はじめに
- 初投稿ですので至らぬ点もあると思いますが、少しでもお役に立てれば幸いです。
- 誤字脱字、アドバイス等ありましたらご指摘お願いします。
- 本育成論ではHABCDSの略称を使用します。
- 催眠術アレルギーの方々すみません。
ゲンガーについて
H60 A65 B60 C130 D75 S110 といったわかりやすい紙耐久の高速アタッカー。
7世代ではメガシンカメガゲンガー時の特性影踏みを活かして、シングルでは主にサポート、ダブルではアタッカーとしても用いられていたが、8世代ではメガシンカの廃止、ドラパルトの存在などにより数を減らしている。
今回はゲンガーの高い素早さと相手からの思い込みを利用した特殊な型を紹介する。
採用理由と役割
竜王戦ルールが終わり、現在はサンダー、エースバーン、ランドロス(霊獣)、カプ・レヒレなどの高速、中速のポケモンたちがアタッカーとしてもサポートとしても環境の高い割合を占めており、<b><u>トリックルーム</u></b>を組み込んだ構築が強いと考え、相手側がトリルを予想できないようなトリル始動員を探していたところ、高い素早さと器用な補助技を持ったゲンガーに辿り着いた。
また、ただトリルを貼ってから自主退場技で3匹のうちの1匹を失うのはもったいないと思い、トリルアタッカーをより安全に暴れさせるために鬼火や催眠術といった補助技、それらと相性が良い祟り目を採用した。
持ち物
トリルを貼るというコンセプト上、行動保障の取れる襷で確定。催眠術を外しても、もう一度打てます。
特性
特性は呪われボディのみ。
ミミッキュの影打ちやゴリランダーのグラススライダーに発動すると美味しい。
性格・努力値と調整
襷を持つので、耐久は捨て、できるだけ多くの相手に対して上から鬼火や催眠術を入れたいので性格は臆病を採用。後述するが、C種族値130からの祟り目の威力がばかにならないので努力値はC252 S252振りを推奨。
H0 B252まで振ることで天敵であるスカーフ陽気水ウーラオス(れんげき)や意地っ張りドラパルトの連続技を確定で耐えるが、Cに振るメリットの方が大きいと考えるため今回は不採用。
- 追記
Hに4振ると実数値が136となり、これは4nにあたる。
初手で出す関係上相手の起点作りミミッキュなどから呪いを受けることがあるため、Hに4振ることは避ける。
被ダメ計算のところで載せておくが、現環境に多く存在するC無振りサンダーからのボルトチェンジを2回耐える確率が上がることから残りはDに4振る。
技構成
確定枠
- トリックルーム
今回のコンセプトなので確定。
選択枠
- 催眠術
とりあえずのぶっぱが強い。
高い素早さを活かして上から眠らせれば次ターンにより安全にトリルを貼ったり交代したりできる。
命中率60%を外しても許せる方にのみ推奨。正直強すぎて命中60%でも許容。
- 鬼火
確実に目の前の物理アタッカーの火力を落としたいときに使用。
襷を貫通してくる水ウーラオス(れんげき)などに対しての最低限の抵抗。
相手の物理のダイマに対して死に際に打てる。
- 祟り目
上記の状態異常技と組み合わせることで威力130を安定して出せる。
催眠術か鬼火のどちらかでも採用するなら入れたい。
- 挑発
基本的に初手に出す関係上、カバルドンやラグラージなどの起点づくり要員と対面しやすいので採用価値は高い。催眠術を当てられる自信があれば催眠術で良い。
- 道連れ
襷と相性が良い。
トリル下では後攻に回ることが多く、今作ではダイマックスに効かないため不採用。
- シャドーボール
催眠術や鬼火を採用しない場合のメインウェポン。
安定の火力。
- 凍える風
トリルアタッカー以外の中速エースにつなぐときや相手のダイジェットなどに対するサポートとしてSダウンが優秀。催眠術でいい気がする。(n回目)
- 呪い
まともな自主退場技。
紙耐久のおかげで自害しなくてもすぐに死ぬので、必要性はあまり感じない。
生き延びたらやれることもいっぱいあるし。
- 追記
- クリアスモッグ (ペン銀太郎さんから)
カプ・レヒレを後投げされてからゲンガーを交代させていると相手側に1ターン分の瞑想の隙を与えてしまう。
ミストFをやり過ごしてカプ・レヒレを寝かせても瞑想を積まれていては自力で突破できないため、相手のD上昇をリセットするのに用いる。
裏から襷を盾に相手の剣舞ミミッキュやUB(テッカグヤ、カミツルギはタイプ相性無効)などの能力上昇をリセットすることも可能。
また、HPが削れているノーマルタイプに対してとどめを刺すことも可能になる。
立ち回り例
基本的には初手においてトリル展開を目標として補助技で嫌がらせもしていく。
相手の初手ダイマエースバーンやランドロス(霊獣)、サンダーはかなりの高確率でダイジェットを打つため、トリルから入ることで次ターンに催眠術を打てる。
