はじめに
こんにちは!育成論投稿通算4回目となります、せいかと申します!今シリーズも終わりに差し掛かり、大好きなホエルオーホエルオーの活躍は無理だなあ、と思っていました。しかしながら、現環境の構造についての気づきと、それに照らし合わせたホエルオーホエルオーの特徴をもとに、考察、運用を経て、そんなホエルオーホエルオーをパーティに入れて瞬間千位入りを果たすことができました。
ーーダイマ禁止禁伝環境が終わりを告げる中、ホエルオーホエルオーが潮を吹く!
注意!
- この育成論ではHP=H、こうげき=A、ぼうぎょ=B、とくこう=C、とくぼう=D、すばやさ=Sなどの略称を使います。
- 個体値は基本的に31(V)とします。
- ダメージ計算、能力値計算は「VS SWSH」をもとにしています。
- 不明点、疑問点等コメントにて指摘していただけると幸いです。
- 必要に応じて随時追記していきます。
シーズン23の現環境について
ホエルオーホエルオーの育成論じゃないんかい!と思われるかもしれませんが、本育成論の主題はここです。型自体は一般的なスカーフしおふきホエルオーホエルオーですが、この型と環境が調和していることを見るため、まずは環境から見ていきます。
使用率ランキング1位はザシアン(王)ザシアン。禁止級伝説にして頂点に上り詰めました。その圧倒的な火力と技幅により「ザシアン(王)ザシアン対策になりうるポケモン」をパーティに入れていないとザシアン(王)ザシアンに勝てない、したがって総合的な勝率を落とさざるを得ない状況になります。
以下、ザシアン(王)ザシアン軸のパーティ目線で、対策ポケモンの特徴を見て、さらにその対策ポケモンを用意することを考えます。もちろん、環境的にこのような対策ポケモンが多いので、他の禁止級伝説ポケモンを軸としたパーティにおいても十分役割を果たすことができます。
ザシアン(王)ザシアン対策の仕方には大きく2種類あります。
- 耐久を盾に受け出しをしてサイクル上有利に立つもの:ランドロス(霊獣)サンダーヌオーなど
- ザシアン(王)ザシアンとのS関係を逆転させることで先にザシアン(王)ザシアンを倒すもの:ランドロス(霊獣)ウルガモスガブリアスなど
それぞれの対策の特徴から導かれる対策の対策ポケモンの条件を述べていきます。
前者の特徴としてHB特化が挙げられます。ザシアン(王)ザシアンの物理接触攻撃を特性込みで受けつつゴツゴツメットにより削りを入れます。このような物理偏重の環境に対して、裏返しの発想ができます。特殊攻撃に対して耐性がないのではないか、と。
後者の特徴を2つ挙げます。
- 1つ目はじめん、ほのおタイプが多いです。ザシアン(王)ザシアンの数少ない弱点をタイプ一致技で突いて倒すのです。ザシアン(王)ザシアンがパーティにいるだけで、じめんまたはほのおタイプが選出されやすいということになります。ここからも逆転の発想ができます。この両者に弱点が突ける、みずタイプが強いのではないか、と。
- 2つ目はS100族未満はこだわりスカーフを持つことが多いということが挙げられます。ダイジェットの没収によりSを上昇させる手段が乏しい中で、積み技によりSを上昇させるのは100族のウルガモスウルガモス以上でないとあまり見受けられません。カイオーガホワイトキュレムグラードンなどの禁止級伝説ポケモンはSを上昇させる良い積み技がありませんが、Sさえ上回ればザシアン(王)ザシアンに勝てる実力を持っています。ここから最後の条件が導かれます。S100族を基準にして、こだわりスカーフか、否か、判定できるポケモンが強いのではないか、と。
以上よりザシアン(王)ザシアン軸のパーティにおいて現環境で合うポケモンの1匹の条件として、特殊アタッカー、みずタイプ、こだわりスカーフ判定が挙げられます。
ホエルオーについて
ホエルオーホエルオーの種族値は
H170-A90-B45-C90-D45-S60
です。ここで着目するべきはS60です。これは準速スカーフ(性格補正なしS252振りこだわりスカーフ持ち)によりS100族を1だけ抜くことができる数値です。ホエルオーホエルオーの場合、特性はプレッシャーを採用して特性の表示順を利用することで、相手がこだわりスカーフを持っているかを判定することができます。前項目の考察における、みずタイプ、こだわりスカーフ判定を満たすホエルオーホエルオーを残りの特殊アタッカーという条件に照らして考えれば、みずタイプ最強の技しおふきを浮かび上がらせることは容易でしょう。
