前注
- HABCDSをはじめとする略称やスラングを一部用います。これについて分かりにくすぎる箇所があればご指摘ください。
- 表現上の習慣から、次項目より常体文を用います。
- 論に直接関係のないお問い合わせ(論の展開上不要と言えるダメージ計算や、ポケ徹内のコンテンツの閲覧で解決できる知識に関する質問など)はお答えしない場合があります。
採用理由
- 主に先発で繰り出し、起点を作る。
- 「おきみやげ」「がんせきふうじ」を習得し、特性「ありじごく」により起点回避の交代を封じつつ、相手1匹に能力ダウンを集中的に喰らわせることができる。これにより、自主退場後にAC2段階ダウンS1段階ダウンの相手とこちらのエースを対面させられる。
- ガラル図鑑における「おきみやげ」習得可能ポケモンの中でダグトリオはS種族値が最も高く、これより早くこの技を使えるのは「いたずらごころ」を持つエルフーンエルフーンのみであるが、エルフーンのような「いたずらごころ」持ちは、悪タイプに「おきみやげ」を喰らわせることができない。
- 一方でエルフーンは「ひかりのかべ」「リフレクター」等その他の変化技が豊富であり、ダグトリオに出来ない動きが多様に出来るため、一概にどちらがより優れているということはない。
- 相手に交代されても解除されない反面「すりぬけ」や「かわらわり」に弱い壁張りと比較しても、「おきみやげ+ありじごく」の「交代で解除できるが交代させない」という性質は必ずしも劣化ではないだろう。「おきみやげ」及びこのダグトリオの弱い点は後述する「苦手な相手」の項目を参照してほしい。
持ち物
- 行動回数を確保し確実に能力ダウン技を使うため、もとの耐久の低さを考慮し「きあいのタスキ」で確定とする。
調整意図
- 【参考】ドラパルトについて
下の「苦手な相手」の項目でも述べるが、ドラパルトの特性「クリアボディ」を前にこのダグトリオはほぼ無力であり、上の調整は「すりぬけ」個体と対面させなければ活きることは無い。A252振りの「がんせきふうじ」で無振りリザードンリザードンが乱数1発になるので、ドラパルトを割り切ってしまうのであればAS252振りでも構わない。
ただしそれでも役割自体は大きく変わることがないため、本論では前述したドラパルト意識の調整を想定して話を進めていく。
技構成
- がんせきふうじ/おきみやげ/じわれ/こらえる
- 他に敢えて積みたい技がないため、この4つでほぼ確定として良い。コンセプト上、「がんせきふうじ」と「おきみやげ」は確定であり、耐久ポケモンとの対面を意識して「じわれ」、後述するダイマックス枯らしの手段として「こらえる」を採用。
- 他の候補としては以下の技が挙げられる。
- じしん
シンプルな攻撃技枠として採用の余地あり。そもそも攻撃に参加する機会が少ないため、火力下げの旨味が少ない耐久ポケモンとの対面時を意識して「じわれ」採用が無難だろう。
- すなかけ
「きあいのタスキ」がまだ残っていて「おきみやげ」をするのが勿体無い場面などで、ついで程度に命中率を下げられる。ただし、そこまで生き残る機会もほとんどなく、早々に自己退場して積みの起点にするのが無難な場面がほとんどであるため、優先順位は高くない。そもそも1段階ダウン程度ではあまり信用できたものではない。
- すなあらしorにほんばれ
採用すると天候始動要員として使えるが、ダイマックス技で天候を変えられる現環境において、このダグトリオでそれを担う旨味は少ない。特に「にほんばれ」採用だと、「ひでり」持ちのキュウコンキュウコンで「おきみやげ」と両立させたほうが使いやすいと思われる。よって優先順位は低い。
- ステルスロック
採用するとしたらこれ。使う余裕があれば使っておくことで、後続の全抜きを狙いやすくする。
採用する場合は「こらえる」との選択となる。
運用