ここでの催眠術は当てればダイマをいなせ、外してもトリルエースが安全に着地できるので打ち得。最強。
初手ダイマをしてくるのが飛タイプばかりなのもあり、個人的にs18~s19時点ではトリルエースはブリザポスが強いと思う。
相手側も初手にゲンガーがくるのは選出画面時から見えているので、連続技を持ったドラパルトやスカーフ水ウーラオス(れんげき)を初手に呼びやすい。
グラスラで倒しに来るゴリランダー以外に対してはカプ・レヒレ引きが安定する。
ミストFのドラゴン半減の恩恵でドラゴンアローを耐えるようになるので相性が良い。
また、相手側は初手ゲンガーを見ると過去のメガゲンガーの影響もあり催眠術を嫌ってほとんどの人がカプ・レヒレに引くため、カプ・レヒレを起点にできるポケモンを構築に入れておくとかなり活躍する。
与ダメージ計算
努力値配分の項目で少し触れたが、状態異常の相手への祟り目のダメージはとてつもない。
一般的なダイマ技と同じ威力130が素の状態で出せるのだから弱い訳がない。
ペラペラなアタッカーなら一撃、受けポケモン相手でも等倍なら2発で倒せることが多いので、催眠術を当てて相手が最速起きしなければサポートゲンガーでも自力で突破できてしまうことがCS振りのロマン。
ウェポンがシャドーボールの場合、相手を突破することではなく襷削りやミミッキュの皮剥ぎを目的とするため、今回は省く。
威力の目安としては状態異常への祟り目のダメージの3/4程度。
祟り目(威力130)
- H4エースバーン 90.3~106.4%
- H振りカプ・レヒレ 50.8~59.8%
- H振りテッカグヤ 54.4~64.7%
- H振りランドロス(霊獣) 68.8~81.1%
- H振りサンダー 61.4~73.0%
- H振りミミッキュ 133.3~156.7%
- H4ガブリアス 69.0~82.0%
- H振りカバルドン 67.4~80.0%
- HD極振りカバルドン 46.0~54.4%
- H振りラグラージ 58.4~69.5%
- H4水ウーラオス(れんげき) 95.4~112.5%
- H振りゴリランダー 48.3~57.0%
- H振りドヒドイデ 53.5~63.0%
- H振りナットレイ 54.6~64.6%
- H振りヌオー 77.7~92.0%
被ダメージ計算
基本的に2回耐えることを想定していないので少なめで。
(Hに4振った場合は 44.8~53.6%で、Dに余った努力値を割いた方が2耐えする確率が高い)
( C無振りドヒドイデ 熱湯 25.1~31.1% )
要は基本的には攻撃2回耐えない。
苦手なポケモン
- 連続技使用のポケモン
襷貫通される。
- 先制技使用のポケモン
1ターンだけなら行動できる。
- カプ・レヒレのミストF
催眠術が腐るためトリル貼るくらいしかできずに瞑想積まれる。
相性の良い味方・構築例
- トリルエース
いくらトリルが貼れてもエースがいないと始まらない。
個人的には珠持ちブリザポスが今(s19)の環境にはマッチしてると思う。
- カプ・レヒレカプ・レヒレ
ゲンガーが役割を遂行しきれない相手と対面したときの引き先として優秀。
使うならクッション適性の高い残飯HB瞑想型を推奨。
- ナットレイナットレイ
ゲンガーが特にきつく、環境に多いスカーフ水ウーラオス(れんげき)にあと投げするだけで相手が削れる。
ゴツメを持たせると相手が勝手に死んでく。
他のトリル始動員との比較
1番の差別点は相手にトリルがばれるかどうか。
一般的に初手ゲンガーは対面的に打ち合う型か切断を呼ぶ催眠型かの2択だから相手視点でトリル展開を思考から除外させやすいのが良い。
5ターンしかないトリル中にいかに攻め切れるかがトリル構築の一つの柱なので、相手の想定外のところから切り込めるのは強い。
また、本来トリル始動員は自身も鈍足であることが多いが、臆病最速で使うことでトリルを展開しない選出にもゲンガーを置きやすいため、選出の幅が狭まりにくい。
逆に弱点としては、Sが高いことによってトリルの次のターンで一方的に攻撃せれてしまうことが挙げられる。
強いて言うならば、催眠術あててからトリルすれば比較的安全にエースを着地させられるが、催眠術は当たらなくてもデメリットが少ない時と当てないと勝てないような時以外は打たないことを一応推奨しておく。
さいごに
育成論全体を通して初手でトリルを貼る動きを中心に進めてきたが、初手で出さなくても襷のおかげで行動保障はとれているので、切り替えしやストッパーとしての運用も可能である。
がちがちのトリル構築でなくても組み込めたり、意外と単体の突破性能も高かったりと、選出の幅を狭めないことが強みの一つであるため、気軽に触ってみてほしい。催眠祟り目強いです。ほんとに。
催眠術すごい推したけどこのゲンガーのメインはトリル貼りです。
ここまで読んでくださりありがとうございました。
感想やご指摘等ありましたら、コメントでご指摘ください。