はじめに
前半はタスキローブシンの利点について長々と説明しているので読み飛ばしていただいても構いません。目次に(長文)と書いてあるのでスキップ推奨です。
また、タスキローブシン自体は稀有ながら既に存在するものであり、起源を主張する為の育成論ではありません。
ローブシンとは
ローブシン第5世代で登場し、フェアリー未登場の当時は環境トップクラスの対面性能で暴れていたポケモンです。剣盾では特性「こんじょう」を活かして火炎玉を持たせたり、命の珠で火力を上げて相手のサイクルを破壊するのが主な使われ方です。
なぜローブシンのタスキは警戒されないのか(長文)
マイナーポケモンや使用率の低い技・持ち物を搭載した育成論にてよく「何より奇襲ができる」といった文言が使われますが、ローブシンがタスキを持つことの奇襲性は他のポケモンを遥かに凌ぎます。理由としては
1.火炎玉などの型が有名なのでそちらを警戒される
2.ローブシンを完全に受け切れるポケモンが控えに居ない場合、交代する行為が命取りになる
3.耐久値(物理に限る)が高いポケモンであること
などが挙げられます。特に2の要素が強みです。ローブシンは火力と技範囲に優れたポケモンなので、対峙している相手視点だと搭載しているかに関わらず「じしん」「れいとうパンチ」「かみなりパンチ」等の警戒をせねばならず、迂闊な交代を許しません。そのため、ローブシンに対する有効打があるポケモンは素直に弱点技・高火力技を選択する もしくはダイジェット等で強引に突破することが最善手であると相手に思い込ませる心理効果があります。(実際、襷カウンター型で無ければそれが最善手であることが多い)
奇襲性を度外視した、ローブシンとタスキの相性(長文)
前項ではローブシンがきあいのタスキを持った際の読まれにくさについてお伝えしましたが、そもそもローブシンがタスキを持つメリットについて解説します。
1.「カウンター」を覚える
2.鈍足であり、タスキを持つことで行動回数を確保できる
3.素の火力が高い
4.先制技を覚える
5.対面で悪ウーラオス(いちげき)に勝てる
6.削られても「ドレインパンチ」で回復できる
7.特性「こんじょう」が存在する為、鬼火でタスキを処理されるリスクが少ない
1〜5に関しては他にも該当するポケモンは多いですが、6、7に関しては明確にローブシンの強みです。こんじょうを警戒させて鬼火等を撃たせず、攻撃してきた半端な削りをてつのこぶし補正のドレインパンチで一気に回復することが出来るのはこのポケモンだけです。上記したメリットに加え、そもそもタスキが読まれづらいので、十分に採用価値のある型だと思います。
伝説2体環境が追い風になっている点(長文)
これまでローブシンとタスキの相性の良さを説明しましたが、物理耐久が高いのでカウンターが決まりにくく、実はそんなに相性が良くないというのが今までの常識でした。ですが剣盾シリーズ12においては大幅な火力インフレが起きており、ローブシン程度の物理耐久が相対的に高いとは言い切れない状態です。例えば、ローブシンは一般的な火炎玉型の調整であればガブリアスの剣舞地震を耐えるほどの超耐久を誇りますが、ザシアン(王)のじゃれつくではローブシンが約1.5匹倒されます。一般ポケモンに関してもムゲンダイナやホウオウ等の強力な受け要因が増加した影響で環境全体の火力ラインが大きく上がり中途半端なダメージを受けてカウンターが上手く決まらないことが減りました。意外にも伝説2体環境はタスキローブシンには追い風であると言えます。
持ち物
コンセプトである「きあいのタスキ」で確定
採用理由と役割
- 通常の型では倒せず、タスキ持ちで倒せる相手の例
ザシアン(王)、物理イベルタル、バドレックス(こくば)、ランドロス(霊獣)等の飛行アタッカー全般
特性
「ドレインパンチ」「マッハパンチ」の威力を上げる為に「てつのこぶし」推奨。次点で「こんじょう」も技構成によってはアリ
性格・努力値と調整
- 調整案1
いじっぱりH132 A252 S124
素早さを無振り60族抜きまで振った調整。ポリゴン2の上から動きたい場面が多いことを考慮したSラインです。HP実数値は全振りランドロス(霊獣)+1(つまり相手がダイマしても最大ダメージのカウンターで一撃)
