:ダイマックス込でヒートロトムのオーバーヒート確定二発耐え
D212→珠サザンドラのだいもんじ確定耐え
S4→無振りサニーゴ(ガラル)抜き
耐えない相手の例:
ルカリオインファイト→B252ダイオウドウ:(92.3 ~ 109.6%)
ヒートロトムオーバーヒート→D252ダイオウドウ:(97.4 ~ 115.7%)
特性
- ヘヴィメタル
筆者が使用したキョダイマックス可能なダイオウドウがヘヴィメタルのため、こちらを前提として考察を進める。
隠れ特性の場合、とくせいカプセルを使った特性の変更も不可能。
- ちからずく
主な対象技は
アイアンヘッド:80*1.5→104*1.5
じゃれつく:90→117
いわなだれ:75→98
かわらわり:75→98
しねんのずつき:80→104
メインウェポンの火力は最大ヘビーボンバーに劣り、上記サブウェポンを採用しない場合無意味だが、ヘビーボンバーの威力の不安定さとダイマックス相手に無効というデメリットが気になるなら。
いのちのたまの反動を無効にできるというメリットも。
キョダイコウジンの威力はヘビーボンバーとアイアンヘッドで変わらない。
持ち物
- いのちのたま
安定した火力向上。
デメリットもダイマックス中は実質半分になるため相性が良いと言える。
- じゃくてんほけん
倍率はいのちのたまを大きく上回るが相手依存。
発動しても抜き性能は低いので優先度は低め。
- とつげきチョッキ
デメリットを気にせず耐久を大きく上げられるが、ダイマックス中にできるだけ多くの相手を倒すことが望ましいため、火力アップ系より優先度は低め。
- オボンのみ
物理特殊共に安定した耐久向上。
ダイマックス中は回復量が実質半分になるためコンセプトと相性が悪い。
- こだわりハチマキ
耐久を削がずに火力を上げられる・・・のだがダイマックス中は完全無効。
コンセプトに合わないため候補外。
技
- ヘビーボンバー
タイプ一致のメインウェポン。確定。
ダイマックスしているポケモン相手に使用を拒否される効かない点に注意。
ダイオウドウヘビーボンバー(120)→H4ドラパルト:(114 ~ 134.1%)
ダイオウドウキョダイコウジン(130)→HB↑252(輝石)サニーゴ(ガラル):(44.9 ~ 54.4%)
- ヒートスタンプ
こちらもヘヴィメタル対象技で、サブウェポンの中でデメリット無し最高火力になりうる。
ナットレイの採用率がかなり高いので優先度高め。
ダイオウドウヒートスタンプ(120)→HB↑252アーマーガア:(67.3 ~ 80%)
- パワーウィップ
ウォッシュロトムをはじめとした水に対する打点。
ダイオウドウパワーウィップ→H252ウォッシュロトム:(119.1 ~ 140.7%)
ダイオウドウダイソウゲン(140)(グラス込)→HB↑252カバルドン:(102.7 ~ 120.9%)
- じしん
鋼が通らない電気、炎、鋼に対する打点。
ダイオウドウダイアース(130)→H252ジュラルドン:(107.3 ~ 126.5%)
ダイオウドウ-1ダイアース(130)→H4ウインディ:(103.6 ~ 122.2%)
- ストーンエッジ
炎対策ならじしんの方が優秀だが、唯一ヒートロトムに抜群で入る技。
ダイオウドウストーンエッジ→H252ヒートロトム:(99.3 ~ 117.8%)
- ばかぢから
じしんとの選択。
素で使う場合やはりデメリットが痛いか。
ダイオウドウばかぢから→B108カビゴン:(100.8 ~ 119.5%)
ダイオウドウばかぢから→H252ナットレイ:(86.1 ~ 102.2%)
- じゃれつく
サザンドラをはじめとした竜悪格闘に。
ダイマックスしていれば鋼で事足りることが多いが、どうしても意識したい場合に。
素の威力は等倍最高ヘビーボンバー(180)=抜群じゃれつく(180)
ダイオウドウじゃれつく→H4ウオノラゴン:(89.1 ~ 106.6%)
- しねんのずつき
等倍ヘビーボンバー(180)>抜群しねんのずつき(160)になることがほとんど。
格闘対策もじゃれつくの方が優秀。
- げきりん
威力は高いがデメリットが痛すぎる。
ドラゴン対策もじゃれつくの方が優秀。
運用の注意点
このキョダイダイオウドウの弱点はダイマックスを使用することである。
当たり前の話だろ・・・と思うかもしれないが、先発でダイマックスを使用することには非常に大きなリスクが伴う。
ご存じのとおり、ダイマックスは3ターンの間大幅に火力が上昇し、耐久は実質2倍になる。
残り一体という不利な状況が一発で覆ることも珍しくはない。
つまり、ダイマックスした時点で相手のみダイマックス可能という大きなアドバンテージを与えることになる。
また、ダイマックスはZ技と違いどのポケモンも可能であり、専用構成を組まずとも強力であるため、その権利を他の味方から奪うことにもなる。
例えば、先発でサニーゴ(ガラル)と対面してダイマックスしたとしよう。
先手を取れてもキョダイコウジンでは落とせないため、ちからをすいとる連打が間に合い、おにびも入れられてしまう。
サニーゴを落とせず、3ターンでダイマックスは解除。
その結果、ダイオウドウは火傷で機能停止、実質2対3で、とがったはがねはあるものの相手のみ耐久を2倍にさせるダイマックスがいつでも可能。
これは非常に厳しい状況と言わざるをえない。
また、サブウェポンで挙げた仮想敵もヒートロトムやウォッシュロトムなどサブウェポンを入れていれば勝てるが入れていなければ厳しいという相手が多い。
決定打のない相手を後出しされたためダイマックスのターンを残してダイオウドウを引っ込めた場合、残りポケモンの数は同等でも相手のみダイマックス可能ということになる。
これもあまり好ましい状況ではない。
つまり、先発でこのキョダイダイオウドウを使う場合、最低でも1:1交換が必要であり、それ以上の仕事ができることが望ましい。
それができそうにないならそもそもダイオウドウにダイマックス枠を使うべきではない。
初手でとがったはがねという場作りもしつつ相手に大ダメージを与えるキョダイコウジンは確かに魅力的だが、本当に選出すべきなのかよく考えて使おう。
上述のダメージ計算の例から分かるとおり、ダイオウドウの強みは強力なメインウェポンと幅広いサブウェポンによる対面性能の高さ、受けの難しさであり、
弱点は絶望的な抜き性能、一致弱点を耐えられるほどではない耐久である。
ダイマックスをしない運用も視野に入れたパーティ構築が求められるだろう。
相性の良い味方
- サザンドラサザンドラ、ギルガルドギルガルド(シールド)、バルジーナバルジーナ
サニーゴ(ガラル)を出させない布陣。
相性補完も悪くない。
- ミミッキュミミッキュ
言わずと知れた抜きエース。
とがったはがねのおかげでミラーにも強くなれる。
まとめ
何よりオンリーワンの効果を持つキョダイコウジンが魅力的。
ステルスロックと性質は同じだが、岩氷フェアリーに二倍でダメージが入るという点で勝るため、それを踏まえたパーティ構成を考えるのも面白いだろう。
現在、捕獲難度は非常に高いが、筆者は実際に出したので、場所さえ正しければいつかは出ると断言できる。
シーズン1現在、このキョダイダイオウドウをランクバトルで使用することはできないが、フリーバトルで試用することはできるので、来たる「ガラルビギニング」のために狙ってみてはいかがだろうか。