採用理由
前項目ではホエルオーホエルオーから出発し条件に照らして型を見出しました。今度は逆に、条件からホエルオーホエルオーというポケモンを見つけ出しましょう。みずタイプの特殊技で相手に負荷をかけることを考えれば、可能な限り技の威力を大きく、C種族値も大きくしたいと思います。技の威力を優先すればしおふきに着目することになります。しおふきが使えるポケモンのうちでこだわりスカーフ込みでS100族を抜くことができ、そのうちで最もC種族値が高いのは(カイオーガカイオーガを除くと)ホエルオーホエルオーであります。以上より条件に最も適したポケモンとしてホエルオーホエルオーを見つけることができます。
カイオーガカイオーガとの差別化点は、当たり前ですが、カイオーガカイオーガ以外の禁止級伝説ポケモンを採用できる点です。そう思うと、ジェネリックカイオーガカイオーガがパーティにいるとなれば、相手からは禁伝が2匹いる感覚になります。2匹分の対策ポケモンを相手に要求すれば、選出を縛ることができます。
持ち物
準速スカーフでS100族を抜くため、こだわりスカーフで確定です。ほぼしおふきしか打たないのでデメリットはあまりありません。S100族の中ではウルガモスウルガモスを上から攻撃したいという目的があります。
特性
ホエルオーホエルオーの特性は以下の3つです:
- みずのベール:やけど状態にならない。およそ、おにびを打たれたときにのみ表示されて無効化し、技の追加効果のやけどについては特に表示されることもなくやけど状態にならない。
- どんかん:鈍感なのでメロメロ、ちょうはつ、ゆうわくが効かない。いかくも効かない。これらの技、特性が使われた直後に表示され、無効化する。
- プレッシャー:PPを2ずつ削る。場に出た瞬間に表示され、この特性のポケモンがいる限り(無効化されていなければ)永続的に働く。
開幕のスカーフ判定に使えるため、プレッシャーで確定とします。
他2つ、みずのベール、どんかんは物理アタッカーとしての運用と親和性が高いのですが、今回は特殊アタッカー運用なので与えるダメージ量との関わりはあまりないと考えられます。特別に採用する理由がないので、プレッシャーが優先されます。
性格・努力値と調整
準速スカーフでS100族を抜くため補正なしS252振り、しおふきを最高火力で打つためC↑C252振りで確定とします。
余った4については、ダウンロード対策でDに振りました。ホエルオーホエルオーはHが非常に高いのでBDに振るほうが耐久指数は大きくなります。
技構成
- 確定技
しおふき
みずタイプ最強の特殊技。役割ゆえに確定。残りHPの割合に応じて技の威力が減少する。HP満タンで驚異の威力150。
じわれ
じめんタイプの一撃必殺技。上から飛んでくる一撃必殺技は非常に脅威。他の技に比べて相手に与える圧力がより大きいので確定とする。
- 選択技
ふぶき
相性の悪いくさ、ドラゴンタイプに使える。対面は不利になりがちなので、交代読みで打つことになる。このホエルオーホエルオーは大ダメージを与えてサイクルを崩壊させることが目的なので、威力重視でこちらを優先してもよいと思う。れいとうビームと比較して確定数が変化するポケモンとしてはムゲンダイナムゲンダイナがいる。
ホエルオーホエルオー ふぶき→無振りムゲンダイナムゲンダイナ 52.0~62.3%(確定2発)
ホエルオーホエルオー れいとうビーム→無振りムゲンダイナムゲンダイナ 42.7~51.1(乱数2発)
ねごと
ハイパーボイス
ハイドロポンプ
しおふきは残りHPに威力を左右されるため、こっちのほうが威力が出る場合もある。
れいとうビーム
コメント7を参考にして、ふぶきよりも確実な削りを優先するならこちら。下記のダメージ計算の通り、ふぶきを採用したとしても2倍弱点をついたぐらいでは誰も倒せないので、命中安定をとってこちらを採用してもよい。
ねっとう
じばく
……、おわりにほえるおー。残りHPが少ないときに削りつつ退場できる優秀な技。
立ち回り例
ザシアン(王)ザシアン軸は初手ザシアン(王)ザシアンが多い、ということに対し、合わせるように初手ランドロス(霊獣)ランドロスを出されることが多くあると思います。これに合わせてこちらは初手でホエルオーホエルオーを投げるとします。(ランドロス(霊獣)ランドロスがいたら絶対にホエルオーホエルオー初手、というわけではありません。選出と相談してください。)