- 調整案2
いじっぱりH236 A252 S20
素早さはカバルドン抜きまでに抑え、HP実数値を210まで伸ばした調整。この210というのはシーズン25にて1位を取ったプレイヤーが使用していたチョッキ持ちホウオウのHP実数値+1であり、このくらいHに振ると環境にいるほとんどの物理アタッカーがダイマしてもカウンターで処理できます。私はホウオウにカウンターを耐えられて再生力で回復されるのを防ぐためにこの調整を愛用しています。
- 調整案3
ゆうかん(S個体値0)H252A252D4
ローブシンが超鈍足であるため最遅にすることでトリル展開に強くなるための調整。副産物として、Sを落としたラグラージやハッサムの交代技を受けた後、ドレインパンチでタスキを回復させつつ後続に負担をかけることができます。
技構成
推奨技
- カウンター
タスキを持つ大きな利点なので外せません。
- ドレインパンチ
中途半端に削れたHPを回復させ、タスキ発動を狙います。てつのこぶし補正も掛かります。
- マッハパンチ
他の技で倒し切れないときにあると便利。こちらもてつのこぶし補正が掛かります。
- しっぺがえし
上記3つの技がすべてゴーストタイプに無効化させるため、弱点をつける悪技。バドレックス(こくば)にも強くなります。
その他の技
- インファイト
HP回復しませんが補正有ドレパンより火力が高く、タスキなのでBDダウンが気になりません。ちなみにインファ+てつのこぶしマッハパンチで無振りカイオーガ確定一発です。採用するならドレインパンチと入れ替え。
- ちょうはつ
S振りするなら一考の余地あり。あくびステロ対策の他、相手の変化技を封じることでカウンターが通りやすくなります。
- サブウェポン
「れいとうパンチ」「かみなりパンチ」「じしん」「どくづき」「ストーンエッジ」「いわなだれ」からしっぺがえしと入れ替え。
立ち回り例
初手or死に出しで繰り出して相手のポケモンを対面で処理しつつ裏のポケモンをマッハパンチで削ります。相手に格闘が一貫している場合のみポリゴン2等への受け出しも可能。
与ダメージ計算(タスキ前提なので被ダメは省略)
てつのこぶし対応技は補正有で計算しています。
- ドレインパンチ
HB特化ポリゴン247.9~57.3%高乱数2発(93.8%)
無振りザシアン(王)32.3~38.3%高乱数3発
無振りウーラオス(いちげき)水51.4~60.6%確定2発 悪なら1発
H振りバンギラス162.3~191.3%確定1発
無振りグラードン38.3~46.3%確定3発
無振りカイオーガ55.4~65.7%確定2発
無振りエースバーン72.3~85.8%確定2発
- マッハパンチ
無振りカイオーガ29.7~36.0%
無振りエースバーン38.7~46.5%
- しっぺがえし(補正有)
無振りドラパルト103.1~121.5%確定1発
無振りバドレックス(こくば)180.6~214.9%確定1発
無振りミュウツー80.7~95.0%確定2発
H振りバドレックス(はくば)45.4~54.1%乱数2発(40.6%)
苦手なポケモン
相性の良い味方・構築例
苦手な相手をカバーできる特殊に強いポケモンや、ローブシンの役割対象であるノーマルや悪を苦手とするバドレックス(こくば)などと相性が良いです。構築は対面寄りにした方が運用しやすいと思います。スカーフマンムー等で二重奇襲しても楽しいです。
追記:ウーラオスとの差別化
現環境で襷カウンターといえばウーラオス(いちげき)なので、差別化点を記載します。
1.読まれにくさ
2.HP実数値(ウーラオス(いちげき)ではHPに厚く振ったホウオウをカウンターでワンパンできない)
3.てつのこぶし補正による冷凍パンチ、雷パンチの威力が高い
4.こんじょうにより鬼火を牽制できる
5.素早さが遅いことにより、ハッサムの蜻蛉返りやラグラージのクイックターン後にドレパンで回復してタスキを使える
もちろん基本的には素早さが高い方が強いので5に関しては明確な長所とは言えませんが、1〜4はタスキローブシンの利点だと思います。
さいごに
長くなりましたがご覧頂きありがとうございました。不明な点や表記ミスはコメントにて指摘下さい。