- 基本的に先発で繰り出し、起点作成を図る。
- 「がんせきふうじ→おきみやげ」の流れを基本動作とする。
- 「きあいのタスキ」で1ターン目を生き残りつつ相手の素早さを下げる。この時点で、S116族以上でスカーフを持っているか素早さを積んでいるポケモンでなければ、次のターンで上を取ることができる。
- 「おきみやげ」で自主退場しつつ相手の火力を下げる。このターン相手は「ありじごく」により交代できないため、「AC2段階ダウンS1段階ダウン」の相手を作り出した上で、安全に後続を対面させられる。
- 後続で積みの起点にし、全抜きを図る。
- 相手がダイマックスを発動した場合は「こらえる」を使う。初手ダイマックスだった場合、「がんせきふうじ→こらえる→おきみやげ」の流れでダイマックスを3ターンとも凌いだ上で起点として後続に繋げることも出来る。
- 相手が「ダイジェット」により「がんせきふうじ」で下がった素早さを補おうとする可能性がある場合、「こらえる」を挟むかどうかは後続の素早さと相談する。いずれにせよ火力は削った上で繋ぐことは可能。
ダメ計
- 252ドラパルトドラパルトのドラゴンアロー
83.7~99.1%
- 攻撃参加の機会がほぼ無く、耐久も「きあいのタスキ」ありきのものであるため、以下を本論では割愛。
苦手な相手
- 特性「クリアボディ」持ち
現環境では主にドラパルトドラパルトが挙げられる。能力を下げられないため、このダグトリオがほとんど機能しない。「すりぬけ」に弱い壁張り要員と「クリアボディ」に弱いこのダグトリオとで、それぞれドラパルトには同程度に弱い(壁は残る限り相手の後続にも機能するため、その点では壁張りポケモンの劣化といえてしまう)。
調整先にドラパルトを指定したのも「すりぬけ」個体を意識するためだが、実際は相手の特性がどちらかは分からないため、出来る限り避けるべき対面である。
- 特性「かちき」「まけんき」持ち
能力を下げれば下げるほど火力が上昇してしまう。それほど多くのポケモンが持っている特性ではないが、キリキザンキリキザンやミロカロスミロカロスなどを見かけた際には意識が必要である。
- 特性「ミラーアーマー」持ち
能力ダウンを跳ね返されてしまい、役割を果たせない。また、ひこうタイプのアーマーガアアーマーガアについては「ありじごく」も効かない。絶対に避けるべき対面。
- 先制技持ち
ミミッキュミミッキュの「かげうち」のように、先制技によりS操作を無視して突破されてしまう。初速でもほとんどのポケモンに勝っているので、対面してしまった際には初手から「おきみやげ」を選ぶのが無難だろう。複数回攻撃で「きあいのタスキ」を貫通してくるパルシェンパルシェンも同様。
- ひこうタイプ・ゴーストタイプ
「ありじごく」の交代を封じる効果はひこうタイプ・ゴーストタイプには効かない。必ずしも起点に出来ないということはないが、対面から交代され得る(=上に挙げたような起点を作れない相手に引かれ得る)ことは意識する必要がある。
後続について
- 火力と素早さを削った上で対面することを想定するので、「りゅうのまい」「ちょうのまい」や「はらだいこ」のような積み技によって、早々に全抜き体勢を整えられるエースが望ましい。ギャラドスギャラドス、モスノウモスノウ、コオリッポ(アイス)コオリッポなど。
火力を実質半減して繋げるため、相手の積み技を意識しないのであれば一般的な壁構築のそれと近い立ち回りが出来るが、ダグトリオが引っ込んだ後、能力ダウンは交代されたら解除される点には注意する。だからこそ1ターンあれば必要な積みを終えられるポケモンだと尚望ましい。
- 率直に言って今の環境で大活躍するほどのスペックは無いが、「ありじごく」のバインド性能と起点作りは他のポケモンには無い特色であり、本論ではダグトリオに出来ることを追究した回答のひとつであると考える。