この場合、
の順で特性が表示されます。こだわりスカーフを持っていれば、とんぼがえりなどで逃げていくことが多いでしょうし、持っていなければ、技構成としてとんぼがえりはないことも多く、素で交代することでしょう。この立ち回りの差が、特性の表示順からわかります。したがって、初手で投げることにより特性の表示順からこだわりスカーフの有無を判定し、立ち回りを決定する運用ができます。
全体的な立ち回りとしてはスカーフカイオーガカイオーガとほぼ同じです。死に出しやサイクルの中で、極力無傷のホエルオーホエルオーを有利な相手に対しぶつけ、交代か1体捧げるかの択を迫ります。
与ダメージ計算
しおふき(威力150)
無振りザシアン(王)ザシアン 59.2~70.0%(確定2発)
H252ランドロス(霊獣)ランドロス 134.6~159.1%(確定1発)
H252サンダーサンダー 60.9~72.0(確定2発)
無振りウーラオス(いちげき)ウーラオス(いちげきのかた) 94.2~111.4%(乱数1発)
H252ゴリランダーゴリランダー 35.2~42.0%(確定3発)
H252カプ・レヒレカプ・レヒレ 24.8~29.3%(乱数4発)
すなあらしH252バンギラスバンギラス 72.4~85.0%(確定2発)
しんかのきせきH252ポリゴン2ポリゴン2 39.5~47.3%(確定3発)
無振りウルガモスウルガモス 132.5~157.5%(確定1発)
H252ヌオーヌオー 77.2~91.0%(確定2発)
無振りガブリアスガブリアス 69.3~81.9%(確定2発)
H252ギルガルド(シールド)ギルガルド(シールドフォルム) 50.2~59.2%(確定2発)
しんかのきせきD252ラッキーラッキー 17.5~20.6%(乱数5発)
ふぶき
H252サンダーサンダー 59.8~71.0%(確定2発)
H252ゴリランダーゴリランダー 69.5~82.1%(確定2発)
無振りムゲンダイナムゲンダイナ 52.0~62.3%(確定2発)
無振りガブリアスガブリアス 135.5~159.5%(確定1発)
H252トリトドントリトドン 29.3~34.8%(乱数3発)
ハイパーボイス
苦手なポケモン
カイオーガカイオーガと同じポケモンがきついです。よびみずトリトドントリトドンや、かみなりがない分、ちょすいみずタイプラプラスシャワーズなども苦手です。
相性の良い味方
ザシアン(王)ザシアン軸であるとき、上記の考察が適用しやすいと思われます。ザシアン(王)ザシアンで対策ポケモンを釣ってしおふきどーんって倒してあげましょう。
コメント3を参考にさせていただきますが、サイクルでの運用ではねばねばネット要員との相性も良いです。レジエレキレジエレキ以外のすべてのポケモンを抜くことができるため、さらに圧力をかけることができます。
※ねばねばネット前提ならば持ち物をこだわりメガネに変更することも考えられますが、本育成論のように単体での運用が可能である点と初手からこだわりスカーフ判定をしながら圧力をかける点を重視するとこだわりスカーフ型に軍配が上がります。ザシアン(王)+ホエルオー+ねばねばネットで選出が圧迫されるのもあまり強くないとは思います。
おわりに
ここまでお付き合いいただき大変ありがとうございました!サンダーサンダー環境の中、長い間苦しみながら活躍できるホエルオーホエルオーの姿を探しました。
ここで紹介した型は、所詮は有名なスカーフしおふきです。環境の中で活躍する方法を提供したい、それが本育成論でした。禁止級伝説と渡り合うほどの火力も耐久も持ち合わせてはいません。でも「活躍する」ってそれだけなのでしょうか。
素早さ関係を見誤ったランドロス(霊獣)ランドロスをしおふきで倒したり、試合終了1分前に受けループにじわれを入れて勝ったり、ホエルオーホエルオーならではですよね。
ホエルオーホエルオーがしおふきをするときに一緒になって「どおおおおおん!!!!!」って言いながらダメージ量を見るのが本当に楽しいです。
ポケモンカードも始めたんですけど、ホエルオーVMAX(HP400)とか早く出てほしいですね。
不備、不足、質問等ありましたら、コメントにてよろしくお願いします。
ここまでの閲覧ありがとうございました〜。